GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
リポート25 横島家の非日常 その2
~横島視点~
布団の中で昨日の話をぼんやりと思い返す。伝説の霊具とか歴史上最もレアな能力とか言われてもピンと来ないし、霊力を圧縮させて栄光の手や勝利すべき拳や、空中に文字を刻んで使う陰陽術が劣化した文珠と言われても全然理解出来ない
(もう少し寝よ)
朝のランニングも禁止されているので、二度寝しようと寝返りを打った瞬間だった
【ノッ!ブー♪】
「んごふっ!?」
箪笥の上からダイブしてきたチビノブボンバーに強制的に覚醒させられるのだった……
『合体だぁ!』
【ノブノーブ、ノブノブー♪】
TVの前でご機嫌で踊っているチビノブ。今放送されているのは子供向けの合体ロボアニメ、それを見て今日が日曜日だったのかと思うレベルだ
「……はい。お茶」
「ん、ありがとう」
シズクがお茶を淹れてくれたのでそれを啜っていると、チビノブがTVの画面をぺしぺし叩く。視線を向けるとそのアニメのロボットの玩具のCM
「それが欲しいのか?」
【ノブノブ】
コクコクと頷くので、今度買い物に行った時に買ってやるかなあと思いながら、膝の上に登ってきたうりぼーの背中を撫でる
「みむ♪」
なおチビは机の上にチョコンと座り、ペットボトルのキャップで水を飲んでいたりする
【やぁ、ボーイ。おはよう】
「あ、おはよう教授」
完全にダウンしていたので眼魂の中で持ち帰った教授だが妙に生き生きしている。なんと言うか目がキラキラしてる
【昨日寝ながら考えたのだがネ!働いた分の給料を所長に貰おうと思ってネ!】
幽霊でもお金大事!と叫んで家を出ていく教授を見送っているとリビングの扉が開き
「うー朝からうるさいわねえ。あのじいさん」
「あの大声は頭に響くでござるよ………」
タマモとシロが頭を抑えながら部屋の中に入ってくる。リビングで俺がお茶を啜っているのを見るとシロが顔を輝かせ
「せんせー!散歩に行く……「はいはい、馬鹿犬。大人しくしてなさい」ふぎい!」
駆け出そうとした瞬間タマモに襟をつかまれ女の子が出して良いと思えない声で呻く
「げほっ!げほっ!?な、なにをするでござるかあ!?」
「あのね。この時間帯に横島がのんびりしてるって事は散歩禁止って事でしょうが」
おお。流石タマモ、大正解だ。昨日の今日だから美神さん達に散歩禁止って怒られてるんだよな
【その通りだ。横島は今日は外を出歩くのは禁止されてる】
「あ、心眼。やっとだんまり止めてくれたのか?」
昨日からずっと黙り込んでいた心眼にそう声を掛ける。心眼は別に好きで黙りこんでいたわけじゃないぞ?と言って
【霊力のバランスがおかしいからな、それの調整をしていた。魂はデリケートなんだ】
まぁ心眼が俺の事を心配してくれているのは判るので、黙っていた理由も納得した所でしょんぼりしているシロに
「という訳で、俺は外に出れない。美神さん達に怒られるし」
散歩大好きなシロがうーっと唸る。唸っても駄目な物は駄目
「チビとうりぼーも駄々捏ねてないのに、あんたが駄々捏ねてどうするのよ」
チビとうりぼー以下と言われシロが唸るのを止めると、首に下げていたペンダントを外し、子犬フォームになる
「わん!」
「はいはい」
ブラシを手に取り毛並みを整えて上げる。タマモは真向かいに座り、急須を傾けて緑茶を湯飲みに注いでTVに視線を向ける
「まぁ家でのんびりするのも良いんじゃない?」
そう笑うタマモ。同年代に見えるけど、圧倒的に精神年齢はタマモの方が上だよな
「みむ♪」
チビがボールを抱えて机の上に着地する。散歩の代わりにボールで遊んで欲しいいう事だと判断し、ブラシを机の上に置いて
「シロも遊ぶか?」
「わん!」
その返事を了承と受け取り、俺は朝食までの間ゴムボールでチビ達と遊んでやることにするのだった
~タマモ視点~
チビとうりぼーとチビノブに混じってボール遊びをしているシロに内心溜息を吐く、私と違ってシロは元々精神が幼いので、余計に肉体に引っ張られている
(文珠は相当不味いのよね)
昨日シズクに聞いたが、横島が文珠に目覚めかけているとの事。人間、神魔が欲してやまない奇跡の具現……横島がどれだけ危険な立場に置かれているのか、多分横島自身も全然理解していないでしょうね
(と言うか、もう私の知ってる横島の面影ないし)
スケベじゃない、女を見てもナンパしないし、精神的に落ち着いていて、小動物に懐かれている。まぁ今の横島の方が好きと言えば好きだけどさ、正直妹扱いは好きじゃないのよね
【おはようございまーす】
「横島、おはよー」
「あ、おキヌちゃん、蛍おはよー」
おキヌがいつものように壁から姿を見せ、合鍵で蛍が入ってくる。圧倒的なまでに女子率が高いわよね、まぁこれは言わないけどさ。蛍とシズクとおキヌが朝食の準備をしている頃にノッブと牛若丸が起きてくる
【うー、眠い】
【ですね、しんどいです】
霊力を消耗しすぎる=消滅と言う2人はあの塔で相当霊力を消費しているので声にも元気が無い
「外に出れないと暇よね。なんでゲームとか買っておかなかったの?」
「そうだよなあ。なんかゲーム機でも買っておけばよかったよなあ」
横島は外に出れないので必然的に暇を持て余すことになるのよねえ。チビ達は横島が家にいるのでそれが楽しくて仕方ないみたいだけど
【ノーブ♪】
チビノブがじゃーんと言う感じで何かを掲げる、それはトランプだったけど、そうなるとチビ達が遊べないのよね
「んーちょっと物置見てくるわ。なんかあった気がする」
「いってらー」
ひらひらと手を振り、トランプ駄目なの?と言う顔をしているチビノブの頭を撫でながら
「うりぼーとチビが数字判らないからね」
頭は良いけど流石に数字までは理解出来ない。そうなるとチビ達が今度は不貞腐れると言うとチビノブはトランプを1枚持ち上げる、それはスペードの4で
「みむ!みむ、みむ、みむ!」
「ぷぎ、ぷぎ、ぷぎ、ぴぎー!」
4回勇ましく鳴く。え?もしかして判るの?今度は私が絵札を掲げる
「みみみみみみみみみみみみむー!」
「ぷぎぷぎぷぎぷぎぷぎぷぎぎー!」
……やばいわ。この2匹数字理解してるわ……チビとうりぼーの賢さに私はかなり驚かされた
「ご飯の準備……あれ?タマモ、ノッブ。横島は?」
漬物とかを運んで来た蛍が姿の見えない横島のことを尋ねてくる
「なんか物置で暇つぶし出来るの探しに行くってさ」
【じゃってー】
蛍は判ったと返事を返し、リビングの扉を開けて
「横島ー、もうすぐご飯よー?」
「おー、すぐ行くわー」
物置から聞こえてくる横島の声。私は机の上の精霊石のペンダントを取りシロの首に掛ける
「ほら、あんたも朝ごはんの手伝いをする」
「りょーかいでござるよー」
横島に蛍にシズク、それに私にシロ、そして牛若丸にノッブにチビとうりぼーとチビノブと大人数の食事になるんだから、ちゃんと準備を手伝うとシロを叱り、私は机の上の急須と煎餅の皿を片付けるのだった……
~蛍視点~
味噌汁と卵焼きと味の塩焼きに漬物と言う典型的日本の朝ご飯と言う食卓。それ自体はまさしく日常と言う感じなのだが
【あ、横島。次醤油くれ】
「あいよー、あ、牛若丸。次岩海苔ちょうだい」
【判りました!暫しお待ちください】
人魂が飛び交い、チビ達が横島の近くに座り小さくかっとされた林檎を食べて、チビノブが先割れスプーンをぶんぶんと振り回す
(……日常って何だっけ?)
私の中での日常が最近判らなくなってきてる気がする
「シズクー、せっしゃ肉食べたいでござる」
「……朝から肉など出すか馬鹿」
「朝は魚よ。我侭言わないでご飯食べなさいよ」
とりあえず平和って事で良いのよね。大根の漬物を咀嚼しながら
「あ、この漬物美味しい。これ何で漬けてるの?」
「……後で教えてやるよ」
横島の家で過ごす時に大事なのは何があっても動じないこと。そして突拍子も無い行動に出る横島に驚かないことである
【のぶー♪】
「美味しいのかー、良かったなー」
そして煩悩塗れから子煩悩に溢れるようになった横島がチビノブの頭を撫でるのを見て、いい変化なのか、悪い変化なのか少し悩む所までが多分ワンセットなのだと思うのだった
【はーい、お茶は入りましたよー】
食後におキヌさんが運んできてくれた生温いお茶を飲みながら横島に提案する
「暇ならゲームでも買ってきましょうか?」
横島の家にはゲームとかがないから、暇ならゲーム買って来ようか?と横島に言う
「ああ、それはまた今度で良いよ。俺も見に行くし、暇つぶしなら面白いものを見つけたからそれで良いと思う」
ご飯の前に物置で何かごそごそやってたけど、何を見つけたのだろうか
「あ、シズク。悪いんだけどバケツとちょっと丈夫な布……あとタコ糸を用意してくれるか?」
横島の言葉に何をするのか良く判ってない様子だが、頷くシズク。横島はありがとうと口にすると物置でふたたびなにかごそごそし始める
「タマモ、物置に何かあったの?」
「知らないわよ。そういう所なんか見に行かないし」
「グローブとかボールでござるかな!」
……外で遊べないって言ってるのにシロは何を言ってるのかしら。少し頭痛がしてきたわ……そんな感じで暫く待っていると横島は煎餅の箱を両脇に抱えて部屋の中に入ってくる
「……横島。こんなので良いか?」
「おおー!バッチリバッチリ」
シズクが用意したバケツと布を見てニコニコと笑う横島はその場に座り込んで、バケツの口に布を被せてタコ糸でしっかりと回りを縛る
「みむう?」
「ぷぎゅ?」
何してるの何してるの?とチビ達が横島の回りとうろうろする。確かに私も興味がある、横島がこんな事をしてるところは見た事がないから
「よっし、出来た。俺が子供の時に遊んでたんだけどさ、ベーゴマとメンコを見つけたんだよ。これで今日は遊ぼうかなって思ってさ」
ベーゴマとメンコ……話には聞くけど、こうしてみるのは初めてね
【ほー、いっぱいあるのー】
「ベーゴマもメンコも勝てば相手のを全部貰えるからな、大阪ではベーゴマタダちゃんと言われたもんだよ」
にっししと笑う横島はタコ糸を結んで煎餅の箱の中からベーゴマを1つ取り出すと、私達に糸の巻き方を教えてくれる
「大阪だとござの上でやるんだけど、そんなのないし関東式って感じかな。よっ!」
横島が勢い良く糸を引くとベーゴマが布を上を軽やかな音を立てて回転する。思わずおおーっと言う歓声が上がる
「へー、面白そうじゃない」
「本当でござるな」
確かに私の知っている駒とは全然違い、こういうのも面白いかもと思う。何よりも横島が昔遊んでいた遊びと言うのが良い
【主殿、ベーゴマと言うのは色々形があるようですが?】
「ああ。ベーゴマっての言うのはさ、背の高いベーゴマより背の低いベーゴマのほうが強かったり、小さいベーゴマより、大きいベーゴマのほうが強いとか色々特性があるんだ」
でも小さいと回しにくかったり色々あるんだよなあとしみじみ言う横島。煎餅の箱の中からベーゴマをいくつか取り出して
「これが初心者でも使いやすくて良い感じなんだ、じゃあ1人ずつ教えるなー」
そうして私達は横島にベーゴマの糸の巻き方と投げるコツを教わるのだった
【ノッバーッ!!!】
【ノブッ!?やべえ、こいつマジツエーッ!!!】
そして意外な才能を開花させたのはチビノブだった。指も無いのに、実に器用に糸を巻き、力強くシュートする。ノッブの投げたベーゴマを簡単に弾き飛ばし、むふーっと自慢げな顔をしている
「……それ!」
「後から投げるのずるくない!?」
金属がぶつかる乾いた音を立てて、タマモのベーゴマが宙を舞う。シズクは涼しい顔で
「……同時に投げたいちゃもんは止めてもらおうか」
「むきー!!次は私が勝つんだから!」
大人びてるくせに妙に子供っぽいところがあるタマモがムキになっているが、どうもタマモはかなり糸を巻くのが下手なようだ。だから回転力が弱くて簡単に弾かれてしまう
【あはは♪私も出来るからこれ面白いですね】
【ぬっく……上手く回せません】
ポルターガイストを駆使してベーゴマをシュートするおキヌさんは満面の笑みで、牛若丸はそもそもベーゴマを回せない
「よいしょっと!」
何回目かでやっとベーゴマをまともに回転させれるようになったが、やはり回転が弱くやっと回転していると言うレベルだ
「おお。蛍も上手になったなあ」
横島が嬉しそうに笑う姿を見ると悪い気はしない。だけど……これじゃあとてもじゃないけど、勝負に参加出来るレベルではない
「横島には全然勝てないじゃない」
「あはははー!そう簡単には俺は負けないのだ」
やっぱり横島が抜群に強い。小さい駒は回しにくいと言っているのに横島は一番小さくて、平べったいベーゴマを実に上手に回転させている
「みっむう!」
「あおーん!?ち、チビにも負けたでござる……」
うりぼーとチビは2人タッグでベーゴマを回している。チビがベーゴマを固定して、うりぼーが回転することでシュートしてるんだけど、凄まじいとしか言い様が無いわね
「ははは、シロはベーゴマが苦手みたいだな。じゃあ、メンコでもやるか」
「うーそうするでござるよ」
「あ、それなら私も教えて貰おうかな」
外に出かける事は出来ないけど、これはこれで面白い遊びだわと思う。まぁ私からすれば横島と一緒にいればそれだけで面白いんだけどねと思いながら、今度はメンコの遊び方を横島から教わり始めたのだが、ここでもやはり相性と言うのが出てくる
「てーいっ!」
「嘘!?強すぎない!?」
「へっへーんでござるー♪」
そしてベーゴマは苦手だが、シロがメンコに抜群に強いと言う事が判明し
「みーむう!」
そしてやっぱりここでも、チビとうりぼーのペアが抜群のコンビネーションを発揮し、私はまたもや負け続けとなるのだった……
~ブリュンヒルデ視点~
「はい、はい。判りました、それでは失礼します」
神魔合同軍からの連絡をメモして魔法陣を消し去る。どうも私が魔界に戻るのは難しいとの事、その理由はやはり文珠に覚醒した横島さんの護衛として私を外せないとの事。更に応援として小竜姫が私のセーフハウスに同居するとの事、それに関しては文句は無いのですが
「……この部屋を見られるのですか」
殺風景で必要なものしかない部屋。自分で言うのもなんですが、私は仕事人間なので趣味の物とか無いんですよね……まぁ一時的な拠点と説明すれば殺風景でも何の問題も無いでしょう
「閣下はどこへ行かれたのでしょうか」
ベルゼブル閣下の姿が見えない。塔の攻略の際にはいなかったが、恐らくルイ様に連れて行かれたのは判るのですが、何時まで戻ってこないのでしょうか?と思っていると扉が開く
「失礼します。ブリュンヒルデさんの住居はこちらで宜しいでしょうか?」
「……ルキフグス宰相?どうなさったのですか?その御姿は……」
長身の女性の姿をしたルキフグス宰相……紫色の髪と瞳、あと少しサイズが小さいのか胸を強調するメイド服姿を見て思わずそう問いかける
「ルイ様に」
「ああ。すいません、心中察します」
ルイ様が面白おかしくするためにルキフグス宰相の姿を女性に固定したのだと理解する
「いえ、それは良いんですよ。ええ、どうせ私もベルもルイ様の玩具ですしね」
そのやさぐれている声になんと返答すれば良いのか判らない。私とルキフグス宰相の間に嫌な沈黙が満ちる
「まぁ私の事は置いておいて」
ええ!置いておいて良いんですか……その姿とかもう少し話すべきだと思うんですけども
「美神令子を紹介して欲しいのです」
「それは構わないのですが……何の御用でしょうか?」
別に美神さんを紹介することには何の問題も無いですが、面識も無いのに何故?と思いそう尋ねる
「……ルイ様がご友人とシヴァを連れて横島忠夫でしたっけ?それとギャンブルをするから、上司を連れて来いと……ああ、もう関係各所への謝罪行脚は済んでますよ?」
なんと言う面子……と言うかルイ様のギャンブル好きは魔界でも有名だ。勿論問答無用で宝などを巻き上げる悪魔として……
「すぐに向かいましょう!大変なことになる前に!!」
「はい、本当そうして貰えると嬉しいのです」
巻き上げる物が無いとなると、それこそルイ様が何を仕出かすかわからない。生贄と言うわけじゃないですけど、資産家でもある美神さんをつれて横島さんの家に向かわなければ!!
「その諦めきった目の色はこれだったんですね?」
「……はい。私には止める事が出来ないですから」
神魔のトラウマ。ルイ様とのゲーム、横島さん……いえ、人間界の経済の危機と私とルキフグス宰相と共に美神さんの事務所へと向かうのだった。そして丁度その頃、横島家では……
「はーい、えーっとルイさんとネロちゃんと……どちら様ですか?」
「志波総一郎と言う、2人の友人になる。面白い奴がいるといって、今回は同行させて貰った」
「と言うわけだよ。横島君、遊びに来たのだがいれてくれるかな?」
「ちゃんと土産でケーキとかも買ってきたぞ!」
「今別のお客さん来てますけど、どうぞ。狭い家ですけど……」
ルイ、ネロ、そして志波総一郎と言う偽名を名乗るシヴァ神が訪れているのだった……
リポート25 横島家の非日常 その3へ続く
と言う訳で前半ほのぼのしていた横島家で、後半は次に続く話となりました。次回はルイ様、ネロちゃま、シヴァ神と言う凄い面子とのギャンブルの話を書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い