ガルパン 意味無し二次短編   作:rockless

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7話

「だから言っただろ!!クソがっ!!」

 

 アイリがセンチュリオンの車内で盛大に毒づく。戦車の外では規格外とも思える大きさの榴弾が、巨大な爆発で丘の頂上のひまわり中隊を襲う

 

『パンター走行不能です』

 

『3発目が発射される前に移動しろ』

 

「結局犠牲は自己責任かよ。これだから西住流は!!」

 

 黒森峰から加わったパンターが走行不能になったと無線が来て、今更中隊長のまほが回避行動を指示し、アイリたちの不満が高まる

 

「移動なんてできると思ってんのか。もうここは半包囲されてんだ」

 

 操縦手のナオの言葉通り、丘の頂上から移動をしようとした戦車は、包囲しているパーシングに砲撃を受けて、頂上に押し戻される

 

『おい中隊長どうにかしろー!やられたー!!』

 

『やられてないよ!!』

 

「泣ける・・・」

 

 味方の士気を下げるカメさんチームの叫び声の無線に、ガックリとくる

 

『このまま正面の坂を下りて、たんぽぽ中隊に合流する。中隊続け』

 

「中隊長が真っ先に逃げるのかよ。もうヤダこの中隊」

 

 中隊長の指示とともにまほの乗るティーガーⅠが発進、まほを注視していたエリカのティーガーⅡがすぐさま反応して発進して撤退を始める。機動力があるヘッツァーと三突が反応よく発進させて続き、プラウダの戦車がワンテンポ遅れて発進して撤退を始める

 

「まずい、プラウダが出遅れた!」

 

「ったく、結局尻拭いだよ!」

 

 試合に勝つため、プラウダの戦車たちを失うわけにはいかないと思っているアイリたち、操縦手のナオがセンチュリオンの加速を緩めて自ら殿として最後尾に付く。絶えず規格外クラスの巨大榴弾の砲撃が降り続く丘からの撤退戦が始まる

 

「フンッ、なによ!カチューシャには当たんないんだから!!」

 

「余計なことしてるヒマがあるならさっさと走れ中隊副隊長!!」

 

「うっさいわね!!」

 

『前方よりパーシング!!』

 

 自分の乗るT-34の近くに着弾し、恐怖を振り払うかのようにキューポラから顔を出して叫ぶカチューシャに、フォローしているアイリが怒鳴る

 

「ちょっとまずいな」

 

「全速で逃げながら、できるだけ不規則に進路を揺らして回避や弾いたりをしてるけど、いつまで持つかわからないよ!」

 

『~~~~~~』

 

『~~~~~~』

 

「何しゃべってんのコレ?」

 

 無線から、日本語以外の言語が流れ始め、通信手のカナが困惑する

 

「声からして、プラウダの2人だよね。ノンナさんと、クラーラさんだっけ?」

 

『あなたたち、だから日本語で話なさいって言ってるでしょ!!』

 

 外国語で話す2人にカチューシャが注意した次の瞬間、クラーラの乗るT-34が減速する

 

「止まるなぁああーっ!!!」

 

『っ!!』

 

 アイリの怒鳴り声に、クラーラの息を呑む音が無線に入る

 

「何のために、わざわざ出遅れたお前らの後ろを走ってやってると思ってんだ!!お前らの戦車が後の戦いで必要だから、こんな危険を犯して殿なんてやってんだろ!察しろよ!」

 

『ですが!!』

 

「あんたらまとめてちゃんと私たちが逃がす!!だから前だけ見て逃げろ!!」

 

『命令よクラーラ!撤退を続けなさい!!』

 

『・・・はい』

 

 アイリの言葉に同調したカチューシャの命令で、クラーラの乗るT-34は再び加速し始める

 

「リカ、とにかく撃って、撃破されたらお終いなんだから、弾撃ち切るつもりでいっていいから。撃ったら撃つだけ弾の分の重量がなくなって車重が軽くなるし」

 

「オッケー!」

 

 逃げながら応戦したセンチュリオンの砲弾が、パーシングを1輌撃破した。それによって慎重さが生まれたパーシングの追跡が僅かに緩む

 

「ホラ!追跡の手が緩んだから、とっとと逃げる!!」

 

 

「パンター、BT-42、チハ新旧、各1輌ずつ計4両が走行不能でありますか・・・」

 

「でも、こっちもカールとパーシング4両撃破してるし」

 

「26対25ですか」

 

「あんなことがあっても、車輌数でまだ勝ててるのが不思議なくらいだ」

 

 丘から撤退し、新たに編成したどんぐり小隊が巨大榴弾砲撃の正体だったカール自走臼砲とその護衛パーシングを3輌撃破した。現在は生存車輌全て合流して、遊園地跡を目指している

 

「だから言ったでしょ。島田流を甘く見るなって。臨機応変、変幻自在ってことは、要は何でもありってことなのよ。文科省にポンと渡されたあんな代物をこんな短時間であれだけ使いこなすんだから」

 

 アイリがまほとカチューシャを責める。撤退後、携帯でネット検索して調べたら戦車道のルールが更新されていて、オープントップ車輌も天板を追加で取り付けることで使用を許可する旨が追加で記されていた。更新日時は昨日である。これによりカール自走臼砲が使用可能となり、恐らく文科省の手配で大学選抜チームに渡されたのだろう。とアイリは推察した

 

「私がフォローしてやらなかったらどうなってたか・・・中隊が壊滅、いや全滅だってありえたよ」

 

「そうだな・・・すまなかった」

 

「謝るなら私だけじゃないでしょ。我先に逃げてプラウダを置き去りにしたんだから。それと大隊長にも」

 

「わかってる」

 

 その後、まほはプラウダのメンバーやみほに謝るが、カチューシャもアイリの進言を無視していたので、あまり強く出られず。大隊長のみほに至っては相手が実の姉なので、なおさら何も言えず、ほぼ形だけの謝罪で水に流される

 

「それで、これからの方針は?」

 

「チームを再編成して局地戦に持ち込んで、個々の特性と連携を活かして戦います」

 

 大隊長のみほの口から、再編成の言葉が出たことに、アイリたち4人はホッとする。そんな中、カチューシャの乗るT-34がセンチュリオンの隣にやってくる

 

「ねぇ・・・あの、さっきはありがと。べ、別にカチューシャは助けてもらわなくても自力でどうにかできたけど!・・・でも、クラーラを止めてくれたことは感謝するわ」

 

「そりゃどうも。こっちはジョン・マクレーンの気分が味わえたよ」

 

「??・・・っと、とにかく!お礼は言ったからね!」

 

 アイリの言った意味がわからなかったカチューシャは、恥ずかしそうにそう言ってプラウダの戦車たちのもとへ戻っていった

 

「初めからそれだけ素直なら、私たちの忠告も聞いてくれればよかったのに」

 

 

『敵集団は正面入り口にまもなく到着』

 

「ねぇ、あんな砂煙立つなんておかしくない?雨上がったばっかりだよ?」

 

 ジェットコースターのレール上から遊園地の周辺を監視しているアンツィオのCV-33からの無線に、正面入り口に待機しているセンチュリオンのキューポラから上半身を出したアイリが、見えている光景に違和感を唱える

 

『こっちに陣地を構築する時間を与えないように速度を上げて向かってるんじゃないの?』

 

「もうここに来て十分な時間は経ってるはずだよ。今更急いでどうするのさ」

 

 同じく待機しているティーガーⅡのエリカがアイリの違和感に否定的な意見をするが、さらにその意見を否定するアイリ

 

『こちら正面入り口。監視偵察中のCV-33、こちらに向かっている敵集団の戦車の大凡の速度を教えてくれ』

 

『速度?あー、うーん、30キロ出てるかどうかって辺りじゃないか?不整地だし、それでも飛ばしてるほうだと思うが』

 

「そんな速度であんな砂煙が立つか?雨が上がって30分は経つが、ついさっきまで曇ってたんだ。湿度だって高いからそう短時間で地面なんか乾くかよ。煙幕の可能性がある」

 

『大隊長、正面入り口は陽動の可能性あり。通用門、並びに西裏口の戦力を固めたし』

 

『了解です。各出入り口の戦力を再配置します』

 

 

「こちらセンチュリオン、通用門到着しました」

 

『大隊長車、了解です。以降はダージリンさんの指揮下に入ってください』

 

「了解」

 

 戦力の再配置の結果、今度は通用門の配置となったアイリたち4人のセンチュリオン

 

『あら、嬉しいわ。私、1番好きな戦車ってセンチュリオンなの。まさかセンチュリオンを指揮できるなんて思わなかったわ』

 

「結構扱き使われてるので、できれば労わってほしいですね」

 

『残念ながらそれは約束できないわ』

 

 ダージリンのその言葉とともに、通用門が外からの砲撃で破壊される

 

『チャーフィー、いざ尋常に勝負!!』

 

「意気込みはいいけど、オンマイクで無駄に叫ぶなよ・・・っ?!」

 

 ローズヒップの乗るクルセイダーが破壊された通用門に突撃をしていく。しかし、アイリは破壊された通用門の粉塵の中から出てくる戦車がチャーフィーではないことに気付く

 

『戻りなさいローズヒップ!!』

 

 アイリが咽頭マイクに手をやってオンマイクするより早くダージリンの警告が飛び、クルセイダーは狭い通路で180度ドリフトターンをして旋回し、来た道を戻ろうとする。そんな中、先頭を切って通用門から入ってきた戦車が発砲。粉塵の中で視界が無い中、クルセイダーの旋回時に壁に擦った音を頼りに砲を向けただけなので、運よくクルセイダーの砲塔側面で弾かれ、弾かれた砲弾は通路の壁に当たる

 

『あれは、T28重戦車!』

 

「隠しだまその2だね」

 

『こりゃどう見てもこっちが主力だぞ』

 

『どうするのよ?このままじゃ突破されるわ』

 

 再び訪れた想定外の事態に、通用門組は軽いパニックになる

 

「いや、これは逆に利用できるよ。カナ、榴弾装填しておいて」

 

「わかった」

 

 作戦を閃いたアイリが、車内に指示をしながら、咽頭マイクに手をやる

 

「クルセイダーへ、次T28が発砲したら、さっきのドリフトターンをもう一回やれない?それでT28の砲身を巻き込んで圧し折れたら、T28は射撃不能になるよ」

 

『面白いですわ。やってやりますわよ!!』

 

 ローズヒップが覚悟を決めたその瞬間、T28が発砲し、砲弾がセンチュリオンの目の前に突き刺さる。T28の再装填の隙を突き、クルセイダーが通路に飛び込む

 

「旋回時に車体側面を砲身にぶつけて!」

 

『了解ですわ!チキンレースなら得意中の得意ですのよ!』

 

「いや、チキンレースは当たっちゃダメでしょ」

 

 クルセイダーがT28の前で旋回し、横滑りしながら車体側面からT28の砲身に体当たりをかました。T28が砲身ダメージ回避のために、砲身を少しでも上に向け、その行為によりクルセイダーが下から砲身を掬い上げる形になる。いくら重戦車の大口径砲身とはいえ、20tの戦車の体当たりに耐えるほどの強度はあるはずもなく、砲身は根元からグニャリと曲がった

 

『やりましたですわー!』

 

「そして、これで仕上げっと、リカ」

 

「任せて」

 

 クルセイダーが通路から出てきたところで、センチュリオンから榴弾が発射され、T28の片側二重履帯をまとめて千切り飛ばす

 

「後ろのパーシングたちはT28が邪魔で通れず、だからと言って、この戦闘状態の中での修理はルール上認められないし、仮に修理に入れても車幅ギリギリの狭い通路での作業はし辛いため、通常より時間もかかる」

 

「おまけに履帯の修理はできても、砲身は修理できない。だから結局攻撃には参加できない、っと・・・」

 

「これぞ通用門再封鎖&T28封じ作戦ってね」




開幕ピンチ。結局フォローに回る4人。もうこれが彼女たちの戦車道なのでは?
でもウィキでプラウダの各戦車の速度や重量、エンジン出力を見て、原作でカチューシャのT-34が最後尾って不自然ですよね。IS-2やKV-2のほうが重量あって速度が遅いのに、出遅れても最後尾を走り続けてる意味はなぜ?撤退中だから、最高速に近い速度を出してるから、出遅れた中でもさらに最後に発進しても追いついて抜けるはず・・・彼女が中隊の副隊長であり、プラウダの隊長であるという責任から殿をしているって考えると筋が通る?でも結局原作だとプラウダの戦車は彼女の乗る戦車を守って脱落していくわけで・・・

劇場版のカールの撃破方法って、遠くからマズルへピンホールショットじゃダメだったの?会長あたりならできたでしょ?

チーム再編成でまた黒森峰、プラウダ組と組まされるアイリたち。イライラしてるので言葉使いも荒くなってます

T28については、アニメのプラウダ戦でウサギチームが主砲を折られても白旗が出なかったので、まだ走行不能ではないです
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