「うわぁ…!」
ケータは目の前の光景に目を奪われた。綺麗なシャンデリアや調度品の様な机や椅子が並んでおり、更に何処からともなくヴァイオリンの演奏が聞こえていた。
「す…凄いですね!ケータ君!」
ウィスパーも目の前の光景を見ながら驚きの声をあげ、ジバニャンは目の前の光景を見ながら固まっていた。ケータが固まっているとギャルソンが目の前にまわりながら言った。
「さっさ!どうぞ…中へ!」
「う…うん!」
ケータがその部屋に入るとギャルソンは扉を閉めると、ケータ達を席へと案内した。
「さぁ…こちらです。どうぞ、お座り下さい。」
「あ…ありがとう!」
ケータ達はドギマギしながら席に着くとギャルソンはメニュー表を取り出して見せてきた。
「こちらメニューになりますが…ホットケーキでしたね?こちらでよろしいですか?」
ギャルソンはケータにそう言うとケータは頷いた。ギャルソンはその様子にニコッと笑いながらお辞儀をすると言った。
「わかりました。それでは、少々お待ち下さい。」
ギャルソンはそう言うと厨房へと入っていった。ケータは周りを見渡しながら言った。
「それにしても意外だなぁ…。外は古びて見えたのに…中は綺麗だね!」
「そうでウィスねぇ…。」
「不思議だニャン…!」
ケータ達がそう喋っているとケータが座ってる席に誰かが歩いてきた。ケータはその人物の顔を見てビックリした!顔は猫で体は人間だったからだ!
「うわっ!」
「ニャァン…♪︎」
猫人間はケータたちの席に来ると、水差しからコップに水を注ぎ始めた。
「何だニャン!お前!」
「ニャン…♪︎僕の名前は化け猫さんだニャー…。ここのボーイをしてるニャー。」
化け猫さんはコップに水を注ぎ終わると帰っていった。ケータは呆気に取られながらジバニャンを見て言った。
「あ…あんな猫妖怪もいるんだね…!」
「お…おれっちもびっくりしたニャン…!」
ケータたちが驚きの声をあげていると斜め向かいの席から声が聞こえてきた。
「ひゃ〜!美味そうですね!総大将!」
「そうじゃろ?ここの店はのぅ?ワシのお気に入りなんじゃ!」
ケータは声のする方を見た。そこには、後頭部の長いおじいさんと藁出てきた顔をした妖怪が座っていた。おじいさんはケータ達の視線を感じてこっちを見て言った。
「ん…?おや?珍しいのぅ?人間がこの店に来るなんて…。」
「総大将!あのガキ…妖怪と来てますぜ!」
「あ…どうも」
ケータはおじいさんと妖怪に向かって頭を下げた。おじいさんはケータを見てニンマリと笑うと言った。
「カッカッカッカッ!礼儀の正しい子供じゃの!リクオみたいじゃ!お前さん…なんて名前なんじゃ?」
「あ…天野ケータって言います!」
「天野…?はて?何処かで…。」
おじいさんはケータの言葉に思案顔になりながらそう言った。おじいさんはまたケータを見て微笑むといった。
「…!おお!すまんすまん…!わしの名を言ってなかったの?ワシの名前はぬらりひょん!ワシも妖怪じゃ!」
「俺は納豆小僧!」
「え?ぬらりひょん…?」
ケータは首を傾げた…。何故なら、ケータの知ってるぬらりひょんはエンマの補佐官をしているからだ。ケータはチラリとウィスパーを見た。ウィスパーは小刻みにぬらりひょんを見ながら震えていた。
「どうしたニャン?ウィスパー?」
「まっ…まさか!あ…あの!ぬ…ぬらりひょんんん?」
ウィスパーは小声でそう言うと、顔を歪めた。ケータはそれを見てこう言った。
「しってるの?ウィスパー?」
「し…知ってるも何も!妖怪任侠一家!奴良組の総大将でウィすす!」
「任侠一家?」
「か…簡単に言えば…!ヤクザの組長みたいなものですよ!ケータきゅん!」
「え!嘘っ!ヤクザ?」
「そうでウィス!」
「え?あんなに人が良さそうなのに?」
「人は見た目に寄らないでウィスよ!」
ケータ達がコソコソと喋っていると、ギャルソンが料理を運んできた。ギャルソンはケータの前に料理を置くと、小皿をウィスパーたちの前に置いてこう言った。
「大変お待たせ致しました…。
こちら…シェフ特製ドクロホットケーキになります。
ホットケーキには、こちらのラズベリージャムをかけてお召し上がりください。」
ギャルソンが料理を蓋を開けると、ドクロの形をした美味しそうなホットケーキがあった。
「うわぁ…!」
「美味しそうだニャン!」
「旨そうでウィスねぇ〜!」
ギャルソンはケータ達の反応にニコリと笑うとケータ達に言った。
「それでは、ごゆっくり…。」
ギャルソンが背を向けると、ケータはギャルソンの背中に落書きがされてるのが目に入った。
「ん…?なんだあの落書き?」
「ププッ!おかしいニャン!落書きの目が後ろにあるニャン!」
ケータたちの言葉にギャルソンは慌てて、背中の落書きを窓で確認すると…。口はひきつった笑みのまま…目に怒りの色を浮かべながらこう言った。
「少し…失礼致します…。」
ギャルソンはケータ達に深々とお辞儀をすると、厨房へとすごいスピードで入って行った。すると…ギャルソンが厨房に入ると…誰かの叫び声が聞こえた!
「おいおい…!ちょっとしたサプライズじゃねぇかよォ…!少し人間を喜ばせてやろうと思ったんだよ〜!だから!笑いながら包丁を取るじゃねぇよ!この白玉野郎!」
「前にも私…言いましたよね?これ以上…私にお客様の前で恥をかかせるような事はやめて欲しい…と?」
「ま…待て!落ち着け!ギャー!」
ケータはその叫び声を聞くと苦笑いになりながらホットケーキを見た。ラズベリーソースをホットケーキにかけると、甘くていい匂いが周りに充満した。
「うわぁ〜!いい匂いー!」
「はっ!早く食べようニャン!ケータ!」
ケータはジバニャンに急かされながらホッケーキを切り分けた。
ホットケーキはまるで雲の様にとてもふわふわだった。
「んじゃ!頂きマース!」
ケータは手を合わせてそう言うと口にホットケーキを運んだ。
「んぅぅぅ!美味しいー!」
ケータは身悶えしながらそう言った。
ふわふわのホットケーキに甘酸っぱいラズベリーソースが絡み合ってとても美味しいのだった。ジバニャン達も同じく身悶えしながら顔を緩めていた。
「とても美味しいでウィスね!」
「こんなに美味しいのは生まれて初めてだニャン!」
「あーたの場合は死んで初めてでしょうが!」
「うっせぇニャン!ウィスパー!要らないのなら俺っちが食べてやるニャン!」
「テメェ!何しやがんだ!この地縛野郎がァァァ!」
「うわぁ…!アイスと一緒に食べると更に美味しいよぉ〜!」
ケータはジバニャン達の争いを横目に頬を抑えながらそう言った。ホッケーキは瞬く間に無くなっていった。
「あーあ…。もう無くなちゃったねぇ〜。でも、美味しかったぁ〜!」
「そうでウィスね〜!また食べたいでウィス!」
「俺っちもまた食べたいニャン!」
ケータ達は立ち上がるとレジのある入口へと歩みを進めた。
入口近くにはギャルソンがおり、ケータを見ると言った。
「御代金を頂きましょうか?天野様?」
「はい!これの値段でいいんだよね?」
ケータはギャルソンに硬貨を渡した。ギャルソンはそれを見て言った。
「はい…。結構でございます。では、またのご来店をお待ちしております。フフフ…。」
「うん!また来るよ!こんなに美味しいなら次はご飯を食べにね!
ね?ウィスパー?ジバニャン?」
「でウィス!」
「そうだニャン!」
ケータたちの反応にギャルソンは嬉しそうに笑いながらこう言った。
「当店…怪談レストランは年中無休で営業致しております。ですから、何時でも御来店お待ちしております。」
「うん!またねー!」
ケータ達は元気よく怪談レストランから出るのだった。
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