GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は日常フェイズと言う事で次話から話うの内容としては「売り逃げ大作戦」「ゲームの達人」「犬を追う」「犬には向かない職業」などの原作19巻の日常系の話の話を混ぜて書いて行こうと思います。勿論オリジナルの話も混ぜる予定です、それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート20 狼の居る日常 その1
その1


 

 

リポート20 狼の居る日常 その1

 

「よーこーしーまー。いい加減に起きなさいよー」

 

むにむにとほっぺを引っ張られる感触がして、うっすらと目を開く、フェンリルの一件で疲れが溜まっているので朝のランニングは休むって言ってた筈だけど……ぼんやりとした思考と歪む視界で頬を引っ張ってる誰か……多分蛍に視線を向ける。ぼんやとした視界でも判る蛍のシルエットじゃない、ボリュームのあるふさふさとした鮮やかな金髪……ん、んんー

 

「たまもー、かってにせいれいいしもちだすと、しずくにおこられるぞぉ……」

 

眠すぎるので舌足らずな感じになってしまったが、シズクに怒られるぞと言うとタマモがくすくす笑う気配がする

 

「もう精霊石はいらないのよ、9本目の尻尾が戻ってきたから。と言うか本当に起きなさいよ」

 

「ふぇ?」

 

ぐいっとタマモに腕を引っ張られベッドから身体を起こす。大きく欠伸をしながらベッドに腰掛けているタマモに視線を向ける、確かに首に精霊石のペンダントは無いし、精霊石のペンダントで人化した時よりも少し成長しているように見える

 

「え?マジ?」

 

「うん、マジ。あ、でもやっぱり時間制限はあるのよね」

 

完全に人化しているタマモに意識が覚醒し、マジ?と尋ねるとマジなのよと笑うが、でも時間制限はあるのよねと笑うタマモ

 

「まー戻ったばっかりだし、狐の方が楽と言えば楽なのよ。ほら、もう昼近いから起きなさいよ」

 

ベッドから立ち上がるとぽんっと言う音を立てて狐の姿になり、部屋を出て行くタマモを見送り頭に心眼を巻く

 

【漸く起きたか、調子はどうだ?】

 

「ちょっとダルいかな?寝すぎだろうか」

 

身体が少し重いというと心眼は当然だと笑った。高密度すぎる霊力の渦にいたから身体の感覚がおかしいのだと説明してくれた

 

「でもそれだと直ぐに出るんじゃないのか?」

 

もう2日くらい経ってるけど?と訪ねながら部屋の中を見る。チビとうりぼーの寝床にチビとうりぼーの姿はなく、部屋の隅にチビノブの布団(シズクが捨てるタオルとかで作ったセット)が丁寧に畳まれている。寝てたのは俺だけかと思わず苦笑する

 

【霊力のバランスが崩れてるからな、ある程度感覚が戻った後に出て来るんだ】

 

霊力のバランス調整の上手い美神達は昨日の内に出てるだろうなと心眼が付け加える。霊力のコントロールが未熟だから出るのが遅れたって思えば良いかと思いリビングに向かう

 

「あ、お兄ちゃんおはよー♪」

 

「おはよう良く眠れた?」

 

アリスちゃんとハーピーさんに手を振られ、ちょっと寝すぎたかも?と返事を返す

 

「みーむー♪」

 

「ぷぎゅー♪」

 

俺が部屋に入ってきたのに気付いたチビとうりぼーが近寄ってきて、撫でて撫でてと言わんばかりに尻尾を振るので、2匹の頭を撫でる

 

「……起きたか、もう時間も時間だ。朝食と昼食を一緒にしても良いか?」

 

そう言われて時計を見ると11時を過ぎているので、昼食と一緒で良いと言ってシズクが用意してくれた水を飲んでから、顔を洗いに行く。冷たい水で目が覚めた状態でリビングに向かって気付いた

 

「ノッブちゃんとシロは?」

 

シロも俺の家に泊まっていたはず、それにノッブちゃんは?と尋ねるとシズクは木の桶に炊きたてのご飯を移しながら

 

「……ノッブはメロンパンを買いに行った、シロは散歩と言って朝から戻ってない。海辺に向かうって行ってたから市場で魚を買って来てくれとは頼んだが」

 

何処まで散歩に行ってるんだろうな?と尋ねられるが今起きたばかりの俺が知るわけも無い

 

【のぶのぶ】

 

足をよじよじと昇ってきているチビノブを抱っこしてソファーに腰掛ける。家に置いていったのを怒り、戻ってきてからは甘えん坊モード全開だ。抱っこしていてもよじよじと動き回り、背中に移動したと思ったら頭の上に寝そべるようにして抱きつく。

 

【お目覚めになられましたか、気分はどうですか?】

 

庭で素振りをしていたのか、木刀を手に部屋に入ってくる牛若丸。最近は霊力切れも起こさず人化している時間も多い

 

「修行してたの?」

 

【ああ、いえ、ちょっと遊んでいただけです】

 

そう笑ってボールを見せてくる牛若丸。ボールと木刀で何をしていたのだろうか?と言う疑問はあるが

 

【のっぶーノブ】

 

頭の上にしがみついているチビノブが気になって話に集中できないから、また今度聞くよと口にする

 

【ええ、今度にしましょう。きっと主殿には役立つ遊びになると思いますよ】

 

あれ?牛若丸にとっての遊びって=修行なのかな?と思いながら、また今度と言う約束をする

 

「コン」

 

チビノブが落ちないように気をつけながら、机の上の霊能新聞(蛍と美神さんの勧めで契約することにした)を手に取り、広げていると俺よりも先に部屋を出た筈のタマモが遅れてリビングに入ってきて、俺の膝の上によじ登り丸くなる。人化してても狐モードが楽って言っていたので好きにさせる

 

「お兄ちゃん。お昼ごはん食べたら散歩行こうね」

 

「そうだなー、朝散歩しなかったしな。チビとうりぼーはどうする?」

 

勿論行くというのは判っているが一応尋ねてみると当然鳴きまくり、行くと行っているのが判る。頭の上のチビノブも手をピコピコさせているので行くと言う解釈でいいだろう

 

(後で美神さんの所に電話しよう)

 

暫くは勝手に出歩かないようにと注意されていたし、ジークって言う聖奈さんの弟さんが護衛を勤めてくれると言っていた

 

「じゃあジークに電話して迎えに来てくれたら行こうな」

 

はーいって返事を返すアリスちゃんを見ていると玄関の開いた音がして

 

「シズクー!シズクーッ!!魚とか一杯買って来たでござるよー!昼は海鮮丼でござるなぁ!」

 

発泡スチロールの箱を4箱も担いで帰ってきたシロはソファーに座る俺を見て

 

「せんせーおはようでござる!」

 

若干磯臭さを残す物の非常に元気そうでそして楽しそうだ

 

「おう、おはよう」

 

「犬のお姉ちゃんおはよー」

 

元気良く返事を返すシロにアリスちゃんと一緒におはようと返事を返し、手にしていた新聞を机の上に戻してシロがどんな物を買ってきたのか見に行くことにするのだった……発砲の中には鮪のブロックや鯛、それに鮑やホタテがぎっしりで

 

「お前これどうした!?これは明らかに無理だろ!?」

 

シズクの顔が引き攣っているので完全に予算オーバーだろうって思いどうした?と尋ねると、シロはけろっとした表情でどうやってこれだけの海鮮を手にしたのか教えてくれた

 

「市場で水揚げとか、荷物運びを手伝ったら安くしてくれたでござる!」

 

いい人がたくさんいたでござるよと弾ける笑顔のシロ。予想よりも遥か上のレベルでシロの交渉スキルが高い事に驚愕するのと同時に、美神さんの所に電話する時に蛍と一緒に夕食に来てくださいと誘おうと思った。だって流石に1日で消費しきれる量じゃないって思ったしな。昼食の前に美神さんに電話して、ジークに来てくれるように頼み。海鮮が一杯有るので是非来てくださいと夕食に誘い、蛍にも同じ電話を掛けるのだった……

 

 

 

お昼少し過ぎに電話が鳴った。電話を掛けてきたのは横島君で、アリスちゃん達が散歩したいと言っているのでジークを呼んで欲しいと言う事とシロが大量に海鮮を持ってきたので、是非夜に食べに来て欲しいと言う旨の電話だった。蛍ちゃんにも電話すると言っていたので、今こっちの事務所にいるから伝えておくわと伝えて受話器を戻す

 

「じゃあ悪いけど横島君の所にお願いできるかしら?」

 

「全然大丈夫です。それが僕の任務ですから」

 

そう笑って事務所を出て行くジーク。魔族の時は褐色の肌だったけど、人化したら白い肌の優しい顔つきの少年の姿になっていた。ジーク曰く、自分は先祖返りなので性質は神族よりとの事だった

 

「シロが海鮮を沢山持ってきたから夕食食べに来て欲しいってさ」

 

勿論蛍ちゃんは行きますと返事を返してくれたのだが……その後が余りに暗すぎる。と言うか事務所全体から負の気配が発せられている

 

「……」

 

「……」

 

「いや、もうその葬式みたいな雰囲気やめてくれない?蛍ちゃんもくえすも」

 

何で私の事務所にくえすと蛍ちゃんが居るかと言うと、あれである。アルテミスに協力を得るために勢いで言ったというか、言ってしまった恋話云々のくだりの件についてだ

 

「あと、用が無いなら帰ってくれない?柩」

 

「ぷふー!や、やばい!あはははは!笑い死ぬ、くひひひっ!!!」

 

予知でこの光景を見ていたのか、笑いに来たと言ってずっと爆笑している柩に帰るように言うが笑い転げていて話にならない

 

「おキヌちゃん、お茶頂戴。お茶」

 

【はーい、今用意しますねー】

 

どの道今日は依頼を受けるつもりなんて無いので、のんびりするつもりだったのでキッチンで昼食を用意してくれていたおキヌちゃんに悪いと思ったのだが、お茶を頼む

 

「所で、落ち込んでいる所悪いけどさ、くえすって鹿撃ち帽と滝ってキーワードで英国の英霊って思い辺りあるの居る?」

 

私も調べているがそんなピンポイントの記述はそう簡単に見つける事が出来ない。海外に詳しいくえすにそう尋ねてみるが

 

「あのさ……恋話ってどんな話をすればいいの?」

 

「私が知ってると思います?」

 

思わない、でしょう?と言うなんと言うか力の抜けるというか、お互いに横島君想ってる相手同士で顔を見合わせて、なんと言う話をしているのだろうか?これじゃあ真剣な話は出来ないわねと小さく溜息を吐く、いまだに爆笑している柩に本当に何しに来たのよ?と言うと、涙を流しながら立ち上がり

 

「影が近づいてる、気をつけたほうが……だ、駄目!真面目な話なんてでき。くひひひっ!!」

 

話を最後まで言い切る事無く、また爆笑し始める柩。影?また何かトラブルが起きる可能性を予知能力持ちの柩に告げらたが、フェンリル事件の整理すら出来てない今、そんな話は聞きたくなかったし、そして対策も練ることも出来ない

 

(とりあえず聖奈に伝えておきましょ)

 

ジークも戻ってくるだろうし、私の事務所を拠点にして日本の調査をしているワルキューレも戻ってくる。その時に話せばいいと思い、西条さんが入院している病院に入院しているであろう、クロさん、ポチさん、そして言峰神父が何かトラブルを起こしてないか、いや、もっと言えばナイチンゲールが何かトラブルを起こしていないだろうか?と心配していると、腰をガッシとつかまれる

 

「もうこうなったら美神さんも道ずれにするしか」

 

「私と蛍だけに恥をかかせるなんてフェアじゃないと思いません?」

 

「ちょ!?なんで私を巻き込もうとしてるのよ!大体私には「西条さん」「西条がいるでしょう」はなせーッ!」

 

アルテミスとの話し合いに私を巻きこもうとして結託した蛍ちゃんとくえす。普段仲悪いくせになんでこういう時は無駄にコンビネーションが良いのよ。と言うか私と西条さんには何にも無いし!た、確かに子供の時は憧れていたって言うのが無いわけじゃないけれど!

 

「横島君が同席しないからいいでしょ!と言うか、私を巻き込まないでよ」

 

横島君同席しないからそこまで気にする事無いでしょ!と言うか私を巻き込まないでよと言うが

 

「無理、無理なんですぅ!もうなんか爆発する。色々と大事な物が!」

 

何が爆発するって言うのよ!なんか訳の判らない事を言い出す蛍ちゃんに

 

「冷静に考えれば考えるほど、自分が認識してなかったことを認識するんです。自分が自分じゃなくなるような気がして嫌なんですわ」

 

「気のせいよ!」

 

それは恋話をすると約束した自分を客観的に見たからでしょ!と言うが、離す気はまるで無い。と言うか目が見た事も無いくらいマジだ

 

「うんと言うまでか、私の気持ちの整理がつくまでは」

 

「人造貧乏神って言うのがあるのですか、どうでしょうか?私の魔法の実験台になってみませんか」

 

泣き落としと脅しに来るくえすと私達を見て爆笑している柩に本気で殺意を覚えながら、この状況をどうやって切り抜けるかと必死に考えを巡らせるのだが、もう遅かった

 

「はーい♪恋話聞きに来ましたー♪」

 

「……(死ーん)」

 

胸元にオリオンを突っ込んだアルテミスが窓から突撃してきて、私達の目が死んだ色になるのど、おキヌちゃんがお茶とご飯は用意しましたから!と言って逃亡していくのは殆ど同時の出来事だった……

 

 

 

横島君の散歩に同席したのだが、僕は数分でそれを後悔していた

 

「ぷぎゅ」

 

「ふぐうっ!」

 

横島君のペットの突進でこれで3回ほど吹き飛ばされ、地面を転がっていた。ダメージはそれほどでもないのだが、追突された衝撃はかなり凄まじい

 

「悪い!ジーク大丈夫か!?おかしいな、普段うりぼーはこんなことしないのに」

 

「い、いや……良い。り、理由は判ってるつもりだ」

 

閣下にシュートされ、僕と激突した事を根に持っているのだろう。ふんすっと鼻息が荒い所を見ると間違いない

 

「とりあえずリード持つか?それなら突進されないと思うから」

 

突進はされないと思うが引きずり回されそうなので良いと返事を返す。何よりうりぼーが頭を振って超嫌そうにしているし、何をされるかわからないし

 

「うりぼー、あんまり意地悪しちゃ駄目だよ?」

 

「ぴぎゅー」

 

アリスちゃんがうりぼーに注意しているが、それでも不満たっぷりと言う様子だ

 

「みむみむ」

 

【のぶのー】

 

グレムリンと小人が何か言っているが、僕に動物会話のスキルは無いので何を言っているか分からない、だが雰囲気でうりぼーが納得していないのは良く判る

 

「まぁもう少ししたらうりぼーも気持ちの整理がつくでしょう。我慢しなさい」

 

「……そうですね」

 

明らかに僕を知っていると言う様子のタマモさん。誰が逆行の記憶持ちは知らないが、彼女は間違いないようだ

 

「せんせー!早く先にいくでござるよー」

 

「ぷーぎー」

 

「はいはい、今行くから」

 

シロさんとうりぼーに先に行こう行こうと言われ歩き出す横島さん。かなり人目につく集団となっている横島さんから少し距離を取って、周囲を警戒しながら散歩に付き添う

 

「お兄ちゃん、今日帰りに鯛焼き買う?」

 

「今日は止めとこうか?シロが一杯美味しい物を買って来てくれたから」

 

「拙者頑張ったでござる!」

 

この集団の中で人間は横島君1人だけだが、横島君が中心になって集団になっている。前もそうだったが、横島君は抜群に人と仲良くなるのが上手いと思う

 

【ノブー】

 

「だーめ、今日は買い食いしない、でも帰りにジュース位は買ってやるからな」

 

パン屋のショーウィンドウに張り付いて、何かのパンを指差しているチビノブと言う小人を抱き上げる横島君、この時分の横島君よりも精神的にかなり落ち着いていて、そしてあんまり女、女言わなくなっている。そして優しさもあるが、駄目な事は駄目ときっちり言える。まるで子持ちの男性のような印象を受けた

 

【大変だな、横島】

 

「そうでもないけどな。わいわいして楽しいじゃないか」

 

皆思い思いに動き回っているのにそれを楽しいと言い切る。それは僕の知っている横島君だと、本当に成長した40代位の時の精神性に近いと思った

 

(後は直接的な戦闘能力かな)

 

僕は魔族ではあるが、実際それほど闘争本能がある訳ではない。どっちかと言うと大姉上に近い精神性だと思っている、それに対して姉上は強さを至上としている部分があるので、もし機会があれば今の横島君の実力を見て欲しいと言われていた

 

(どうやって言えば良いんだろうか?)

 

戦いを嫌う性質の横島君に組み手を頼んだとしても確実に嫌がるだろうし、どうすればいいんだろうかと思っていると

 

「あ、そうだ。ジークも飯食ってくか?」

 

「え?」

 

シロさんが沢山持ってきた海鮮があるから飯を食っていけよという横島君。ありがとうと返事を返したのだが、本当に僕の知っている横島君と違うなと思った。多分小さい生き物と一緒に暮らしていて、何か思うところがあったからだと思うが、良い所が目に付くようになったからだと思う。横島君と一緒に横島君の家に帰る途中で

 

「大当たりー♪焼肉セット7人前だよ~」

 

「やりい!」

 

みんなで夕食と言う事でジュースを散歩の帰りに買うと言う横島君と一緒にジュースをケースで購入したのだが、クジ引き券で見事焼肉セットを横島君が引き当てた

 

「でもせんせー、これでは足りないでござる」

 

「だよなあ。良し!家に帰ったらシズクに諭吉さんを貰って買出しに行こう」

 

「海鮮に焼肉ねえ……まぁ美味しいから良いわよね」

 

海鮮でだけじゃなくて、焼肉も追加しようという話になる

 

「チビとうりぼーには果物買うからな」

 

「みむー♪」

 

「ぴぎー♪」

 

横島君の言葉に嬉しそうに跳ね回るチビとうりぼー。何だろう?保父さんって言うキーワードが脳裏に浮かんできたんだけど……

 

「横島、私にはなんか無いのー?」

 

「せんせー、拙者はー?」

 

「アリスにはー?」

 

【ノブノブー?】

 

自分達には無いのか?と言われ、横島君はうーんっと唸り、ぽんっと手を叩き

 

「諭吉さんを2人貰える様に交渉してみよう」

 

どうも横島家の財政は全てシズクさんが仕切っているようだ。暗くなる前に帰って、シズクに交渉しようと言う横島君を先頭に、僕達は横島君の家へと戻るのだった

 

「ジーク、これ庭に出して」

 

「判った」

 

シズクさんとの交渉は成功し、再び買出しに出た後。バーベキューセットを出してくれと言う横島君の手伝いをしながら、美神さん達が来るのを待ちながら、キャンプシートや飲み物の準備をする

 

【シズクちゃん、このホタテネギ味噌で良いんですか?」

 

「……ああ。ネギ味噌焼きにしよう」

 

「じゃあ私は醤油と味噌とにんにくで焼肉のタレを作るよ」

 

戻ってきたら居たおキヌさんとシズクさんにハーピーが横島さんの家で料理を作り、リビングでは邪魔しないようにアリスちゃん達が遊んでいた

 

「みーむー♪」

 

「チビはボール遊び上手だね、うりぼー、行くよー?」

 

「ぷぎゅー」

 

リビングで楽しそうに遊ぶアリスちゃん達と縁側に座り

 

【焼きメロンパンとか斬新とか思わない?ちょっとずつ粉砂糖を振りながら、こんがり焼くとか最高じゃね?】

 

【焦げ焦げにならないといいですね】

 

野菜の下拵えをしている英霊2人を見て、もう横島君の家って周りの人に化け物屋敷とか思われてるんじゃないかな?とふと思った。だって人魂とか結構浮いてるし、普通に浮いて家に入っていく人とかいるし、そんなことを考えながら準備を手伝っていると、ふと背筋に冷たい気配を感じた。これは!?

 

「横島さん、ご招待ありがとうございます」

 

「大姉上!お疲れ様でしたッ!!」

 

大姉上が笑顔で入ってくるのを見て、僕が即座に頭を下げたのは言うまでも無い

 

「美神さん、蛍。それに神宮寺さんもいらっしゃい……あれ?美神さん達、なんか疲れてません?」

 

「……気のせいよ」

 

「気にしなくていいですわ」

 

「大丈夫だから」

 

そうですか?と不思議そうに呟く横島君はまぁ良いかと笑う。いや、全然良くないと思うんだけど

 

「じゃあ夕ご飯にしましょう」

 

にこにこと楽しそうに笑う横島君を見ていると、大姉上に財布を渡され

 

「白ワインと赤ワインを3本ずつ。15分以内に」

 

「はいっ!!!行ってきます!」

 

ここから商店街に行くまでに8分掛かるとか、そう言うのは全く関係ない、指定された時間内で買って戻らなければ叱られる。僕はそれだけを考えて、大姉上の財布を持って横島君の家を飛び出すのだった……なお、15分12秒とかで拳骨を落とされたのは言うまでも無い……

 

【ワシのメロンパンがぁぁッ!?】

 

【大炎上ですね】

 

【なんでバーべキューのでメロンパンを焼けると思ったんですか?】

 

激痛に悶える僕の前で横島家の何時も通りの日常が繰り広げられていた

 

「はーい、チビノブとアリスちゃんの分焼けたよー」

 

「はーい!お兄ちゃんありがとー♪」

 

【ノッブ!ノブノブー】

 

バーベキューと言う事で横島君が料理の手伝いをしているのだが、バーベキューグリルの上に似つかわしくない物が2つ

 

「あちちち、おー出来た出来た、タマモーチビとうりぼーに焼き林檎食べさせてやってくれ」

 

「はいはい、ほら。チビ、うりぼーおいで」

 

「みっむう♪」

 

「ぷぎゅ」

 

「せんせー、せんせー、拙者も肉ー」

 

「……お前は少し魚も食え」

 

「もがっもがもが……旨い!」

 

「はーい、野菜とお肉持って来たよー。ジュースに入れる氷も用意できたよー」

 

ハーピーやシロさんタマモさん含め、横島さん達がわいわいがやがやと楽しそうな中。妙に美神さん達が静まり返っている

 

「どうかしたのですか?」

 

大姉上も気になったのかそう尋ねるけど、なんでもないと声を揃える3人。あれは絶対何かあったと思う

 

「はい、美神さんと蛍と神宮寺さんもどうぞ」

 

「あ、あああ、ありがとう」

 

「あ、ありがとうございますわ」

 

不思議そうに首を傾げる横島君。だが僕はあのやり取りで理解した、横島君関連で何かあったのだと、でも何かあったと思っても黙っておく事が美徳と言う事もあるので、僕は無言でホタテのネギ味噌焼きにフォークを伸ばすのだった……

 

 

リポート20 狼の居る日常 その2へ続く

 

 




アルテミスとの恋話は別件で書こうと思うので、もう少し先まで待っていてください。うりぼーはジークが嫌い、高城に投げられて痛い思いをしたので、隙あれば突進していくスタイルです。次回は六道での話と病院の話を合わせて書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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