GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
どうも混沌の魔法使いです。今回は前回の続き、つまりライダーバトルから書いていこうと思います。ガープ陣営の3号ライダーの力がどんなモノなのか、それをしっかりと書いていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
リポート24 反逆者達の進軍 その2
~横島視点~
前に鯛焼き屋の前であった少女が目の前で変身した、そのことに驚いたのは勿論だが、何よりもその姿はどことなくランタン魂に似ていた。
「……参ります」
目の前のライダーが姿勢を低くした。そう思った瞬間、俺の身体はくの字に折れていた。
「が……ぐっ……」
その余りの激痛に呻く事しか出来ない、俺を殴ったライダーは手を閉じたり開いたりして不思議そうに首を傾げる。
「殴るというのは何か奇妙な感じです」
等と呟きながら距離を取り、今度は回し蹴りを頭に叩き込んできた。サッカーボールのように蹴り飛ばされ、ビルに背中から叩きつけられる。
「げほっ」
叩きつけられたダメージが大きい、目の前がチカチカと光る、グレイトの防御力は高いはずなのに、それを貫通する痛みに吐きそうになる。
【横島!意識を失うな!】
心眼の言葉に無茶言うなと思いながらも、歯を食いしばり意識を保った。
「貴方に用は無いのですけど……」
【お前になくてもこちらにはある!!】
牛若丸がその手にした刀で切りかかるが、周囲に響いたのは妙に甲高い金属音。そして信じられないと言う、牛若丸の呟きだった。
【ば、馬鹿な】
牛若丸が手にした刀はライダーの肩に当たった。だがそれだけだった、中ほどから折れた刀が宙に舞う。その信じられない光景に思わず絶句した……。
「ちょっぴり痛かったです。ではこれはお返しです」
ゆっくりとした動作で振りかぶった拳が牛若丸の顔面を殴り飛ばす。凄まじい衝撃音を放ちながら吹き飛んだ牛若丸は俺と同じようにビルに叩きつけられ、意識を失ったのかずるずると崩れ落ちる。
「神宮寺さん!唐巣神父!ブラドー伯爵!早く撤退してください!」
この短いやり取りで俺は完全に理解した。勝てない、この相手には勝つ事が出来ない。今出来る最善は逃げの一手しかないのだと、それを悟ってしまった。
「……そこまで必死にならなくても、私の目的は貴方だけですので、仕掛けてこなければ何もしませんよ?」
小首を傾げ、何故そんなに必死なのですか?と尋ねてくる。その姿には悪意や敵意などがまるで感じられない、だがそれが逆に不気味さを煽っていた。とりあえず神宮寺さん達が逃げる時間だけも稼がなければ……武蔵魂からグレイトに戻ってしまったが、まだ14個の眼魂は使える。なんとかそれで対応するしかない、俺は全身が痛む中立ち上がり、拳を握り締める。
「……大人しくしていてくれれば良いのに」
まただ、瞬間移動したかと思うほどの一瞬で俺の目の前に現れる。反射的に腕をクロスさせて放たれた拳を受け止める。
「ぐっ!?」
体格は俺よりも頭一個は低い。それなのに俺はまともに耐える事が出来ず、大きく弾き飛ばされる。地面に跡を残しながら何とか踏み止まり、前を見るが相手の姿は既に無い、そのスピードに驚愕していると心眼の声が脳裏に響いた。
【横島後だ!】
心眼の言葉に頭を下げると、凄まじい音を立てて蹴りが頭の上を通過していく。その凄まじい音に直撃していたら意識を失っていたかもしれないと思い、冷たい汗が背筋を流れる。
「……今、変な気配がしましたね?」
攻撃を避けた俺をその空虚な瞳で見つめてくるライダー。その圧倒的な威圧感に思わず後ずさりしかけるが、それを何とか踏み止まる。
(駄目だ。下がれない)
後にはもう戦えるとは思えない状態の神宮寺さん達がいる。ここで下がることは出来ない、歯を食いしばってその場で踏みとどまるしかないのだ。
【横島……今は隙を窺うことを優先しろ。万全とは程遠いのだからな】
心眼の言葉に小さく頷く、修行の疲労も抜けていない上に霊力も万全とは言えない。悪魔やゾンビ相手だから大丈夫と思っていたが、ここまで規格外のライダーが控えているなんて夢にも思っていなかった。
「……」
俺をジッと観察している、威圧感も圧迫感も感じているのにどこか敵意を感じない。ただ命じられたから俺と戦う、俺を捕らえようとする。
(本当に人間なのか?)
こんなことを考えてはいけないと判っているのだが、相手が人間とは思えない――まるでロボットか何かと戦っているような不気味さがある。
「……来ないのならこちらから」
滑るように向かってきたライダーに拳を繰り出すが届かない……当たる前に何かに弾かれているような、そんな不思議な感じだ。
「……えい」
「ぐっ!?」
膝蹴りで身体を起こされ、肘打ちで地面に叩き落される。それほど力が入っているようには思えない打撃、それなのに俺の目の前はチカチカを明暗を繰り返していた。
(このままじゃやられる)
美神さん達が合流してくれるまで耐える。それすらも不可能に近い、たった数回のやり取りで俺はそれを思い知った。
(横島。訂正する……前に出ろ)
(だよな)
護りに入ったら押し潰される。それならば前に出て少しでも相手の情報を掴むしかない、俺は玉砕覚悟で拳を握り、相手に向かって駆け出すのだった……。
~くえす視点~
妙神山にいるはずの横島が応援に来た。助けに来てくれた、それ自体は嬉しい。だが状況は良くなる所か、悪化の一途を辿っていた。
「せやッ!!」
「効きません」
大きく振りかぶった横島の拳が当たるが金属質の打撃音が響き、その拳は防御らしい防御もしていない相手に簡単に弾かれる。
「えい」
「ぐっ!?」
それほど力が入って無いように思える敵の攻撃は横島にダメージを積み重ねていく。横島は撤退しろと言っているが、ここで横島を残して撤退など出来る訳が無い。だが魔力も霊力も尽き掛けている今まともな攻撃を仕掛ける事はまず不可能だと言うことは明らか。
「……ブラドー伯爵、私の血で魔力は回復出来ますか?」
「……すまないが、お前の血は我には毒だ」
となれば血液で回復できるブラドー伯爵が頼みの綱だったが、私の血液は受け付けないと言われてしまった。
「で、では……私の血はどうですか!?」
唐巣が1番ダメージが大きい、近接でひたすら悪魔を屠って来たのだ。霊力と魔力が尽き掛けている私よりも状況は悪い、下手をすればそのまま死んでしまうかもしれない唐巣の血を貰うわけには行かないとブラドー伯爵は首を左右に振る。
【カイガン! リョウマ! 目覚めよ日本!夜明けぜよ!】
「変身ッ!」
横島が再び姿を変える。それは前に別世界の横島が訪れた時に使っていた、15の英雄眼魂の力。確かにその力は凄まじい物があるだろうが、横島の動きは明らかに精彩を欠いている。ここに来るまでのダメージかそれとも強い力をコントロール出来ていないのか、それともその両方か。判っているのは状況が最悪という事だ。
「ブラドー伯爵、神宮寺君。判っていると思うが、下手に攻撃をしては駄目だ」
唐巣が顔を歪めながら言う、本当ならこうして観察している余裕があるなら横島を助けたい。だが下手に攻撃をして、その注意がこっちに向けば、より横島に負担を掛けることになる。
「戦況を見極めるぞ、相手のあの異常な防御力、それを破る切っ掛けを探す」
「……判っていますわ」
助けたいのに、助ける事が出来ない。その悔しさに歯を噛み締め、なんとか横島の力になる方法をと必死に横島とあの謎のライダーの戦いに視線を向ける。
「ふっ!」
「ですから無駄です」
横島の攻撃は相変わらず相手には通らない、防御力が横島の攻撃力を完全に超えているのだ。どう足掻いても横島の攻撃が有効打になる事が無い。
「唐巣。お前の血は吸えない、下手をすれば死ぬぞ」
私の分析と同じく、ブラドー伯爵は駄目だと言った。弱りきっている今の唐巣は吸血に耐える事が出来ない、そして今使用できる魔法では相手の防御を突破できない。かと言って横島を見捨てて逃げる事も出来ない……八方塞がりの状況だ。
「みむうううううッ!!!」
「ぷぎゅうう!!!」
チビとうりぼーの最大攻撃であろう雷と霊波砲が背後から命中する。
「……」
煙が僅かに出ているだけで、ダメージが通っているようには見えず。横島を殴り飛ばし、振り返りその無機質な視線をこちらに向けてくる。
「みむう!?」
「ぷぎゅ!?」
自分達の攻撃が効いていない事に驚く2匹だが、その攻撃によりあいつの意識がこっちに向いた。
【ガンガンハンド】
篭手から飛び出した長大な銃を手に取り、その銃口をこっちに向ける。
「……死になさい」
その指が引き金に掛かろうとした瞬間。凄まじい水流がライダーを飲み込み、壁に叩きつける。
「……遅いですわよ」
「……うるさい、こっちだって必死だ」
シズクと共に沖田、信長、美神、蛍が必死の様子で駆けてくる。その姿を見て、横島の精彩が欠けていたのはダメージを受けていたからだと判った。
「くえす、何なのあいつ!?仮面ライダー!?」
「こっちが聞きたいですわよ。判ってるのは、ガープの配下と言う事だけですわ」
痛む身体に鞭を打って上半身を起こす。横島と共にいるタマモとシロが人ではなく、獣の姿をしているのは周囲を警戒しての事だろう、ここは敵の拠点のど真ん中。どこから奇襲が来るかわからない、だが奇襲の必要は無いのかもしれない相手が強すぎるから――。
「……敵は排除……」
【このおッ!!!】
沖田が凄まじいスピードで踏み込み刀を振るうが、それは相手の指先で受け止められる。
「言いましたよね?敵は排除します」
【んごふっ!】
【沖田ぁ!!!】
踏み込んで放たれた蹴りが沖田の胴を蹴りぬく、吐血し吹き飛ぶ沖田に信長の悲鳴が響く、だがライダーはそんな信長を嘲笑うかのように既に彼女の目の前にいた。
「人の心配をしている場合ではないです」
【なっ!?うぐっ!?】
次の瞬間信長も殴り飛ばされ、背中からビルに叩きつけられ瓦礫の中に消える。
「敵は排除するのみです、私が捕獲せよと命じられているのは横島忠夫、美神令子の2名。それ以外は抹殺対象となります」
冷酷にそして機械的に私達に視線を向けるライダー……その無機質な雰囲気に恐怖を感じたのか、獣の姿のタマモとシロが狐火と霊波砲を打ち出す。
「……言ったでしょう?抵抗は無意味だと」
炎と霊波は命中する前にバリアの様な物に弾かれ霧散する。地面を踏みしめこっちに近づいてくるのを見てシズクが思わず動き出そうとする。
「……!」
だがこの場面で回復能力持ちが死ねば、それだけで全滅する事を避けることは出来ない。
【こっちに来ないでください!】
おキヌが瓦礫をポルターガイストで飛ばして、動きを止めようとするが、それは妨害にもならない。
「美神、破魔札は!?」
「ここに来るまでに使い切ってる!あんなのがいるなんて予想外だったんだから!」
恐らく私達を回収して撤退するつもりだったのだろう。元々妙神山で修行に向かっているのだから、道具の手持ちはさほど無いはず。
(不味い不味い不味い)
このままでは何も出来ず全滅する。何か、何か無いかと必死に考えを巡らせていると横島が背後から走ってくる。
「させるか!!」
横島が背後から飛びつき、その動きを封じようとする。それは通常なら有効な手段だろう、相手の方が背が低い。後から拘束すれば通常なら相手の動きを束縛することは十分に可能だ。
「無駄です」
「ぐっくう……!」
肘打ちで横島の拘束を振り払い、頭を掴んで無造作に横島を投げ飛ばしてくる。
「横島!」
「横島君!」
【横島さん!】
蛍と美神が投げ飛ばされた横島を受け止めようとするが、当然その勢いを止めれるわけもなく、3人ともごろごろと転がりやっと動きが止る。
「くっく……やべえ。強い、美神さん、蛍。難しいと思うんですけど……何とか撤退してください」
横島がふらつきながら立ち上がる。私達の中で1番攻撃力がある横島がダメージを与えれないとなると、誰もダメージを与えることは出来ない、それに加えて横島の動きが精彩欠いているのはダメージも関係している。
「……これならどうだ!?」
美神達が止めに入る前に、横島が駆け出し、眼魂をベルトにセットしてレバーを引いた。
【カイガン!ゴエモン! 歌舞伎ウキウキ!乱れ咲き!】
走りながら両手のガンガンブレードでライダーに向かっていく。だが相手の対応は聞き分けの無い子供を相手にするような、そんな反応だった。
「シズク、水で飲み込んで撤退は出来ないのか!?」
「……出来るならとっくにやってる!」
ブラドーの言葉にシズクが怒鳴り返す。何らかの術で私達が弱体化している、もしくは相手が強化されている。そして転移なども出来ない
……状況はただでさえ絶望的だったと言うのに、状況は更に悪化する。
「そうですか、まだ抵抗しますか、では仕方ありませんね」
敵のライダーはパーカーから何かを取り出す、それは瓶に入った赤い液体――それに私を含め、全員の驚愕の声が響いた。
「「「狂神石!?」」」
神魔を狂わせ、英霊を歪める恐るべき結晶。そのライダーは狂神石の瓶を2つ無造作に取り出し篭手のスロットを開けて、その中にセットする。
「……様子見と手加減はここまでにさせて頂きます」
ガシャンという異様な音と共に、空になった瓶が排出される。すると今まででも恐ろしい圧力を放っていたと言うのに、その圧力が段違いに強くなる。
(そんな……まさか)
眼魂と狂神石の相乗効果による圧倒的な攻撃力と防御力、それがあいつの異常な強さの理由だと言うのか?もしそうなら、今の私達のあれに対抗するだけの戦力は無い。
「……これで終わりです」
狂神石の禍々しい紅いオーラと纏った相手は別の眼魂を取り出し、腕の篭手に装着する。まさか他の眼魂まで所持していると言うのか!?あの規格外の強さから更に強くなる。その姿が容易に想像でき、最悪の結果が脳裏を過ぎる。
【セット!ロキ!レディ?】
「……変身」
【プレイヤー・イン・ラグナロク!ファントムコール!】
紅と金を基調にした派手なパーカーを身に纏い、自身の身長と同じくらいの剣を手にするライダー。だが眼魂のコールは聞き捨てならない物だった。
「ロキ!?北欧の悪神!?」
「最上級の神魔の眼魂ですって!?」
北欧神話のラグナロクを引き起こした最悪の存在。その悪神の眼魂を使用した……しかも狂神石で能力にブーストを掛けた状態でだ。それはただでさえ悪い状況が更に悪くなったと言う事だ
「……こうなると手加減は非常に難しいのです。なのでどうか死なないでください、まぁ死んでも魂さえあれば問題ないのかもしれないですけど……痛いのは嫌でしょう?大人しくしていてくれれば、こっちもそれなりの対応が出来ると思うんですけど……」
横島の攻撃を受け止め、その剣と杖が一体化したような武器を振るう。
「ぐっくっくつつ……」
両手に手にした剣をクロスさせて受け止める横島だったが、横島が使えば甚大な負担を与える神霊眼魂、そしてロキと言う最上級の神魔眼魂。その出力の差は明白だった、拮抗は一瞬にも満たず、剣を弾かれ杖の部分の殴打が横島を襲う。
「ぐっ!まだまだぁ!!」
一瞬ふらつく横島だったが、すぐに態勢を直し剣を振るおうとする、だが横島の決死の行動も……その全てが無力だった。
「何度でも言いましょう、抵抗は無意味です」
「うっぐああああああああ!」
指を鳴らされると同時に展開された魔法陣から炎の柱が上がり、横島の姿が火柱の中に消える。その光景に周りにいた全員が悲鳴を上げる。
「ぐっくう……」
【ダイカイガン!グレイト!!!オメガドライブ!】
ふらつきながら立ち続けていた横島は震える手で腰のレバーを掴み引き、全身に霊力の光を纏う。
「どうして諦めてくれないのですか?」
【シンピガン!ロキ!ファントムバーストッ!!!】
横島とライダーが飛び上がるのはほぼ同時で、光を纏った飛び蹴りが交差すると思った瞬間。
「おらああああ!くたばりやがれええええ!!!」
「!?」
背後から飛んで来た精霊石ロケットが相手に命中し、バランスを崩した。横島と交差する瞬間の事だったので直撃するはずだった、それは僅かにずれる。
「くっぐぐうううううう!!」
「ここまでです」
だがお互いの蹴りが交差すると言う結果は変わらず、そして無慈悲にも横島に相手の蹴りが命中し、横島は爆発しながら吹き飛んだ。
「がっ!!」
【オヤスミー】
身体に刻まれた魔法陣が最大の光を発すると同時に横島は爆発の中に消え、爆炎の中からオヤスミーと言う声が響く。ミサイルが飛んで来たほうを見るとオープンカーに乗っている琉璃と運転席に座っている女、そして2人の男。そのうちの片方が煙を放つロケットランチャーを担いでいるので今ぶっ放したのがあの男だと判る。
「美神さん!これはどういう、と言うかなんでロケットランチャー撃ったんですか!?」
「生きてるならぶっ殺す、死んでるならぶっ飛ばす。それが一番早い」
なんですのあの男は……言ってることとやってる事は無茶苦茶だが、そのロケットランチャーのおかげで横島に直撃しなかった。その事に関しては感謝しなければならない、そうでなければ横島は確実に死んでいた。
「……!」
シズクが即座に行動に出た、気絶した横島の近くに幸いにも消火栓があり、破壊された消火栓から水が噴出し続けており、そこに転移し、横島を捕らえようとしていた相手よりも早く横島を回収する。
「……横島を渡しなさい、そうすれば貴女達に危害は加えないと約……「隙を見せたな、化け物め」
影から飛び出した金色の影がライダーの胸に蹴りを叩き込み蹴り飛ばす。あれはベルゼブル!?どうして此処に……。
「ブリュンヒルデ!撤退だ!全員を跳ばせ!」
「……くっ!は、はい!!!」
ルーン文字が私達の前に現れ、私達はその場から姿を消し、何処かのビルの中にいた。
「蛍!横島君!大丈夫か!?」
「お父さん!?」
蛍の言葉からここが蛍の父親のビルだと判り、限界を超えていた私は安全な拠点と判った瞬間に意識を失い、その場に倒れるのだった……。
「逃がしましたか……」
【リターンオブコール!】
残されたライダーは姿を見失ったことに対して興味も抱いていないように、腕の篭手を操作して変身を解除する。
「……良いのか?追わなくても」
塔の影から姿を見せたローブ姿の男に変身を解除した少女は振り返った。
「待っていればあちらから来ます。こちらから仕掛けるまでも無いでしょう」
「……まぁどの道チェックメイトまではそう時間は掛からないか。では再び待つとしようか、レイ。それともレブナントが良いかね?」
「……どちらでもお好きなように」
レイ、それが少女の名前であり、レブナント。それが彼女の変身するライダーの名前であった……。
~琉璃視点~
私が塔の前に来た時。くえす達はボロボロ、沖田さん達も瓦礫の中で倒れ全員が致命傷かそれに近い負傷を負っていた。特に横島君が重症だ。今は優太郎さんのビルの地下で治療されているが、何時目を覚ますかも判らない。
「大丈夫かい?」
「……大丈夫に見えるなら、お前は目玉をくり貫いて交換して来い」
「……申し訳ないですが……限界が近いかと……」
ブリュンヒルデさん、そしてベルゼブルさんの両名は息も絶え絶えと言う様子だった。だけど私と美神さんは問いたださなくてはならないう。
「優太郎さん。貴方は……神魔ね?」
美神さんがそう切り出した。今この場にいるのは、私と美神さん、そしてブリュンヒルデさんと高城と名乗っているベルゼブルさんの4人だけだ。蛍ちゃん達は横島君が重症なので病室にいるし、唐巣神父、ブラドー伯爵にくえすも限界ギリギリだ。不動さん達も平気そうにしていたが、疲労困憊で今は休んでいる。今だからこそ尋ねられる事を尋ねる、どんな答えでも自分達の胸の中にしまっておくつもりだ。
「……そうだね。私は神魔であることは認めよう、そしてその性質がブリュンヒルデとは異なり、ベルゼブルに近いことも認めよう」
優太郎さんは少し悩む素振りを見せてから神魔であることを認めた。そしてベルゼブルさんに近いと言う事は、その性質は「魔」しかも最上級の魔族であると言う事を遠まわしに認めたのだ。
「蛍ちゃんは先祖返りじゃないの?」
美神さんがそう尋ねる。蛍ちゃん、蓮華ちゃん、あげはちゃんの3人は優太郎さんの娘となっている。だが優太郎さんが魔族となると、血縁関係があるとは思えない。美神さんの問いかけに優太郎さんは首を横に振り、先祖かえりと言う事を認めた。
「いや、蛍は紛れもなく先祖がえりだ。私は何百年か前に人間界で活動していたこともある、私の力を分け与えた者もいた。その子孫が蛍や、あげは、蓮華だ。孤児の彼女達に私は父親として接してきたつもりだよ」
蛍ちゃんはそれを知っているの?の言葉は私も美神さんも飲み込んだ。多分蛍ちゃんはそれを知った上で、優太郎さんを父と呼んでいる。それだけの信頼関係があるのは判っていたから、そして蛍ちゃんも父親が魔族であることを黙っていた、それはきっと今の情勢を考えてのことで、そこを責める事は出来ない。
「真名は教えてはもらえないかしら?」
「……すまないが、それは出来ない。ただ……そうだね。1つだけ、これだけは言おう」
優太郎さんはそこで言葉を切り、真剣な顔で私と美神さんを見つめて、衝撃的な言葉を告げた。
「私は……ソロモン72柱である。それもビュレト、ベリアルと友人関係であるほどの地位を持つと」
「「!?」」
それは予想を遥かに超える返答だった。ソロモンの魔神……神魔であることは判っているが、まさかそんな存在とは思うわけが無い。
「ただ今は神性を放棄しているから、人間と変わらないけどね。それよりもだ、今話すべき事は私の正体を探ることじゃない筈だ」
まだ隠している事は多いだろう。それでも味方をしてくれてる、そんな人を疑うより、今は現在の東京の状態を知るべきだ。
「……判ったわ。色々聞きたい事はあるけど、今は我慢するわ」
「すまないね。私も話せるなら全てを打ち明けてしまいたいが、そうも出来ない事情があるんだ」
本当に申し訳ないと頭を下げた優太郎さん。その真摯な対応を見ればこれ以上問いただすことは出来ない。
「話は済んだか、私もブリュンヒルデも休みたいんだ。私達が命を賭けて見てきた事を話しても良いか?」
「……色々と思うことはあると思いますが……今は私達の話を聞いてください」
余裕そうに見えるが辛そうな顔をしているベルゼブルさん、そして青白い顔をしているブリュンヒルデさん、最上級の存在である彼女達がここまで消耗している理由。そして今東京で何が起きているのか……それを知らなければ、何も打つ手は無い。
「今、この地は丸ごと異界となっている。外から来る事も不可能であり、そしてまた外に出ることも不可能。今東京は陸の孤島と化している。更にあの塔にむかって星が落ちている……私達に残された猶予は96時間……4日であの塔を破壊しなければ……日本は滅ぶ」
それが私とブリュンヒルデの調査で得た答えだと告げられ、私も美神さんも頭の中が真っ白になるのだった。
リポート24 反逆者達の進軍 その3へ続く
次回は状況整理を書いて行こうと思います、グレイト魂を圧倒するレブナントに星落下で日本が滅びる可能性と天界、魔界同様詰んでいる状況かつ負傷者多数と言うハードモードでのスタートです。レブナントは初期フォームで闘魂などの中間フォーム相当かつ、狂神石でブースとしているのでかなりチートスペックですそれでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い