GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

153 / 232
どうも混沌の魔法使いで。今回からは暫く日常形の話を書いて行こうと思います。その後で原作よりも少し早い妙神山ですが、ここでは文殊には覚醒しない予定ですのであしからず。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート22 いざ、妙神山へ
その1


 

 

リポート22 いざ、妙神山へ その1

 

ヘルズエンジェルの戦いの後。俺はナイチンゲールさんがいる霊能科の病院を訪れていた……のだが

 

「えーっと何をしてるんですか?」

 

【大人しくしていなさい】

 

強い口調で大人しくしていなさいと言われ、はいっと返事を返し枕に顔を埋める。寝転んだ状態で手足をずっと触られている、これは一体何の検診なのだろうか?さっきはレントゲンみたいなのを取っていたけど……

 

【はい、もう座って良いですよ】

 

座って良いと言う許可が出たのでベッドの縁に足を投げ出して座る。ナイチンゲールさんは手にしているカルテに熱心に何かを書き込んでいる。これは邪魔しない方が良いなと思い静かにする

 

(美神さん達はどうかなー)

 

琉璃さんの所に話に行った美神さんと蛍は大丈夫かなあと思うのと、先に検診を終えたシズクとノッブちゃんと付き添いで来てくれているタマモもずいぶん待たせているけど、怒ってないかな……

 

【どうも横島さんはかなり特異な体質のようですね】

 

「はい?」

 

ちょっと言われている事が理解出来ず、間抜けな返事を返してしまう。ナイチンゲールさんは言い方が悪かったですねと言って、詳しく説明してくれた

 

【経絡と言うのは普通酷く損傷すると回復が極めて難しくなります。横島さんの場合、何度も霊力が完全に枯渇していますね?それは経絡にも酷い負担を掛けるのですが、それは知っていますね?】

 

「は、はぁ。それは何度か……」

 

普通の霊能者なら再起不能になっていてもおかしく無いって言うのは何回か聞いたことがある。

 

【普通ならとっくに霊能者としては再起不能になっていてもおかしくないのですが、横島さんの場合。経絡が損傷しても、それを上回る速度で経絡が回復しているのです】

 

……損傷しても上回る速度で回復?ちょっと言われている意味が判らない

 

「えーっと普通は霊力を適度に消耗して、経絡を強くするとか聞いていたんですけど」

 

【ええ。普通はそうです、ですが霊力を枯渇させて、回復させると言うのは無理なんです】

 

そもそも霊力は魂の力、つまり生命力と直結しています。それを完全に枯渇させるというのは死に直結しますし、霊能者としては普通は再起不能になるんですと優しく言われ、美神さんと蛍が何度も何度も俺の事を心配している理由が判った

 

【筋肉痛はわかりますよね?】

 

「え、あ。はい」

 

ランニングとか筋トレをしているので筋肉痛は判るけど、なんで急に筋肉痛?俺が首を傾げるとナイチンゲールさんは更に詳しく説明してくれた

 

【損傷した筋が回復する事で筋肉痛となりますが、普通経絡は損傷したら終わりです。ですが、貴方の場合筋肉痛のように損傷したらより強く、強靭に回復しているのです】

 

とは言え、普通は回復しないので、どうしてと思うのですが、とナイチンゲールさんは首を傾げていた

 

【とりあえず薬を処方しておくので、暫くは食事の後に服用するように。ではお大事に】

 

ありがとうございましたと言ってナイチンゲールさんの検診室を後にする。残されたナイチンゲールはカルテとレントゲンを見て

 

【異常なほどに発達している……これはどう見ても、人間の経絡では……それこそ神魔レベルの……これはどういう……】

 

その手に残されたレントゲンの写真に写っている横島の経絡。それは人間とは思えないほどに発達した経絡が全身に張り巡らされている姿があった……

 

【これはおいおいするとして、言峰綺礼。貴方にはもう言葉が無駄だと良く理解しました】

 

着ていた白衣を脱ぎ、眼鏡を外し、首を鳴らし、拳を鳴らすナイチンゲールの向かう先には、以前逃亡を試みている言峰の姿があった

 

「私には使命があるのだ」

 

【ええ、私にもありますよ?患者を救うと言う使命がね】

 

互いに平行線のまま、第14回ナイチンゲールVS言峰綺礼。無制限1本勝負の幕が開くのだった

 

「む、長老。また言峰殿が脱走を試みているでござる」

 

「あの御仁も懲りんのう……」

 

「拙者はまだ諦めてない!」

 

「「諦めろ馬鹿」」

 

脱走を試みて、その度に重症を負っているポチに、長老とクロの無慈悲なツッコミが突き刺さるのだった……

 

 

 

 

横島君、シズク、ノッブちゃんの3人が病院に行っている間に私と蛍ちゃんはGS協会を訪れていた。対策室の看板から、復旧対策になっている

 

「やっぱりあれですかね?ヘルズエンジェルが走り回った道路の復旧って大変みたいですね」

 

アスファルトを溶かし、岩石さえも溶解させる。ただ走っていただけと言っているが、あれほど傍迷惑な存在もそうそういないと思う。復旧対策とかかれている会議室の前を通り、琉璃の部屋に向かう

 

「あー美神さん、お疲れ様でーす……」

 

書類の山に囲まれてぐったりしている琉璃にそっちこそ大丈夫?と声を掛ける

 

「違いますよ、疲れてぐったりしてるんじゃなくて」

 

「今病院から来た横島君の検査結果を見て、僕も神代会長も心配になってしまったんだよ」

 

2人のあまりに深刻な表情を見て、これは只事では無いと判断した

 

「横島が実は重症とかとかですか?」

 

「うーん、正直言うと、私としてはソッチの方が嬉しかったわよ。これはちょっと……墓場まで持っていく覚悟が必要かなって」

 

「うん、僕もそう思う。オカルトGメンのデータには絶対に残せないよ」

 

とりあえず座ってと言われ、激しく嫌な予感を感じながら椅子に腰掛けると、琉璃がFAXのコピーを差し出してきた。私は差し出されたFAXと見て絶句した

 

「美神さん、一体な……に……」

 

同じくFAXを覗き込んだ蛍ちゃんの目が、FAXの文字を追って動き、そして私と同じように絶句した。そこにはレントゲンらしい物のコピーも添付されていたのだが、それを見れば異常さが判る。横島君の経絡が異常に肥大している、そして専門家のナイチンゲールからの一言。人間ではなく、神魔クラスの経絡の太さになりつつあると……

 

「マタドールやヘルズエンジェルが言ってましたよね、同胞って。私としては言いたく無いんですけど、横島君は本当に魔人に近づいているのかもしれないです」

 

原因は判らないですけどと琉璃は前置きする。横島君の場合、これが原因なんじゃと思うことが多すぎる。くえすの魔力の譲渡に始まり、韋駄天の憑依と眼魂の入手。そして牛若丸、ノッブ、シズクと規格外の存在との同居に、憑依、そして恐らく極めつけは香港での小竜姫様とメドーサの二人の眼魂を使った暴走形態。それらの要因が組み合わさって、横島君を人外の領域に押し上げているのかもしれない

 

「僕としては横島君の事を口外するつもりは無いし、記録にするつもりも無い」

 

「私も原本は破棄するようにナイチンゲールさんに言いましたし、ナイチンゲールさんも今回のカルテとレントゲンは誰にも見せてないといってくれています」

 

「……つまり、横島君の事を知るのは、横島君本人とナイチンゲール。そして私達4人と冥華おば様って事ね?」

 

私の問いかけに琉璃は小さく頷く、あの病院だって六道の手が入っている。間違いなく冥華おば様の下に横島君の事は伝わっているだろう

 

「そこで、西条さんとも話し合っていたんですけど……妙神山に修行に行きたいって言ってましたよね?」

 

「……1度隠れろって事ね?」

 

西条さんが関わっている段階でまず普通じゃない、GS協会とオカルトGメンは犬猿の仲とも言える。西条さん自身はGS協会に思うことが無いとしても、今度配属されてくる部下が同じとは限らない

 

「ちょっとね、流石にヘルズエンジェルの件は内密に処理出来る物じゃないからね」

 

「国際GS連盟も動きますし、その間……2週間ほどは妙神山に隠れてて欲しいんですよ」

 

だいそうじょうの件はなんとか内密に処理したらしいが、流石に今回のヘルズエンジェルは無理だったらしい、あれだけ派手に市街地とかを走り回れたらそれは当然だろう

 

「で、でも2週間で本当に大丈夫なんですか?」

 

「まぁ何人かは残るだろうね、でもね、オカルトGメンにしても、国際GS連盟に関しても日本はさほど旨味のある土地じゃないんだよ」

 

西条さんは正直に言い切った、左遷と言っても良いレベルなんだよ。本当はねと……

 

「じゃあなんで日本に来る事を選んだんですか?」

 

琉璃の言葉に西条さんは苦虫を噛み潰したような顔をしてから教えてくれた

 

「僕に関しては本当はヨーロッパ支部の予定だったんだけど、本当に強引に日本に来たんだ。本当はここに来る奴が余りにひどいんでね」

 

顔を歪めた西条さんは本当は日本に来る予定のオカルトGメンのことを教えてくれた。書類上は汚職の摘発となっているが、実際は性格、言動が日本に相応しくないと言う事と、冤罪で3人の人間を死刑に追い込んだと言う事を指摘して、強引に割り込んだらしい

 

「名はイクサと名乗っているが、これは間違いなく偽名だ。容姿は金髪碧眼で人当たりが良さそうな男だが……強引な逮捕、証拠の捏造と自白の強要に、温厚な精霊や妖怪も殺す人類至上主義者だ。元妖怪専門のバウンティ・ハンターだ」

 

ついでに言うと逮捕を狩といい精神的にも肉体的に徹底的に追い詰め壊す。殺した妖怪とかは剥製とかにして飾ることを趣味にしている

 

「なんでそんなのがオカルトGメンにいるのよ!?」

 

普通に犯罪者だ。なんでそんな相手がオカルトGメンにいるのかと思わず叫んでしまった

 

「……頭が良いんだよ物凄くね。自分が摘発されないように根回しをするし、検事としての資格も、医者としても資格もある。それに何よりも今のオカルトGメンの総監の娘と結婚しているから、今回の件でも退職には追い込めず、別の支部に派遣されることになっている。野獣の様な本性を知性で隠しているそんな男だ……確か言峰神父を国際指名手配犯にしたのもあいつだ。インドの方で精霊に育てられた子供を穢れ人として殺そうとした時に言峰神父に邪魔をされたと言う事に腹を立ててね」

 

まぁ元々余り言峰神父は良い顔をされていなかったが、その件に関しては100%イクサが悪いと西条さんは断言した

 

「日本を希望したのも、オカルトGメンの支部が新しく出来るのと、国際GS連盟からの監視が弱いと踏んでの事だと思っている」

 

自分の悪事がばれない場所として日本を選んだと思われるイクサ。だがそのときと今は余りに情勢が違う、魔人が多く潜み、ガープ達の侵攻場所となっている日本。つまり自分の出世には大きく影響を齎すが、常に命の危険に晒されるかもしれない場所。そんな所に好き好んでくる人間はいないと西条さんも琉璃も断言した

 

「とりあえず、イクサの事はいい。日本に来る事は無いだろうからね、今大事なのは横島君も蛍君も令子ちゃんも1度妙神山に行く事だ。修行と言う名目でなんともでなる。それに今回は魔人の被害の確認になる筈だから、調書を出すことでこれも何とかなる」

 

「今まで駄目だ、駄目だと言っておきながら、急に行けと言って申し訳ないですが、調査団が来る1週間後までに妙神山に出発してください」

 

私達の事を心配してくれている西条さんと琉璃。多少予定は狂ったが、妙神山に行くことに変わりは無い……けど

 

「琉璃と西条さんは大丈夫なの?」

 

意図的に当事者を隠すようなことをして大丈夫なの?と尋ねると2人は困ったように笑いながら

 

「今回の話は冥華さんのルートで入ってきた話ですから、突然尋ねてくるつもりですけどね。向こうは」

 

「ああ。でも突然尋ねて来て、当事者がいないのは向こうが悪い。そう思わないか?」

 

ああ……どうもまた私は冥華おば様に借りが出来てしまったが、今回はそうも言ってられないわね。2人にありがとうと頭を下げ、私と蛍ちゃんはGS協会を後にした。

 

「蛍ちゃんは準備を始めておいて、私は依頼の先延ばしの話をするから」

 

横島君も昨日の今日で出発する準備を整えるのは大変だ。私も入っていた依頼の件もある

 

「4日後に出発よ。シロとタマモも勿論連れて行かせるわ」

 

「そうするしかないですね」

 

人狼と九尾の狐。その2人も当然見られるわけには行かないし、英霊であるノッブと牛若丸に沖田ちゃん、それにシズクも駄目だ。国際GS連盟とオカルトGメンに正式に報告されているマルタ、三蔵は大丈夫だとしても他の面子は見られるわけには行かない

 

「大所帯ですけど、小竜姫様怒りませんかね?」

 

「……大丈夫じゃない?多分」

 

先の判らないことを不安に思うよりも、とりあえずなるようになれと思ったほうが気が楽だ。それが横島君と付き合う上で一番大事なことだと悟ったのだから……

 

 

 

 

一方その頃横島は言うと……家でチビとうりぼーと遊んでいたりする

 

「みむー!みむーうー!」

 

「ほれほれ、捕まえてみろ」

 

チビの目の前で指を振っていた。チビは短い手を一生懸命動かして、捕まえようとしているが上手くいかない。だがそれが面白いのか、尻尾も羽根も凄い勢いで振るわれている

 

「みっむー!」

 

指に前足と後ろ足でしがみ付くような形で抱きつき。捕まえたと言わんばかりに満足げに鳴くチビ

 

「シズク達もいないしなー」

 

診察の結果異常なしだった2人は、いつものようにメロンパンを買いに行き、シズクは牛若丸を連れて夕食の買い物だ

 

「ぷぎゅう!」

 

「俺も暇だから買い物行きたかったなー。うりぼーもそうだよなあ」

 

寄ってきたうりぼーを抱き上げる。買い物に行ってチビとうりぼーの果物を買おうと思っていたのに……買って来てくれるとは言っていたが、少し悪いという気持ちになる

 

【お前が平気だと思っても、私とシズクから見ると療養するべき状態なんだ】

 

怒るような心眼の口調に謝っているとシロとタマモがリビングに顔を出す

 

「じゃ、横島。ちょっと出掛けて来るから」

 

「夜までにはかえるでござるよー」

 

出かけてくるという2人に気をつけてなーと言った物の、今日は家でゆっくりしてるって言ってなかったかなあ?と首を傾げる

 

「ぷーぎゅー!」

 

「おおバク宙!すごいな!」

 

うりぼーがいつの間にか覚えていたバク宙に凄いと言って手を叩いていると、ピンポーンとチャイムの音が響く

 

【ノブノブ?】

 

「あー良いよ。俺が出る」

 

タオルとかを運んでいたチビノブが帰って来て、出ようか?と言わんばかりにこっちを見るが、チビノブはノブノブとかしか言えないので、知り合いじゃないと困るからなと言って、玄関に向かう

 

「はーい……あれ?」

 

玄関を開けるとそこにはちょっと意外な組み合わせな人物の姿が会った。ふわりとした青いワンピース姿のルイさんと、赤いワンピース姿のネロちゃんに思わず首を傾げる

 

「ちょっと暇だからお茶をしに来たよ」

 

「うむ、暇だからな!」

 

暇だからお茶をしに来たと言う2人。別に俺の家じゃなくても良いのになあと思いながらも、折角尋ねて来てくれたのに追い返すのも悪いなと思い、俺はどうぞ上がってくださいと声を掛けるのだった……

 

横島は知る由も無いが、ネロとルイの2人によって、家の中に自分1人になった事、そしてもう1つ

 

「……胃、胃が痛い……」

 

「大丈夫ですか?胃薬いりますか?」

 

周囲を神魔に覗かれない様に結界を張っている、ベルゼブルとルキフグスの姿が自分の家の屋根の上にいる事を……そして心労で本格的に胃を壊し始め、ぐったりしているベルゼブルと、そんなベルゼブルの背中を摩るルキフグスの姿があることを、横島は知る由も無いのだった……

 

リポート22 いざ、妙神山へ その2へ続く

 

 

 




今回は色々と複線を用意してみました。横島の進化と、明らかにやばいオカルトGメンの存在。そして最後はネロとルイ様の災厄2人組みの来訪。次回愉悦コンビとの横島の話を楽しみにしていてください。それでは次回の更新もよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。