GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は遊園地での修羅場(?)を書いて行こうと思っています。上手にどたばたを描くことが出来るか判りませんが、頑張ってみようと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その5

 

リポート2 これは慰安旅行ですか?いいえ、修羅場です? その5

 

……これは予想出来てた事態よね……慰安旅行の最終日にオープンする予定だという遊園地を貸切にして貰っていた。だから全員で遊園地と言う話になったんだけど

 

「まぁまずはあれでしょ?ゴーカートとかどう?」

 

「……私はあれがいいと思うがな、幽霊屋敷。本物を知っているんだ、笑いに行こうじゃないか」

 

【ワシはこれじゃな!ジェットコースター!面白そうじゃ!】

 

【私……横島さんに憑いて無いと遊んでるって実感できないんですけど……】

 

「貴方が誘ったのに、私をほっておくのですか?」

 

横島君は顔を青くさせておろおろしてる。遊園地だから皆思い思いに遊ぶだろうと思って居たんだろうけど、そうじゃなかったみたいね

 

(と言うか、くえすが動いたから皆動き出したって感じよね)

 

1番最初にくえすが横島を連れて動こうとした。だからそれを阻止する為に蛍ちゃん達、そうなるとどっちも引くに引けない状態で横島君の返答待ちとなってしまったのだ

 

(まぁ……なんて言えばいいのかなあ)

 

横島君が悪いのか、それともくえすが悪いのか?誰が悪いか?なんて判らないが、横島君にとって誤算だったのは間違いないだろう。横島君は自分の評価が極めて低い、だから皆好きなように遊んで、偶然会って一緒に遊べば良い程度に思っていて、まさかこれほどまでに誘われると思ってなど居なかったのだろう。助けてと目が叫んでいる横島君を見て、私は溜息を吐きながら、さっきから準備して物を完成させ、それを適当にペットボトルの中に詰め込みながら

 

「はいはい。落ち着いて」

 

手を叩き私に視線を向けるんだけど、物凄い光を放っていて、正直めちゃくちゃ怖い。なんで私がこんな事をしてるんだろう?と思いながら

 

「くじ引きで決めない?恨みっこ無しで」

 

このままだと埒が明かないし、女好きだけど純情な横島君があそこまで囲まれている状況にいつまでも耐えれると思えない。横島君の脳がキャパオーバーしてしまう前に私はそう助け舟を出したのだった……

 

 

 

なんでこんな事になったのだろうか?俺はそればかりを考えていた。遊園地の貸切……そんなの普通に考えたらありえない物で、どんなアトラクションも並ばずに遊ぶ事が出来る。だから、皆思い思いに遊ぶと思っていた……だけどいざ遊園地に来て見れば酷く殺伐とした空気となりみんなに誘われるという異常事態

 

(俺モテ期……とか言ってる場合じゃねえよ)

 

こんなのは予想外であり、こんな経験もした事も無いので対処法も判らない。ただおろおろしつつ、早く遊びたいと言わんばかりに尻尾を振っているチビとモグラちゃんにタマモを見ている事しか出来なくて……心眼は心眼で

 

【お前はもう少し自分の評価を改めるべきだと思うぞ】

 

俺の評価なんて、あれだろ?馬鹿で助平で臆病者……モテる要素なんて無い

 

【お前は……いや、何も言うまい】

 

心眼先生……なんで呆れてるんですか……?俺の味方じゃないんですか?

 

【学べ、お前自身の価値を。お前はそれだけ求められ、そして必要とされていると言う事に……私はそうだな。お前の霊力の調整でもしている。だから呼んでも返事は出来ないぞ】

 

心眼はそう言うと黙り込んでしまった。呼んでみても反応の無い所を見ると助けてくれる可能性はゼロだ

 

「じゃ、横島君。くじ引いて、今の所シズクとくえすが1 蛍ちゃんとノッブ達が2。1を引いたらシズクとくえすと一緒に遊園地を回る。2を引いたら蛍ちゃんとノッブ達と回る。んで、その後にもう1回くじ引いて、午前と午後を決めるから」

 

背中に物凄い圧力を感じながら、俺は目の前にある2本のくじの1つを掴み引き抜くのだった……

 

「ふむ。幽霊屋敷大脱出ですか……些か陳腐な気配は感じますが、本物を知っている私達ならば笑い話にはなるでしょう」

 

「……案外本物が混じるかもしれないだろう?横島の除霊経験になる」

 

なるほど、それは良い考えですわと笑う神宮寺さんとシズクに先導されながら、幽霊屋敷大脱出に向かうのだが

 

(なんか仲良い?)

 

蛍やおキヌちゃんは神宮寺さんを明らかに敵としてみたが、シズクにはそれが無い。もしかしたらシズクは神宮寺さんが良い人だと判ってくれた?もしそうだったら良いなあと思いつつ、お化け屋敷は嫌だなあと思ったのだった……なお当然ながらくえすとシズクは仲良くなった訳ではない。ただ単純にお互いの利害の一致。その一点があったので一時的に協力しているに過ぎない

 

(お前はなかなか強かな女だ)

 

(お褒めに預かり光栄とでも言いましょうか?)

 

横島に聞かせないように小声で話すくえすとシズク。口元は笑っているが、目は一切笑っていないのが実に怖い……そして

その利害の一致の内容と言うのが……

 

(怯えている横島は可愛い)

 

(同意しましょう)

 

本質的にSっ気の強いくえすとシズクの性格上の同意と言うのがまず酷かったりする……

 

「……オレ。マッテル」

 

見ただけで判る。これはやばい奴や……思わず片言になりながら、待ってると言ったのだが

 

「行きますわよ。折角来たのですから」

 

「ふ、ふぁい……」

 

神宮寺さんに腕を胸元に抱え込まれてしまったら、怖くても逃げることは出来ず。俺は男の性に思わず心の中で涙し、半分

引きずられながらお化け屋敷へと引きずりこまれるのだった……

 

横島君の恐怖を音声だけでお楽しみください

 

 

「いやああああああ!もうやだああああ!!オレ帰るうううううう!!!!」

 

「こんな作り物を怖がってどうするんです?夜の墓場でゾンビの方がよっぽど怖いですわよ?」

 

「……見ろ横島。チビ達だって怖がってないぞ?」

 

「うわあああん!!オレは怖いのも痛いのも嫌なんだよぉ!!!」

 

「みむう♪」

 

「うきゅー♪」

 

「ココーン♪」

 

このお化け屋敷の中で怖がっていたのは横島だけで、後の面子は笑って通り過ぎていた。なおお化け屋敷から出た後くえすとシズクがやけに満足げだったのは怖がっている横島の姿を十分に満喫出来たからであろう……

 

「もうお化け屋敷やだ……普通に遊べる所がいい」

 

チビ達を抱えながら別の場所が良いと神宮寺さんとシズクにお願いする、他にも心霊系のアトラクションがあるが、とてもではないが、俺の心臓が持たないので別の場所が良いと頼むが

 

「折角ですから、まだ他のも見て行きましょう」

 

「……だな。陳腐で面白い」

 

「嫌やー!!!」

 

まだ他の心霊アトラクションを回る気満々の神宮寺さんとシズクの言葉に思わず絶叫すると

 

「ふーん、じゃあ今度は私も付いていこうかしら?面白そうだしね」

 

【じゃな!色々遊ぶほうが面白いじゃろ!】

 

【……】

 

蛍達が俺の後ろに姿を見せ、さっきまでの笑顔を消し、無表情になったシズクと神宮寺さんを見て、俺は恐怖の余りモグラちゃん達を抱えてベンチに腰掛けるのだった……

 

 

 

 

おキヌさんに見ていて貰っていたけど、怖がりな横島を心霊系のアトラクションに連れまわすのは正直どうだと思った。まぁ1箇所くらいならと思っていたけど、まだ回ると聞いて流石に黙って見ている事が出来なくなった

 

「何をしているのです?午前中は私とシズクが横島と回るはず、それを無碍にするのですか?」

 

一切のぬくもりを持たない声色でそう声を掛けてくる神宮寺。無論それは知っているし、無碍にするつもりも無い

 

「だから回ればいいでしょ?私もそっちに行って見るだけだから。誰も居ないアトラクションって正直詰まらなくて。邪魔はしないから向かう方向は一緒でいいでしょ?」

 

午前と午後に分かれて回るという話をしたが、別に一緒に回っていけないという話をした訳ではない。ただ一緒に話し合って、どのアトラクションへ行くか?と言う権利をシズクと神宮寺が持っているだけであり。私達がそれに同行してはいけないと言う訳じゃないでしょ?と言うと

 

「屁理屈ですわね」

 

目で殺してやると言っている神宮寺を無視して、話を進める。自分でもかなり強引だと思っているので、考える隙を与えてはいけないと思ったからだ

 

「屁理屈だろうと、間違っては無いわよ。大体横島が怖がっているのに心霊系のアトラクションばかり行こうとするのが気に食わないわ」

 

元々は邪魔しようなんて思ってなかった。だがあの横島の様子と妙に満足気なシズクと神宮寺の顔を見て確信した

 

(怖がってる横島を見て楽しんでいる)

 

確かに横島は怖がりだ。怖い物を見ると錯乱して、泣いたりする。それは確かに可愛いと思うときもある、だがそれを見たいが為に横島を怖がらせるような真似を黙ってみている訳にはいかない

 

【なぁ?シズクー?お前が横島を怖がらせてどうするんじゃ?】

 

「……すまないと思っている。あまりに可愛いからつい」

 

可愛いって何っ!?と叫ぶ横島。綿島今現状の自分の姿を見ると良いわよと言いたかった。半泣きでチビ達を抱き抱えてベンチに座っている。普通に可愛いじゃないの!と叫びたかった、だがそれをしては完全にシズク達側になってしまうのでその言葉を必死に飲み込み

 

「普通に遊園地で遊ぶのよ、怖がらせて、怖がって楽しんでいる姿を見てどうするのよ。慰安旅行の目的が違うじゃない」

 

そう、これは慰安旅行であり、決して横島を怖がらせて楽しむ物ではない。だから私は邪魔に入ったのだ

 

「……目的を忘れていましたわ」

 

しまったという顔をして頭を抱えている神宮寺……それを見て思った。そして口にしていいか迷ったが、口にした

 

「あのさ?言いたくないけど……結構馬鹿なの?」

 

「……否定できませんわ」

 

……こ、これってもしかして初恋で暴走してるだけ?……ルシオラの時に経験があるから判る。考える前に行動、そしてその結果悪い結果になってしまったときと同じだ。その気持ちについては同意できるが、今はここで畳み込む必要があるので、優しさなんて出さない

 

「そんなんじゃ横島に怖がられて、嫌われて終わりじゃないの」

 

「「!?!?」」

 

今気付いたと言わんばかりのシズクと神宮寺の絶望した顔を見ながら、漸く落ち着いた横島に

 

「ね?横島も怖いのより、皆で和やかに遊びたいよね?」

 

「ワイは全然そっちのほうがいい」

 

「みむ!」

 

「うっきゅー!」

 

チビとモグラちゃんも横島の意見に賛成と言わんばかりに頷いている。横島は根本的に争いが嫌いな人間だ、故に最初のくじの段階でも相当心を痛めていただろう。その証拠に標準語じゃなく大阪弁なのがそれほどに弱っているという証拠だ。なおタマモは

 

「クウン……」

 

心霊のアトラクションで心をすり減らしている横島を励ますように、頬に擦り寄っていた。横島はそんなタマモを見て励ましてくれてありがとなと笑っている。動物の身体と言うのをフルに生かした戦術だ……これは流石に真似できない。とりあえず今は横島が心霊アトラクションに連れて行かれないようにしないと……じゃないと横島が本当に泣き出してしまいそうだから

 

「と言う訳で皆で仲良くアトラクションを回る。それで良いでしょ?邪魔するとかしないとか、午前とか午後じゃなくてさ」

 

これは私にとっても苦渋の決断だ。なんせノッブとおキヌさんは幽霊。実質午後からは横島は私が独占できる。お化け屋敷で怖いと抱き付いたり、メリーゴーランドや観覧車を2人きりで乗ることも出来る。だがそれをすると横島は気にするだろう、シズクや神宮寺さんは何してるだろう?と……そうなれば2人きりでも横島の意識は私じゃない別の人に向けられてしまう。そんな状態で2人きりになっても何の意味も無いのだ。だから嫌で仕方ないけど、皆で遊園地を回る。これが最も冴えたたった1つの答えなのだ

 

「と言う訳でまずは……巨大迷路とかどうかしら?皆でスタート地点が皆違うから、ゴールまで誰と合流できるか判らないって感じで」

 

かと言っても横島が私を見てくれないのは面白くないので、独占できる手段を考えるけどね!当然私の提案を聞いてシズクや神宮寺も同じ事を考えているのが判る。お互いを以下に出し抜くか?と腹の中で探りあいをしながら、巨大迷路に向かう中

 

「迷路かー。チビ達も遊べそうだな」

 

「みむっ♪」

 

「うきゅー」

 

「コーン♪」

 

【幽霊だから壁抜けで攻略出来てしまうのが問題じゃな】

 

【ですねー】

 

横島だけはのほほんと穏やかに笑いながら、タマモ達を抱っこしているのだった……無論ノッブとおキヌさんに出し抜かれたと気付いた時には完全に手遅れで、横島はおキヌさんとノッブ達と穏やかに迷路に挑戦しているのだった……

 

 

 

そしてその日の夕方。東京へ向かうバンの中で美神は穏やかな表情を浮かべながら、車のハンドルを握っていた

 

「はーまぁ大体予想とおりよねぇ」

 

美神はくじで午前と午後を分けて行動したら?と提案した物の結局皆合流すると思っていた。そうなると思っていたからそう提案し、彼女はホテルで休むことにしたのだ。帰りの道は多分自分1人になると思っていたから、横島達は確実に遊び疲れて帰る頃には力尽きていると思っていたから

 

「良い休暇にはなったかな……」

 

後部座席で、横島を真ん中に座らせて、両サイドに陣取って眠っている蛍とシズクを見た美神は優しい笑みを浮かべながら、少しだけ視線を上げて

 

「ギリギリで浮いてるのも怖いわね」

 

車の中で浮かんで眠っているノッブとおキヌを見て引き攣った顔でそう呟いていた。幽霊なのに寝ている、そして車体を突き抜けないように、横島君の腕に紐を通して眠っている姿に驚きながら、あんまり見ないようにしようと呟き。そのまま隣に視線を向ける。そこでは腕を組んで眠っているくえすを見て

 

「もうちょっと素直になれば良いのにね」

 

慰安旅行で見ていた。蛍とくえすが口論する姿を、美神の知るくえすと言う少女は相手を見下し、禄に話もしない。そんな少女だった。そんなくえすが口論していた、それはそこまで蛍を嫌っているわけではなく、どう接すれば良いのか判らないから怒鳴る。もしくは自分が気に入っている横島が蛍にばかり気を掛けているから嫉妬している……そんな子供じみた姿に見えていて……ふふっと小さく笑みをこぼしながら

 

「くえす、貴女の欲しいと思っている物は案外近くにあるかもしれないわよ」

 

異端の一族として迫害されていた神宮寺の家。だから彼女には当然心を許せる相手なんて、自分と同じ嫌われ者の柩しか居なかっただろう。でも今はくえすに向かって手を伸ばしてくれる人が居るのよ?と呟いた美神は

 

「ふぁああ……音楽もなし、話し相手もいないって言うのは辛いわねぇ」

 

こうして独り言言うしかないんだからと呟き、ゆっくりと東京へ向かって車を走らせるのだった……

 

 

 




別件リポート 星の三蔵ちゃん、白竜寺を再建する その2へ続く

次回は再び白竜寺サイド。苦労人ルートを突き進んでいる陰念がどんな生活をしているのかを書いて行こうと思います
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします


活動報告にも書きましたが、来週は特別更新です

月曜日に読者様参加型のトトカルチョの第二弾を開催します

そして水曜日に時間は未定ですが、別件を更新しようと思っています

それでは来週の特別更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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