幻想郷物語   作:Koki6425

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時間はかかりましたが自分的にはいいものが書けたと思います


第二次防衛戦

先程の殺気を感じ取った俺は、急いで紅魔館門前にいった。

(やばい・・・どう戦えばいいのかわからん・・・)

勝てる確証もなく、死ぬ覚悟で俺は来たのだが正直

「ムリ(^o^)」

そう確信できた。なぜなら・・・ゾロゾロと沢山よくわからんやつらが来たからだ。数はザッと見て100人程度だろうか。

戦闘初心者VS下っ端?×100

勝てるわけがない。なんとなく剣を構えたが、全く勝てる自信がない。それでも俺は戦うしかない。この地下には霊夢達がいる。立ち入らせるわけにはいかない。俺は死の恐怖に震えながらも、剣を握って

「さあ!死にたい奴からかかってこい!」と叫び、覚悟を決めた。

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「遅いわね・・・」

遅い。そう口に最初に出したのはレミリアだった。

「中庭見てくる。」と言ったきり戻ってこない。花に見とれる気持ちも分からなくはないが、幾ら何でも遅すぎる。何があったのではないか、と気になってしまって仕方がない。行って戦っていた場合、戦えない私たちがいたら100%足手まといになってしまう。フランが復活していればいいが、今はそんな余裕は吸血鬼といえどないだろう。しかし、図書館にいた奴ら全員の不安は的中した。

「今のなんの音!?」

みんな揃って鼓膜が破れるかもしれないくらい大きな音に振り向く。外の方から聞こえてくるような音だった。爆発音、と言った方が近いのかもしれないが・・・。そんなこんな話していると突然声が聞こえて来た。

『みんな無事か!?』

そう叫んで来たのは航生だった。何やら疲れたように息を荒だてている。やはり外で何かあったのだ。

『今俺は能力で使える魔法の1つで脳内に直接話しかけている。余裕がなくてそっちの話し声まで聞こえるようにできなかった。聞こえていることを祈る。』

「い、一体何があったんだぜ!?」

『今外で100人くらいの敵だと思われるやつと戦っている。今やっと20人倒し終わったところだ。あと80人残ってる。そこでお願いがあるんだ。』

『80人も残っている』という航生の台詞にいる奴全員が絶句した。

確かに航生に能力が使えることは言ったが、幾ら何でも初めて戦うのに残り80人は初心者には不可能だ。ましてや上級者でさえも悲鳴をあげるほどなのだ。そして、その後に航生が言った言葉は衝撃を受けるものだった。

『今ここにいる奴ら全員連れて山側の出口から出て欲しい。出たところにスキマを用意してある。それを通れば俺が知っている外の世界の隠れ家に繋がっているんだ。生きていればそこへ迎えに行く。それまでそこに隠れてるんだ。死んでいた場合は、死ぬ寸前にそちらにある箱を渡す。その箱に色々入ってるからそこで暮らしてくれ。そこから山の中にトンネルを掘ってある。もしも戻りたいのなら霊夢の力を借りるといい。外の世界で能力の制限は無いからな。』

これは遺言という奴だろうか。私が呼んでからまだ二日もたってないのに遺言を言っているのだ。これは私達に生きて欲しいという願いだろう。その言葉を聞いた時私たちは言葉を失った。特に私は異変を解決しなければいけないのに、それを航生に任せているようなものなのだ。しかも、一度だけだがご飯も作ってくれたし、お賽銭に一年は生活にも困らないほどのお金も入れてくれた。とても感謝しきれない。

『ありがとうみんな 生きてくれ』

その言葉を最後にして通信は途絶えた。

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気づけば俺は肩を上下に動かし息を吐いていた。自分でも信じられないほどの敵を倒した(殺したのも含める)。あまりにも多すぎたが、今は後20人ほどまで減らすことができた。しかし、こちらは人間であちらはモンスターのようなもの。人間と怪物では体力にも力にも圧倒的な差がある。初陣である俺ならなおさらだ。

「霊夢達は脱出しただろうか。」

不意に漏らす心配。しかし、今はそんなことをしている暇はない。疲れて来ているにもかかわらず剣を振り続ける俺の体は悲鳴をあげていた。運動不足だけが理由ではない。初めて戦うやつがノーダメージで戦えるわけがない。何度か攻撃をくらい、両腕に複数のあざ。足にはかすり傷。頰にはレイピアの先端で削られた傷が残っている。こう考えながらも戦ったおかげであと3人まで減らせた。しかし、能ある鷹は爪を隠す。その3人は100人いた奴らのチームのリーダーのような存在でいくら攻撃しても防がれた。3人まとまってしまっているおかげでなかなか倒せなかった。それだけで30分は時間をかけてしまった。このままではこっちの体力が先に尽きて、倒れて殺されるのがオチだ。しかし、俺も何も考えずに戦っているわけではない。俺を迎え入れてくれた幻想郷をそう簡単に潰させてなるものか。相手の剣をエリュシデータでは弾き続け隙をうかがう。3対1という完全アンフェアな状況ながらも、俺は一人倒すことに成功。さらには、驚いて好きを見せたもう1人も撃破。残すはあと1人になった。長く戦う必要もなかったのだが、やはり手強かった。流石にひとつの軍隊をまとめる力があるやつと、初めて戦うやつとは力量に大きな力の差があってとてもかなわない。(などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ)怒りの力は人間の力を増大させる。いつもならガチギレすることはないのだが、今回に関してはガチギレしてしまった。最後の一人には苦戦した。攻撃防がれるし、それなのに相手の猛攻でダメージ受けるしで全くと言っていいほど相手にならなかった。だが、最後に俺の首を狙ってきた攻撃をスレスレでよけ(少しかすれたけど)、バランスを崩した隙に相手の首にエリュシデータを喰らわせる。流石に予想していなかったようで、相手も避けきれずにモロにくらった。地面に崩れ落ちたやつに向かって完全に破壊するあの言葉を発した。

「ギュッとしてドカーン!」

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「本当に大丈夫かしらね・・・」

私は思わず声に出してしまった。普通ならこんなこと言わないのに、今回に限っては心配になって仕方がない。さっきは大丈夫だと言ったが、心配には変わりない。その時・・・

「ドッカァァァァァァァァァァン」

爆発音でさらに振り向く。図書館にいた全員が思わず走って外に出た。外に出た私達はそこで信じられない光景を目にした。

「ああ、やっぱり出てなかったのな」

平然と話しかけてくる航生にみんな唖然としてしまう。爆発したことでできたクレーター、折れた剣。そして血痕。これらは先程まで戦闘していたことを証明できる証である。

「大丈夫なの?」

そう聞こうと思って近付いた時、航生はその場に倒れ込んだ。

「航生!」

我慢できずに走って駆けつける。倒れた航生には苦痛の表情はなかったが、疲労の表情がうかがえた。慣れない全開戦闘で疲れたのだろうか。それともなにか夢を見ているのだろうか。航生には安堵の表情をうかがうことが出来た。

(少女介護中・・・)

私が航生を担当して数時間たった。何度も戦っているフラン、美鈴、そして咲夜でさえ叶わなかった大軍勢を1人で退けている時点でこうなることは想像していた。永琳の部屋に連れていき、傷をある程度治してから寝かせたのだが、先程の安心からはうって変わり苦痛の表情が見えた。痛みというよりは呼吸困難という感じだ・・・。

(ん?呼吸困難・・・?)

「は、早く永琳読んでこないと・・・」

急いで永琳を呼びに行こうとしたら、タイミングよく永琳が来てくれた。慌てている様子の私を見て「どうしたの?」と聞いてくるが、こればかりは落ち着いていられない。

「なんか・・航生の様子が」

苦しそうに息をしているが、医療の知識は全くないのでどうしたらいいかわからない。そういう時はその手の専門家に頼むのが一番いい。

(あんた・・あったばっかりなのに嫌よ。そんな簡単にいなくならないでよ。)

私の不安は顔に出でいたようで、永琳は私の方を見て「大丈夫よ」と言ってくれた。永琳が患者(このバカ)を落ち着かせる薬を作るようなので、しばらく席を外すと言ってきた。

「私・・・何やってんだろ・・・」

いつもの私じゃない。いつもなら永琳に催促なんてしないのに今回に限ってそんなことをした。どうしてこの人のことを大切にしているのか自分でも理解できていなかった。ベッドに横たわる航生を見て落ち着いていることは到底できなかった。

私は、その時無意識に手を合わせてしまっていた。

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『君はそれでいいのか?』

ふと知らない声によって俺は意識を取り戻した。しかし、今俺が目覚めたのは全く知らない真っ白な空間だった。周りには何もない。ただひたすらにその声だけが聞こえてきた。誰のものともわからない。しかし、それにはどこか心が安らぐ要素が感じられた。

「あんたは誰なんだ?。」

俺はその虚空に向かって声を飛ばした。するとすぐに返答が返ってきた。

「うーん、そうだね・・・・」

そいつはもろに迷いを口に出して来た。どんだけ緩いんだと逆に感心してしまう。そいつはすぐに話を再開させた。

「僕は君の精神だよ。君の心、体どちらもよくわかっているよ。」

(俺の精神?なんじゃそりゃ?)

「ま、まぁ分かった。それでなんで俺はこんなとこにいるんだ?」

「君はさっき戦っていたね。その戦闘の過度な疲労のせいで君は倒れこんでしまったんだ。この世界を見ることができるのは、死ぬ直前だけなんだ。」

「つまり?」

「今君は生と死の境目にいるってことだよ。」

(え?俺今死にかけてるの?)

「そうだよ。君は今ベッドで介護されてるよ。」

死ぬ前の感覚を感じてみたいということを考えたことはあったが、まさか本当に体験する日が来るとは思ってもみなかった。

「もし君が戻りたいと思うなら今すぐに戻ることができる。」

「いや、あんたが俺の精神なら言わなくてもわかるだろ?」

すると確かにと言わんばかりの感覚が俺を襲った。俺はその感覚が俺自身のものであることにすぐに気づいた。そして『俺』は俺に向かっていった。

「そうだね。それじゃあ頑張ってみな。ぜったいどこかに道があるはずだから」

その言葉を最後に俺の意識は暗転した。

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永琳が薬を作っている間に航生の容態は安定したので、私を含む住人全員はひとまず安心といったところか・・・。なぜ航生の容態が安定したのかは不明だがそんなことはどうでもいい。無事だったのだからそこは喜ぶべきだ。どちらにしろ薬は必要なので永琳は薬づくりを再開するため作業場所に戻った。私と航生の二人になったところで私は大きくため息をついた。私はどうしても気になることが一つあった。なぜ航生は私たちを助けたのかということだ。本来ならあの時一緒に外の世界に避難しておけばこんなことにはならなかったはずなのに・・・。

「バカ・・・なんでなのよ・・・なんでこんなことしたのよ・・・。」

私は妖怪が傷つくところは何回も見てきたが人間が傷つくところはあまり、というかほとんど見たことがなかったのでこういうことへの耐性はあまりついていない。普段はあまり自分では見たことのない涙でさえこみ上げてきた。

「バカとは心外だな・・?」

「え?」

いきなりの声に思わず勢いよく顔を上げた。聞いたことのある声でこの低く成長過程を思わせる声は・・・

「いくら何でもひどすぎやしませんかね?霊夢さんやい」

そう、航生である。何事もなかったかのように話しかけてくる彼に怒りの念を抑えることができなかった。

「うるさいわよ!逆に心配して悪かったって言うの!?」

「滅相もございません」

怒ってはいるものの心の片隅では安心を覚えていた。ひと時危険域に入っていた彼が何事もなかったかのように話しかけてきてくれたのだから。健康で元気に過ごせること以外に私が何も望まない。

「心配したんだから・・。永琳が今薬を作ってきてくれるわ。外の世界で永琳がどんな扱いか知らないけどここの永琳は凄腕の医者よ。何も心配することはないわ」

外の世界の場合、永琳はやぶ医者とも呼ばれたりしているが、ここでは違うらしい。少し安心した。さっきまで顔を真っ赤に染めて怒っていた霊夢も今ではすっかり元の顔色に戻っていた。

「おつかれさま、航生・・・」

「ああ、ただいま」

 




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