軍神に転生したけど、なんか質問ある?   作:刹那・F・セイエイ

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前話の予告通り、エリカさん、登場。


はじめての、戦車友達。

 ピクニック禁止令発令から早二週間近く、私とお姉ちゃんは菊代さんにお使いを頼まれて近くのスーパーまでⅡ号を走らせていた。なんでも、チキンカツを作るためのパン粉を忘れていたらしく、このままではチキンカツが食べられないという事態になってしまう。メニュー変更ならまだいいが、最悪の場合山盛りキャベツをもりもりと食わされるハメになってしまう。何が悲しくて草食系女子に転向せねばならんのだか……なんとしてもそれだけは絶対に避けねばならない。

 そんな感じで今日の夕飯のメニューに期待と不安を抱きつつ、キューポラの縁に頬杖をついてスーパーまでの道のりを揺られていると、Ⅱ号の進路上にイマイチあぜ道を歩き回るには不似合いそうな、いわゆるロリータファッションの同い年らしい子が、ぐずぐずと泣きながら危なげにフラフラと歩いている姿が見えたので、近くに停車して話を聞くことに。

 彼女の名前は逸見エリカ。なんでも、戦車道を志すエリカと、戦車道を快く思わない両親との間で大喧嘩となり、行く宛もないままフラフラとさまよい歩いていたとのことらしい。とりあえず、ほったらかしにするわけにもいかないので、Ⅱ号に──やや強引に言いくるめて──乗せてスーパーまで同乗してもらうことに。親御さんに連絡するにしろ、そうでないにしろ、まずはスーパーまで連れていくのが先決だろう。

 

「なんで、助けてくれたの?別にほっといてくれてもよかったのに……」

「見捨てるわけにはいかないよ。一介の戦車乗りとして、そして戦車道()()()の一角たる西住流の娘としてはね」

「………それって、お家事情のために助けたってこと?それとも、家のことはほんのついでで、同じ戦車好きだから助けたの?」

「もちろん後者、本気で戦車が好きじゃなきゃ、大喧嘩にだってならないでしょ?」

 

 そう返すと、目元にうっすらと涙を浮かべて頷くエリカ。どうやら、戦車に対する愛情は本物らしく、道中ずっとドイツ戦車の良さをこれでもかと語り尽くす姿を見て、これは絶対親の反対を押し切って戦車に乗るだろうなという予感はした。なんせこの子、戦車道のこととなるとやたらと舌が回るのだ。それこそ、ほっといたら半日でも足らないくらいに。とりあえず、もうそろそろスーパーに着くし、降りる準備してもらってもいいかな?話はその後でゆっくり聞かせてもらうから。

 目的地のスーパーに無事着いたので、とりあえず迷子のエリカを連れてお使いで頼まれていたパン粉を買うことに。頼まれていたパン粉と共に、余ったお使いのお金で棒アイスを買って三人で食べることになったのだが、ここで思わぬ乱入者が割って入る。エリカのお姉さんだ。どうやらお姉さん曰わく、両親は大の戦車嫌いで姉妹共々戦車の道から引き離したくて仕方ないそうだ。「あんな鉄屑が賛美されるなんておかしい、女の子はもっとお淑やかでなくてはならない」とは親御さんの弁だが、さすがにその無神経な発言にはキレそうになった。食べていた棒アイスを中途からへし折り、そのままがりごりと湧き出た不快感と共に噛み砕く。

 その後、迎えにきたのであろう両親に連れられてお姉さんと共に帰路についたエリカを見送り、棒アイスを食べ終わったお姉ちゃんと共に帰宅。新しい友達ができたかもしれないのでちょっと嬉しかったが、お使いのお金を使い込んだのがバレて菊代さんに大目玉を食らい、来月のお小遣いが全額カットされてしまった。




西住流、島田流、あともうひとつの流派についてはそのうち。
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