GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
どうも混沌の魔法使いです、今回からは新リポートに入ります。妖怪病院……前書きは今回は少なめで、どんな話になるのか楽しみにしていてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
その1
リポート26 妖怪病院 その1
~銀一視点~
魔力や霊力中毒専門の病院……「緋立(ひりゅう)」に入院している少女の部屋に訪れる青年の姿があった。扉をノックして、部屋に中に入るが寝ているはずの幼馴染の姿が無く、深く溜息を吐きながらお見舞いの品を置いて部屋を出る。どこにいるのかは判っているので、中庭へと足を向ける。この病院の入院患者は部屋から出ることが無いのに、何故自分の幼馴染はこんなに元気なのだと苦笑し、中庭のベンチに腰掛けている少女の頭を叩く
「こらあ!何で部屋におらんのや!」
「いったあ!乙女の頭を叩くかふつーッ!」
そう唇を尖らせる幼馴染……夏子に苦笑しながら銀一はベンチの隣に腰掛ける
「忙しいスケジュールを見てお見舞いに来たんだぞ?部屋で待っててくれないと困る」
「んー、なんか胡散臭いわ。大阪弁で喋りよ」
ずけずけと言う夏子に銀一は嬉しそうに笑う。顔が良いからと言う事でアイドルになった、だがそれで同級生は急にきゃーきゃー言い出したので、近畿剛一ではなく、銀一と見てくれる夏子の存在は銀一にとってとてもありがたかった
「へいへい、ほんで、なんで部屋におらんかったんや?」
見てる相手もいないと言う事で大阪弁で問う掛ける銀一に夏子は抱えていた雑誌を膝の上に広げる。それは霊能の特集雑誌だった
「いやあ、横っち随分と活躍してるみたいでなあ」
悲しいのか、嬉しいのか、複雑な感情が無い混ぜになっている夏子に銀一はあえて笑いながら話を続ける
「そりゃ、東京でも1.2を争うGSの弟子やからなぁ、それに才能もあったらしいし」
「……昔から横っちはちょっと不思議なところあったしなぁ」
懐かしむような言葉に銀一の脳裏にも昔の横島の姿が過ぎる。自分と一緒にスカート捲りなどをしていたが、突然変なところを見つめる時が合ったり、自分達には見えない何かを見ていると思ったこともある。それが今思えば、横島が幽霊とか精霊を見ていたのかと変な風に納得してしまった
「おーそうそう、横っちに連絡はしておいたから、今度お見舞いに来てくれるかもな」
「マジで!?わー何年ぶりやろうねえ。と言うかなんで銀ちゃん横っちの電話番号知ってるん?」
やや鋭い視線で責める様な夏子に銀一は肩を竦めて苦笑する
「映画の撮影の時にちょちょいっとなあ」
「あー踊るGSって奴?」
そうそうと夏子と会話をする銀一の顔は楽しそうで、演じる必要が無く素でいられる時間を楽しんでいる様子だったが……
「なんかさ、これとか見ると、横っちモテモテやん?」
その言葉に銀一はこの雑誌を作った編集部に殺意を覚えたのは言うまでも無い。その雑誌にはおキヌや、蛍と言う横島の周辺の美少女(幽霊もいるが)との写真とうりぼーを抱き抱えている横島の姿が写されていたから
「……昔からやけど、横っちはモテるなぁ」
「そやな。でもそれは横っちの人柄やて」
そんなん判ってるよぉと笑った夏子は足をふってベンチから立ち上がる
「どこいくん?」
「んー昨日さ、隣の病室に私と銀ちゃんが助けた子が入院してきてなぁ。ちょっと部屋を覗いて見いへん?」
自分が怒られる原因となった子供ではあるが、確かにどうなっていたか気になっていた銀一は夏子の誘いに頷き病院の中へと戻る
「こんにちわー」
「……おや、こんにちわ」
そして銀一と夏子を待っていたのは、透き通るような緑の髪を持った中性的な子供の姿だった。だが2人が驚いたのは、その子供が発した言葉だった
「……所で僕は誰で、ここはどこなのかな?何も思い出せないんだけど……君達は僕を知っているのかな?」
さらりと告げられた言葉は自分が記憶喪失だと告げる言葉で夏子と銀一は慌てて、医者を呼ぶ為に病室を飛び出すのだった……
~横島視点~
夏子と銀一が医者を呼びに走っている頃。横島はと言うと……川原での自主訓練を行っていた。
「ぷぎッ!」
「ぐうっ!!」
雪之丞がうりぼーを持ち上げようとするが、持ち上げる事が出来ず。するりと脱出され、後ろ足で砂を掛けられて呻いていた
「はい、雪之丞の負けー」
今まで持ち上げようと奮闘していた雪之丞が力尽きたのを見て、俺は笑いながら雪之丞の負けを告げる。これでピート、雪之丞、陰念の3人がうりぼーに負けたことになる
「みーむ♪」
「ぷぎぃー♪」
頑張ったとハイタッチを交しているチビとうりぼー。うりぼーとの勝負はシンプル、うりぼーを持ち上げてゴールまで運べるか?ただそれだけである。だが抱き抱えれば暴れるし、攻撃禁止なので俺達にとって不利なルールだ
「はぁ……はぁ……これ本当に出来るんですか?」
ピートが息を切らしながらそう尋ねてくるので、今度は俺がうりぼーとの勝負に挑むことになった。蛍がそんな俺を見て苦笑している
「しゃあ、行くぜ!」
「ぷぎーッ!!」
ダッシュで俺の足元を駆け抜けていこうとするうりぼーの胴体にしがみ付くが、うりぼーは俺を引き摺りながら疾走する
「ぬっぬうううーー!」
何とかそのダッシュをとめて持ち上げようとする。うりぼーが痛がるのでルール上は足は掴んでは駄目なので、掴む所は胴体だけだ。霊力をコントロールして、うりぼーの力に耐えながら何とかして持ち上げようとするが
「ぷーぎゅー」
「あ……ふぎゃあ!」
俺の腕から飛び出したうりぼーがそのままの勢いで俺の上に落ちてきて、俺はうりぼーに押し潰されてそのまま目を回してしまうのだった……
「お前も出来ねえじゃねえか」
「はは、何を言ってるんだ?俺は出来るなんて言ってないぜ?」
うりぼーの方が俺よりも力が強いわけだ。だから俺もトレーニングなんだぞ?と言うと雪之丞と陰念が溜息を吐く
「私も結構止めてるんだけどねえ」
【トレーニングと言うか、遊んで貰ってると思ってるからな】
心眼の言うとおりである。俺はトレーニング、うりぼーは遊んで貰っていると思い大はしゃぎ、実に無駄の無い修行だと思う
「それともチビの電気ショックでも避けるか?」
「「「死ぬわッ!!!」」」
雪之丞達に怒鳴られるが、チビは素早くて色んな角度から攻撃してくるので攻撃を避けると言う修行には最適である
「おい、横島の頭の螺子吹っ飛んでるぞ?」
「何を言ってるのかしら?横島と一緒にいる上で一番大事なのは動揺しないこととうろたえない事よ」
「……物凄く説得力がありますね」
まるで俺がどこかおかしいみたいな口ぶりだな、俺は芝生の上に座り込みうりぼーをわしゃわしゃを撫でながら
「俺は普通だよ?」
雪之丞達の普通じゃないと言う突っ込みにうむうっと俺は唸る事しか出来ないのだった……
「それで横島さんは何時学校に復帰する予定なんです?」
ピートが傷絆創膏を張りながら尋ねてくる。俺としてはもう復帰しても良いと思っているんだけど
「美神さんと一緒に除霊の予定が入ってるからそれが一区切りついてからかなあ?なんか問題でもあった?」
テストとかそういうの?とピートに尋ねる。するとピートは遠い目をして
「最近僕達のクラスにアルテミス様がよく出没しまして」
蛍の目から光が消える。アルテミスさんかあ……あの人もいろいろとぶっ飛んでるからなあ
「シルフィーと意気投合してるんです」
「判った。死んでも行かない」
シルフィーちゃんとアルテミスさんの組み合わせなんて最悪すぎるので、暫く学校に行かないと返事を返す。ピートが悲しそうな顔をしている、多分常識人だから苦しんでいるのだろうが、そのうち吹っ切れるようになるだろう
「じゃあ学校行かないなら白竜寺に顔を出せよ、修行に混ざれるようにママお師匠様に頼んでおくぜ」
「……色々と振り回されると思うがな」
「んー美神さんと蛍に相談してから返事するわ」
白竜寺に修行と言うのもありかもしれないが、俺の師匠は美神さんなので美神さんに許可を取ってからなと返事を返し、俺は蛍と一緒にランニングしながら家へと向かう
「ぷーぎー」
「みむうー」
チビとうりぼーも楽しそうに走り回っている。しかしあの小さい身体でよくあんなスピードが出るなと感心する
「そうそう、今日も夜から除霊だからね?準備とか忘れないように」
ガープの隕石落としによって出現した大量の悪魔とゾンビ。それらの討伐がまだ終ってないんだから、遊び半分の気持ちじゃ駄目よと言う蛍に分かってるよと返事を返す。
「じゃあまずは家に帰って休憩して、それから今日の除霊現場の打ち合わせよ。しっかり覚えてね?」
「……ふあい……」
ただ、除霊だけなら良いんだけど、建物での除霊なども多くて立地や部屋の数などを覚えないといけないのが辛い。でもこれも1人前のGSになるための修行だから頑張ろうと思う、美神さんや蛍の足を引っ張らないようにもっともっと強くなろうと思うのだった……
~美神視点~
私達の除霊の感覚を取り戻すという目的で1週間除霊漬けを行う予定だったが、3日目にして私は違和感を覚えて、くえすを助っ人に呼ぶことにした
「これが昨日と一昨日の除霊のパターンよ。悪いけど目を通してくれる?」
横島君がいないから不満そうなくえす。だがプロなので私情は殺してくれていると言うか、状況を掴んでないと横島君に適切なアドバイスを出来ないわよ?と告げてやっと昨日と一昨日のパターンに目を通してくれた。本当に横島君の事を好きすぎるでしょう……
「……感知されている霊力の割には悪霊の数も少ないですし、悪魔もいませんわね」
「うん。事前調査ではB~Aマイナスくらいの結果が出てるんだけど、実際乗り込んでみるとCクラスなのよね」
最初は冥子も間違える事があるかと思ったが、それが2回も続けばありえないと思う。冥子の霊視はかなり正確だ、A判定を出しておいてCランクと言うのはありえない
「とりあえず今日も様子見をして見るけど、その結果次第では……」
「調査範囲の拡大ですわね?」
私の言いたい事を先に言うくえすにその通りを返事を返す。今日も続けて除霊を行うが、やはり事前の情報ではA判定だ。これでまたC~D級ならば、これは完全に異常事態だ。1度ならず2度、更に3回も冥子がミスをするとは思えない
「私の予想だと転移してるって考えているんだけどどう?」
中位の悪魔で転移能力持ちが補足される前に逃げている。私はそう考えている、恐らく空気が浄化され体力を回復させるつもりで霊脈で回復をしている。だから霊脈を伝わって近づいてくる私達の気配を感じ取って逃げているのではと考えている
「普通に考えればそうですが、それは相手が中位クラスだと言う前提でしょう?上位だと仮定すれば、異空間に逃げていると言う線もありますわ」
「最悪の予想過ぎないかしら?」
聖奈とカズマが1度悪魔を一掃してくれているから、そこまで上位の存在はいないと思いたいんだけど……
「結界作成能力に特化している悪魔の線も捨て切れないですから、今日の除霊の最中のデータ収集と、夜の間に何か事件が起きていないか……そうですね。病院周辺を探ってみませんか?」
「火葬場とか墓地じゃなくて?」
死体の魂や自縛霊を取り込む方が効率が良い筈だ、それなのに病院周辺を上げるくえすにそう尋ね返す
「殺すよりも生かさず殺さずで霊力を吸収した方が悪魔にとっては良い魂ですわ」
「……OK、じゃあそっちの方向で行きましょうか」
生かさず殺さず、舐るように魂を喰らう。そうなると大きな被害は出ないだろうけど、広く浅く被害が頻発している可能性がある
「確か、魔力中毒で入院してる人が多かったわね」
悪魔やゾンビに襲われた人達はナイチンゲールがいる病院にいるけど、魔力中毒では霊力に触れると回復が遅くなるので霊力とかとは隔絶された病院に入院しているはず
「とりあえず今日の除霊の結果次第って事でよろしく」
黒魔術の専門家で悪魔にも詳しいくえすに助っ人をよろしくと言うと、くえすは良いですわよと笑った後手帳を取り出して
「ではいくつか聞きたいんですけど、横島が好むお菓子と食事、後好きな本とかを教えてくれます?」
……ごめんなさい横島君。貴方の情報でくえすの力を借りれるから、貴方の情報を伝えるわねと心の中で謝罪し、くえすが尋ねてくる内容を私の知る限り伝えるのだった……なおそれは夕方18時に事務所に来るまでずっと続いた
(おキヌちゃんが居なくて良かったわね)
くえすが来るまでに横島君と蛍ちゃんに今日の予定を伝えて来てと頼んで、送り出して正解だった。ここまで横島君の事を根掘り葉掘り聞いている姿を見られてたら大変なことになっていたと思うから
「なんか美神さん疲れてますね?大丈夫ですか?」
「ちょっと調べ物があってね。大変だったのよ」
蛍と横島君に心配されるほどに私はやつれていた様で、乾いた声で返事を返すのがやっとだ
「神宮寺さんも手伝ってくれるんですね。今日はよろしくお願いします」
横島君が丁寧に挨拶するとくえすはそれを見てにいっと笑う、邪悪と言う感じの笑みなのにどうして笑顔で話を出来るのが割りと不思議だ
「美神殿、今日は拙者も頑張りますゆえ、よろしくお願いするでござる」
丁寧に頭を下げるシロによろしくと返事を返す。初日にノッブとシズクとシロとタマモとフルメンバーだったが、突入すれば敵が少ないので、今日はシロだけが横島君について来ている
【お夜食と飲み物の準備も出来ました】
「OK、じゃあそろそろ出発しましょうか」
恐らく早朝までかかる仕事だ。除霊だけではなく、周囲の調査までする必要があるし
(夜食を用意して、くえすまで呼んでるって事は何か厄介なことってことですね?)
小声で尋ねてくる蛍ちゃんに頷く。今は確信が無いから話せないけど、今回も飛び切り厄介な山になりそうだ……横島君にちょっかいを掛けているくえすを見て、面白く無さそうにしている蛍ちゃんを見て、除霊以外にもハードな時間になりそうと私は覚悟を決めるのだった……
だが美神達は知らない、美神達が調査に乗り出した頃。魔力中毒で入院している病院のありとあらゆる部屋から魘される声が響いていた事を……そして看病する立場である看護婦達も机に突っ伏し、青い顔で魘されていることを……
【ケタケタケタケタケタッ!!!!】
そして厳重にその姿を隠しながら、闇夜を舞う悪魔の姿がある事を美神達は知らないのだった……
リポート26 妖怪病院 その2へ続く
今回は導入回なので短めの話となります。リポート26の間のフラグやイベントの話の触りだけだして、今後の話の展開に繋げて行こうと思っております。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い