GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は美神達の視点で話を書いていこうと思います。時間縛りに加え、敵陣営は戦力豊富に加え、異常に強いライダーもいるという難易度超ルナティックでの進行になります。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その4

 

 

リポート24 反逆者達の進軍 その4

 

~美神視点~

 

西条さん、三蔵ちゃん、綱手という仙人にドクターカオスにエミ、冥子に冥華おば様と言うあの塔で何が起きていたか?それを知らない面子が見ている中。トカゲデンワが戦闘記録を映し終え、変形し私の手の中に納まる、

 

「……すまないが、僕にはあれに勝てるビジョンが全く浮かばない」

 

嫌な沈黙が満ちる中。西条さんが苦しそうにそう呟いた。その意見は先に見ていたカズマや高城も同意見だった、魔力の度数を計測しても計測器が振り切れるレベル。つまり、あの塔の中は魔界と言ってもいい状況の筈だ。

 

(少しでも情報収集してくれるけど)

 

同じ話を聞いても時間の無駄と言って、カズマ、高城、ブリュンヒルデの3人は少しでも、情報を集めるために外に出ているため今はいない。今回の話し合いは状況の整理と言うのが大きい。

 

「よく生きて戻ってこれたワケ」

 

エミがそう呟く、私もそれはそう思う。相手の方が圧倒的に強く、成す術もなく叩きのめされる横島君の映像を何度も見るのは辛いが、それでも見なければ突破口なんて見いだせない。

 

「後88時間後にあの塔に隕石が落ちてくる、それは間違いないことじゃ、戦闘機やミサイルを使って破壊も考えたが……既に破壊されておる。正直残り80時間で、あれを破壊できるほどの物を用意する自信は無い」

 

私達の活路があの塔に突入するだけに今この瞬間に決まってしまった。

 

【ざっと高さを見て350mほどと推測するヨ?普通に登ると考えて、そうだね……全力で駆け上る40分としよう。そうなれば時間的余裕は75時間となるだろう、しかし、しかしだヨ?悪魔やゾンビなどの群れ、そしてボーイを叩きのめしたライダーの存在を加味し、準備や突入までに体力を回復させる時間を考えると……】

 

教授はそう言うと、掛けていた眼鏡を外し、ハンカチで拭いながら冷静に分析した結果を告げた、

 

【突入までに使える時間は60時間以内、1日の猶予を持って塔に向かうべきだネ】

 

負傷している面子が回復するまでの時間、準備や偵察をする事を考えると2日と半日。それが私達が自由に使える時間となる……それは余りにも短い時間だった。

 

「でも間違いなく、相手は妨害を打って来る。あのバカみたいに強い奴を突破したとしても、その先にまだ何かあると見て間違いないよ」

 

【あたしもそう思う】

 

350mの塔を防衛することを考えれば要所要所、もしくは各階層ごとにバカみたいに強い門番がいると考えて良いだろう。

 

「冥華おば様、冥子、あいつの無敵性って映像からわかる?」

 

今この中にいる面子の中で分析に特化してる2人にそう尋ねる

 

「えっとねえ~多分だけど~狂神石のエネルギー全部を~障壁とかに回してると思うから、それを突破出来るだけの攻撃力が~いると思うわ~」

 

「私は冥子~とは逆の意見よ~狂神石のリソースを攻撃に回して~神霊クラスの~神通力で防御してると思うわ~」

 

2人の意見は残念な事に揃わなかったが、何らかの方法で防御しているという考えは一致していた。

 

「悪いんだけど私。狂神石って知らないんだけど、どんな物なんだい?見たところ液体のように見えるけど……」

 

「僕もだね。狂神石と言う名前からして、禍々しいけど、なんなんだい?」

 

綱手と西条さんの質問に琉璃を見る。琉璃は小さく舌を出す、一応狂神石はSSSランクの機密になるから当事者以外は緘口令が敷かれている。

 

「ガープが使ってる紅い石で霊力や魔力を強化するんだけど、狂神石の名前の通り、精神を狂わせて凶暴化させる。今までの事例だと、神魔も操られて、英霊も操られてる。規格外の魔力物質って所だと思うわ」

魔も操られて、英霊も操られてる。規格外の魔力物質って所だと思うわ」

 

固体にも液体にもなるのが厄介な所なのよねと付け加える。これ水とかに混ざられたら、それだけで人間全員が操られる結果になると思う。

 

【危険な物質って事ね。それを身体に吸収して、能力を強化する……これ勝てる?】

 

「……難しいね、私もこんなナリでも仙人だから、肉体じゃなくて魂の存在だからね。近づいて我を失うって可能性もゼロじゃない」

 

英霊組みの攻撃が一切通らないと言うのも謎だ。少なくとも妙神山でパワーアップしているのは間違いないのに、攻撃が通らないのが不思議で仕方ない。

 

「正直今の段階で有効打撃を与える方法は不明、なんとかしてやり過ごす事が出来れば良いんだけど……」

 

「それは不可能に近いワケ」

 

あれだけの強さを持つ相手だ。間違いなく番人として立ち塞がるだろう、どうすれば倒す事が出来るのかと頭を悩ませているとパンパンっと手を叩く音が響いた。

 

「くひひひ、今解決策が出ないことを考えても一緒だろう?今は破壊されること前提で塔の内部の情報を集めることじゃないのかな?」

 

それは柩の声だった。予知能力で何か判らないだろうか?と期待を込めて全員が振り返り停止した。ふわりとした紫色のドレスの妙齢の女性の胸の中に柩はしっかりと抱きしめられていたからだ。

 

「どうもーこんにちわ。ソロモン72柱ゴモリーよ、戦うことは出来ないけど、知恵を貸しに着たわ~」

 

嘘でしょ?と言う考えが全員の頭の中を過ぎるが、慌てて部屋の中に飛び込んできた優太郎さんが制止に入る。

 

「勝手にうろうろしないでくれるか!?ゴモリー!」

 

「ええー私ってあんまりジッとしてるの好きじゃないのよ~」

 

この自由さ、そしてこの威圧感。紛れも無く神魔で非常に軽いノリだけど、ゴモリーであると言う事は嫌でも判った。

 

「今来ました……えっと……なんですか?この雰囲気?」

 

「……」

 

蛍ちゃんとくえすが来て、会議室の雰囲気を見て不思議そうにする。この反応は判らないわけでもない、私だったとしても同じ反応をしていただろうから……。

 

「とりあえず蛍ちゃんとくえすも会議に参加「その前に如何しても話しておかないといけない事があります」

 

蛍ちゃんはそう言うと酷く悲しみに満ちた表情で、くえすも唇を噛み締めて酷く辛そうな表情で横島君の状態を教えてくれた。

 

「横島がさっき目を覚ましたんですけど、震えて、涙を浮かべて誰も死んでないよなって、横島は……酷い精神状態です」

 

「仮にこの場に残したとしても、眠らせたとしても、何をしてでも出てくるでしょう。今の横島の精神状態は余りに……危うい」

 

それこそ、自分がどうなっても構わないと言う覚悟で出てくると言う2人の言葉に、また新しい問題が浮き彫りになった。

 

「美神さんは判ると思いますけど、ジャンヌの事が酷いトラウマになってるようで。目の前で死んでしまったから……」

 

ジャンヌが居たから横島君はガープへの憎悪に飲まれなかった。その後も平気そうにしていたから、私は意図的に記憶を封じている。そう考えていたけど、どうも違ったようだ。

 

「……ああ、そうなんだ……だからボクは見たんだね、崩れた塔と横島が1人で死ぬ姿を……」

 

柩の言葉。それが何を意味しているのか、全員が理解した。横島君が1人であの塔へ挑み、そして命を燃やし尽くす未来。可能性の未来としてそれが生まれてしまっていると言う事を……。

 

「そんな事はさせない!させないわ!!お願い、皆力を貸して、何とかする方法を、皆で考えて!」

 

1人では駄目だ、だけどこれだけ頭の良いメンバーが揃っているのだ。何か、何か手があるはずだ。

 

「判ってるわ~私が何とかまず、あの塔の中を調べてみるわ~」

 

「僕はオカルトGメンの武器庫から武器を運び出す事を考える!」

 

「ワシは武器と防具を用意する、横島を1人にさせるものか」

 

……その言葉を横島君に聞かせてあげたかった。横島君は1人じゃない、これだけ皆に慕われて、協力してくれる人が居る。自分1人で何もかも背負う必要がないと言う事を……。

 

 

 

~ビュレト視点~

 

遠くに見える塔を見て舌打ちする。高さは350m前後……神魔ならば問題なく上空からの進入と言うのが候補になる。

 

「普段ならなんでもないんだがな」

 

「弱体化してるこの身が忌々しい」

 

俺の言葉にベルゼブルが舌打ちする。人間界では弱体化するが、それに加えて更に結界で弱体化している。今の俺達は人間と同等位の能力しか発揮出来ない、それに加えて結界の中では体力も魔力も減っていくと言う中ではどう足掻いても塔の中に突入するというのは不可能だ。

 

「……やっぱり駄目ですね。連絡は出来ません」

 

「そうか、もしかしたらと思ったんだがな」

 

結界の反応が薄い部分を探し、連絡が取れないかと考えたが、どうも結界の薄い場所でも連絡は出来ないようだ。

 

「通信阻害はあいつらの得意分野だからな、抜かりは無いか」

 

元々あいつらは電撃戦を得意としている。僅かな希望に賭けたが、それも徒労に終ったか……ビルの縁に腰掛ける。

 

「おい、ベルゼブル。あいつら、本当に隕石を東京に落とすつもりだと思うか」

 

美神達も居ないので、本音を聞かせろとベルゼブルに尋ねる。幼い少女の風貌だが、魔界の重鎮であるベルゼブルの英知は凄まじい物がある。

 

「……6・4でハッタリと考えている。特異点の横島を日本事潰すとは思えないが……それだと前提条件がある」

 

ベルゼブルが何を言おうとしているかは分かる。それは横島があの塔に向かわないことだが……

 

「横島さんは絶対向かう事になると思います」

 

横島の性格を考えれば、間違いなく塔へと向かう――そうすればガープ達は塔に来れば横島を嬉々として捕らえるだろう、

 

「解決するべき問題は山ほど残ってるしな」

 

何とかあの塔の内部の情報を集める事、武器と防具を準備する事、だがそんな事は些細な問題だ。

 

「あの仮面ライダーをどうするかだ」

 

狂神石で能力を強化している恐らくガープが調整した仮面ライダー。それの解決法を考えないといけない、そうでなければ突入しても全員全滅するだけだ。

 

「……とりあえず今は周辺の偵察をメインにするしかあるまい」

 

時間的な余裕は無いが、今直ぐに塔の中に乗り込める状況ではない、腕時計を見る残り時間は79時間……時間的な余裕は2日。それは決して長い時間では……塔の周辺を監視していると、ローブ姿の男の姿を見た。

 

「ん?」

 

思わずもう1度視線を向けた時。その男の姿は幻のように消えていた。

 

「どうかしたか?」

 

「いや、今あそこに男がいなかったか?」

 

塔の方を指差してベルゼブルとブリュンヒルデに尋ねる。

 

「いえ、見ていませんが」

 

「そもそも私達の探知をすり抜ける相手が早々いるとは思えないし、人間が出歩いてるとは思えないが?」

 

俺の気のせいか……?確かに俺の気にしすぎかと呟き、本来の目的である周辺の捜索と、もう1つこの周辺に居るであろうゾンビとガーゴイルなどの情報を集める為に移動を始める。

 

【ごめん、協力したいけど、私は無理】

 

六道の学校に居るマルタは、避難してきている人間を護るために動く事が出来ない。勿論、それは判りきってることなので連れ出しにきたわけでは無い。

 

「この周辺に悪魔は出たか?」

 

【結構な頻度で出てくるから、私足止めされてるのよ】】

 

東京の中心に現れた塔。その内周部には弱い敵、外に行けば行くほど敵は強くなる……か、セオリーとは真逆だな。

 

「ありがとうございます、それを聞きたかったのです」

 

ブリュンヒルデのルーンで六道の学校周辺の結界を強化して、その場を後にする。塔から離れれば離れるほど敵が強くなる。それで考えられるのは攻め込める事だ。ベルゼブルも同じ結論に至ったのだろう。

 

「横島達を攻め込ませるのが目的か?」

 

隕石と言う東京所か、日本を滅ぼす手を打ってきているが、戦力は到底本気とは思えない。

 

「あの仮面ライダーで事足りると思っているのでは無いでしょうか?」

 

確かにあれは強い、あの攻撃力と防御力は脅威ではあるが……1人で出来ることなど高が知れている。

 

「まだ何かある様な気がするな」

 

「ああ、あいつらがこんな簡単な手で終わるはずがない」

 

まだなにか、悪辣な何かが隠されているはず。天界とも魔界とも連絡がつかず、そして天界と魔界も攻め込まれているが、何故関係のない日本だけが滅びるような一手を打ってきたのか?ガープの性格を考えれば、もしこれと同じことをするのなら、間違いなく天界か魔界でやるはずなのに、それを日本でやった。それが気がかりだ……何故態々日本でこれだけ大規模な事をしたのか。何か理由があるように思えてならない。

 

『ビュレトか?横島君が目を覚ました。悪いが偵察を1度切り上げて戻って来てほしい』

 

「判った。すぐに戻る」

 

横島が目を覚ました。それだけで戻れというのはおかしな話だ、何か、他にも話したい事があるのだろう。

 

「1度戻ろう、そろそろ限界だ」

 

「……ですね」

 

「本当に忌々しいな」

 

体力と魔力が減り続けるこの状況。元々人間を助けるなんて柄では無い俺達だが、人間に頼らざるを得ない状況に追い込まれている事に舌打ちし、俺達は1度アシュタロスのビルへと引き返すのだった……。

 

 

 

~横島視点

 

どれくらい寝ていたのかは判らないが、目を覚ました所でシズクとおキヌちゃんに連れられて、俺はベッドが置かれていた部屋から外に出た。

 

【大分調子は良いはずだが、どうだ?】

 

心眼の言葉が通路に響く、眠る前は妙に焦っていたと思うのだが、その感覚は今は無い。

 

「大分楽かな?身体も全然痛くないし」

 

今なら走ったりすることも全然余裕だと思う。俺の言葉を聞いて、シズクとおキヌちゃんが安堵の溜息を吐く姿が見える。そんなに重症だったのかな?と改めて思った。

 

(上手く行ってるみたいですね)

 

(……そのようだ)

 

横島の精神状態が宜しくないとシズクも心眼も気付き、眠っている間に少しばかり暗示を掛けていたのがどうやら功を奏したようだ。

 

「……おキヌ、先に美神達に報告してきてくれ」

 

【はい!】

 

シズクの言葉におキヌちゃんが壁の中に消えていく。俺はその姿を見送り、ベッドサイドのシズクに声を掛ける。

 

「シズク、正直状況はどうなんだ?」

 

「……悪いが、私も知らない。だから今からそれを聞きに行くんだ」

 

あの女の子が変身したライダーは強かった。多分今手持ちで1番強いはずのグレイト眼魂でさえもまともに戦う事が出来なかった。もしかするとガープ達よりも強いのでは?と言う考えが脳裏を過ぎる。

 

「……とりあえず今は美神達の話を聞くのが先だ」

 

シズクに1人で考えても良い答えは出ないと言われ、俺はそれもそうだなと返事を返し、シズクと共に美神さん達が待つ部屋に向かった。

 

「遅れました」

 

扉を開けて中に入り遅れましたと頭を下げるん……だけど皆が驚いた顔をしていることに驚いてしまった。

 

「えっと……そんなに遅れました?」

 

会議室の中にいた全員が俺の顔を見つめるので、そんなに遅れました?と尋ねる。美神さん、琉璃さん、西条さん、唐巣神父にブラドー伯爵、エミさんに冥子ちゃんに冥華さん、それに三蔵ちゃんと……見たことない半被姿の女性に、カズマさんに聖奈さんに、高城さんに蛍と神宮寺さん……会議室にいる面々を確認していると、俺が入ってきた扉が吹き飛んだ。

 

「みむー!みみむううううう!!」

 

「ぴぎゅううううう!!」

 

「こんこん!」

 

「わおーん!」

 

【のぶーののーぶううう!!】

 

「へぐうっ!?」

 

背後から凄まじい衝撃を受けて、思わずたたらを踏んで、その場に座り込む。あいたたたと言いながら振り返るとチビ達が居て、へたり込んでいる俺の腕の中に飛び込んでくるチビ達、その俺を心配するような視線を見て、俺が寝てる間ずっと心配してたんだと思い。チビ達を抱きしめて立ち上がる。

 

「本当遅れたみたいですみません」

 

あんまりジッと見つめられるのでもう1度謝る。雪之丞達もいるけど、ノッブちゃん達の姿がないのが気になる。

 

「別に遅れてるとかじゃないから気にしないで、空いてる席に座ってちょうだい」

 

空いてる席と言うと、蛍と神宮寺さんの間しかないんだけど……まぁ空いてる席がないからそこに座り、チビ達を膝の上に乗せると、チビは頭の上に登ってきて、タマモは首に巻きつくようになる。シロとうりぼーは膝の上で丸くなって、チビノブは座る所が無いので机の上に乗せてやる。

 

【ノブ】

 

机の上にちょこんと座り、足をぱたぱたさせてる。机の上とかに資料がないから別に良いんだけどさ、なんかファンシーすぎて会議室の雰囲気が変わったように思える。

 

「じゃあ改めて説明します。教授お願いします」

 

【任せたまえよ】

 

琉璃さんの言葉で教授がコンピューターを操作すると、中央のスクリーンに映像が映し出される禍々しい塔の姿だ。

 

「この塔の高さは外見から予測して350mほどですが、恐らく内部は異界化しており、外見よりも高い可能性があります。そして更に後77時間であの塔目掛けて隕石が落ちてくる計算となってます」

 

【速度にもよるが直径約100kmほど、勿論衝突すれば未曾有の危機となるだろうネ】

 

……なんかとんでもない話になっているんだけど……え?地球の危機なの今?一瞬何を言われてるか理解出来なかったが、神妙な顔をしている美神さん達を見れば本当の事と言うのは嫌でも判った

 

「いまドクターカオスや優太郎さんが武器とかの準備を急ピッチでしてくれてる。隕石の誘導は塔の頂上にあるであろう、コアを破壊すれば止まる計算らしいわ」

 

つまり後77時間で装備を整えて、そして尚且つあの塔の頂上を目指す……それが俺達の作戦であり、生き残る道と言う事だ。

 

「で、でもあいつは」

 

完膚なきまでに叩きのめされたあのライダーのことを思い出す。どう考えてもあいつは、要所の前に立ちそれ以上進めないようにしてくるはずだ。

 

「それに関しては僕から説明する。今の装備、人員であいつに勝つ事は申し訳ないが不可能だ。ならば、戦わなければいい、精霊石、ルーン魔術、法術、仙術、魔法。それら全てを使って結界術を作る。それであいつを拘束し、護っている階層を突破。その後、扉の再封印をして追って来れないようにする」

 

勝てないのなら戦わない、それは間違いなく1つの方法だろう。

 

「判ってる、判ってるよ。横島君、それは余りに楽観的な考えだって」

 

唐巣神父がそう言う、相手も馬鹿じゃない。そんな方法で出し抜けるとは思えない、何かもっと悪辣な何かが隠されているに違いない。

 

「だから俺と聖奈が同行する。短時間しか戦えんが、足止めくらいなら問題ない。お前達が上の階に向かい、結界の中心さえ破壊してくれればなんとでもなる」

 

「つまり今回はスピード勝負になるわ、時間を掛ければ掛けるほど不利になるわ」

 

「ただでさえ時間制限がありますからね」

 

時間制限つきで、強い相手に特攻を仕掛けないといけないとか、本当に無理としか思えない。

 

「とりあえず~今は情報収集してるわ~それまでは周辺に出現してる悪魔とかの特徴と対策を覚えてちょうだい~」

 

スクリーンの画像が切り替わり、悪魔の特徴と弱点が映し出されるんだけど、数が余りにも多い。

 

「……数がとんでもないんだが?」

 

「覚えなさい、雪之丞」

 

その悪魔の数がとんでもない、10や20では効かない数だ、思わず左右の蛍と神宮寺さんを見るが2人は俺にもモニターを見るように促した。

 

「見てしっかり覚えなさい」

 

「覚えやすいところから教えてあげますから」

 

……どうも出発までの時間は勉強漬けになると悟り、俺は小さく溜息を吐くのだった……

 

「まぁまずはそれよりもだ。ここで嫌な情報を言うのはボクも本意ではないんだけど、あの塔にはまだ何かいるよ。巨大な銃を装備した英霊が1人ね」

 

柩ちゃんから告げられたのは、あの規格外のライダーに加えて、もう1体。英霊が待ち構えているという情報だった。

 

「英霊……か。厄介な相手だな」

 

「ですね。態々ガープが召喚しているとなると、間違いなく指揮官タイプ」

 

「……銃を装備しているというのもブラフかもしれないな」

 

柩ちゃんから告げられた情報で1度悪魔の映像は消され、英霊に対する予想が組み立てられるが、その正体には誰も辿り着けない。

 

「巨大な銃って何か思いつく?」

 

「いいえ、狙撃銃とかならシモヘイヘではと言えますが」

 

「自分のシンボルをそう簡単に見せるほど馬鹿じゃないだろう?」

 

英霊は自分のシンボルがある、例えば、沖田ちゃんなら「菊一文字」や新撰組の羽織り、伝承や伝説に名を持つ英霊だからこそ、それから正体が突き止められる。

 

「ガープがそんな愚かな事をするとは思えないぞ?本来の正体を隠すカモフラージュと見るべきだ」

 

「そうですね、智将と言われるガープがそんな簡単な手を打ってくるとは思えません」

 

ガープの頭脳を知っているからこそのカズマさんと聖奈さんの言葉、時間は残されていないのに、考えるべき事は山ほどある。人類が今窮地に追い込まれていると言う事を俺はいやっと言うほど実感するのだった……。

 

 

~神魔サイド~

 

一方その頃、魔界と天界ではとんでもない大騒ぎになっていた。それぞれのアスラ、アスモデウスから与えられた被害、負傷した神魔の輸送などで大騒ぎとなっていた。そこに負傷した竜神王と小竜姫が来れば、更に大騒ぎとなるのは当然だ。

 

「竜神王。何があった」

 

「東京が結界で封鎖されてる、そして結界内に星落としだ。あいつらとんでもないことをしてくれる!」

 

竜神王の言葉を聞いたオーディンは即座に落下してくる隕石についての情報収集を始める、なんとか外部から破壊出来ないかという考えも出るが、それらが可能な武器はアスラとアスモデウスの両名によって既に破壊されている。

 

「ちいっ!まさかいきなりこんな強攻策に出てくるとは」

 

今までの侵攻とは比べ物にならない大型で多面的な攻撃。本来ならば人間を護るべき神魔が大打撃を受けているのでは話にならない。

 

「転移での東京への増援はどうだ」

 

「駄目だ。私と小竜姫は結界に弾かれて、この有様だぞ」

 

小竜姫は天界の医療班によって既に緊急治療室にいる、竜神王も同じレベルの負傷だが、まずは情報の共有と言うことで途切れかける意識を必死で繋ぎとめていた。

 

「なにか打てる手はありませんか!?」

 

「なんて間の悪い!」

 

呼び戻されたワルキューレと、調査報告に戻っていたメドーサが表情を歪める。少しでも戦力が欲しいタイミングで人間界を後にしていたメドーサは特に激しい苛立ちを隠せずにいた。

 

「少なくとも東京には、ビュレト、ブリュンヒルデ、ベルゼブル、ダンタリアン、ゴモリーの5柱の魔族がいる、それが不幸中の幸いだが……恐らく結界内で弱体はさせられているからどこまで頼れるか」

 

自分達の陣営も立て直さないといけないのに、さらには人間界は滅亡の危機となれば、自分達の陣営を後回しにしてでも、人間界の滅亡を回避する術を考えるのは当然だ。

 

「それならばだ、オーディン、竜神王。人員を送るのは無理、更に隕石を破壊するのも無理となれば……」

 

特別戦術顧問に就任しているアマイモンは反対が出るだろうがと前置きしてから、今出来る最善の手段を告げた。

 

「無事な天界と魔界の武器庫にある物を、転送してみるのはどうだ?ブリュンヒルデの拠点に魔界との直通の魔法陣がある。連絡はつかなくてもその反応で理解するはずだ」

 

だが失敗する可能性も考慮して、まずは壊れても大丈夫なものからの輸送を提案するとアマイモンは告げ。今出来る支援はそれしかないと決断した神魔達はそのための準備を急ピッチで始めるのだった……。

 

隕石落下まで後74時間……

 

 

リポート24 反逆者達の進軍 その5へ続く

 

 




次回は時間を飛ばしながら、色々な人物の視点でそれぞれの対策を書いていこうと思います。そのラストで塔へと突入作戦としたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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