普通があって不思議が混ざり合う不可思議な古都に隠れた偽古都。
偽古都の珍しくも変わった話をご堪能あれ!

読みは「にせこといぶんきたん」です

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 あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
 久しぶりの白狐さぐじです。
 東方白狐録も更新せずに、オリジナル作品を書きました。
 即興で書いた作品のため、短いです。
 誤字・脱字があるかもしれません。ご了承ください。


逢魔時

 日が暮れて、薄暗くなり始めた頃。ひっそりと佇む旅館の暖簾をくぐり、一人の和服姿の男が風呂敷に包まれた何かを抱えて出てきた。

 外は小雨が降り始めた頃だった。

 和服の男は手に持っていた和傘をすぐさま開き、今時珍しい下駄を鳴らして何処かへと足を進めた。

 

 

 道は石畳、周りは(おもむき)ある家々が建ち並んでいる。

歩いている人は多いが昼間に比べるとかなり少なくなっていた。

和服の男は、雨音と共に下駄を鳴らして歩く。

『カランコロン』

下駄の()で振り返り立ち止まる人は居るが、居場所を突き止めると視線を戻し何も無かったかのように歩みを進めていった。

『カランコロン…』

 

 

 和服の男は足を止め、周りを見渡す。目当ての路地を見つけ、また足を進めた。

いつの間にか雨脚は早くなっており、和傘に雨粒が当たる音が心地よく路地に響いていた。

路地に雨音とは違った音が薄っすらと聞こえた。音はだんだん近づいてくる。

何かが光る。光ったのは猫の鈴。

白い猫は鈴を鳴らし濡れる毛を気にせず走り、和服の男をチラリと見ると雨宿り先を探して何処かへと消えていった。

 

 

 和服の男は今度こそ完全に足を止めた。

 目の前には、とても大きな門が一つ。門の奥の方は漆喰の壁で囲まれた御屋敷が見えた。御屋敷からは、にぎやかな声が薄っすらと聞こえてくる。

 和服の男は戸を数回叩いた。数秒経ち、戸が少し開く。戸を開けた(ぬし)は和傘をさした和服の男を眺め何かを確認すると、人が一人通れる程の幅に戸を開けた。

 開けた戸から天狗の面をしたヒトが出てきた。

「何用でしょうか」

 

 

 和服の男は抱えていた箱を見せる。

「餅を貰いに」

 

 天狗面のモノは箱を確認した。

「なら、手形を」

 

 和服の男は懐から少し厚めの板を取り出す。その板を天狗面のモノに見せる。

板にはグニャグニャとした文字が描かれており、読むことが出来なかった。

 

「ええ、確認が取れました。こちらはお返しします。ではこちらに…」

 

 和服の男と天狗面は門をくぐり奥へと進んで行った。

 闇のように暗い戸の奥へと…

 

 

 

 何処かの屋敷の屋根の下、雨に濡れた白い猫が独り居た。

 雨はまだ降っていた。

『ぴちゃり』

 雨粒が道に落ちて跳ねた。

『ぴちゃり』

 水溜まりに落ちた。

 白い猫はそんな音を聞きながら何処かを見た後、屋敷を見上げると、二本の足で()()()()()()

 

 いつの間にか白い猫は居なくなり、そこには一人の少女は居た。

 少女は服と白い髪についた雨粒を掃い、屋敷の中へと入って行った。

 屋敷からは賑やかな声、陶器がぶつかり合う音が聞こえていた。

 

 

 




それらは人なのか、それとも…

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