GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からは「犬には向かない職業」をシロとタマモの話にして書き直して行こうと思います。もちろんまだ横島の家に滞在しているアリスちゃんも交えての話です。少し登場人物が多いですが、頑張って仕上げていこうと思います。それでは今回の話もどうかよろしくお願いします


その5

 

 

リポート20 狼の居る日常 その5

 

美神さんからの申請書類、それに了承の判子を押してから数日後……

 

「はい、はい。お手数かけました」

 

『いえいえ、構いませんよ。神代会長の勇猛さは私共の所まで来ておりますから』

 

「まだまだ小娘ですよ」

 

『六道婦人が選んだお方です。きっとこれから伸びるでしょう、これからも良いお付き合いを期待しています。ではマーロウをよろしくお願いしますね』

 

その言葉を最後に電話が切られる。今の世界で最高と言われるGS犬「マーロウ」既にかなりの老犬だが。その能力は若いGS犬を遥かにしのぐ。若い時も優秀だったらしいが、老いてなおその能力はまだ進化しているとなればどれだけ規格外か良く判る

 

「シロちゃんとタマモちゃんをどうするつもりかしらねえ」

 

横島君の所に転がり込むことになった人狼のシロちゃんに、既に人化を完全に会得し、更に9本全ての尻尾を回復させたタマモちゃん。その2人を戦力として鍛える為にマーロウの派遣を私に頼んできたのは判る。今の所仕事も無いからとすぐマーロウが派遣されたのは嬉しいけど、マーロウを見て2人がどんな反応をするかが少し心配よね

 

「でもまぁ、そればっかりじゃないし」

 

今入院している人狼の長からの頼み。人狼族の里を開放するので、その代わりに若い優秀な人狼にGS免許を配布してほしいという物。人狼の能力は確かに高く、その感覚も優秀だ

 

「だけどなあ。表立って受け入れるとなると」

 

大分馬鹿な連中は切り捨ててきたが、そう簡単に受け入れるとなるとまたこれは別問題になる。人狼は海外ではワーウルフ、つまり吸血鬼のシモベという立ち位置だ。そうなるとバチカンが騒ぎ出す可能性もあるし、トチ狂った自称正義の吸血鬼ハンターが日本に来日する建前になってしまう、戦力としては欲しいが、まだ揉め事になるのは避けたい

 

「やっぱ冥華さんに相談しよう」

 

どう考えてもこの件は私だけでは決めれない、冥華さんにお願いして協力してくれる人を集めて相談するべきだろう、まだ入院すると聞いているので、その間に話がある程度固まれば良いんだけど……そんなことを考えながら、先ほど部下が持ってきた手紙の確認をしていると、1つだけやけに雰囲気が違う封筒が出て来た。紫色の刻印が刻まれた物々しい雰囲気の便箋

 

「っとついにあっちも動いたわね」

 

横島君を襲撃した謎の人形使い。それが所属しているかもしれない陰陽寮……ううん、もっと言えば躑躅院からの会談の了承の手紙だった

 

「こっちを優先しないといけないわね」

 

関東のGS協会と関西の陰陽寮。その関係は決して良いものでは無い、だからこそ名目は会談としたが、これはお互いの腹の探りあいであり、そして高度な政治的やり取りでもある

 

「あー胃が痛くなってきた……」

 

うら若い乙女だと言うのに、どうして胃薬が手放せないのかしら……私は深く溜息を吐きながら、冥華さんに連絡を取るため受話器に手を伸ばすのだった……

 

 

 

人狼の長老さんとクロさんにシロを預かって欲しいと言われ、教授が使っていた部屋をシロとタマモの部屋へと改装することになった、まぁ男が俺1人なので正直肩身が狭いなあと思わない事も無いが、毎日がにぎやかで楽しいでこれはこれで良いかと思う事にした。今もそうだ

 

「散歩ー♪散歩ー♪散歩でござるー♪」

 

「みっみーむ♪」

 

「ぷぎゅぴっぐっ♪」

 

「お散歩ー♪」

 

早朝の散歩と夕方の散歩にシロが混ざり、そして念の為の護衛として付き添ってくれているワルキューレさん。何時も以上ににぎやかで楽しい散歩となっている

 

「せんせー!拙者と競走するでござる!拙者が勝ったら、商店街の揚げたてコロッケを買って欲しいでござる!」

 

「競走は良いけど、買い食いするとシズクに怒られるぞ?」

 

俺の言葉にシロがびくっと肩を竦める。我が家の食事事情と財布を管理しているシズクを怒らせるのは生活する上で死活問題になってくる。現にタマモと喧嘩しすぎて2人とも髪を蛇にしたシズクに超怒られていた。それを思い出したのか、シロの顔は青白い

 

「むっむー、怒ると思うでござるか?」

 

「めっちゃ怒ると思うけど?今日はトンカツにするって言ってたし」

 

肉……肉食べたいでござると腕を組んで唸っているシロはむむうっと唸った後

 

「では競走だけでも」

 

「公園に着いたらな」

 

歩道で競争していたら通行人に迷惑になるから公園についてからと言うと、ワルキューレさんが小さく吹き出した

 

「どうしました?」

 

「いや、なんと言うか、おまえが保護者に見えて仕方なくてな。いや、歳を取って見えるという訳じゃないぞ?雰囲気がな」

 

チビとかと暮らしてるから面倒見が良くなったのかな?それに毎日が明るいし、幽霊とは言え女の子も家にいるのでエロイ本とかも見なくなったし……何より自分でも思うくらい落ち着いてきた様な気がしなくも無い。思わず考え込んでいると

 

「せんせー!早く競走するでござるよー!」

 

「ぴぐー♪」

 

「みみーむ♪」

 

「早くー♪」

 

シロ達に呼ばれ顔を上げるとシロ達はもうずいぶん先を歩いていて、公園のすぐ近くまで行っていた。

 

「はいはい、今行くよ」

 

競争と言っているので軽くウォーミングアップと言うことで少し駆け足で、シロ達の所まで走るのだった……なお結果は

 

「ぴっぐー♪」

 

「ま、負けたでござる……」

 

少し巨大化して物凄い勢いで走り出したうりぼーの圧勝だった。さすが猪、1度勢いが付けば加速力は流石に凄まじい

 

「負けちゃった」

 

「アリスちゃんドレスだしな、走りにくくない?」

 

ちょっぴりと言って舌を出して笑うアリスちゃん。シロはともかく、俺達は遊びのつもりだったので良い運動になったと言う事で良いだろう。そんなことを考えているとポケットから軽快なメロデイが響く

 

「ん?電話だ」

 

ポケットに手を入れる前に、ポケットから変形したトカゲデンワが飛び出してくる

 

『もしもし横島君?悪いんだけど、シロとタマモを連れて事務所に来てくれる?ちょっと急な除霊の話があって手伝って欲しいのよ』

 

「それは良いんですけど、こら!チビ!止めろ!すいません、ちょっと待ってください」

 

「みむ、みむむむ」

 

【キュー!キュイー!?!?】

 

チビがトカゲデンワに手を伸ばし、トカゲデンワが逃げ回る。生きて動く機械に興味津々なのは良いが、下手をすれば解体してしまうのでチビを捕まえて

 

「アリスちゃん。ちょっと捕まえてて」

 

「はーい♪」

 

「みむう……」

 

アリスちゃんに捕まってもまだ視線でトカゲデンワを追いかけているチビ。トカゲデンワが隠れて姿を見せないのがチビが怖いと言うのが本当の所だと思う

 

「えーっと何時までに行けば良いですか?」

 

時計を確認すると時刻は16時15分。家から美神さんの事務所までは約50分ほどなので集合時間を確認する

 

『18時までにお願い。一応シズクにはもう連絡してあるから、丁度カツを揚げる所だからカツサンドにするって伝えてくれって言われてるわ』

 

カツを食べると意気込んでいたシロの尻尾が垂れていたが、美神さんのその言葉でまたパタパタと振られ始める

 

『それとシロとタマモの2人にも関係あるから2人を絶対連れて来てね。じゃ、待ってるから』

 

シロとタマモを?なんでだろとは思ったが判りましたと返事を返す。トカゲデンワは通話が終わるとまたポケットに入って動かなくなる、どれだけチビを怖がっているのだろうか……

 

「ワルキューレさん、すいません、急いで戻る必要が」

 

「話は聞いていたから大丈夫だ。急いで戻ろうか」

 

本当はもう少し遊ぶ予定だったが、仕方ない。アリスちゃん達を連れて俺は1度自宅に戻り、タマモとシズクを迎えに行く事にするのだった……

 

 

 

 

横島のバイクの最終調整をしていると美神さんから呼び出しがあった。後はフレームを組み付けて、塗装するだけなんだけど

 

「ごめんお父さん、最後の仕上げお願いするわ」

 

「判ったよ。気をつけて行っておいで」

 

同じくツナギ姿のお父さんにそう声を掛け、油やオイルで汚れている身体をシャワーで綺麗にしてから美神さんの事務所へと向かった……なお残されたアシュタロスはと言うと

 

「……もう少し馬力を上げてっと、ううーん。蓮華、やっぱり蛍がオミットした機能を付けたいと思うんだけどどう思う?」

 

「あんまり改造しすぎて姉さんに怒られないようにしてよ?」

 

判ってる判ってると楽しげに返事を返し、蓮華に呆れられていた。そして蛍がオミットしようとしていた機能とは

 

「やっぱり眼魂でパワーアップする機能は欲しいよな」

 

ゴーストドライバーの機能を限定的に再現する機能だった……鼻歌交じりで1度組み上げられたマシンを解体する姿を見た蓮華は額に大きな汗を流し

 

(私、しーらないっと)

 

これは絶対姉さん怒ると確信し、逃げるように地下の整備室を後にし

 

「あげはー、散歩行くかい?」

 

「いくでちゅー♪」

 

あげはを連れて散歩と言う名の逃走を図るのだった……

 

「うわ、めちゃくちゃ良い肉でござるなぁ。美神殿の夜食でござるか?」

 

【ああ、これは違うんですよ。お客さんにです】

 

「お客って普通はお菓子とかじゃないの?相手が犬じゃあるまいし】

 

【いえ、お客様って犬なんですよ』

 

「「「「はい?」」」」

 

階段の上から横島達の声が聞こえる。もう先に到着していたのかと思い階段を登ると、横島とシロとタマモ、それにシズクにそしてノッブにチビ達といういつもの面子なのだが、今日は横島がチビノブを肩車していた

 

「あ、蛍。珍しいな、俺より遅いなんて」

 

「ちょっとね、家の用事。それでどうしたの?」

 

階段の下で話はある程度聞いていたけど、どうしたの?と尋ねると、応接間の扉が開いて

 

「こっちまで聞こえてるわよ。そんなところで話をするより何かに来なさい」

 

美神さんが苦笑しながら応接間に来なさいと言うので、判りましたと全員で返事を返し、応接間に入る。そこには、明らかに老犬と思える1匹の犬の姿があった

 

「おキヌちゃん。そのステーキはマーロウに、態々飛行機で来てくれたからね。まずは食事にしてあげて」

 

【は、はい。判りました、マーロウさん?どうぞー】

 

おキヌさんがステーキを置くと伏せていたマーロウはのそりと起き上がり、とても老犬とは思えない勢いでステーキに齧りつく

 

「えーっと美神さん。犬がお客様ってどう言う事なんですか?」

 

「マーロウって言うのよ、横島君。今世界で一番優秀って言われてるGS犬よ」

 

GS犬?と言う横島達の困惑した声が口から出る。私も正直困惑した声をしていたと思う

 

「別に驚くことは無いわ。動物は元々人間よりも霊能力が高いし、犬は特に訓練すれば人間とも協力出来る、理想的な動物なのよ」

 

美神さんの言葉に横島がへーっと感心したように呟き、うりぼーの頭を撫でながら

 

「じゃあうりぼーもGS猪になれますか?」

 

「……それはちょっと判らないわね」

 

 

 

弾ける笑顔の横島に目に見えて美神さんの顔が曇る。相変わらず発想が斜め上を突き抜けている……GS猪ってなんなのよ……

 

「それで、私とシロもって聞いてたけど、何?私達をGS犬にでもするつもり?」

 

普段は大人しく、そして横島の家の手伝いもしているが、基本的にプライドが高いタマモがめちゃくちゃ不機嫌そうに口を開く、それに対してシロは

 

「拙者シロでござる。よろしくでござるよ、マーロウ殿」

 

「……わふ」

 

友好的でマーロウに挨拶をしていた。その姿を見て、ふと思いだしたのだがシロじゃなくて、シロさんの時。つまり未来な訳だが、シロさんのGS犬としての師匠はマーロウで色々な事を教わったと言っていた気がする

 

「シロは性格的に向いてると思うけど、タマモは無理でしょ?ならマーロウの動きを見て、その所作とか盗むでしょ。あんたなら」

 

遠まわしに横島の利益になると判断すれば、言わなくても覚えるでしょ?と言われタマモが顔を逸らす。シズクにしてもそうだけど、タマモも基本的に横島本位すぎるのよね

 

「……それで夜の除霊にしても早い、しかし昼の除霊にしては遅い。こんな時間に呼んだ理由は何だ?」

 

お弁当であろうバスケットを手にしているシズクが美神さんにそう問いかける。18時なんて言う中途半端な時間、そんな時間に除霊って今まで無かったわね

 

「今説明するわ。今都内で騒ぎになっているんだけど、レストランとか食堂が荒らされるって聞いたこと無いかしら?」

 

あーなんかニュースとかTVで見たような……

 

「建前は連続食い逃げってなってるけど、人の口に戸は建てられないとはよく言ったものよ。噂が出来てしまったの、幽霊がレストランを

襲うってね。これは正直良くない傾向なの」

 

「噂でしょ?それがなんで良くないんですか?」

 

横島が不思議そうな顔をするが、私は美神さんの言わんとしている事が判った

 

「妖怪や鬼って言うのは人間の畏れを糧にしているのよ、そしてたいした噂ではないとしてもそれだけ人に知られれば、レストランの経営者が自分の店が襲われて、客足が遠のくと恐れれば、それはもう畏怖となるの。そうなれば、この事件を起こしている相手は強い力を得ていくわ、それこそ自分の霊格を上げるほどにね。だからその前に成仏させるのよ」

 

都市伝説や古い逸話のある妖怪と言うのはそれだけ危険と言う事よと言った美神さんは真剣な表情で

 

「多分今回の敵は死霊使い(ネクロマンサー)よ、動物霊を駆使して、祓っても祓っても別の幽霊がレストランを襲うのよ」

 

「……あれ?それならアリスちゃんも連れてきたら良いんじゃないですか?強い死霊使いなら、弱い死霊使いの僕を奪えるんだよって物凄い俺に自慢してくれてましたよ?」

 

……横島の能天気な言葉に事務所の中は静まり返り、少しの静寂の後

 

「……アリスちゃんって助っ人として呼んで大丈夫かしら?」

 

「ど、どうでしょう?ワルキューレさんとか、ジークさんに話を聞いた方が良いかも」

 

1度専門家の話を聞きたいと言う事になり、横島の家でアリスちゃんの護衛をしているワルキューレさんに電話をする事になるのだった……

 

 

 

アリスちゃんが死霊使いと言う事を私は完全に忘れていた。と言うか、それ所か彼女がゾンビと言う事も実際忘れかけていたと思う。横島君をお兄ちゃんと慕い、天真爛漫な少女と死霊使いとゾンビと言う事とはとてもではないが繋がらないからだ

 

「どう?アリスちゃん。何か感じる?」

 

「ん、んー……もうちょい先かな?」

 

横島君と手を繋いで何かを探している様子のアリスちゃん。私は足元にいるマーロウに

 

「態々来てもらったのに役割を取ったみたいでごめんね?」

 

「……ワン」

 

少し間があったがマーロウは返事をしてくれた。だがそれは怒っているわけでもなく、かといって呆れているわけでもない……今の感じは

 

「気を緩めるな、だそうでござるよ」

 

「翻訳ありがと」

 

シロがマーロウの言葉を翻訳してくれた。やっぱり警告の声だったみたいね

 

【美神さん、来ます!】

 

「来るよ!」

 

上空で警戒してくれていたおキヌちゃんとアリスちゃんの警告の声が重なった瞬間。下水道の蓋が弾け飛んで大量の動物霊が飛び出していく、だがその数が問題だった、1体や2体では無い、それ所か両手の指でも足りない程の圧倒的な数

 

「……ちっ、大分力を付けてるぞ」

 

シズクが舌打ちをし、忌々しそうに告げる。これだけの数を使役する、今飛んで行った数を見ればその力にはおおよその予想がつく

 

「美神さん。これは大分不味いかもしれないですね」

 

「そうね、とりあえず追いかけるわよッ!」

 

バンに乗ってと声を掛け、全員が乗り込んだのを確認してからバンを走らせる

 

「ちょっと!そっちじゃないわよ!左!」

 

「ワンワンッ!!」

 

霊体の群れを追って直進しようとしたが、タマモとマーロウの怒声が重なった。思わずブレーキを踏む

 

「あれはフェイクよ、良く見て」

 

タマモに言われて動物霊の動きを見ると、不規則に飛んでいる物と、ある程度規則に沿って動いている2種類が見える

 

「ワン」

 

「どーも、褒めてもらえて嬉しいわ」

 

どうもマーロウもタマモにやるじゃないかと言ったようで、褒めてくれてありがとうとあんまり嬉しくは無さそうだが、一応礼を口にしている。私はマーロウとタマモの言った左の方へハンドルを切る。暫く走っていると2人の言っている意味が良く判った

 

「これ、あちこちから……」

 

「すげえ数だ」

 

「みむう……」

 

「ぷぎゅ」

 

【ノーブー】

 

【いや、これちょっと洒落にならんぞ】

 

蛍ちゃんと横島君の驚いている声とチビ達の不安そうな鳴き声が聞こえる。正直私も驚いている、どこからこれだけの数がと思うレベルで動物霊が集まって来ている

 

「……嫌な流れだな。これは……」

 

「最後まで付き合ってくれるかしら?ワルキューレ」

 

用が済んだらアリスちゃんを送って帰ると言っていたワルキューレにそう問いかける

 

「乗りかかった舟だ、最後まで付き合うさ。だがこれは並大抵の事じゃないぞ」

 

「うん、それは私も感じてる」

 

最初は動物霊ばっかりだったのだが、途中から軍服を着た人間霊も混じって来ている。東京にはかつて多くの日本軍基地があった、戦争中

で死んだ兵士もいれば、戦後に戦犯として処刑された者もいただろう。それらも使役しているとなると只の死霊使いでは無いだろう

 

(でもこれで謎が解けたわね)

 

どうして食料品ばかりを奪うのか、その理由も判ってきた。だがそれはかなり不味いことになっていると言う証でもあり、思わず顔を歪める。そして動物霊達はマンホールの中へと飛び込んで消えて行った……

 

「最悪、最悪すぎるわよ」

 

「……ですよね。私もそう思います」

 

とは言え、今更助っ人を頼んでも間に合わないだろうし、これ以上力を付けさせるのは危険だ。バンを停めて後部座席へと振り返る

 

「横島君、予定変更だわ。アリスちゃんと一緒についてきて」

 

「え、でもアリスちゃんは車に残すんじゃ……」

 

確かに最初はそのつもりだった。だけどそうは言ってられなくなった

 

「……霊力の吹き溜まりになっている、ここに残す方が危険だ」

 

「そうでござるなぁ、拙者も感じるでござるよ」

 

まさかこれほどの霊力の吹き溜まりが都内にあるなんて思っても見なかったが、戦力的には十分に整っている。不意打ち、奇襲に備えれば十分対応出来るだろう。但し、まだ相手の正体も判っていないのでそうと決め付けるわけには行かないけど……

 

「とりあえず、降りて調査するわよ。最悪の場合一時撤退することも考慮するから」

 

判りましたと返事を返す横島君と蛍ちゃん。私もバンの運転席から降りて、後ろに積んでいた霊具などの確認をしながら、もう1度周囲の霊視を行う。周囲の建物全体が放つ霊気とマンホール周辺の霊気が全く異なるのを感じて、これはもしかするとかな厄介な案件かもしれないと改めて感じた

 

(まさか都内でこんな事件に当たるなんてね)

 

しばらく遠出の依頼を受けないで、都内の簡単の地鎮祭や、除霊を行おうと思っていたのに……どうも私達、ううん、神魔が思っている以上に今の世界はどこかおかしくなってきているのかもしれない……私はそんなことを考えながら、蛍ちゃんと横島君に手渡す精霊石のペンダントと指輪の確認をするのだった……

 

リポート20 狼の居る日常 その6へ続く

 

 




ワルキューレ、アリス、タマモも加えての地下での除霊の話になります。次回はやや長い話になるかもしれませんね。狼の居る日常はデジャブーランドまで繋げていく予定なので、もう少しリポート20は続きますのでどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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