GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からは新リポート「父来る」に入って行きます、大体誰が来るか判っていると思いますが、今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート3 父来る
その1


 

リポート3 父来る その1

 

慰安旅行の後は特に依頼も無いとの事で俺は高校に来ていた。やっぱりどこまで行っても学生は学生、留年しないように勉強くらいはしておかないとな。それに愛子とかには慰安旅行のお土産を買って来たのでそれも渡したいし

 

「ほい、愛子。お土産」

 

慰安旅行の時に愛子とピートにお土産くらい買って行くかと思い、買って来た温泉饅頭とキーホルダーを愛子とピートに渡す。タイガーの分も買ってきたけど、まだ姿が見えないな。もう帰国したと思うけど、もしかしてエミさんと除霊に行ったのかな?

 

「あ、ありがとう。どこ行ってたの?」

 

「除霊試験はどうだったんですか?僕は昨日ギリギリで突破できましたけど」

 

愛子とピートの問いかけに鞄を机の上に下ろしてから

 

「除霊試験のほうはバッチリだったぜ。まぁ除霊したんじゃなくて偶然結界が作られて閉じ込められていた幽霊を成仏させただけど」

 

正直普段行っている除霊とあまりに違うので少し不安だったけどなーと付け加える、するとピートは真剣な顔をして

 

「神宮寺くえすの指導の方はどうだったんですか?」

 

はぁ……こいつも蛍と同じかよ……いやまぁ俺も調べたけど確かに悪い話が多かったけど神宮寺さんは本当は優しくて良い人だと知っている。だからその誤解は解いておきたい

 

「神宮寺さんは凄く良い人だぞ?指導は丁寧だし、判らない所は判るまで教えてくれた。言われてるほど悪い人じゃないぞ」

 

そりゃまあ悪い事をしたかもしれないけど、今は良い人だぞ?と話しながら、今度は愛子に

 

「スライム退治の依頼で今度オープンするって言うホテルに行って来たんだ。2泊3日で食べ放題とか、レジャー施設使い放題でめちゃくちゃ楽しかった。まぁ……俺みたいな庶民じゃもう行く事は無いと思うけどなあ」

 

一泊3万と聞いて、2度と行く事はないなと思ったぜと笑っていると、チャイムが鳴り担任が姿を見せたので自分の机に戻り、久しぶりに鞄から教科書と筆箱。そして

 

「よいしょっと」

 

「みーむ♪」

 

「うっきゅー♪」

 

当たり前のように潜り込んでいたチビとモグラちゃんを鞄から出して、教科書と一緒の机の上に乗せるのだった……

 

 

 

横島が久しぶりに高校を訪れている頃。蛍はと言うと……

 

「まだ起きないね、べスパ」

 

地下の研究施設でまだ眠ったままのべスパの元を訪れていた。あげはが目覚めてから半年……しかしべスパはまだ目覚める気配も見せていなかった。だんだん不安になってきたのでお父さんと一緒に何か変わってないか?と思ってきたがやはり何の変化も見られない

 

「うむ。何故だろうな……流石の私もそこまでは判らないぞ」

 

無理に目覚めさせることも出来るが、それだと脳に影響を与える可能性があるので当然ながらそんな事は出来ない。出来る事と言えば脳波のチェックくらいと言うのが悲しい

 

(どうして起きてくれないの?)

 

あげはが起きたのだから、べスパも直ぐに起きると思ったのに……もしかしたらこのまま眠ったままなのではないか?と言う不安が頭を過ぎる

 

「脳波は正常……いや、夢か?夢を見ているのかもしれないね」

 

夢?……まさかナイトメア?……いや、それはありえないか。あんな下級魔族がお父さんの結界を突破できると思えないし……しかしそうなると普通に夢を見ているわけで……それだけ長時間夢を見ている理由は何だろうか?少し考えてみたが、考えられる可能性は1つしかない

 

「逆行前の夢を見ているのかな?」

 

考えられるのはそれだが、それに関してはお父さんがNOを出した。私と違い、新しく作ったのだからそれはありえない。もしそうなら、あげはも逆行の記憶を持っている筈だから。あげはが違うのだからべスパが記憶を持っている可能性は限りなく0だと

 

「結局待つしかないのね」

 

早く姉妹が揃うと良いなと思いながら研究室を出ようとすると、ふと視線がある一点で止まった。それはGS試験で横島が陰念から飛び出た悪魔を封印した眼魂。それが機械にセットされ、周囲に何十にも魔法陣を展開されかなり厳重に封印されていた。ここまでする必要があるのだろうか?と思っているとお父さんがその理由を説明してくれた

 

「ああ、あれか。先日急に活性化してね。慌てて機械を作って封印したんだ、そのままだと危険だと思ってね」

 

「活性化……?暴れだしたとか?」

 

私がそう尋ねると、お父さんはもっと酷いと前置きしてからおいでと言って歩き出す。眼魂が封印されているのを近くで見て私は絶句した

 

「な、なにこれ……」

 

そこには機械の残骸が転がっていたのだが、そのどれもが手や足を模した形状をしていた

 

「研究用の機械に魔力を流して、手足を作ろうとしていたんだ。正直本当に危ない所だったと思うよ」

 

手足を持った眼魂がどこへ行くのか?そんなのは考えるまでも無い、横島の所だ。そして横島の身体を奪おうとするだろう……

 

「これ何とかして壊せないの?」

 

「壊したら封印している悪魔が出てくる可能性のほうが高い。今はこうして封印するしかない」

 

確かにそれも危険だ。あの眼魂に何がいるのかは判らないが、相当高位の魔族である可能性が高い、それこそ魔神の可能性もある訳で……壊すと言うのは早計過ぎるかもしれない

 

「これ……もしかして横島のベルト?」

 

入ったことの無い研究フロアなので周囲を見ると、2、3個だが横島のベルトに類似した物が転がっていた。それを拾い上げてみると煤けており、爆発か何かしたのが一目で判る

 

「ああ、これを利用して封印できないかな?って思ったんだけどね……構造が全く判らなくて……あははっ!まさかこの私が解明できない物があるとは……燃えさせてくれるじゃないか」

 

うん。研究者って大体こんな物よね。私も正直あのベルトって何だろうってずっと思っていたから再現して見たいと思っていた。とは言えこの爆発のあとを見るとそれも相当難しそうね

 

「とりあえずお昼ごはんにしましょう。あげはが待っているし」

 

「そうだね。あげはがお腹を空かせて泣いてしまう」

 

気になることはあるがとりあえず後回し、まずはあげはの事を最優先しようと言う話になり、私とお父さんは研究所を後にするのだった……

 

「え?あ、はい、はい……判りました」

 

あげはにお昼ご飯を食べさせ、寝かしつけた頃。お父さんの部屋の電話が鳴る。かなり丁寧な対応をしているので上級神魔からかな?と思いながらベルトの複製の為の図案を描いていると

 

「緊急事態だ蛍。百合子さんが大樹さんと離婚すると言って夕方の飛行機で日本に来るぞ……」

 

時差的に考えて夕方に到着すると言う事は、多分何処かで飛行機を乗り継いで日本に向かう飛行機に乗る前に連絡してくれたと思うんだけど……そこまで考えた所で離婚するから日本へ来るという言葉を理解し

 

「はい?」

 

お父さんから語られたあまりに予想外の言葉に私は数秒思考が停止してから

 

「なんでそんな話に!?」

 

「向こうで毎日不倫三昧だそうだ」

 

「死ねば良いんじゃないかな!?」

 

好きな人の父親だけど、私も女としてそんな自体を許せる訳が無く。即断でそう呟き、ソファーから立ち上がって

 

「迎えに行く準備をするわ。お父さんは空港に使い魔を用意して、馬鹿親父が来たら教えて」

 

わ、判ったと引き攣った声で返事をするお父さんにお願いねと頼み。私は着替えて空港へと向かうのだった……

 

 

 

 

ノスフェラトウ事件の後、唐巣神父はと言うと、今まで以上にピートの指導に力を入れ光と闇の合一までの時間を短くするなどの精神的なトレーニングに重点を置き、本人は本人でかなりのハードトレーニングを自らに課していた

 

「はっ……はっ……くそ……本格的に鈍ってる」

 

ノスフェラトウの件で自分が錆付いていることは嫌って程痛感していたので鍛えなおしているが、たかが5キロの重りを手足につけ、軽く10キロ走り込んだだけでここまで消耗するとは……

 

「今まで楽な除霊ばかりをして来たつけか……」

 

除霊費を払えない貧乏な人達の為に朝から晩まで除霊を行っていたが、それは精々Cランク程度……戦闘の勘などが著しく低下している……

 

「このままじゃ本当に足手纏いにしかならないな」

 

ふうっと大きく深呼吸してからもう1度走り出す。ソロモンの魔神が活発に動き出したのに対して日本のGSはその大半がGS免許を返納し逃げに入った。だからGS協会の中の人員の大半を神代家の息の掛かった人間に変える事が出来たのだ

 

(急がないと)

 

いつまた仕掛けてくるか判らない、その時の錆付いているなんて言い訳で足手纏いになる事は許されない。それになによりもガープは美神君の家族を狂わせ、そしてピート君やシルフィー君の母親までも失わせた……美神君は事情を知りたいだろうけど、横島君と蛍君を育てる為に今は何も聞いてこない。そしてそれに少しでも安堵した自分が許せない、そして師匠だと言うのならば、私は強い自分に戻らないといけない。弟子を守り、共に戦うために……

 

「っ!」

 

突然暗がりが向かってきた何者かの拳を咄嗟にしゃがみ込んで躱す

 

(魔族か!?)

 

闇その物を纏っているようで姿を見る事が出来ない。だが敵であることは間違いない、拳を硬く握り締め応戦する

 

(は、速い……!?)

 

低い姿勢から連続で放たれる拳と蹴りは鋭く、受け止めただけでも手足が痺れる。強い、それも生半可な相手ではない。咄嗟に眼鏡を外し

 

「調子に乗るんじゃねぇッ!!!」

 

霊力を拳に集束し、それと同時に足に集束した霊力を爆発させ一気に間合いを詰め、全力で拳を振るう。胴に命中したはずだが……手応えが薄い……このまま離れて聖句を……いや、距離を取れば向こうがペースを掴む。私はそう判断し再び間合いを詰めようとしたが

 

「ふむ……流石我が息子の師匠と言った所か」

 

闇の中から聞こえた声に踏み出そうとした足が止まる。息子……?まさか!?慌てて眼鏡を掛けなおすと同時に闇が弾けとび、そこから姿を見せたのは豪華な貴族服に身を包んだ青年の姿

 

「ブラドー伯爵!?」

 

チューブラーベルに取り憑かれブラドー島で療養している筈のブラドー伯爵の姿だった

 

「手紙に感謝する唐巣和弘。傷も治った事もあり、我を助けてくれた青年に礼を告げるついでに息子の姿を見に来たのだが……教えてくれないかガープとやらが我の妻と養父に行った非道をな」

 

近況と、貴方の妻に起きた悲劇を伝えたが、まさか日本に来るとは思ってなかった。人の良い笑みを浮かべているが、圧倒的なカリスマと場を制圧する雰囲気を持ち合わせているブラドー伯爵を前に

 

「すいません、魔力もう少し抑えてくれませんか?」

 

多分この魔力を感知してGS協会が動く。なんか申し訳ない気持ちになりながらそうお願いする

 

「む?そうか?だいぶ抑えているつもりなんだが……」

 

気をつけようと笑うブラドー伯爵を前に、遠くから聞こえてくる車のエンジン音を聞いて

 

(どうやって説明するかなあ……)

 

琉璃君にブラドー伯爵の事をどうやって説明しようかと頭を悩ませるのだった……

 

 

 

 

夕方チビとモグラちゃんの散歩を終え、リビングで温めたタオルでチビ達の足を拭いてやっているとチャイムの音がする

 

「ん?お客さんかな?ちょっと待っててな」

 

シズクは夕食の買い物に出かけているので、俺が出るしかないのでチビ達に待っていてくれとお願いし玄関を開けると

 

「やっほー忠夫♪」

 

「お袋ッ!?」

 

日本から遠く離れたナルニアにいる筈のお袋がキャリーケースを立てかけながら手を振って笑っていて、俺は思わずそう叫ぶのだった……

 

「GS試験合格おめでとう。よく頑張ったわね」

 

お袋に褒められたのはじめてかも知れん……どう反応すればいいのか判らず、タオルでチビ達の足を拭きながら

 

「あーうん。ありがとう……」

 

もう少し嬉しそうな反応出来ないの?と笑うお袋だが、本当褒められた覚えが殆ど無いので正直困惑するしかなかった

 

【ただいまー。あー疲れた……隣町までメロンパンを買いに行くじゃなかったの……】

 

あ、ノッブちゃんが帰って来た……お袋の目がギラリと光る

 

「蛍ちゃんがいるのに女の子を囲ってるのかい?」

 

殺意すら感じられる眼に慌てて手を振る。と言うか蛍は確かに好きだけど、まだ付き合ってるわけじゃないし!?とか思っていると

 

【ただい……おろ?誰じゃ?】

 

メロンパンの袋を提げているノッブちゃんの周りには人魂が浮いていて、説明するよりも目で見るほうが早い証拠があって良かったと思わず安堵の溜息を吐く

 

「幽霊?」

 

「うん、幽霊。しかも凄い幽霊で物が食べれる」

 

それは凄いの?と苦笑するお袋に凄いんじゃないかな?と返事を返していると今度は

 

「……ただいま……?お客……」

 

シズクが帰ってきてソファーに座っているお袋とそんなお袋を指差しているノッブちゃんを見て

 

「……ふんっ!」

 

【ノッブウ!?】

 

ノッブちゃんの頭に全力で拳を振り下ろしながら、お袋に頭を下げて

 

「……どうもお久しぶりです」

 

「うん。シズクちゃんね。お久しぶり」

 

なんか物凄い他人行儀だ……俺はどうすれば良い?考えてみても判らないので足もとにじゃれ付いて来たタマモを抱き抱えることにした

 

【痛い……誰なんじゃ?】

 

「……横島の母親だ」

 

【え?マジ?あわわ!?申し訳ないの!ワシはその居候させて貰ってる織田信長じゃ!】

 

混乱しているノッブちゃんがきょろきょろしてる。こんな反応は初めて見たかもしれない、シズクはもう1度頭を下げてから荷物を持ってキッチンへと向かって行った。多分夕食の準備をするつもりなのだろう

 

「信長?……」

 

ノッブちゃんを見て信じられないと言う反応をしているお袋。まぁ確かに男って伝わってるしな

 

「なんか信長を殺した悪魔が居てな?それを倒す為に天国から来て、そのまま俺の家で居候してるんだ。だから信長って本当は女の人なんだって」

 

本当?っと若干疑わしそうにしているお袋。でも事実は事実なのだから変えようが無い、それに俺にとってはノッブちゃんだからそこも正直どうでも良い。膝の上に上って来たチビとモグラちゃんの頭を撫でながら、ずっと気になっていた事を尋ねる事にした

 

「お袋「お母さん」……お母さんはどうして日本に来たんでしょうか?」

 

態々俺に合格おめでとうと言いに来る為だけに日本に戻って来たとは思えないし、何かほかに用事があったんじゃ?と思いながら尋ねると

 

「うん、優太郎さんと蛍ちゃんにも話したんだけどね?」

 

優太郎さんと蛍に?一体何の話をしたと言うのだろうか?湯のみを手に熱いお茶を啜ってからお袋は何でもないように笑いながら

 

「お父さんと離婚する事にしたから」

 

「はい?」

 

ちょっとそこまで買い物に行って来るね?と同じ感じのノリで離婚すると聞いて、思わず思考が停止する。その間もお袋は

 

「蛍ちゃん空港に迎えに来てくれてたんだけど、長い話になりそうだったし、家族の問題だから蛍ちゃんは家に帰したわ、近くまでは送ってくれたけどね」

 

「くうん?」

 

なんで撫でてくれないの?と身をよじるタマモの行動で止まっていた思考が再び動き出し

 

「えええええええ!?なんでえ!?」

 

結構喧嘩していたと思うけど、仲はそんなに悪くなかった俺の両親。それが急に離婚すると言い出したことに混乱して思わず絶叫しながら尋ねるとお袋は口元は笑っているが、目は一切笑っていないめちゃくちゃ怖い笑顔で離婚を決めた理由を語ってくれた

 

「あの馬鹿向こうで毎日深夜まで帰ってこないわ、キスマークをつけて戻ってくるわでほとほと愛想が尽きたんだよ。忠夫、あんたはあんな馬鹿にはなるんじゃないわよ」

 

親父……あんたなにやってるんだ……お袋の額に青筋が浮かんでいるのを見て心底恐怖しながら、俺は遠いナルニアに居る親父に心の中で馬鹿と呟くのだった……

 

「や、やっと辿り着いた……長かった……本当に長かった……」

 

「ワン♪」

 

横島が自分の父親に馬鹿と呟いた頃、東京にはぼろぼろの着物姿の黒髪の男性とその男性に抱えられて楽しそうに鳴く白い子犬の姿があった……だが男性が腰に下げている2振りの刀。彼らが銃刀法違反で逮捕されるまで後10分……そして美神の外見特徴を口にし、美神が迎えに来て釈放されるまで後10時間37分……

 

リポート3 父来る その2へ続く

 

 




父来るでピート父「ブラドー」シロ父「クロ」が来ました。この後は大樹も来る予定ですが、妻と死に別れしているブラドーとクロが大樹にどんな反応をするのか、まぁまず酷いことになる事は間違いないですね。後は他にも色々出てくる予定なのでどうなるのか楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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