GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
リポート23 妙神山 その10
~小竜姫視点~
修行が終わるまで後3日。私も老師と共に横島さん達の修行を見ていましたが、やはり横島さんの成長速度が著しい、美神さんや蛍さんも成長しているが、横島さんのはまさしく進化と言うべきだろう。
「足に竜気をガッとして、ギュッとして、ドーンするんです」
天竜姫様が私も何か教えると仰られる。流石にそれを駄目とは言えないので、お好きなようにと言うと、擬音で横島さん達に何かを説明している。
「……判るか?」
「いえ、判りません」
シズクさんの言葉に判りませんと即答する。天竜姫様は天才と言うべきお方なのですが、その分。他の人に何かを説明したりするのは苦手を通り越して、異次元の世界になってしまう。美神さんと蛍さんも明らかに困惑しているし、横島さんは頑張って理解しようとして行動に移っていた。
「えーっとガッとして、ギュッととして、ドーン……ふぐおおおおおおおうううう!?」
足元で霊気が爆発して、高速回転しながら地面を滑って……一瞬思考が停止したがその信じれない光景に思わず叫んだ。
「横島くーん!?」
「横島ぁ!?」
【「横島さーん!?」】
頭を下にして滑って行くと言う驚愕の光景に私達の悲鳴が重なる。横島さんはバッタリと倒れていたのだが、身体を急に起こした。
「イケル」
ぐっとサムズアップした瞬間。鼻血と額から大量の血が噴出し、シズクさんが慌てて横島さんにと駆け寄って行くので、私は天竜姫様に何をしようとしていたのか尋ねた。
「天竜姫様。何をお教えしようとしたのですか?」
「……ちょ、超加速を……」
……神族と竜族の最終奥義をそう簡単に伝授しようとしないでください。と言うか、説明が余りにあれすぎるのでは……。
「……大丈夫か?」
「うん、全然平気。ちょっと着地の時足が滑っただけ。次は出来そう」
「「駄目!絶対!!!」」
次は出来そうと言う横島さんに美神さんと蛍さんの駄目と言う怒声が響き、横島さんがビクリと肩を竦めるが、当然だ。超加速にしろ、神族や竜族の技と言うのは根本的に神や竜の強靭な身体が前提の技術だ。人間が扱うには無理がありすぎるので、真似をするのは良くないと釘を刺しておこう。
「それでしたら天竜姫様。モグラちゃんに竜気のコントロールを教えてあげるのはどうでしょうか?」
反対側でチビやうりぼー、そしてロンさんに見守られながら頑張っているが、相変わらず伸びるのは角と言う謎の現象に悩まされているモグラちゃんだ。
「判った、クマゴローおいで」
「くう!」
クマゴローとモグラちゃんの方に走る天竜姫様を見送り、シズクさんの治療で傷が治っている横島さん達のほうに近づいた。
「では今日の稽古を再開しましょうか」
今日は老師は竜神王様と話をしているので、今日は私だけだ。私の専門と言えば武器の扱いがどうしても前に出てくる。
「では私の出番ですね」
「……お前は少し大人しくしていたらどうだ?」
清姫様が立ち上がるが、シズクさんに氷で拘束される。横島さんに良い所を見せたいのは判りますが、こうも邪魔されては困るのも事実だ。。
「形態変化ですが、美神さんと蛍さんは何か良いイメージが出来ましたか?」
霊力の形態変化。それはイメージが何よりも重要になる。横島さんは篭手、槍、剣に盾と自在に変化させているが、本来の観点で見ればそれはありえない現象の1つと言える。横島さんが出来るのは偏に一時的に師事したと言う神宮寺さんの言葉が非常に大きいだろう。
(出来ると思いこむことですか)
知識が足りない横島さんに助言した言葉。出来ると思いこめ、これが一種の自己暗示に近い形となり自分の霊力なのだから操作できて当然と言う真理に導いている。だから横島さんは自身の霊力をどんな形にも変化させれる。しかし、知識があり、磨いてきた技術がある美神さん達にはそれが出来ないのだ。
「私はやっぱり鞭かなって思うのよね」
神通棍が伸び、そしてその先から放出される霊力が集束できる量を超えて鞭のようになる。
「良い感じじゃないですか」
ここまで出来ていれば殆ど完璧と言えると思うのですが、美神さんの表情は芳しくない。
「威力はあるんだけどね。どうも維持するのが難しいのよ」
「あれですね、鞭の動きを理解していないんですね」
鞭のような形状だが、鞭の動きを美神さんが理解していないこともあり、必要以上に霊力を消耗し霧散してしまうパターンだろう。
「でもそれで良いと思いますよ」
「なんで?」
「だって霊能で作った鞭ですし、鞭って言う先入観が無いほうが自在に動かせるんじゃないですか?」
霊能と言う事は形状自身は鞭だが、美神さんの体の一部と言える。鞭のように振るったり、伸ばして槍にも出来るでしょう?と助言する。
「そっか、それもあるね。どうも駄目ね」
知識がある分どうしても先入観が生まれる。ここら辺が横島さんとの違いだろう、知識や技術が足りない分を思い込みや発想で補う。天賦の際を十分に生かしているといえる。
「蛍さんはどうですか?」
「私はこうなりました」
神通棍の先から刃渡り40Cmほどの三日月状の刃……なるほど珍しい武器を選びましたね。
「鎌と言う事ですね?」
「間合いを詰められると弱いんですけどね」
美神さんは間合いを掴ませない事で相手を中間距離に留めることにし、蛍さんは鎌に変化させることで相手を遠距離で足止めすると言う形に辿り着いたらしい。
「幻術と組み合わせるんですね」
「はい。一応そのつもりですけど、前提としては……横島とコンビかなと……」
ああ……横島さんに前衛を頼み、中距離支援と言う事ですか……それは案外理に叶っていると思いながら、頑張ってくださいと声を掛ける。
「では横島さん、よろしくお願いします」
「はい!よろしくお願いします」
木刀を正眼に構えて、横島さんと向かい合う。横島さんは相変わらずの変則的な構えだ。右手に木刀、左手は下げて、右足でリズムを取るように足踏みをしている。
(でもこっちの方が横島さんらしいですね)
その天性の運動神経と反射神経、それを生かすには型にはまった構えと言うのはよろしくない。自由にやらせたほうが横島さんの良さが光ると言うのは2週間の間でよく判った。
「シッ!」
「うん、今のはいい感じでしたよ」
短い息の吐き出しと共に間合いを詰めた一閃、今のはかなりいい感じだった。そのまま1回、2回と剣を打ち合う、初日は受けとけた所から横島さんを押しつぶしたが、今の横島さんは受け止めると同時に重心を逸らし、受け流す。そして左手を突き出そうとして、引っ込める。
「いや、小竜姫様。なんで二刀流なんですか」
「大分スキルアップしたからですよ♪」
短い小太刀の木刀を左手に構え、右手には木刀。本気での戦い方だが、横島さんの反射神経と運動神経相手では片手ではいつかは追い込まれる。だから今回は最初から二刀流だ。
「では行きますよ」
「出来れば来ないで欲しいなあって!」
それは駄目ですね!と言って横島さんに斬りかかる。弾き、防ぎ、受け流す。
「っ!」
「出し惜しみはしなくても大丈夫ですよ?」
防げないと判断したのか、上着から銃を取り出し、それで小太刀を受け止め、間合いを取る横島さん。
「もらい物ですし、使いこなす自信が無くて」
「使わなければ自信なんて付きませんよ。大丈夫です、当たりませんから」
霊波を打ち出す銃だ。仮に当たったとしても、ダメージは通らないので心配なさらずと言うと横島さんは困った顔をしながらも引き金を引いてくる。
(動きに躍動感が出てきましたね)
武器が増えただけで格段に動きがよくなり、戦術も変わった。短い時間で組み上げた戦術だが、それは非常に効果的であった。
(本当に横島さんは凄いですね)
少しの指導、稽古で段飛ばしで成果を見せてくれる横島さん。この2週間で私の横島さんに対する気持ちは大きく変わっているのだった。
【なんでそっちの方向に……】
異性に対する愛情に向けたかった未来の小竜姫だったが、現在の小竜姫は弟子に対する親愛へと傾いた。
「……あんまり変化しなかったの」
「生真面目ですからねえ」
竜神王と将棋を打っていた老師の手元には、小竜姫4.1→3.2倍と望んでいたよりも変化していない、トトカルチョの倍率表があるのだった……
「王手」
「ぬお!卑怯じゃろ!?」
そしてその隙に王手を取られ、竜神王に卑怯と叫ぶ老師の悲しそうな姿があるのだった……
~西条視点~
「はい、はい、お疲れ様。神代会長」
『いえいえ、そちらも大丈夫ですか?』
電話から聞こえてくる神代会長の問いかけに大丈夫ですよと返事を返しながら書類に判を押す。その大半は教授の下で働くのが嫌だと言う、新米の配置移動希望の書類だが、それら全てに却下の判を押す。
「こっちはプライドが高い連中ばかりで困りますよ」
一応国連のエリート組織だが、それが現場でなんの役に立つ?訓練もせず、東京周辺の霊能の事も調べず、自分達はエリートだからと言う。これでは横島君達の方がよっぽど優秀だ。
『私の方の監査員はGS試験と台湾の件を私達の虚言として処理することを決めているそうです』
「ああ。それは僕のほうも一緒だね」
僕と神代会長が結託し、発言力を高めるための狂言として処理することを決めていると言うのは既に把握している。霊体化した教授が全部僕に報告してくれているからね。
「後2週間も滞在してくれるんです。存分に楽しんでもらえばいいでしょう」
『……ほんの少しだけ良心が痛みますけどね』
神代会長の言葉に少し眉を顰める。彼女は人の上に立つには十分な素質を秘めているが、まだ歳若い分甘いな……。
「こちらは善意で情報を渡した。しかしそれを処分したのは彼らだ。馬鹿は死んでも治らないですよ」
機密として神魔から齎された情報は提供した。だがそれらを見た形跡は無い。
『書類は閲覧後に発火し、消滅するようになっているんですよね?』
「ええ。リストにある27名、誰の名前も消えていない」
オカルトGメン、GS協会の監査と新規配属の人数分の書類を配り、リストで確認しているが名前が消えない。それは誰も見ていないと言う事だ。ならば僕達が良心を痛める必要は無いのだ。
「それよりも準備のほうは?」
『大丈夫です。シェルターなどの準備も出来ています』
東京が戦場になる可能性が高い、民間人を保護できる場所の確保は最重要だ。それはGS協会で用意してくれる、ならばこっちは武器だ。
「破魔マシンガンなどの準備は出来ています」
『助かります。後は美神さん達ですね』
妙神山に隠れて貰っている令子ちゃん達。予定では既に帰国しているはずだが、神代会長によって役職から外された連中と面会しているらしい、確実に賄賂の話だろうな……。
「こんな事を言っては何ですが、襲撃が起きてから戻って来てくれるのがベストですね」
『……私もそう思います』
何も無いときに戻ってくると、今度は嬉々として令子ちゃんや横島君の監査だ、査問だと始まるだろう。だからガープ達の襲撃があってからの方が都合がいいのにと思わずには居られない。
「では神代会長。事が起きればよろしくお願いしますね」
『ええ。判っています』
近く東京でなにかが起きるのは判っている。それならばなにか起きてから戻ってきてくれれば良い、権力争いの醜い姿はまだ学生の横島君には余り見せたくは無いからな。
「さてと……」
電話を切ってから調べていた資料に再び目を通す。僕が調べていたのは西条家の記録だ、西条家は平安時代までは「西郷」だったらしく、宮仕えの陰陽師でもあった。昭和初期に西条へと名を改めたらしいが、その理由は判っていない。
「躑躅院……躑躅院……」
記録も殆ど残されていないが、躑躅院の名前は学生時代に見た覚えがあった……確か……西郷の時代だったと思う。
「あった、これだ。藤原の姫に手を出したと言う事で処刑された「高島忠助」後に冤罪及び鬼道家の狂言であることが判明した」
自分のルーツを知りたいと思ったときに調べた記憶があったので目的の資料はすぐに見つける事が出来た。
「当時の陰陽寮当主「躑躅院」……名は無しか」
思わず舌打ちが出る、躑躅院は独自の技術の継承として名前を明かさない。性である躑躅院しかやはり記録されてなかった……それでも躑躅院の過去が僅かに判った。
「六道家、藤原、輝夜の3者による証言もあり、高島を良く思わない一派による陰謀であった……か。うーん」
躑躅院は高島忠助との婚姻の話もあったと聞く、それは庶民の生まれである高島についての当時の権力の問題もあったそうだが……。
「……これ以上は無いか」
高島の処刑で暴れ狂った清姫の一件で資料は穴抜けになっている。処刑の前後の資料が無い。
「ここで躑躅院が動いた理由があるはずだ」
明確な証拠は無い。だが僕も、冥華さんも確信している。横島君を襲った人形使いは間違いなく躑躅院の人間であると、あの手のタイプは組織に属さないアウトローを手勢にしている筈だ。
「何か繋がりがあるのか……」
「高島」と「躑躅院」と「横島君」そこに何か、あの躑躅院が問題になると判っていても動く理由があったのか?名前は似ているが、それ以外の何かが横島君にはあるのだろうか?思い当たるのは陰陽術だが……使いこなせているとは言いがたい。
「判らん!」
六道家にも当時の資料は無い。何があったのか、それが判れば現当主の躑躅院の動きもわかると思うんだが……考え込んでいるとノックの音がするのでどうぞと言うと教授が姿を見せるが、その顔は明らかに曇っている。
【やー西条。駄目だねえ、彼らは私の話を聞いてくれない上に君に直に話をすると騒いでいるんだ、もう来ると思うんだが、大丈夫カネ?】
大丈夫では無いが対応するしかあるまい。僕は深く溜息を吐いた後、集めた資料を教授に手渡す。
「ああ、教授すまないが、この資料を見て、何か思ったことがあれば教えて欲しい」
【……ふむう、判った引き受けよう。どうせ邪魔者扱いだしね!】
はっはと笑い僕の渡した資料を手に消えていく教授、それと同時に扉をノックし、入ってくる馬鹿共、上司の部屋に返事も無いのに入ってくるとは社会人としての心構えが足りない。そう思いながら僕は駆け込んできた8人を睨んだ。
「返事も無いのに入ってくるとは相当急用なのだろうね」
僕の言葉にハッとした表情になるがもう遅いんだよ、僕は机を叩きながら立ち上がった。
「それでなんの用件かな?また教授に関する文句なら、聞かないよ。彼は君らよりも優秀だ」
「ですがあいつは幽霊です!」
「オカルトGメンに幽霊の社員がいるなんておかしいでしょう!」
「そうかいそうかい、じゃあ教授がやってくれている仕事を全部変わりにやってくればいい。そうだな、彼は何時も5時間で終わらせてくれるが……仕事の処理もわからないだろう、17時まで待とう」
後8時間もあるから楽勝だろう?しかも8人も居るんだからと言って、もう1度睨みつける。
「次こんな事をすれば始末書だからな。社会の一般常識を守りたまえ」
僕の言葉に失礼しましたと言って出て行く一団を見送り、深く溜息を吐いた。
「無能な味方は敵にも劣るか……」
なんでこんなに精神的に疲れないといけないんだ。僕は背もたれに深く背中を預け、事務所の天井を思わず見上げるのだった……なお8人は17時までに終らせる事が出来ず、8人がかりで終ったのは21時を過ぎた頃だった事をここに追記する……。
~横島視点~
修行漬けの2週間もあと2日で終わりとなると少し寂しいという気持ちがあるな。
「うきゅー……」
「俺は連れて行ってあげたいけど駄目って言われてるだろ?」
まだ竜気の修行が完全では無いので可哀想だが、東京には連れて行けない。モグラちゃんが寂しそうに鳴いていると、こっちも寂しくなってしまう。
「これこれ、無理を言ってはいかんよ」
「きゅーん……」
ロンさんの言葉にますます落ち込むモグラちゃんに天竜姫ちゃんが励ましの言葉を掛ける。
「でも竜気大分コントロールできてるからもう少しだと思う」
「むきゅー」
天竜姫ちゃんの励ましの言葉に少しだけ元気になったモグラちゃんを抱き抱えて、背中を撫でてやると顔に擦り寄ってくる。
「待ってるからな、修行頑張って」
「うきゅ……」
それしか言えないが、流石に俺の独断で連れて帰る事は出来ない。保護者であるロンさんの意見が何よりも大事だ、それにやっぱりモグラちゃん自身を守ることにも繋がると思うから。
「私もう帰らないといけないですが、横島様、これをどうぞ」
脱走、逃亡、ストーカーの常習犯の清姫ちゃんは屋敷が大騒動なので、今日戻ることになった。別れ際に差し出してきたのは青い眼魂……出来たのかと驚いてしまった。
「やっと作れたのです、どうぞ私だと思ってお持ちください」
「……アリガトウ」
思わず引き攣った声で返事を返してしまったが、清姫ちゃんは嬉しそうに笑い。迎えであろう、竜に引かれる牛車見たいので空へと飛んでいった。
【なぁ、横島それ大丈夫か?】
「私は使わないほうが良いと思うけど」
「私も」
大丈夫かと言われると不安しかないのだが、折角くれたものなので、大事に持って帰ろうと思う。
「せんせー、置いて行ったほうが」
「馬鹿ね、あれはね、斜め上を全力で駆け抜けるのよ?置いていったら、横島が危ないわ」
「え?俺危ないの?」
さっと目を逸らされた。ちょっと危険と思っていたが、どうもかなり危険の間違いだったようだ、これは手放さないようにしよう。
「みむう?」
「ぷぎゅ?」
大丈夫?と心配そうに俺を見るチビとうりぼー、チビ達にも脅威と思われているのか……まぁ、実際清姫ちゃんは危険人物だけどな。
【気配は覚えた。次からは問題ない】
奇襲は避けれるぞと自信満々に言う心眼の言葉を信じてみたいと思う。悪い子では無いと思うんだけど、ちょっと怖いんだよな。清姫ちゃん……たまに光の無い目で俺を見ている事があるし……。
【大丈夫です!私が守りますから】
「……気配を消して、後からブスリとかやるぞ」
……シズクの言葉に広間に嫌な沈黙が満ちた。とりあえず、下手に刺激しないほうがいいのかもしれない……牛若丸も顔が引き攣っている。
【彼女は暗殺になれてそうですしね】
【あー判る判る】
沖田ちゃんとノッブちゃんの話では暗殺が得意そうらしいので、本当に気をつけるべきだと思った。
「後2日で修行は終わりじゃが、何か手応えはつかめたかの?」
老師の言葉にはいっと返事を返す、霊力の操作の感じは大分つかめたと思うし、覚え切れなかったけど色々と技術を教えて貰えた。手応えは間違いなく掴んでいると思う。
「後2日は軽い修行で疲労抜きをメインでやります」
疲労抜き?その言葉に思わず首を傾げると小竜姫様はくすりと笑った。
「霊体や身体に負担ばかり掛けてきましたからね、霊体と身体に良く利く温泉で身体を休めれば2日で万全になりますよ」
そっかあ、修行って疲れを抜くところまでやるのか……俺はモグラちゃんの頭を撫でながら、ふと気になった事を思い出した。
【とりあえず今日は美味しい物でも食べて、ゆっくり身体を休めましょう。さっき竜族の人が牛肉を持ってきてくれたので、今日の夕飯はすき焼きにしましょう】
すき焼きか、良いなあ。俺すき焼き好きなんだよなあ……やっぱりご馳走ってイメージがある。
【鹿もドゥンドゥン入れよう】
【そうですね、美味しいですよ】
どうしようすき焼きに鹿肉が……ああ。でも美味しかったから大丈夫なのかな?とりあえず作ってくれるシズクとおキヌちゃんに任せよう
「2日のんびりするなら、山の中の散歩とかもいいかもしれないわね」
「そうですね」
残り2日はのんびりして東京に帰る計画のついて美神さんや蛍と話す。
「あ、そうそう、なんか川があるから、魚釣りも面白いかもしれないですよ」
「魚釣りかー、やったことないのよね」
「私も」
「拙者釣りより、爪でドーンの方が楽でござる!」
「あんたバカぁ?そんなことしたら全滅させるでしょうが」
それなら俺が教えるよと話し、後2日のんびりとする計画を話していたのが、まさか翌日の正午東京でとんでもない事が起きるなんて、妙神山にいた俺達は夢にも思わないのだった。
~ガープ視点~
時代が移り変わり、人が繁栄し、明かりの消えない街となった。人間と言う物の進化は凄まじいと呆れながらも感心する……。
「だがそれも終わりを告げる、漸く始まるのだ」
長い時を待った。敗北の苦渋もこれでもかと味わった。だがそれも終わりを告げる……。
「教授後は任せる。レイを効率的に使え、私にはやるべき事がある」
「……は」
武装を装備した教授が深く頭を下げ、その隣でややぼんやりした様子で少女が頭を下げる。自我を失わせているから、これくらいだろう。教授とレイに背を向け、地面を蹴り飛翔する。
「遅いぞ、ガープ」
空中で待っていたアスモデウスとセーレが私に怪訝そうな顔を向け、少し不満げに言う。
「すまんな」
アスモデウスの叱責の言葉。どうしても何かを始める時は考え、悩み、そしてその場所を見たくなる。私達の行動で破壊された場所を見たい、だから壊される前の風景をその目に焼き付けるのだ。
「今回の事が失敗したらどうするのさー?」
ペガサスに跨ったセーレの言葉に頭を振りながら苦笑する、確かに失敗する可能性はあるだろう。横島忠夫、あの男に今までの計画は全て邪魔されているしな。無論失敗する可能性も十分に考えている。
「さてね、また何時も通りになるかもしれんぞ」
敗北、失敗、そのいずれかでもまた何時も通りだ、だとしても今回の事には意味がある、
「小競り合い程度だったからな、神魔も私達を侮っている。それは些か面白くない」
いままでは正規軍などを奇襲する程度だったが、それももう終わりだ。本格的な侵攻に切り替える時期が来たのだ……何時までも小さなテロを続けてきたのは、侮らせるためだが……何時までもそれに甘んじているつもりは無い。
「当然だ。敗北した身ではあるが、誇りまで捨てたつもりは無い」
アスモデウスの言葉にセーレも頷く。敗残者と向こうは甘く見ている、だからこそここまで念入りに準備が出来た。
「だからここら辺で私達の本気を見てもらおうじゃないか」
「魔界と天界は?」
セーレの言葉にそっちも同時に行うと笑う、天界・魔界・人間界……その全てを対象に私達は攻勢に出る時が来たのだ。
リポート24 反逆者達の進軍 その1へ続く
次回からは話を動かして行こうと思います。東京では教授とレイという謎の少女が行動を開始する予定です、セカンドも140を超え、そろそろ2分完結に向けて動いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い