GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回も前回に引き続きほのぼのの話を書いて行こうと思います。もう少しほのぼのを書いたら、第2部最終話に向けて動いていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その4

 

リポート25 横島家の非日常 その4

 

~横島視点~

 

ルイさんとのポーカー対決の翌日の昼間。俺はソファーに腰掛けてそろそろ外に行きたいなあと思いながら、テープとはさみ、それとダンボールとビー玉で工作をする。流石にチビとうりぼーにも出来る暇つぶしがそろそろ必要だと思ったので、こうして工作中である

 

【のーぶぅ♪】

 

前TVで見た合体ロボットの玩具を嬉しそうに頭の上に乗せて踊っているチビノブの歌と踊りに思わず笑みを浮かべてしまう

 

「悪かったなあ、タマモ」

 

買いに行ってくれたタマモにお礼を言うと、タマモはファッション雑誌を捲りながら

 

「うるさいシロと牛若丸を捨てて来たついでよ」

 

遊びに行きたい行きたいと騒ぐシロは確かに騒がしかったけど……思わずジト目になると

 

「ああ、嘘嘘。バッテングセンターでホームラン打つと商品貰えるでしょ?なんかそれに燃えたみたいで、ホームランを打って来るって2人であっちこっち行ってるみたい」

 

何やってるんだろうか?いや、まぁシロと牛若丸の身体能力なら楽勝だと思うけどさ……出禁にならないと良いなと苦笑する

 

「よーし、出来た」

 

机の上に完成した丸いダンボールを置く。チビとうりぼーが興味津々と言う感じで近づいてくるので

 

「それ」

 

指で弾くとビー玉が回転してホッケーのパックのようにするすると動く、チビ達はそれが自分達の方に近づいてくるのを見て、目を輝かせる

 

「落ちたら負けだからな?」

 

「みむう!」

 

「ぷぎゅ!」

 

2匹が体当たりしてかなりのスピードで迫ってくるパックを受け止めてまた指で弾く

 

【ただいまー、お?なんか面白そうなのやってるの?なんじゃなんじゃ?】

 

「……寄り道の前に肉と魚をキッチンに運べ」

 

判ってるっと怒鳴るノッブちゃんに一瞬くすりとした瞬間。チビとうりぼーはそれを見逃さなかった

 

「みーむー!」

 

「ぴーぐっ!」

 

「っとーとと!?」

 

机の上を凄い勢いで滑ってきたパックに反応できず。反射的に伸ばした右手をすり抜けて、パックは机の下へと落ちるのだった

 

「みみー♪」

 

「ぴーぎゅ♪」

 

勝った勝ったーと喜んでいるチビとうりぼーを見て作って良かったと思って見つめていると、チビノブが箱を頭の上に乗せたままリビングを出て行く

 

「遊ばないの?」

 

【のーぶ、のーぶのぶーノッブ!】

 

なるほど……判らん!でも遊びに行くと言うのは何となく気配でわかった

 

「夕ご飯までには帰って来るんだぞー」

 

メロンパンとおにぎりを肩から提げている鞄に入れていたので、夜まで帰ってこないと判断してそう声を掛ける

 

【ノッ!】

 

箱を頭の上に乗せて出かけていくチビノブを見て笑っていると心眼が呆れた様子で

 

【何を言ってるのか判るのか?】

 

「いや。全然、でも目を見れば何となく判らない?」

 

判るか馬鹿と言う心眼の呆れたような声にそうかなあと思っていると、電話が鳴る。立ち上がろうとするとファッション雑誌を見ていたタマモが立ち上がり

 

「良いわ、私が出る。横島は遊んでてあげなさいよ」

 

タマモがそう言うのでパックを机の上に乗せて再びチビとうりぼーに向かって弾く

 

「みむ!」

 

「ぷぎゅー」

 

なんとチビが弾いたパックがうりぼーの身体に当たって跳ね返り、予想していたのと違う軌道で跳ね返ってくるパックに反応しきれず、っ再びパックがフローリングの上に落ちる。連敗は流石に悔しいので、今度は真面目にやろうと気合を入れたのだが

 

「横島ー電話ー、銀一だってー」

 

銀ちゃんから?ああ、きっと美神さんとか琉璃さんに叱られたんだなと予想をつける

 

【横島ー♪それ面白そうじゃからワシに変わってくれ】

 

「OK-、チビ、うりぼー。電話してくるからノッブちゃんと遊んでてな」

 

元気良く返事を返すチビとうりぼーの声を聞きながら、電話台の前にいたタマモから受話器を受け取る

 

「もしもしお電話変わりましたー」

 

『おお、横っちかあ。悪いなあ、自宅休養中なのに』

 

まぁ正直暇していたので電話を掛けてきてくれたのは嬉しいしな

 

「いやあ、別に構わないぜ。で、聞いたけど、避難所から勝手に飛び出したんだって?何やってるんだよ」

 

長話になりそうなので椅子に座りながら何て無茶をしてるんだ?と尋ねる

 

『止めてくれ、その話は思い出したくない。死ぬほどこわかったんや』

 

「だからなんで死ぬほど怖いと思ってるのに飛び出したんだよ?」

 

銀ちゃんは俺と違って冷静に物を考えれるはずだ。それだけに信じられないと思う

 

『いや、ちゃうんや。美神さんと神代さん……メッチャ怖い』

 

「あーうん。それは判る」

 

俺なんかしょっちゅう怒られてるしな、無茶してるから……暫く互いに無言になった後

 

「それでなんで飛び出したんや?なんか理由あるんか?」

 

『……夏子がな、子供が倒れてるって飛び出したんや』

 

その言葉に思わず椅子から立ち上がった。え?え?夏子東京にいるの?

 

「夏子、東京におるんか?」

 

『おう。長期休みって事でなぁ、横っちと俺に会いに来たみたいや』

 

そっかぁ……良く考えると小学以来だよなあ、なんか懐かしいなあ

 

「で?その夏子は?」

 

『入院してる』

 

はは、そうか入院かぁ……入院!?

 

「どう言う事や!?」

 

『なんか魔力だか、霊力だかよー判らんけど、強い霊力に当てられて酔ってるみたいらしいわ。んで霊能の病院に入院しとるで横っちも元

気になったらお見舞い行ってやってくれるか?』

 

銀ちゃんに夏子が入院してる病院の名前と住所を聞いて、外出許可が出たらお見舞いに行くわと約束して、受話器を元に戻す

 

「夏子が入院かぁ、何をお見舞いに持って行けばいいんやろうなあ」

 

「ねえ。横島、夏子さんって誰?」

 

後から聞こえてきた声に振り返ると、そこには目が全く笑っていない笑顔の蛍がいました。その圧倒的な威圧感に怯えながら蛍の質問に答える

 

「小学校の同級生です」

 

「ふーん、入院してるんだ。お見舞いの時私も一緒に行くね?」

 

有無を言わさないその口調に俺はハイっと何度も頷きながら言う事しか出来ないのだった……

 

 

~柩視点~

 

人間界での隕石落としとか言う割りに洒落にならない危機を乗り越えたボク達だけど、ボクはボクで新しい危機に瀕していた。味方もいない、孤立無援での絶望的な戦いに挑む事になっていた

 

「へー、ゴモリーって言うのねー、よろしくー♪私ね、アルテミス!」

 

「よろしくねえ♪」

 

ゴモリーに無理矢理買い物に連れ出され、着せ替え人形にされていて、やっと休憩で立ち寄ったカフェではボクのトラウマである机妖怪とドレス姿の女性がいて、机妖怪が死んだ目をしていて、彼女もボクと同じ目に合っていると本能的に悟った

 

「あー柩ちゃんだっけ?パフェ食べる?」

 

「ストロベリーサンデー」

 

一番高いのを頼む、どうせお金はゴモリー持ちだしね。ゴモリーと意気投合している女性も紛れも無く神魔だろう、小声で誰?と尋ねる

 

(月の女神のアルテミス様だって)

 

止めてくれよぉ……ソロモン72柱と古き神とか冗談じゃないんだけど……なんで横島と知り合いになったら、それと比例するように神魔の知り合いが増えるのかが謎でしょうがない

 

「私の巫女候補の愛子ちゃん。机の中で恋愛の世界を作ってくれるのよ」

 

「恋愛の世界!良いわねえ、私も愛とかの権限を持ってるからそういうのだーい好き♪」

 

でしょーっとテンション爆上がりである、もうお願いだからボクを自由にして欲しい

 

「私の義娘の柩ちゃん」

 

「ちょっと待てえ!誰が何時!お前の義娘になった!」

 

擬音が出そうな勢いで指を向けるが、ゴモリーが心底不思議そうな顔をしているのがむかつく

 

「あー判る、素直になってくれないのね?」

 

「そうなのよ。私はこんなに可愛がっているのに……」

 

よよよっと良いながら泣き崩れる振りをするゴモリーに頭が痛くなってきた。予知能力を封印してるから何も判らないけど、これは酷いと言わざるを得ない

 

「その恋愛空間って言う奴私も見たいなー」

 

「良いわよ。ね、愛子ちゃん」

 

おおーっと目から光が消えて、愛子が頭を抱え込んでいる。しかしあの机の中の恋愛世界と言うのは余りにひどい、スイーツと言わざるを得ない

 

「最近ね私の意見を組み込んでくれて、すーっごく素敵な空間になったのよ」

 

馬鹿な!?あれが更にバージョンUPしているのか!?愛子を見ると耳まで真っ赤になっている。これは逃げるべきなのか?巻き込まれる前に逃走するべきなのだろうか。だがボクの運動能力では簡単に捕縛されるだろう

 

(どうしてボクは頷いてしまったんだ)

 

連れ出させる前に逃げるべきだったのか、それとも泣き落としをするゴモリーを無視すればよかったのか……盛り上がってるうちに逃げるべきなのだろうか……

 

(あの世界はごめんだ)

 

横島の事を完全に兄だと思っていた。いや、確かに横島の包容力とかは兄とかそういうのを連想させるけどさ……血縁も無い相手を兄呼びって相当痛い奴だと思うんだよね。

 

「柩ちゃん。横島君を紹介するか、アルテミスさんと愛子ちゃんと一緒に買い物を見て回るのどっちがいい?」

 

……その脅しにも似た言葉にボクは降参するしかなかった。ゴモリーが横島を知っているのは知っているが、ボクと一緒なら確実に暴走する。それを回避する必要があると思い、アルテミスと愛子と同行する事をボクは了承したのだが……次の満月の未来予知でボクと横島が机の中に引っ張り込まれる未来を確認し、ボクはどうやってその結末を回避するのかを必死に考え

 

「……よし、くえすを巻き込もう」

 

クールな振りして恋愛脳のくえすも巻き込めば、少しでも自分に掛かる負担を分散させる事が出来ると思い、くえすを巻き込んでやると心に決めるのだった……

 

 

 

~蛍視点~

 

横島の口から出た夏子と言う女性の名前。親しみさえあるその言葉に誰と尋ねると小学生の時の同級生で、しかも入院していると言う

 

「銀一さんと一緒で仲良しだったんだ」

 

「おう、3人でよく遊んでてなぁ、銀ちゃんから俺が東京にいるって聞いて、こっちに出てきたらしい」

 

小学生の同級生に態々会いに大阪に出てくる……これはちょっと警戒するべきかもしれない、幼馴染と言う属性は危険ってお父さんも蓮華も言ってたわ

 

「ふーん、で。その同級生って言うのが横島の初恋だったりするの?」

 

タマモが煎餅を齧りながらどうでも良いと言う感じで横島に尋ねる。だがその目はみた事の無い真剣な光に満ちている

 

「みーむーっ!」

 

「「「ぷぎぎッ!!」」」

 

【増殖は卑怯じゃね!?】

 

……なんか机の上にダンボールで作ったであろうエアホッケーのパックを打ち合っているノッブとチビとうりぼーの組み合わせは、あんまり気にしない方向で行こう。と言うか増えて凄まじい軌道で変化するパックって絶対反応できないと思う

 

「はは、いや、俺振られてるし、夏子は銀ちゃんが好きなんだよ」

 

懐かしい思い出を語るような様子の横島……振られてるって告白してるんだと言うのが割りとショックだった。と言うか、夏子さんって前の世界では名の字も無かったわけでどんな人物か想像もつかない

 

「お見舞いに蛍がついてきてくれるなら俺も安心だし、よろしくな」

 

「……ええ。大丈夫よ」

 

無理矢理でもついていくつもりだったが、横島には怪我をしている幼馴染をお見舞いするって言う気持ちしか無さそうなので、心配する必要は無いだろう。仮に夏子さんがまだ横島を好きだったとしても、私が付き添えば諦めてくれると思う

 

「ふーん、まぁ私は良いわ。留守番してるし」

 

タマモは興味が無くなったとらしく、ファッション雑誌に視線を向けている。私はどうしようかなと思いキッチンのシズクに

 

「何か手伝う?」

 

昼食の準備をしているシズクに手伝おうか?と尋ねるとシズクはキッチンからリビングを見つめ

 

「……いや、良い。新しい鍋を買って来たから、それを試したいから」

 

となると手伝いが邪魔になるかもしれないわね。それなら横島と話でもしてましょうか

 

「なー蛍。まだ外出駄目なのか?」

 

「んー私も言われても、外出禁止を出してるのはGS協会とオカルトGメンだし」

 

美神さんじゃなかったの?と驚いている横島。実際問題外出禁止を出しているのは横島のダメージと、そしてまだ東京に隠れているかも知れない悪魔を危惧している西条さんと琉璃さんの指示だ

 

【まぁ身体の調子も良くない、もう少しのんびりしておけ】

 

身体のダメージと霊体のダメージは深刻だ、横島はかなり無茶をするので休む時は長く休ませないとダメージの積み重ねになるから

 

「もう少ししたらOKでるんじゃない?その前にナイチンゲールさんの診察があると思うけど?」

 

「げえ。俺あの人苦手なんだよなあ」

 

悪い人では無いんだけど、あの殺してでも治療するという強引な姿勢は確かに怖い。でも医療に携わる人としては優秀なのよね

 

「まぁ私も美神さんも一緒になるから大丈夫だと思うわよ、所で、ルキさんは?」

 

ルイさんが預けていったメイドさんの姿が無いので、どこにいるの?と尋ねると横島はああっと頷きながら、自身の近くに置いてあった急須にお茶を入れながら

 

「なんか知り合いがいるからって挨拶してくるのと、近くにマンションを借りるって言って朝早くから出て行ったよ」

 

のほほんと笑いながら湯飲みを差し出してくる横島。知り合い……聖奈さんか、それとも高城さんか……どっちにせよ神魔に会いに行ったと見て間違いないわね

 

「今帰ったでござるー」

 

【主殿大漁ですよー♪】

 

シロと牛若丸が騒がしく帰ってくる。どたどたとリビングの扉を開く、そして2人が持ってるものを見て絶句した。ダンボールに紙袋の山、まるでバーゲン帰りのおばさんと言う感じだ

 

「ホームランを打ちまくって、色々貰って来たでござる!」

 

【ただ2度と来るなと怒られましたが!】

 

……なにしてるのよと呆れはしたが、ジュースの缶やカップヌードルの箱。それにホットプレートとかもある、しかも全部バラバラの店の

シールが張ってある。目玉商品を軒並み掻っ攫われた店は泣いてるわね、絶対

 

「おー頑張って来たなあ。とりあえず押し入れに片付けといて、後で見るから」

 

了解ですと返事を返し、荷物を運び出す2人を見送った横島はゆっくり振り返り

 

「なぁ、蛍。あの2人をボーリングとかに連れていくの絶対駄目だと思うんだ」

 

「そうね、止めておきましょう」

 

あの2人は余りにクラッシャー過ぎる。心から楽しんでいるのは判るが、ある程度は自分の力をセーブすることを覚えて欲しい。多分ルールとか知らなくてもその身体能力でどうにでもなってしまうパターンだ

 

「それより蛍、俺の外出禁止が解除されたらどこか遊びに行こうぜ、バイクの免許も取ったし、ツーリングする約束だったし」

 

「うん!そうね、どこに行くかは考えておくわ♪」

 

私から横島を誘おうと思っていたのに、横島から誘われた事に私は満面の笑みを浮かべながらそう返事を返す

 

(とりあえず急ぎましょう)

 

横島とツーリングする為に破損している横島のバイクを修理して、色を塗りなおしたりしないといけないわね。それに初心者の横島でも安全に運転できるツーリングコースを考えないと

 

「あ、そうそう。これカオスのジーさんに預けておいて欲しいんだけどいい?」

 

「くえすの眼魂じゃない。どうしたの?」

 

「んー使えないって言うか、起動しないって言うか、良く判らないから分析して欲しいなって思って」

 

「判ったわ。預かっておくわね」

 

横島が差し出した銀色の眼魂を受け取ったのだが、後にこれが私に激しい後悔をもたらす事になるのだった……

 

 

 

~カオス視点~

 

薄暗い研究室の中をモニターの明かりだけが照らし出す。モニターの前に座る長身の老人……ドクターカオスは顎を摩りながら

 

「恐ろしい技術力じゃな」

 

横島が回収してきたガープ陣営のモリアーティ教授が使っていたという武器……超過剰武装多目的棺桶ライヘンバッハ。これだけ内部に武器を仕込んでいて、尚且つこのサイズに纏め上げるとは……

 

「……ワシが作ったとしても、後一回りはサイズが大きくなるな」

 

重機関銃にロケットランチャー、霊力砲といった多様な小型兵器を内蔵しており、中に組み込まれている武装の重量やサイズを加味しても、ワシの技術ではとても作れる物では無い

 

「恐ろしいのはガープの技術力か」

 

霊能学や魔界工学だけではない。武器などの作成技術に、霊能学と魔界工学の技術まで組み合わせて作られている。策謀だけではなく、こういう技術力の高さにも脅かされる

 

「……それに関してはこれもじゃが」

 

雪之丞と陰念が回収して来たと言う量産型レブナントの変身ツール。残念なことに眼魂をセットするスロットと、中に装填されていた眼魂が砕け散ってる為使用する事は出来ないが、それでもこれにも十分な使い道があるだろう

 

(修理……出来るかのう?)

 

修理できれば戦力として使えるが、ワシの技術と優太郎の知識を合わせても、完全な形での修理が出来るかどうか……とりあえず今は保管しておくとしよう。いつかは使い道が出来るかもしれない

 

「さてと、問題はライヘンバッハか」

 

射撃武器とすれば規格外の攻撃力を持つが、やはりその巨大さと重量が運用する上での課題として立ち塞がる。マリアとテレサに試し撃ちをさせたが、その反動ゆえに使いこなす事が出来ないでいる。だが、これをそのまま破棄するのは余りにももったいない

 

「おう、アシュタロス。ちょっと良いか?」

 

魔法陣による通信でアシュタロスを呼ぶ

 

『ドクターカオス?どうしました?』

 

「おう、モリアーティが横島に託したって言う武器。あれはそのまま使うには余りに厳しくての、中身は分析したからいくつか機能をオミットしてマリアとかの武器にする予定じゃが、オリジナルの使い道が無い」

 

盗聴器や魔法的な仕掛けが無いのは確認している。だがこのままでは無用の長物になる、だから

 

「これを横島のバイクに組み込まないか?」

 

『詳しく聞きましょう』

 

これだから学者や研究者と言うのは話がしやすい。このライヘンバッハは魔界でも稀少な貴金属で形成されている、横島のバイクの免許は中型二輪だが、GS免許の特例措置である程度の改造は許されている

 

「変身した時に武器として使用できるバイクにしてしまえばいいと考えておるんじゃが」

 

『……変形機能を加えて、姿勢サポートとかにするってことですね?』

 

「その通りじゃ」

 

人間で使用出来ないのなら使えるように改造してしまえば良い、どうせ横島のバイクが故障しているのならなお好都合。この棺桶の形状を削り、フレームにしてしまえばいい

 

『後日取りに行きます。設計図を引いて、蛍に話を通しておきます』

 

「うむ。頼んだ」

 

横島の変身した姿は強いが、些か射撃能力に劣る。バイクを武器と兼用に改造してしまうのは我ながら良いアイデアだと思う

 

「カオスー、チビノブが尋ねて来てるぞー?」

 

「うん?通してくれて良いぞ」

 

そう言えばチビノブに何か作ってやると約束しておったな。テレサに通して良いぞと声を掛けると研究室の扉が開きチビノブが入ってくる

 

【の!】

 

手を上げるのでそれが挨拶だと判断して、手を上げ返す。するとチビノブは満足げに笑いながら近寄ってくる

 

【ノノー♪のーぶ!】

 

「うん?これか?」

 

頭の上に乗せている箱を手渡してくる。それはTVなどで放映されている安い特撮ヒーロー物の玩具……

 

【ノーブ!ノノーブ!】

 

箱を指差して、自分を指差す。箱の側面を見ると3つのロボと主役のフュギュアが合体し、バラバラの形態に変化し、最終的には3対のユニットと合体して超巨大ロボになると言う感じの説明が書かれていた

 

「これを作って欲しいのか?」

 

【ノッ♪】

 

なんとまぁ……いや、まぁ不可能ではない。人間サイズなら難しいが、30cmほどの小人用ならそう難しくも無い

 

「良かろう。これを作ろう」

 

ノブー♪と嬉しそうに踊るチビノブ。ワシの予想ではそろそろシズモ姫の事件が起きる筈。あの植物に対応し、除草に特化したロボを作ってしまえば良いだろう。嬉しそうに踊るチビノブをみながら、箱の蓋を開けてどんな物か把握する事にするのだった……

 

 

~西条視点~

 

僕は額によった皺を揉み解しながら、もう1度頼むと口にした。

 

【給金だ!私に給金をくれ!マイボーイに服を買うんだヨッ!】

 

聞き違いじゃなかったんだ……マイボーイ。横島君の事かな?と遠い目で思いながらも、教授は良く頑張ってくれているので給料を払うのは吝かでは無い。財布を取り出して

 

「すまないが、君が給料を要求するとは思ってなかった。計算をするので、とりあえずこれで我慢してくれ」

 

15万でとりあえず今は勘弁して欲しいと言って手渡す、3ヶ月。殆ど休み無しで働いてくれているので、そこから計算するからまずはこれでと

 

【ありがとう!マイボーイの服のセンスが駄目すぎるからネ!楽しくなるヨ!おじいちゃんが今行くぞぉ!!!】

 

お爺ちゃん……まぁ本人が楽しいのなら良いかと思って見送る

 

「ごめんね、何か騒がしくて」

 

「ううん、別に良いけど……ずいぶんと横島君を気に入ってるみたいで」

 

令子ちゃんが苦笑する。マイボーイと呼んで、横島君の為に給料を求める。普通に見て驚くな

 

「西条さん。横島君の事ですけど、オカルトGメンは……どうするつもりですか?」

 

「……そうだね、規則通りなら稀少な霊能の持ち主として国際オカルトGメン本部に報告するって言うのが制度だけど……」

 

稀少な霊能の持ち主は財産と言う事で国際オカルトGメンとしては保護と言う名の軟禁を強いる事がある。これは上層部のクズさが原因だが……

 

「僕個人として報告するつもりは無い、そんなことよりもまずやるべき事があるからね」

 

オカルトGメンの新入りと、GS協会の視察団が起こした犯罪に関しての起訴があるから……

 

「黙っていてくれるわけ?」

 

「黙る?いやいや違うよ。忙し過ぎて資料がどこに行ったか判らなくなってしまうのさ」

 

アタッシュケースに横島君の資料を入れて鍵をかける。そして鍵をポケットに入れる

 

「無能が多いからね、どこにしまったか、これから判らなくなってしまうのさ」

 

僕が肩を竦めると令子ちゃんはくすくすと笑う。判っていても表に出さない、出させない、それが僕の出来る横島君の守り方だ

 

「それとあんまり隠していると余計に怪しまれる。神代会長と話し合って横島君を外に出した方が良いよ」

 

「うん、それは冥華おば様にも言われてるわ、ごめんね。西条さん、何回も何回も手間を取らせちゃって」

 

そう笑って出て行く令子ちゃんを見送る。手間……か、僕はそうは思ってないんだけどね

 

「……なんにせよ、これからが正念場だ」

 

結界の中に満ちていた悪魔やゾンビ。それはブリュンヒルデ、ビュレトの両名の活躍でその大半が駆逐された。だがそれではすまない、これだけ大規模な計画を推し進めておいて、あの塔の中にガープ達の幹部クラスの姿が無い。しかも途中で撤退したと言うライダー……今回の件は成功しても、失敗してもどうでも良い計画だったのだろう。だからこんなにもあっさりと手を引いた、まだ悪辣な一手が仕込まれている。そう見て間違いないだろう……まだ気を緩めることは出来ない。むしろこれからが大変だ、恐らくガープ達は文珠に覚醒した横島君を見ているだろうし、横島君がこれまで以上に狙われる事は必須だろう

 

「人間問題は六道と神代で大丈夫だ」

 

今までフリーの令子ちゃんが六道と神代の下に入ることを決断したのだ。それは名家2つを後盾にして、オカルトGメンや国際GS連盟からのちょっかいを防ぐためだ。日本にいる以上、六道と神代の名は大きい。おいそれと手を出せる相手では無い、何時までも防げるとは思えないがこちらの準備が整うまでは間違いなく時間を稼ぐことが出来る。となると当面の問題は神魔の方になるだろう……

 

「大丈夫だ。護り切ってみせる」

 

そのために僕は権力を手にしたんだ。令子ちゃんも横島君も護り切ってみせる、僕が日本の支部を求めたのはそれが理由なのだから……もう2度と失わないと僕は僕自身に誓ったのだから……何を犠牲にしても護り切ってみせる。僕はそう心に強く誓い、オカルトGメンを後にする。ここからは国際GS連盟とオカルトGメンを相手にした政治戦だ

 

「西条君~遅かったわね~」

 

「すいません。色々と立て込んでいたので」

 

「うん~別に良いけどね~それじゃあ早速行きましょうか~」

 

例え相容れない相手だったとしても手を組もう。それが令子ちゃんと横島君を護る事に繋がるのならば悪魔とだって手を組む。それが僕の覚悟であり決意なのだから……

 

 

 

リポート25 横島家の非日常 その5へ続く

 




ほのぼのをやりつつシリアスも用意してみました、後2回くらいでリポート25は終ろうと思います。予定ではリポート28くらいで本編は終る予定です。シリアス系と自分でも挑戦した事の無いジャンルに挑んでみようと思っていますので楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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