GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はマルタさんと横島模擬戦を書いて行こうと思います。陰陽術でも、眼魂でも使い魔でもない。純粋な霊的格闘能力を書いて行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その2

 

 

リポート18 福の神 頑張る その2

 

教師の皆さんが用意してくれたパイプ椅子に座りながら、横島とマルタさんの組み手を提案した生徒に視線を向ける……

 

(弓かおりだったわね)

 

確か雪之丞とデートしている時に、べスパ達と一緒に襲撃した覚えがある……その表情は信じられないと言いたげに歪んでいた。勿論その顔の理由も判っている

 

(横島の評価って低いのよね)

 

GS試験に来ていた評論家やGSには緘口令が敷かれたので、横島のGS試験での評価は稀有な技能を持つと言う程度が表側の評価そしてそれ以降は除霊現場に命がけで進入してくる馬鹿とかが横島を見て、適当に記事を書いている。恐らくその評価を鵜呑みにしていたのだろう

 

「……見ているとスカっとする光景だな」

 

横島にとことん甘いシズクがにやりと笑う。横島の能力はGS基準から考えても高すぎる、感覚で使い。それを研ぎ澄ます才覚に長けている。ただ教科書通りではないので、そこが少し霊能を齧った程度の人間には理解できないのだ。霊能に深い知識のある人間だけが判るのだ横島の桁外れの才能に……

 

【お、あれお前が教えた動きじゃな?】

 

【はい。しかし、主殿に教えたのは主よりも大きな相手との戦闘術ですから】

 

マルタの方が背が低いもんなぁとノッブが呟く。横島は自分よりも大きな相手との戦いには慣れているが、自分よりも身長の低い相手は苦手にしている。更に言うとフェミニストな面があるので、女性に拳を振るうと言うのが基本的に苦手だ

 

「お兄ちゃん、がんばれー♪」

 

「みむう!」

 

「ぷぎゅっ!!」

 

「はいはい、大人しくしてる」

 

横島にがんばれーと声援を送っているアリスちゃんとチビ達の面倒を見てくれているタマモを見ていると、組み手を見学している生徒の中で1人、やけに横島を熱心に見つめている生徒を見つけた

 

(ん?知ってる?あの人……見たことある)

 

どっかで見たことある。ルシオラの時か、横島蛍の時なのか覚えてないけど……あの人知ってる。誰だったかな?と見つめていると、その生徒の肩の上を見て思い出した

 

(花戸小鳩!)

 

そうだ、そうだッ!!おキヌさんよりも遥かに危険度の高い女性だ。良く家に訪ねて来ていたが、1度結婚してくれたのに~とか、福の神が憑いている私の方が~とか……お母さんも苦手って言ってた超真っ黒い人だ!今はまだ黒くなくて白いけど……いつかあの黒さになるんじゃないか?と私は思わず背中に冷たい汗が流れるのを感じるのだった……

 

 

 

 

私と横島の組み手を提案した弓。六道の生徒の中でとりわけ選良思想の強い少女だ……それは霊能者である事に対する自負と、強者に対する憧れと言うことは分かっていたが、私は実技指導の教師と言う事で、話をする権限は無い。だから危ない子と思って見ていたが、横島との組み手はそんな弓の凝り固まった思考を解くのに相応しいと思った

 

「ハレルヤッ!!」

 

拳を軽く握り、かなり本気でジャブを放つ。私の拳は決して遅くは無い、むしろかなり本気なのでその速度は音を置き去りにする。だが横島はそれを見てから反応する。どんな反射神経と目をしているのよと言いたい

 

「っつーッ!!!」

 

「へぇ。やるじゃない」

 

避けられないと判断して、私の拳を側面から叩いて軌道を逸らす。だが完全に勢いを殺しきれず、手が痛いと手を振っている

 

(姉さん。あんまり熱を入れすぎないでください)

 

肩の上で小さく言うタラスクに判ってるわよと呟く。組み手と言う形を取っているが、これは組み手ではない。1週間横島が六道に滞在する上で横島が馬鹿にされないようにする為の儀式に近い

 

「せいっ!」

 

「遅いッ!」

 

横島の打撃に合わせて、カウンターに左拳を繰り出し……小さくした打ちした。拳を繰り出すと同時に横島は頭を低くしていて、私の拳をかわすと腕を掴み私の懐の中で回転する

 

(折られる!)

 

横島の回転に逆らわず好きにさせる。投げられると同時に手を突いて体勢を立て直す……肘を少し痛めたか、でも抵抗していれば折られていた。そう考えれば痛めた程度何の問題も無い

 

「シッ!!」

 

「どわっ!」

 

大きく踏み込んで右フック。当然これは大振りなので横島はしゃがみ込んでかわす、かわした先に右膝を振り上げると両手で受け止めるが、私の力を耐え切れず横島の身体が宙に浮く

 

「ハレルヤッ!!」

 

ここだ!と判断して1・2のコンビネーションを繰り出すが、横島は信じられない事に空中で身を捻って、私の腕に一瞬手をおいてそれを軸にして大きく後に後退する。地面に着地し、とんとんっとリズムを取って構えなおす横島に見学していた六女の生徒は言葉も無い。相手の腕を軸にして飛ぶとか常識的に考えてありえない、ひそひそ声で肉体強化してるんだよとか言う声が聞こえてきたので、それは違うと私は口にした

 

「良い反射神経してるわね?身体強化してないでしょ?それ」

 

横島の眼の良さは知っている、だがそれだけでは説明出来ない。こうして何とか拳を交して感じたことを口にする。身体から霊力を感じない、つまり横島は自前の身体能力で全て反応して見せたのだ。だけど霊力は僅かに感じるので、どこかをピンポイントで強化しているか、それともお互いが交差する瞬間だけ強化してるはずと思いながら言うと、横島はとんでもない事を言い出した

 

「あ、やっぱり判ります?マルタ姉さんの攻撃半端無いから」

 

手をぐっぱ、ぐっぱしながら、右足でリズムを取る横島。やはり身体に霊力の気配を感じないから、身体強化はしてない。横島はにっこりと嬉しそうに笑いながら自身の目を指差して

 

「目を強化してみました。よーっく視えます」

 

さらりととんでもない事言いやがった。この規格外男……思わず頭痛を感じて、頭に手をおく

 

「私の聞き違いじゃないわよね?何を強化してるって?」

 

「目と伝達神経?」

 

なんで私の問いかけに疑問系で返してくるのよ……と言うか身体強化ならわかるのに、目の強化って何よ……

 

(本当感覚でとんでもないことをするわ)

 

霊能の知識が無いから、思いつきでこうしたら良いんじゃないか?とか、こうしたらどうなるのか?とかを色々試す横島。それでいてスポンジみたいに教えた事を吸収して、それを発展させてみてくれるから面白い

 

「じゃあもう1つギアを上げて行こうかしら?」

 

ぎゃーっ薮蛇っと叫ぶ横島に笑いながら私は再び拳を握った。なんと言うか横島は弟に似ていると思う、明るくて、騒がしくて……でも優しい子で……

 

(横島といると素が出ちゃうのよね)

 

聖女マルタじゃなくて、村娘のマルタの顔が出ちゃうのよね……でもそれは決して嫌な感じではなく、自然と笑みを浮かべてしまう。横島はやっぱり不思議な子と思うのだった……

 

 

 

 

私は目の前の光景を見て言葉も無かった。マルタ先生は決して弱くない、むしろ現役のGSと比べたって強いと言える人だろう。稀有な才能を持っているだけの横島GSでは簡単に殴り飛ばされて終わり……そう思っていたのに

 

「せいッ!やっ!!」

 

「ひっ!くっ!!」

 

普段の授業の時よりも数段早い。打ち終わりしか見えない拳を横島は手で、足で、肘で、全身を使って受け止めて防いでいる

 

「少し熱が入りすぎですよ!」

 

合同授業なので他の教諭がマルタ先生に熱を入れすぎです!と注意をするが、マルタ先生も横島GSも極限の集中状態なのか、その声も聞こえていない様子だ

 

「やれやれ随分と熱が入っている様子だ」

 

「仕方ないだろう?理事長の秘蔵っ子だ。才覚があるだけじゃない、努力もしている」

 

「ああ、見た見た。霊力を循環させながらランニングしていたり、体術の稽古も一生懸命だよな」

 

教師から横島の話が出てきて、近くにいた教師に声を掛けた。美神お姉様を尊敬している若い女性の教師の篠原先生だ

 

「横島GSは美神お姉様の足手纏いなんじゃ?」

 

私がそう尋ねると篠原は一瞬驚いた顔をしてから、怖い顔をして

 

「弓さん、それ聞かれたら、GS協会にも、六道の会社にも勤める事が出来なくなるわよ?」

 

その言葉に絶句していると篠原先生は眼鏡を上げながら、雑誌を見たのねと呟く

 

「横島GSの評判は雑誌とは全然違うわ。確かに稀有な才能を持っているのも事実、そうね。私からしても羨ましいわ」

 

一流のGSが何年もかけて身に付ける技能をあの歳で身に付けている。それはとても凄い事だし、羨ましいわと篠原先生は言う。才能だけで雇われていると言われている筈だから、それは誰だって羨ましいと思うだろう。実力も知識も無いのに、才能だけで色んな人にちやほやされて、才能に胡坐を搔いて努力をしない男と書かれていたのだから

 

「でも彼は決してそれに胡坐をかいたりしてない。努力して、色々試して、それを自分の物にしようと努力を続けているわ。それに美神GSも神代会長も、そして理事長にも目をかけられているけど、それを自慢なんかしないで地道に、一歩一歩努力して前に進んでる」

 

あれが自分の才能にあぐらをかいて努力していない人間に見える?と言われ、私は言葉も無かった。仮にも私も「弓式除霊術」を受け継ぐ闘龍寺の跡取りとして、修行に明け暮れてきた。だから相手の動きを見れば、どれだけ努力して来たかはわかる

 

「シッ!シッ!!」

 

確実に疲労はたまっているだろうに、しっかりと体重移動と共に繰り出される拳は何日も走りこんだ足腰があるから出来る事だ。努力に努力を重ね、積み重ねた土俵があるから出来る動き……

 

「そんなんじゃあ届かないわよ!」

 

横島GSのジャブをマルタ先生は弾き、懐に入り込んで拳を繰り出す。横島GSの身体がくの字に折れて殴り飛ばされる

 

「ちょっと!マルタさん!やりすぎですよ!?」

 

「……お前もう少し手加減をだな」

 

芦GS達のやりすぎだと言う声にマルタ先生は返事を返さず、油断無く拳を構えている。それはまだ終わっていないと言っているようにしか見えなかった

 

「そこっ!!」

 

「げっ!?」

 

突如振り返り拳を繰り出したマルタ先生。そしてその方向から横島GSが姿を見せる、え、え!?今殴り飛ばされたのは……そっちに視線を向けると殴り飛ばされた横島GSの姿は消えていた

 

「感覚阻害、分身、それとも幻術?何したの?」

 

「いや、適当に……霊力をぐっとしてがーッ!とやって、ばーっと……」

 

適当!?適当でなんであんな高等技術が出来るのか。私を含め周囲の生徒の顔が驚愕に歪む、どういう頭の作りをしているのかと思った

 

「適当に変な術を編み出すなッ!」

 

「っひいっ!!」

 

マルタ先生が怒声共に蹴りを繰り出し、横島GSはそれを頭を抱えてしゃがむ事でかわし、反撃にと軸足に足払いを仕掛ける

 

「っと!」

 

初めてマルタ先生の体勢が崩れた。横島GSはそれを見ると、マルタ先生のジャージを掴んで

 

「せいっ!!」

 

「きゃっ!?」

 

マルタ先生の身体が宙に舞った。何をしたのか判らなかったが、恐らく合気道系の投げ技。それでマルタ先生を投げ飛ばしたのだろう

 

「甘いってのッ!」

 

だがマルタ先生もマルタ先生だ。着地と同時に、地面を蹴って横島GSに飛び蹴りを放つ

 

「あわわわ!!」

 

慌てて両手をクロスして、その蹴りを受け止める横島GS。だがマルタ先生はそれで終わらず、一歩バックステップを取って振りかぶった右拳を……

 

「マルタさん、少しやりすぎかと」

 

「……喧嘩を売ってるなら買ってやるぞ」

 

その最後の一撃を繰り出そうとした瞬間芦GS達が割り込みマルタ先生は申し訳無さそうに、頭をかいて

 

「横島が随分と強くなってるから熱が入っちゃったわ……大丈夫?」

 

「大丈夫ッす。良い勉強になりました。蛍達も大袈裟だよ、俺は全然大丈夫」

 

そこまで心配しなくても良いと横島GSが笑い、臨戦態勢だった芦GS達も手を下げる。組み手が終わったと思った時、並んでいた生徒の列から拍手をする音が聞こえ、それが徐々に広がっていく……私も気がついたら拍手していた。そしてそれと同時に後悔していた、雑誌の情報を鵜呑みにしていた自分が恥ずかしく思うのと同時に、美神お姉様の事務所の助手として相応しい人物だったと目の前の組み手を見て、理解するのだった……

 

 

 

 

マルタ姉さんとかの組み手とか、他の授業の見学とか、使い魔学科に顔を出したりしていたら1日はあっと言うまだった。途中でキアラさんのカウンセリング室も見たけど、予約で一杯だった。それだけでキアラさんのカウンセラーとしての実力は凄いんだなあっと思った。ちなみに昼休憩の時におはぎを持って尋ねて来てくれて

 

「宜しければ一緒にお茶をしませんか?」

 

と穏やかな声で言うので、皆でキアラさんの手製のおはぎに舌鼓を打ち、世間話などを交えた。本当に穏やかな人で、やっぱり今出会ったときも、小竜姫様とかに似てるなあと思ったのだ。

 

「結構早く終わったな」

 

「まぁ他の子はこれから部活だったり、寮に戻ったりするみたいだしね。ここら辺まででしょ」

 

他の生徒は部活があるので、俺達は16時のバスで帰ろうと思い、バスの迎えが来るまでバス停のベンチで待つ事にした

 

「お家に帰ったら散歩行こう♪」

 

「みむーみみーむ♪」

 

「ぴぎー♪」

 

散歩散歩と言うアリスちゃんとチビとうりぼーに判ってると返事を返すと、やたーっと喜ぶアリスちゃん達を眺めながら、膝の上のタマモを撫でる。1日アリスちゃん達の面倒を見てくれていて疲れたのか、先ほど俺にペンダントを返し、子狐の姿になって今は眠っている

 

「……あの狸の学校だから少し不安だったが、あの様子なら大丈夫そうだろ」

 

【思ったよりも暇だったしの】

 

心配だからついてきたシズクと面白そうだからと言っていたノッブちゃんは退屈そうだ。でも学校だから、そんなに面白いイベントなんてある訳も無い。アリスちゃんはずっと俺の隣にいて、話をしたり絵をかいたり、チビと遊んでいたから明日も来る!と言ってるけどな……

 

【しかし、良く反応出来たな。横島、訓練の成果が出ているぞ】

 

「そうね、ちょっとずつ結果が出てきたんじゃない?」

 

蛍と心眼のお褒めの言葉に思わず頬が緩みそうになるが、いかんいかんと首を振る。マルタ姉さんは終始手加減してくれていたと思う、だからその手加減してくれた状態で粘る事が出来てもまだまだと思うのは当然だ

 

「でも驚いたよなあ。あんなに変わるもんなんだな」

 

1限目が終わるまでは珍獣を見るみたいな目だったのに、マルタ姉さんとの組み手を終わったら生徒の皆の俺を見る目が変わっていたのは正直驚いた。

 

「そりゃGS免許を持ってるし、目の前で実力を見れば納得するって物よ」

 

「俺は言うほど実力なんて無いと思うけどなぁ」

 

マルタ姉さんとの組み手は終始逃げと防御。他の生徒はもっと良い勝負をしていたかもしれない

 

「栄光の手とか無しだから、それで考えれば横島が上よ」

 

【そうですよ主殿。己の得意な戦術を使わないで、格上と戦う。それはとても難しい事ですよ】

 

栄光の手や、サイキックソーサーは霊能としてはセオリーをとことん外れていると説明され、出来れば使わないで欲しいと言うことで栄光の手とかは使わなかった。そうなると俺の場合とことん攻め手に欠けてしまう

 

「神通棍とか使うほうが良いのかな?どう思う?」

 

「うーん、横島には合わないと思うわよ?もし合うならとっくの昔に、美神さんが勧めているだろうし」

 

霊能者としての基本的な装備とかと横島って相性悪すぎなのよね?と蛍に言われて少し落ち込むが、自分でもそうかもしれないと思う。もし俺が神通棍とか使えるなら蛍と一緒にこれを使ってみてとか言われるはずだし……そんなことを考えていると

 

「くひ、やぁやぁ!」

 

「どわあっ!?」

 

突如目の前に現れた柩ちゃんに驚き大きく仰け反る。シズクや蛍がどうしたの!?と振り返り、俺の目の前にいる柩ちゃんを見て何で?と言う顔をしている

 

「アリスだよ?誰?」

 

「夜光院柩、柩で良いよ」

 

よろしくねーっと笑っているアリスちゃんとその隣でくひくひ言っている柩ちゃん。なんか正直凄い光景だと思う

 

「何やってるの柩?」

 

「何って通学だよ、通学。冥華の命令で飛び級で1年に配属されてるんだよ、ひひひっ……横島のくれたチョーカーのおかげで普通に通えるし」

 

まぁボクは気紛れだから、気が向いた時しか来ないんだけどね!と上機嫌に笑う柩ちゃん。

 

「未来視は大丈夫?」

 

「大丈夫だよ~薬も30から10個くらいに減ったから良い調子だよ」

 

10個でもかなり多いと思うんだけどなあ……でも未来視が暴走してないと聞いて良かったと安堵しているとGS協会のロゴの付いた車が門の前に停まる

 

「くひひ、会長殿に呼ばれてるからね。くひ♪じゃあ、また明日」

 

くひひひっと笑って車に乗り込む柩ちゃんを蛍と見送り。俺は走り去っていくGS協会の車を見つめながら

 

「相変わらず柩ちゃんって変わってるよな」

 

「そうね……夜道とかに会うと叫んじゃうかも……」

 

悪い子じゃないんだけど、やっぱりちょっと変わってるよなと蛍と話しながら、バスが来るのをのんびりと待つのだった……

 

「所でさ、なんかめっちゃ分厚い入学手続きって本貰ったんだけど、どうすればいいと思う?」

 

何これ辞典?と思いたくなる入学手続きを笑顔で冥華さんに渡されたんだけど、どうすればいいと思う?と蛍に相談する

 

「……美神さんに相談しましょう。捨てると怖いわ」

 

だよな。あの人笑顔の影で何考えているか判らないし、とりあえず1度持ち帰り美神さんに相談する事に決めるのだった……

 

「会長殿、横島と蛍が体験入学してるなんて聞いてない」

 

「私も聞いてないわよ」

 

一方GS協会に来ていた柩は横島と蛍が体験入学しているなんて、聞いてないと琉璃に文句を良い

 

「……ああああ……あの机妖怪の毒電波を思い出す……ボクのトラウマなんだよあれはぁ……」

 

(机妖怪の愛子さんの毒電波?え?何か彼女特殊能力とかあったのかしら……?)

 

柩の言う毒電波。机の中に飲み込んだ相手をスイーツ脳に洗脳する電波であり、それを知らない琉璃は愛子に何か特殊能力があるのだろうか?と真剣な顔で考えていたりするのだった……

 

 

 

 

寮に戻ってくるなり、ぽーっとした表情で窓を見つめる小鳩。カレンダーに×印をつけて、後4日とか小さく書いている

 

(ワイ福の神なのに……)

 

小鳩が寮の手続きをしている間に横島が使い魔学科に居たそうやけど、小鳩が来る少し前に戻ったらしい。その話を聞いた小鳩は明らかに落胆していた

 

(うーむむ……なんでや)

 

もう福の神としての実力は高い物や、小槌を振るえば万札位ぽんっと出せる(小鳩や母親の意向で出来れば出さないで欲しいと言うので滅多に使わないが……)福の神としての能力は申し分ない。福の神は憑いている人間に幸運を齎す、それは金運を初めにして恋愛運だってそうだ……ワイの神通力が通じないとか……ちょっと信じられない

 

【まぁ明日も使い魔学科に来るから、そのときにお礼を言えば良いやろ?】

 

「うん……でも、横島さんの回り可愛い子ばっかりだったよね……」

 

はーっと深い溜息を吐く小鳩。いかん、小鳩はネガティブだから考え始めるとド壷に嵌るんや……

 

【大丈夫やで、小鳩だって可愛いで】

 

「うん、ありがと福ちゃん……私お風呂入ってくるね」

 

ふらふらと部屋を出て行く小鳩を見送り、ワイは深い溜息を吐きながら

 

【水神様に妨害されとるんかなあ】

 

横島の側にいた小柄な少女。曲がりながりにも神の一端のワイは判る、あの少女は水神様や、しかも相当な神格の持ち主……なんでそんな相手が横島の側にいるのか?と言う疑問を抱きながらも

 

【ええい!ワイは負けへん!負けへんでーッ!!】

 

夜の帳の中空を駆ける流れ星を見てワイはそう叫んだ。今度こそ小鳩を幸せにするんやーっと……だがそれが前回よりも遥かに厳しく過酷な戦いであると言う事を、ワイは翌日思い知らされるのだった……

 

 

 

リポート18 福の神 頑張る その3へ続く

 





次回も六道の話を頑張って書いて行こうと思います。次回は柩とか、小鳩の視点も入れて行きたいですね、予定では後2話ほど。その後はまた戦闘回を書いて行こうと思います。そろそろ判ると思いますが、ええ、シロの再登場が近いですよ?それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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