幻想郷物語   作:Koki6425

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楽しんでいってくださいね。


紅魔館へ

「んん・・・」

朝の日の光が顔にあたり俺は目を覚ます。正直まだ寝ていたい。しかしそうも言ってられない。今日は紅魔館に行く予定なのだから。レミリア達には告げていないらしいが、まぁ、早く起きて損はないだろう。春先の寒さに耐えながら俺は布団から出ようとした。その時に感じた強烈な重力。とてつもなく重いというわけではないが起きたばっかりなので力が入らず、重く感じる。そう、今この場所、時間、状況全てを考えると可能性は1つ。それを確かめるべく、俺は後ろを見た。すると案の定、俺の背中に、霊夢がいた。寝ているにしてはあまりにも抱きつく力が大きすぎる。とにかく起き上がろうとするが起こしたくはない。こういう時に限ってこいつは起きる。

「んん?こーき?」

目を手で擦りながら少しずつ目を開ける霊夢を見た。寝起きだからか少しだけ体が熱い。しかしこの後、体がもっと熱くなる事態が起こった。この時俺は霊夢に抱きつかれていた。抱き枕扱いにされたのは

少しカチンときたが寝ていたのだから仕方ない。このタイミングで目を覚ました霊夢。俺は1つの答えにたどり着いてしまった

「あー、俺、オワタ」

「イヤァァァァァァァァァ!」

その後数分の記憶は俺にはない。

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気がつくと俺は体が横になっていた。しかも二の腕のあたりにあるふかふかした感覚。布団だろうか。魔理沙か霊夢がかけてくれたのだろうか。しかもちょうど寝てる両隣で話し声が聞こえる。何を話しているか気になるので寝たふりをしておくことにした。するとちょうどよく会話が再開した。

「お前・・・いくら何でもやりすぎだろ・・・」

「仕方ないでしょ!確かにいきなり叩いちゃったのは悪いけど・・」

(そうか・・俺は叩かれて気絶したんだな・・・)

それを聞いた瞬間「早く逃げればよかった」と思ってしまった。

「しかもあの格好を見られるなんて恥ずかしいったらありゃしない」

確かにあの時の霊夢の服装は危なかった。昔ならではの寝巻きといった感じだし、昔ならではの寝巻きといえば和服でよくあるあれが起こる。特に寝てる時にしか起きないが・・。寝ている時に服がはだけて、あと少しで女性の胸にある突起物が見えてしまいそうだったのだ。そのため起きた時に自分の服装を見て霊夢は甲高い悲鳴をあげたのだ。このことはもう忘れようと思う。しかし、会話はこのままで終わらなかった。徐々にエスカレートしていったのだ。

「まぁ、起きた時にそういう服装なら先に航生に見られただろうな」

「起きたら殺す・・・」

「まぁまぁ、元はと言えばお前が寝返り打ちまくった結果なんだから仕方ないじゃないか」

(そうだぞ霊夢)

「しかもその服装で抱きついてたとか寝ていたとはいえ変態だぞ」

その後は眠気が勝ち、全く何を話していたのかわからない。

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ご飯も食べ終わって、俺たちは博麗神社を出て紅魔館へ向かった。割と近くて30分もかからなかった。敵にも会わなかったし、本当に危険なのかと思ってしまうほど安全に紅魔館に着いた。いつもなら門の前に門番の美鈴があるはずなのだが、今はいない。まだ起きていないのだろう。仕方なく紅魔館は直接入っていった。入るとすぐにメイド姿の女性が出てきた。

「あなた・・・何者?」

そういう彼女は十六夜咲夜。この紅魔館に仕えるメイドである。霊夢がいてくれたおかげで俺は攻撃されずに済んだ。すぐに紅魔館の主、レミリアのもとに連れていってもらった。

「自己紹介が遅れたわね。私は十六夜咲夜。メイドよ。本当なら私は時を止められるけど今は無理ね。よろしく」

「俺は航生。霊夢に幻想郷に連れてこられて異変解決の手伝いをしてるんだ。よろしくな」

そうこうしている内に俺たちはレミリアの部屋にたどり着いた。

「お嬢様、咲夜です。」

「いいわ、入りなさい。」

「失礼します。」

俺は咲夜たちと一緒にレミリアの部屋に入った。

「なんか久しぶりに会った気がするわね、霊夢。」

「そうでもない気がするけど・・・」

などという会話の後に俺の方を見た。

「あなたがこの前霊夢が言ってた人間ね。私は紅魔館の主、レミリア・スカーレット。異変解決の手伝いをしてくれたこと、感謝するわ。」

名前は能力制限がかかる前に能力で見たらしい。

「まあ、よろしく」

「レミリア、今日ここにきたのはある程度の場所を教えとこうと思ってね。」

「フランはいないのか?」

唐突に首を突っ込んでくる魔理沙。その話をした瞬間二人の顔が一気に青ざめた。その様子からして何かあったのは明確だ。

「フランは今大怪我して寝てるわ」

そう言ってドアから紫髮のパジャマが出てきた。

「パチュリー!フランに何があった⁉︎」

思わず魔理沙と揃って声をあげる。パチュリーは一度俺を見たが、

すぐに向き直り話を続ける。

「フランは能力制限がかかる直前で能力を発動したせいで制限がかからなかったの。だけどそれを敵が感知したみたいで、この紅魔館に攻めてきた。美鈴と咲夜とフランが応戦したんだけど、数まではどうしようもできなくて、やられてしまった。咲夜の手と足の包帯はそういう理由。美鈴は今昨日まで不眠不休で門番をしてくれていたから休んでる。・・・というより、今は幻想郷の住人全員紅魔館と白玉楼で集中管理してる。」

「ん?ちょっと待ってよ!人里は!?」

そうパチュリーのいう幻想郷の住人というのは能力持ちのこと。

なんの能力ももたない人里の人間はどうしたと思っても不思議ではない。俺も今それを言おうとしたのだから。

「人里の人間はにとりがいるから『山』に任せてるわ」

『山』というのは幻想郷にある妖怪の山のことである。今回の異変は幻想郷の運命に関わる重要な案件だから、妖怪の山も協力するそうだ。

「それでフランの容体は?」

魔理沙がどんどん聞いていく。パチュリー曰く「傷は深いけど、吸血鬼の再生力がすごいおかげで傷はない」そうだ。

「よかった。」

しかし、俺は思ってしまった。

「地底の方が安全なんじゃ・・・」と。パチュリーはそれを聞いていたようだ。

「確かに地底にはそう言ったわ。でも、「人里の人たちが行く気にならないだろうから本当に満帆になったときまでとっておく」だって」

(なるほど理解)地底とは忌み嫌われたものたちの集う場所。旧地獄である。鬼や覚妖怪など沢山いる。そこは本来人間はいかないのだ。

そんなことはさておき、本を見てみようと図書館にいった。そこではおそらく数万冊という数の本があった。よくこんな沢山集めたな、と思ってしまう。図書館で魔道書の本を見てみようと思ったとき、殺気を感じた。なんの殺気かわからないが少し外に出て見てみることにた。

「みんな、俺ちょっと外見てくる。中庭も見て見たい。」

「わかったわ、気をつけてね航生」

「ああ、もちろんだ」

そういいながら手を振り図書館を出た。




今回はいつもより文字が多くなりました。
話としてはまぁ面白いんじゃないかと思います。
ちなみにこの小説は次の話からYouTubeの
『幻想郷物語』と連動させて行く予定です。
多少ずれている部分はありますが、
「何言ってんだ?」と矛盾することはないようにします。
次回もよろしくお願いします。

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