GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はアルテミスとの協力を得るために生贄になった(?)蛍とくえすの話になります、スイーツ女神と言う強烈過ぎる劇物に勢いとは言え恋愛話をすると言ってしまった蛍とくえす、そして逃亡を図る美神がどうなるのか楽しみにしていてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


別件リポート

 

 

別件リポート 月の女神との恋愛談義

 

窓から突入してきたアルテミスに私、蛍ちゃん、くえすの思考が完全に停止した。準備を整えるから待っていて欲しいと言っていたのに何故と

 

「いやーすみませんねー、こいつ暇だ、暇だって動き回るモンで」

 

「ぶーダーリン、それじゃあ私が子供みたいじゃない」

 

似た様なもんだと言う熊のぬいぐるみとアルテミス。蛍ちゃんとくえすの動きが止った隙に私の腰をガッチリ掴んでいた蛍ちゃん達の手を振り払い

 

「じゃ、私は琉璃と打ち合わせがあるから」

 

前のフェンリル狼の事とか、入院しているけど入院費を払えないであろう長老達の件とか、色々あるから!と言って2人が呆然としている隙に事務所から逃げ出すのだった……

 

「ずいぶん早くないですか?」

 

「ちょっとね、色々あったのよ」

 

打ち合わせの予定時間よりも早く来た私に怪訝そうな顔をする琉璃に、GS協会に着くまでに買って来たシュークリームを差し入れし、予定よりも30分ほど早いが、話し合いを始める事にするのだった

 

「あ、予定が変わった分書類整理手伝ってくださいね?」

 

「……うん。良いわよ?」

 

書類整理、恋話を秤にかければ書類整理の方が良いに決まっている。私は琉璃の頼みを即座に引き受けることにするにした

 

 

 

さて目の前で鼻歌交じりのアルテミス様を見て、私とくえすの視線が何度も交差する。どっちが先に逝くのかと言う事である

 

「あーお嬢さん方。話すなら早い方が良いぞ?こいつはのんびりふわふわとした外見の割りに気が短い、神罰とか言い出すぞ」

 

神罰とか洒落にならないんだけど……と言うか今の神魔よりも強いアルテミス様が暴れるとか洒落にならないと思う。だがいざ話すとなると無理である、とんだ罰ゲームだ。本当に横島がいなくて良かったと心の底から思うレベルだ。協力を得るためとは言え、別の手段があったのでは無いか?と思う

 

「まずなのですが、私と蛍が想いを寄せているのは同じ人物です」

 

「くえすう!?」

 

まさかの発現に上擦った声が出る。アルテミス様は目を細めて

 

「浮気性なの?」

 

「いえ。そんな男ではありませんわね、一言で言うと……馬鹿です」

 

「馬鹿じゃないわよ!?横島は……横島は……」

 

「訂正できますの?」

 

無理でした。横島と言えば私の記憶だと煩悩だが、煩悩が子煩悩に変化しつつある今の横島はちょっと……いや、かなり考えが読めない。煩悩少年からド天然少年に進化してしまった、助平じゃなくてぽわぽわしている今の横島も可愛くていいと思ってしまっている……

 

「おめー、あれだ。横島ってあれだよ、お前が呼ばれた時にいた額当ての」

 

「ああ!あの子ね、確かにあの子はちょっと変わってるわよね」

 

……女神に変わっているって言われる横島って人間から見るとかなり変わってるって事よね。なんか少し悲しくなったが

 

「あの子相手なら、うん。色んな人に好かれるだろうから納得ね」

 

なんか勝手に納得してくれたから良かった。だけどまさかくえすから話を切り出すとは思ってなかったので、私はくえすが語る横島を好きな理由に耳を傾ける。他人から見た横島がどう見えるのか、そしてくえすがどれだけ横島を理解してくれているのか?後で私も話す必要があるが、1回くえすの考えを聞いてみたいと思ったから

 

「横島と会ったのはクリスマスでしたわ、除霊帰りに商店街を通っていたら泣いてる様に見えたってハンカチを無理矢理手渡してきて。何だこの馬鹿はと思いましたわ」

 

……うん。それは確実に思うわね、そして更に警戒もするだろう。しかし何故その低すぎるスタートから今の高すぎる好感度に辿り着いたのか謎でしかない

 

「次にあったのは吸血鬼ブラドーの除霊の時でした。アルテミス様ならば判ると思いますが、私は普通ではありません」

 

「ああ、それは判るわよ?ソロモンの魔神の力がこれでもかって根付いてる」

 

「その通りです、神宮寺家はビュレト様の魔力を代々受け継いできた家系、短命であったり、発狂したりとまぁ没落した惨めな家系ですわ

私もその人には言えない事を繰り返し忌み子や魔女と蔑まれて生きてきました、しかし横島はあの馬鹿は……ふふふ」

くえすはそういうと、何かを思い出したように楽しそうに笑う

 

「この私を良い人なんていう奴は馬鹿で十分ですわ」

 

あーそう言えば何故か横島はくえすを物凄く信頼してるわよね。今は大分自分の悪評も悪い噂も行動で全て帳消しにしてるっけ

 

「それに危険な時に助けられたら、自分を理解しようと努力してくれていたら、どうして嫌いになれますか?」

 

「それすっごい素敵よねー、私もダーリンにそれくらい思って貰えたら幸せ~」

 

「ぷぎゅうううう!?」

 

そのダーリンと言うか、熊なんですけど、胸に抱きしめられてぐったりしてるんですけど、それは良いんでしょうか

 

「私は横島の信頼を裏切りたくない、そして横島に信頼され続けたいと思っています。その為なら自分に似合わないと思っていることでもやるでしょう……ただ1つだけ……1つだけ悔いている事があるとすれば……」

 

くえすはそう言うと普段の自信満々な表情から一転、寂しそうな、それこそ泣いてしまいそうな顔で

 

「何故私は蛍よりも先に横島に出会えなかったのか、もしも出会う順番が逆だったのならば私と蛍の立ち位置は逆だったのでは無いかと思わずにはいられませんね」

 

くえすの言葉を聞いていたアルテミス様はんーっと首を傾げながら

 

「ちょっと私の期待してた話とは違うけど、とっても素敵だったわ。横島が振り向いてくれると良いわね~」

 

それはちょっと私が困るんだけど……私の感じでは私とくえすの横島の好感度って殆ど同じくらいだと思ってる。今一番警戒するべき恋敵のくえすの横島への想いを聞いて、お父さんと蓮華に言われているとおり私には危機感が足りないと言う事を実感するのだった……

 

 

 

 

 

話さなければならない、そう思えば羞恥心とかはあんまり無かった。私が横島を想う気持ちは恥じる物では無いし、誇るべき物だとも思っている。それと蛍に圧力を掛けるためにも先に話す事こそが最善だと判断した

 

「横島は私を知らないと思うんですけど、私は横島をずっと前から知ってて、ずっと好きだったんです。何よりも大事な存在と言えるわ」

ずっと?横島の話では、横島と蛍が出会ったのは横島が中学3年の時のはず。だが、蛍の話し方ではそれよりもずっと前に出会っていると

言っている様に聞こえる

 

「子供の時の知り合いって事かしら?」

 

「……それよりもずっと前ですかね」

 

子供の時よりも前?その言葉に私が首を傾げた時。瀕死だったオリオンが顔を上げ

 

「前世の記憶か、それとも未来か、相当強い縁があるみたいだな」

 

「……多分そうじゃないですかね?」

 

前世?未来?そんな言葉で横島に思いを寄せている。それは正直腹ただしいと思った、それでは横島を見ていないではないか。あの清姫とか言う竜族と同じだ

 

「私は、横島が横島だから好きなんですよ。馬鹿でちょっと助平で、でも誰かの為に頑張れて、自分が怪我をしても手を伸ばそうとする。そんな優しい横島だから好きなんです。前世とか、未来とか、そういうのじゃなくて……切っ掛けはそうだったかもそしれないですけど、そうじゃないんです」

 

上手くは言えないんですけど、何よりも大事なんですと蛍が言う

 

「うぬぼれじゃないですけど、多分横島も私を好いてくれているって思うんです」

 

うぬぼれとかじゃなくて、事実横島は蛍に思いを寄せているだろう。今はまだ自分が弱すぎるからと思っているからか告白はしていないだろうが、それでもどちらかが告白すればそれだけで付き合いそうな雰囲気だ

 

(まぁそれはまだ先の話だと思いますが)

 

横島が一歩引いていれば、蛍は1歩所か、4歩は離れている。だからそこに入り込める隙があると私は思っている、つまり蛍がへタレと言う事だ。全てはその一言に尽きる

 

「でもそれだと駄目になってしまうと思うと言うか……なんて言うか、横島の成長を邪魔しちゃう様な気がして」

 

「んー駄目になるって、あれ私とダーリンみたいな?」

 

遠からず近からずという感じですと蛍が返事を返す。横島の成長の邪魔……仮に恋人同士になったからって別にそんな風になるとは思えませんけどね

 

「おー良く考えてるなあ。俺みたいなタイプと違って、あの横島って言うのはあれだ。1人に決めると、それ以外に目向きもしなくなるタイプだ。そうなると色々変わってくると思うぞ……あの?アルテミスさん?その手にしているのは」

 

「浮気は駄目よ♪」

 

弓矢の鏃をオリオンの頭に突き刺すアルテミス。どうしてこう過激なのだろうか?と思ったが、オリオンは

 

「手が!手がとどかねえ!」

 

頭に刺さった矢を必死に抜こうとしてジタバタして、机の上から落ちた。ほんの少しだけ大丈夫かと心配になった

 

「あーなるほど、横島は一途なのね。きっとメディア?んーキルケーと似たタイプね」

 

「「それは違うと思います」」

 

思わず蛍と同じ事を言ってしまった。ギリシャ神話でも飛び切り問題のある魔女2人と横島が似ているとか洒落にならないと思う

 

「んーでもパッと見ただけだけど、横島は相当色んな人と縁があるみたいだし」

 

「ん?お前が霊視したのか?珍しいな、そんなに興味が沸いたか?」

 

机から落ちたことで矢が抜けたオリオンが机の上に戻ってきたが、オリオンの言葉に私はダーリンだけよと言いながら頭を殴る。応接間の机にめり込んだオリオン、アレは死んだんじゃないだろうか?それとも分身みたいなものだから死にはしないのだろうか?なんにせよ扱いが酷すぎると思う

 

「彼はねえ、きっとこれからもいろんなことに巻き込まれるし、色んな出会いをするわ。その中にはうん、多分私見たいな女神もいれば、

貴女達みたいな女の子もいると思うわ。判るもん、顔は似てないけど兄さんとかに気配が似てるわ」

横島はアポロンに似ている!?予想だにしなかった情報がアルテミスから齎された

 

「あと凄くね、女難の気がする。英雄でそんなのいた気がするわ!」

 

……ギリシャの女神から見ても女難の相があるとか、本当にやめて欲しいんですけど

 

「それよりももっとこう、どきどきするような話は無いの?」

 

キラキラした笑顔をしているアルテミス。思い出として人に言いたくない物もある、私と蛍は目配せをする。お互いに考えている事は恐らく1つ

 

「凄く良い所があるので案内します」

 

興味津々と言う感じのアルテミスを横島の学校まで案内し

 

「じゃ、後はよろしく」

 

「任せましたわ」

 

「待って!?急に何!?女神様って何!?もっと説明して!?」

 

「ねーねー?どうやったら恋愛空間ってのに入れるのー?」

 

「放せー!!!!」

 

後から助けてと叫ぶ愛子という机妖怪。机の中に取り込めば、少女マンガに出てくるような甘い世界を体験できるとかなんとか。柩が横島と一緒に取り込まれて、正気を失いそうだったとか言っていた

 

「これで大丈夫ですわよね?」

 

「多分。暫く出てこないんじゃないかな?」

 

神だから空腹で出てくることは無いだろう。愛子とやらに負担が掛かるだろうが、私達に影響が無いのなら何の問題も無い

 

「なんか疲れちゃったから、ケーキでも食べに行こうと思うんだけど、一緒に来る?」

 

「……そうですわね。付き合いましょう」

 

肉体的疲労は無いが、精神的疲労がすごい。ここは蛍の誘いを断る理由も無いので近くの喫茶店に2人で足を向ける

 

「でもハッキリ言わせて貰いますけど、前世とか未来とか言うの正直どうかと思いますわよ?」

 

「そっちもじゃない。横島の為だけに普通のGSやるとか普通じゃないわ」

 

ふふふ、あはははっと互いに笑いながらも、目が全く笑っていない。ほんの少しだけ共感出来る部分もあったが、やっぱりと言うか確実に私と蛍が相容れることは無い、それを確信した1日だった

 

「んー素敵♪ねえ!愛子ちゃん、私の巫女にならない?」

 

「……えっとお?」

 

なおアルテミスは愛子の恋愛空間(元青春空間)を非常に気に入り、愛子を自分の巫女にしようとするほどに気にいる事になるのだが……それは少しだけ先の話である

 

「もう勘弁してくれえ!」

 

オリオンのメンタルに致命的なダメージを与えるスイーツ空間は、アルテミスには非常に居心地の良い世界だったようだ……

 

 

別件リポート 白竜寺の日々

 

 




今回の話は私には難易度が高すぎました。予想よりも倍くらい難しかったです。やっぱり別件にして良かった……メインで書いていたら大変なことになっていたと思います。別件でよかった……次回は白竜寺の面子がふだん何をしているのかを書いて行こうと思います
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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