GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は開幕バナナをされた老師の視点から入っていこうと思います。受け取って、もぐもぐしつつも困惑している老師が横島をどう見るのか、そこを書いて行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その2

 

 

リポート23 妙神山 その2

 

~老師視点~

 

横島から差し出されたバナナ。受け取ってしまったので、皮を剥いて頬張る。良く熟していて、実に美味い……っじゃなくて!

 

(なんでバナナを持って来たんじゃ?)

 

どうして横島がバナナを持ってきているのか?それが不思議で仕方なかった。ワシの事を知っていたのか?と言う疑惑が頭を過ぎる。

 

「横島さん?あの私のお師匠様がバナナ好きって知っていたんですか?」

 

小竜姫が呆然とした表情で尋ねる。すると横島はワシを見て

 

「お師匠様なんですか?」

 

だがその顔を見て、判った。横島は何も知らないと、横島は性格的に腹芸などが出来るタイプじゃない、つまりこのバナナは別の目的で持ち込まれたものだ。

 

「うむ。ああ、バナナありがとう、美味かった」

 

「久しぶりの果物と言うのも、上手かったよ。横島殿」

 

ああ、いえいえと言って横島が頭を下げ、別のバナナの皮を剥き始める。

 

「はい。モグラちゃん、こっちはチビとうりぼー、チビノブは?」

 

【ノッブ♪】

 

食べるんだなーと笑い、皮を剥く横島を見て理解した。ワシへのお土産とかじゃなくて、自分の周りに居る小動物への餌だったのだと……

 

(……ワシの知ってる横島と全然違うんじゃが)

 

煩悩とかまるで無い、バナナを食べて嬉しそうに鳴いているグレムリンとかの頭を撫でて美味しい?と笑っている。なんと言うか子煩悩へと煩悩がシフトしてしまったように思える。それに何よりも無邪気な子供と言う印象を感じた。

 

「すいません、家の弟子が失礼しました」

 

「いやいや、美味かったよ」

 

良く熟しているいいバナナだった。妙神山に居るとバナナは滅多に食べれないので、非常に嬉しかった。

 

「美神令子と言います。こっちは芦蛍ちゃん、そしてあの子が横島忠夫君」

 

全員名前は知っておるんじゃが、ウムと頷きながら返事を返しキセルを咥える。

 

「妙神山特別修行コースの師範。斉天大聖孫悟空じゃ、今回はワシも修行を見る。まぁよろしく頼む」

 

ぷかーっとキセルの煙を吹かしていると横島は顔を輝かせて立ち上がった。

 

「三蔵ちゃんに聞いてました。物凄く強いって、今回はよろしくお願いします」

 

物凄く修行に前向きな横島の反応に思わず苦笑する。ワシの知っている横島は修行とか大嫌いじゃったが、この横島は違うようだ。しかし三蔵ちゃん……お師匠様、もう少し自分の呼び名とかを考えてくれないだろうか?そろそろ良い歳なのだから……内心溜息を吐きながら、横島を見つめる。

 

(身体も良く鍛えられておる)

 

生まれ持った素質だけに甘えていたワシの知る横島ではなく、目的を持って鍛えられた肉体だ。それに霊力の密度もまずまず、蛍が横島が死なないように鍛えていたのが良く判る。

 

「うむ、よろしく。小竜姫、まずは全員を部屋に案内してから、全員の霊力の測定から始めておいてくれ」

 

スペシャル修行コースではなく、徹底的な鍛えなおしと普段と違う修行コース。その理由は横島と横島の周りに居る英霊の存在を厄介な存在から隠す為。神魔もその事を承諾し、妙神山を隠れ場所として提供する事を決めた、勿論横島から離れる前にバナナを2房貰うのも忘れずにだ。ゲームをやる時にちょこちょこ食べようと思う。

 

(さてさて、どうなることやら)

 

ここで霊力を完全に引き出して文珠に覚醒させると言うのも1つの手段じゃが、今の横島が耐えれるという保障も無い、それ以前に今の横島は面白い様々な能力を持っている。

 

(それらを発展させるのも面白いかもなぁ)

 

伸び代だらけの横島をどう育てるか、2週間と言う妙神山ではありえない長期の修行。英霊も3人も居るし、美神も蛍も伸び代は十分残っている、どういう風に育てるかを考えながらワシは自分の部屋へ足を向けるのだった。勿論

 

(横島がいる間に小竜姫の認識を変えるのは急務じゃな)

 

ワシの手持ちの金を全部賭けている小竜姫が今のままでは駄目すぎる。この2週間の間に横島を意識するくらいに横島を成長させてみることを企むのは当然の事だと思うがな……。

 

 

 

 

~美神視点~

 

 

ハヌマンに出会い頭にバナナを渡すという横島君の突拍子の無い行動には叫びそうになったが、ハヌマンは上機嫌で2房持って奥の部屋に向かった。

 

「では横島殿。孫をよろしくお願いします」

 

「あ、はい!暫く預かりますね」

 

モグラちゃんは横島君にしがみ付いてはなれないので、横島君が面倒を見る事になり、私達は小竜姫様に案内され泊まり込みで修行をする人達専用と言う離れに案内された。

 

「美神さんと蛍さんがこの部屋、シロさんとタマモさんはこっち、信長さんと牛若丸さんと沖田さんとおキヌさんはこちらの部屋に、シズクさんは「……私は横島と一緒で構わない」……判りました。では横島さんとシズクさん、それとチビ達もこの部屋をどうぞ、それと荷物を置きましたら置いてある服に着替えて、また正門の前へ集まってください」

 

シズクって基本的に横島君と同じなのよね。めちゃくちゃ過保護で横島君を心配している、蛍ちゃんがムッとした表情をしていたけど、流石に部屋割りで我侭をいう訳には行かないので、小竜姫様の指定した部屋割りで部屋の中に入り、用意されていた服に手を伸ばすとピリっとした感覚が肌に走る。

 

(なるほど……ね)

 

魂に直接負荷をかけて霊力の向上を図るって事か、これを毎日着て修行していれば魂に掛かる負荷は相当な物になるだろう。

 

「今回は前回と違いますね」

 

「そうね」

 

前の時も着た服とデザインこそ同じだが、恐らく使っている材料が全然違うのだろう。修行と言う名目で妙神山に2週間山篭りするのだ、横島君や蛍ちゃんだけではなく、私もしっかりと成果を得たいと思っていたので、これなら私もなにか切っ掛けが掴めそうね。私はそんな事を考えながら部屋に用意された修行着に袖を通すのだった……。

 

「ぷぎゅ!」

 

「うーきゅーう!」

 

私達が正門の前に行くと、既に横島君は門の前に来ていた。そこではうりぼーとモグラちゃんが身体を相手より大きくしていた。

 

「横島君。何してるのかしら?」

 

「いやぁ?なんかここに来たら急にこんな事を始めて、俺も何がしたいんだが……」

 

不思議そうに首を傾げる横島君のそばではチビとチビノブが手を振って、うりぼーとモグラちゃんを応援している。

 

「ぴぎー♪」

 

「うっきゅー!」

 

ズモモという感じで大きくなる2匹だったが、ついにうりぼーが大きくなる限界を向かえたのか、震えはするが大きくなれず、モグラちゃんは更に大きくなりうっきゅーと鳴く。それが勝ち名乗りだったらしく、うりぼーもモグラちゃんもしゅるしゅると小さくなる。

 

【何をしておったんじゃ?なんか部屋から大きくなってる姿が見えたんじゃが?】

 

【子供同士の背比べみたいなものじゃないですか?】

 

【背比べの割にはとんでもない事になってましたけどね】

 

ノッブちゃん達も同じ服に着替えて、こっちにやってくる。やっぱり魂に負荷をかける物だから、幽霊でも着れるのね。

 

「ところで横島。シズクは?」

 

「自分は修行しないからって料理でもするってキッチン」

 

……まぁシズクは修行のしようが無いからね。それも当然かな?料理などの用意をしてくれているなら何の文句も無いけれど。

 

「タマモも修行するでござーるーぅ!」

 

「いーやーよー!!」

 

こっちに引き摺ろうとしているシロと嫌だと抵抗しているタマモ。修行はまだ始まっても無いんだけど、これ大丈夫かなあと思わず不安に思ってしまうのだった。

 

「うきゅー」

 

「良し良し、モグラちゃんもうりぼーと仲良くしてやってな?」

 

しゃがみ込んで鳴き声を上げるチビ達の頭を撫でている横島君に思わず脱力して、溜息を吐いてしまうのだった……。

 

 

 

 

~小竜姫視点~

 

 

初日の修行は霊力の測定と、身体能力の確認と言う軽い内容で終わりとなった。2週間と言う長期の訓練は今までの妙神山ではありえない事であり、私も老師も修行の予定を組み上げることに相当頭を悩ませる結果となったからだ。

 

(横島さんの体捌きが尋常では無いレベルでしたね)

 

前に妙神山に訪れた時は素人と言うレベルだった。でも今日の横島さんは体裁きから霊力のコントロールまで1段も2段も上のレベルになっていた。GS試験、マタドールの戦いの時よりも更に成長しているのが一目で判る。身体能力と霊力は今、横島さんが成長期に入っていると考え、更に横島さん自身に努力しようと言う意志があるのが非常に良かった。それが横島さん自身の能力を伸ばすのに良い傾向となっている。

 

「ん、んー」

 

夕食を終え、日誌を書き終えた所でぐっぐーっと大きく背伸びをする。普段は静寂に満ちている妙神山。それが一気に騒がしくなったのだが、それは決して不快ではなく、むしろ喜ばしい物のように思えた。

 

「皆さんやる気に満ちていますしね」

 

タマモさんは元々家に居ると危険と言う理由で着いて来ているので修行に関しては、強制は出来ないが自分が覚えている事を横島さんに教えようとしているので、それも1つの修行の形として認めるべきだろうと思う。

 

「横島さんの修行の方針に悩みますね」

 

GS試験の時のあの戦いは今もしっかり覚えているし、マタドールを退けた時のボロボロになりながらも、戦い続けたその背中を私は覚えている。横島さんは護る事に特化していると思ったのですが、そうとも言い切れない。自分を完全に度外視にするそのあり方は……余りに歪だった。

 

(でもそれは危険でもありますね)

 

自分の身を度外視に私たちを助けようとした。それは横島さん自身の命を縮める行為に他ならない。それにあの時よりも戦術も幅が広がり、何をしてくるか判らないという面もある。だけどそれも素直に喜び切れない所もある。横島さんは元々自分を軽視する傾向があるが、それに徐々に魔人に近づいている疑惑があると美神さん達に聞かされたからだ。

 

「1度ヒャクメに様子を見てもらって……それから」

 

ヒャクメに横島さんの状態を見て貰って、修行の予定はそこから組むとして……。

 

「ふふ」

 

思わず自分が笑っている事に今気付いた。才能に溢れ、修行にも前向きな横島さんが非常に好ましく思えたのだ。

 

「剣術なんて物も面白いかもしれないですね」

 

今日到着したばかりだから修行の予定をつける為に、霊力の測定などをしただけですが、明日は軽く組み稽古などを見てみてもいいかもしれない。あまり霊力を使わせないで、体術を重点的に見てみれば、横島さんにさほど負担を掛ける事も無いでしょうし。

 

「老師に相談ですね」

 

今回の修行は老師が主に予定を組んで、私がその補佐となっている。老師に1度お前ならどういう風に訓練の計画を立てる?と言われ、それを考えてみろと言われていたので、私が考えた修行の予定を手にして自室を後にするのだった。

 

(あ。でも清姫様と天竜姫様はどうしよう)

 

一応ここは天界の駐在所となっているので、ちゃんと護衛が居ればお2人が来る事の出来る場所でもある。

 

「ヒャクメに伝えると、そのまま知られそうですね」

 

でもヒャクメに来てもらう事は必要だし……でも横島さん達が居るとすれば絶対こっちに来ると言うであろう2人の姫の事を考える。

 

「どうしましょう……」

 

今の所妙神山は安全な拠点と言えますが、例え伝えなくてもこちらにやって来そうな清姫様は特に不安要素だ……部屋はまだあるけど、竜神王様がどんな反応をするだろうか。

 

「やっぱりこれも老師に相談しましょう」

 

今回の件の責任者は全て老師だ。だから老師にこれも相談する事にし、早足で老師の部屋へと向かうのだった。

 

【ふふふふ、やっと、やーっとです♪】

 

小竜姫の認識出来ない所でもう1つの小竜姫の声が響く、長い間横島との接点が無い事で魂の奥深くで眠っていた、狂竜がその牙を剥こうとしていた……。

 

一方その頃、自分が危機に陥っているなどと微塵も考えていない横島はと言うと……そんな事は知るよしもなく、寝る準備を始めていた。

 

「ほらモグラちゃん、モグラのベッドも持って来てるんだぞ」

 

「うきゅうー♪」

 

スポーツバッグからモグラちゃんのベッドの籠を取り出して、モグラちゃんを抱き上げて籠の中に寝かせる。

 

「うりぼーもおいでー」

 

「ぷぎー♪」

 

ダンボールで作ったうりぼーハウスにうりぼーの前に置くと、うりぼーは尻尾を振りながらダンボールハウスの中に潜り込む。

 

「チビはこれな」

 

「みむ♪」

 

チビの愛用のややボロボロになりつつある籠を自身の枕元に置き、最後にチビノブの布団を取り出して、布団の横に広げる。

 

【のーぶー♪】

 

「はいはい、遊ぶのは明日、今日はもう寝ようなー」

 

あそぼーといわんばかりに飛びついてきたチビノブを抱き抱え、今用意した布団に横にする横島の姿は悲しい事に、どこからどう見ても父親のそれだったりする。

 

「……お前も早く寝ろよ?2週間の修行がどういうスケジュールなのか予想もつかないんだからな」

 

「判ってるよ、ありがとシズク」

 

シズクの言葉に明かりを消して布団に潜り込む横島とそんな横島を見つめるシズクの優しい視線。横島家の平和な日常は妙神山でも変わらずに広げられているのだった……。

 

 

なお他の部屋では

 

「動物フォームなら、横島の部屋に潜り込めるわ。人型になるとシズクに頭を刺されるけど」

 

「いやいや、タマモ、それは無謀と」

 

「私は良い物、横島の部屋で何度寝てると思ってるのよ、じゃ、おやすみ」

 

「させんでござるううー!」

 

「邪魔しないでくれる!?」

 

子狐フォームの時のベッドである籠を手にして、部屋を抜け出そうとしているタマモとそれを防ごうとしているシロの攻防戦が繰り広げられていたし……。

 

【第1回枕投げ大会!イエーッ!】

 

【もが!?やりましたね……覚悟は出来ているんですよね!?】

 

【すいません、沖田さんはもうゆっくり寝たいんですけどぉ!?】

 

【直接戦闘以外なんでもありなら、私が最強です!】

 

ポルターガイストで布団と枕を操るおキヌとノッブ達の直接攻撃以外なんでもありと言うカオス過ぎる枕投げと言う名の戦闘が広げられ

 

「明日はどういう訓練になると思いますか?」

 

「そうね。やっぱり基本的な体術とかの見直しとかじゃないかしら?2週間って言う長期だから、多分戦闘技術の見直しを1からやると思うわよ」

 

美神と蛍の部屋は他の部屋と異なり、物静かな雰囲気で眠りに落ちていくのだった……。

 

妙神山滞在 1日目 終了

 

 

リポート23 妙神山 その3へ続く

 

 




今回は短めとなりました。修行の話とかは確実に長くなるので、ここで切って、次の話に回す事にしました。悪巧みをしている老師と、修行のスケジュールを楽しそうに考える小竜姫様や、お父さん力が向上している横島など、妙神山での話の伏線などを置いてみましたのでこの短さです。次回からはやや長めにして行こうと思いますので、今回はこれで許してください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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