GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は百合子さんが横島の今の生活を見るとか、ブラドーがピートとシルフィーの様子を見に来るとか、そう言う感じの話を書いて行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その2

 

 

 

リポート3 父来る その2

 

百合子が日本に到着した頃、ナルニアでは

 

「はぁ……はぁ……やばい、やばいやばい……」

 

大樹が疲労困憊と言う様子でジャングルを走り回っていた。その理由は

 

「へーい、ボース?どこにいるんですかー?」

 

「早くでてきてくださーい」

 

野太い声がジャングルに響く、それは大樹と百合子の部下であり、ナルニアの現地スタッフなのだが、気のせいか語尾にハートマークがついているように思える。それもそのはず。今大樹を探しているのは俗に同性愛者と呼ばれるスタッフ達だった……今までは百合子がいたので守られていた大樹だが、百合子はナルニアを発つ前に離婚するので好きにするれば良いと現地スタッフに声を掛けていた。その結果がこれである、家に帰れば机の上には離婚届。そしてその直後に襲って来た現地スタッフ。肉体的にも精神的にも追い詰められている大樹は親指を噛みながら

 

「何とか日本に……」

 

日本に戻って百合子を説得しなければと呟いた直後。視界に影が落ちる、震えながら振り返る大樹の視線の先には2M近い黒人が居て

 

「へーいボース♪」

 

「あ、来るなアアアアアアアア!!!!」

 

ヤラれる、それを本能的に悟った大樹は絶叫しながら、隠れ場所から飛び出し全力でジャングルを駆け回るのだった……

 

 

 

 

朝4時40分に目が覚めた……一瞬何処かと思ったが直ぐに頭が動き始め

 

「そっか、日本か……」

 

ここは本来シズクちゃんの部屋らしいが、リビングで寝るので構わないと言ってベッドを貸してくれたのだ。悪いと思っていたが、ナルニアでの疲れもあり、久しぶりに息子の顔を見た事もあり安心したのか、ベッドに寝転がると同時に泥のように眠ってしまったのだ

 

(とりあえず、忠夫の朝ご飯とお弁当を……)

 

久しぶりに家に居るのだから朝ご飯とお弁当を用意しようと思い、着替えてリビングに向かうと

 

「……おはようございます……」

 

「シズクちゃん、朝早いのね?」

 

既にシズクちゃんがエプロンと踏み台を使って朝食の準備をしていた。キッチンから漂ってくる味噌の匂いに妙に落ち着く。やはり日本人は味噌汁よねと思いながら

 

「私も手伝おうか?忠夫のお弁当とかもあるだろうし?」

 

今日は除霊の話が無いので高校に行くと聞いていたのでお弁当の用意をしないと行けない筈だ。それにどうしても気になる事もあったし、手伝おうか?と尋ねるついでにその事も尋ねてみる事にした

 

「無理に敬語じゃなくても良いわよ?」

 

忠夫の母親と言う事で無理して敬語で喋っているように思えて、普通に喋ってくれれば良いわよ?と言うとシズクちゃんはそうさせてもらうと笑う

 

「……それなら心配ない。準備は直ぐに出来る、それよりも異国から来て疲れている筈だ。もう少し休むと良い」

 

口調は固いけど私を心配してくれているのが判った。でも母親としてやるべき事はやらないと

 

「じゃあ6時ごろに忠夫を起しに……「ん?おはよー母さん。早いな」忠夫?」

 

前は起こしに行っても全然起きなかった忠夫が自分で起きてきた事に驚いていると

 

「……今日も何時も通りで良いな?」

 

「おう、7時には戻るなー?うっし!チビ、モグラちゃん、タマモー行くぞー」

 

忠夫が呼ぶとチビちゃん達が忠夫の肩の上に乗り楽しそうに鳴き。タマモだけは忠夫が抱き抱え玄関に向かっていく。その姿を呆然と見つめているとシズクちゃんが教えてくれた

 

「……朝空気の綺麗な内にランニングと霊力の循環トレーニングだ。いつも朝5時から7時頃までな」

 

そ、そうなんだ……私が知らない内に忠夫の生活習慣がかなり変わっていた事に驚いた

 

「……後は6時頃に朝食の仕上げをするだけ、お茶飲むか?」

 

急須を向けながら尋ねて来るシズクちゃんにお願いと頼み。ソファーに腰掛けるのだった……

 

【ぐがががああ……】

 

窓の近くに布団を引いて大鼾を書いて眠っている忠夫にノッブと呼ばれている幽霊。幽霊なのに布団が盛り上がっているのはどういう理屈なのだろうか……?それになんでGSなのに幽霊と同居しているのだろうか……と言う疑問を感じる。

 

「えっと忠夫って結構規則ただしい生活してるの?」

 

今の忠夫の生活習慣を知らないのでどんな生活をしているの?とシズクちゃんに尋ねると

 

「……そうだな、かなり規則正しい生活をしていると思うぞ?毎朝5時に起きて蛍と合流してランニングに出掛けて、朝の内に軽く霊能力の訓練をして、7時頃に2人で戻ってきて朝食を食べて学校の時は出掛ける。そうじゃない時は家でまた霊能力の訓練をしているぞ」

 

そ、そうなんだ……それだけ必死に訓練しているって事は結構霊能者として成長しているのかな?と思いつつ、蛍ちゃんも一緒に朝食って……少し見ない間にかなり親しくなったようだ

 

「今の忠夫って霊能者的にはどんな感じなの?」

 

私は霊能なんて持ち合わせていないので全然判らないのでシズクちゃんにどんな感じ?と尋ねると

 

「……そうだな。知識の方はまだまだだが、戦闘力で言えば間違いなく横島はトップクラスだろうな。最近は陰陽術も大分使いこなす様になって来ているし、チビ達も成長して横島を守ろうと頑張っている。後はまぁ変な霊能力に目覚めたな……これだ」

 

差し出された新聞を見ると奇妙な鎧姿が映っていて、え?これもしかして忠夫?

 

「……ああ。横島だぞ?変な能力だろう?」

 

……これってどう見ても特撮よね……とても霊能力には見えないのだが、そうだと言うのだから間違いないだろうけど、これはかなり予想外だ

 

「……まぁかなり有能な霊能者として注目されているぞ」

 

夢に向かって頑張ってるのねと安堵し、これからも頑張って欲しいと思う。シズクちゃんの言う通り7時ごろに忠夫と蛍ちゃんが戻って来て、運動している事もあり結構な勢いで朝食を食べ終え

 

「じゃあ、行って来まーす!」

 

「みーむう♪」

 

「うっきゅー♪」

 

「ココーン♪」

 

チビちゃん達を頭の上や肩の上に乗せて、元気に学校に向かっていく忠夫……え?学校に連れて行ってるの……かなり驚いたがあまりに自然体にこれはいつもの事なのだと悟り黙って忠夫を見送り

 

「蛍ちゃん。忠夫の事教えてくれる?」

 

シズクちゃんに話を聞いたが、他の人にも話を聞きたい。師匠の美神さんとかにも今日は話を聞いて回ろうと思いながらまずは……

 

「はいっ!」

 

いつの間にか自分用の茶碗などを家に置いている蛍ちゃんにも忠夫の事を聞こうと思い。そうお願いするのだった……リビングを見ると明らかに蛍ちゃんの私物と見られる物も置かれていて、明らかに同棲と言う雰囲気がしてるんだけど……忠夫……あんたこれで付き合ってないの?蛍ちゃんに手を出して無い様で安心したが、これで良いの?と思わざるを得ないのだった……

 

 

 

 

朝あんまり遊んでやる時間が無かったので、チビ達を連れて学校に来た

 

「みむみむ♪」

 

「うきゅー♪」

 

机の上でちょこちょこと動き回るチビ達を見ながら、膝の上で丸くなっているタマモの背中を撫でる。学校ではあるが、妙に落ち着くな。これがきっと小動物の持つ癒しのパワーだろう

 

「横島君。暫く除霊は無いの?」

 

俺の机に腰掛けてそう尋ねて来る愛子にうーんっと首を傾げながら

 

「判らん」

 

今日は除霊は無いと聞いて学校に来ているが、急な仕事があればもちろん学校を早退して除霊に向かうだろう。でも今の段階では除霊をすると聞いてないので多分大丈夫と返事をする

 

「そっか。今日はゆっくり勉強出来ると良いね」

 

ゆっくり勉強出来ると良いねと笑う愛子。俺の勉強が遅れている事を心配してくれているんだろうけど……正直あんまり勉強はしたくない、何故なら休んでいる時間が多いので授業の内容が理解出来ないからだ

 

「もう、そんなに嫌そうな顔をしなくてもいいでしょ?私も勉強を教えてあげるから」

 

愛子が優しくそう言ってくれるが、やはりあんまり勉強はしたくないなあ……とは言え、明日には除霊で受けれなかった分の補修テストがあるから勉強しないと赤点になりかねない。特に今はお袋が家に居るので赤点を取る訳には行かない、学校側もある程度配慮してくれると言っているが、ある程度の点数を取らなければ配慮所ではないだろうから

 

「おはようございます」

 

「おう、おはよう、ピート」

 

ピートが教室に入ってきておはようと言うので、イケメンなので正直挨拶なんてしたくないが、軽く手を上げて挨拶をしながら

 

「シルフィーちゃんはちゃんと見てるだろうな?」

 

周囲を警戒しながら尋ねる。何処かから襲ってくる可能性が高いので、学校では全然心が休まらない。だから学校では勉強にも集中出来ないんだよなあ……こんなんで明日のテスト大丈夫なのか?と思わず不安になる

 

「いえ、それが……横島さんの靴を見ると姿を消してしまって……すいません」

 

「お前よ!本当に自分の妹の手綱くらい握れないのか!?」

 

【その通りだぞ?兄として危険な妹の面倒は見ておけ】

 

油断していると本当に何処かから襲ってくるので、怯えながら周囲を警戒する。俺と心眼に怒られたピートはすいませんと言うが謝るくらいならもっと注意してシルフィーちゃんを見張っていて欲しい

 

「みむ!」

 

「うきゅ!」

 

シルフィーちゃんが居ると聞くとチビとモグラちゃんが遊ぶのを止めて警戒を始め。タマモも何かを探すように尻尾を立てている……本当頼むから学校に居る間くらいは穏やかに過ごせないかなあ……シルフィーちゃんはそんなに嫌いじゃないんだけど……怖がって過ごすのは本当に嫌なんだよなあ……

 

「SHRを始めるぞー」

 

教師が来てSHRを始めるが、その間にシルフィーちゃんは教室に姿を見せることは無く。それが余計に俺に恐怖心と警戒心を強める結果へとなるのだった……

 

「本当に学校に来てるのか?」

 

3時間目が終わっても姿を見せないので本当に来ているのか?とピートに尋ねると

 

「ええ。一緒に来たので間違いないんですけど……」

 

「シルフィーちゃん。自分が留年の危機って判ってるのかしら……」

 

学校にいる筈なのに姿を見せない……チビとモグラちゃんが小さく唸っているのでもしかして近くに居るのか?と警戒した瞬間

 

「ふぎゃあっ!?」

 

シルフィーちゃんの悲鳴が聞こえたので振り返ると、黒いマントを着込んだピートとよく似た男性が俺の背後に居て、シルフィーちゃんの頭を鷲づかみにしていた。あれ……もしかして

 

【凄い魔力だ。一応警戒して置けよ】

 

心眼がそう言うが、警戒する必要は多分無い。俺の勘だけど……俺の後ろに居るこの男性は……

 

「久しぶりだな。我が愚娘よ」

 

「お、おおおお……お父さーん……」

 

あ、やっぱりブラドー伯爵だったんだ……ピートが絶句している中ブラドー伯爵は俺を見て

 

「我が愚娘が迷惑をかけていたようで申し訳ないな。後日謝罪に訪れよう、我を助けてくれた礼もしたいのでな」

 

いや別に俺そんなこと言われるようなことしてないんだけどなあ……

 

「では行くぞ。愚娘……お前には少々話をする必要がありそうだ」

 

「いやああああああ!?お話はいやああああああ!!!助けてぇ!!!お兄ちゃんッ!!!!」

 

「父さん。シルフィーをよろしくお願いします」

 

「裏切り者おおおおッ……」

 

号泣し、断末魔のような叫び声をあげながらブラドー伯爵に引きずられていくシルフィーちゃんを見て、悪いと思ったが、これで少なくとも今日は穏やかに過ごせると思い俺は安堵の溜息を吐くのだった……そしてシルフィーちゃんがいないので警戒する必要も無くなったのか、チビ達は机の上で丸くなり寝息を立て始めるのだった……

 

「ただいまー」

 

授業も終わり、寄り道もせずに家に帰る。帰る前にも言われたが、GS試験に合格している事もあるので、勉強が遅れている事も判っているのでボーダーラインはかなり低めにしてやるから、基礎の所をしっかり勉強して置けよと背中を叩かれた。基礎なら蛍にこれでもかと教えてもらっているので大丈夫だと思うが、テストって雰囲気は本当に苦手なんだよなあ……と思いながら家に帰ると靴が玄関に置かれていた。誰かお客さんか?と思いながらリビングに入ると

 

「忠夫、お帰り。カオスさん?が来てるわよ」

 

カオスのじーさんが?なんの用事だろうか?と思い。鞄をソファーの横に置いて、抱き抱えていたタマモをフローリングに下ろすとカオスのじーさんは俺を見てにかっと人のいい顔で笑いながら

 

「おう。小僧ずいぶん待たせたな、頼まれていた品物が出来たぞ」

 

カオスのじーさんがお袋と何かを話をしていた。一体何の話を……と言うか待たせたってもしかして!?

 

「ほれ、見てみろ。チビとモグラちゃん用の新しい台車じゃ」

 

机の上に置かれた金属製の台車を見て、肩の上のチビが目を輝かせ、俺の肩から机の上におり台車を確認してから、台車を回し始める

 

「みーむうう♪」

 

めちゃくちゃ楽しそうにぐるぐる回している。こんなに回転させて大丈夫なのかと見ていると

 

「心配ないわい、その程度で壊れるような柔な作りはしておらんわ」

 

かっかっかっと笑うカオスのじーさん。ここまで自信満々なら心配ないかなと見つめていると今度は机の上に水槽なような物を置いて

 

「これがモグラ用の玩具じゃ。好きに穴が掘れる、ここダイヤルを回すと土の固さを調整できる。そしてこの紅いボタンで砂をリセットでまた新品その物になるでの」

 

これは凄い……これならモグラちゃんも遊び放題だ。試しにダイヤルを適当に回して水槽の中にモグラちゃんを入れてみると

 

「うきゅー♪」

 

凄まじい音を立てて穴を掘り始める。物凄く生き生きしてる、やっぱりモグラだから穴を掘れると楽しいんだなあ……

 

「じゃあワシはそろそろ帰るかの」

 

「あら?折角ですから夕食を食べて行かれたら良いじゃないですか?」

 

お袋がそう笑ってカオスのじーさんを呼び止めるが、カオスのじーさんは笑いながら手を振り

 

「娘が待っておるんでの、勝手に食べて行くわけにはいかんわい。いじけてしまうからの、ではな小僧」

 

そう笑って手を振るカオスのじーさんに手を振り返し、お袋になんの話をしていたのか?と尋ねると

 

「あんたがどれだけ頑張ってるか?って話よ。美神さんとかにも聞いてみたけど、ずいぶん頑張ってるみたいで感心したわ」

 

そ、そう?お袋がそう褒めてくれたが、やはり褒められていない俺はその場に座り込み、足元に近寄ってきたタマモの背中を撫でるのだった……

 

 

横島が母親に褒められ困惑している頃美神はと言うと、琉璃からの連絡で深い溜息を吐きながら警察署へと訪れていた……なんで私がと思ったのだが、話を聞いて知ってるかもしれないと呟いたのが運の付き。そのまま半ば無理やり面倒ごとを押し付けられてしまったのだ

 

「何してるんですか、クロさん」

 

「あっははっ!すまぬ!まさか刀を携帯するのが行かん事とは知らなかったのだ!」

 

「ワンワンワン!!!」

 

昨晩銃刀法違反で警察に逮捕されたクロとシロの人狼の父娘の身元引受人となり、警察を訪れていた

 

「それで美神殿、申し訳ないが。横島殿の住居を教えてはござらぬか?娘が感謝を伝えたいと申しているのだ」

 

「ワンワン!」

 

クロの腕の中で吼える白い犬を見て、美神はまだ人化出来ないのねと呟いてから

 

「それは構わないですけど、刀は預かりますよ?また逮捕されたら面倒なので」

 

「う、うむ……それは仕方ないことでござるな」

 

若干不満そうに刀を差し出すクロから2本の日本刀を受け取ってから、美神は横島の家の場所の地図を描いてクロに手渡し

 

「これは事務所で預かります。事務所の場所は横島君に聞いてください」

 

判ったでござると返事を返し、恐ろしいスピードで走り出すクロを見ながら、美神は深く溜息を吐き、日本刀をコブラの後部座席に置き事務所へと引き返していくのだった……

 

 

 

いつになったら最後の尻尾が戻るのかな?横島の膝の上で丸くなりながらそればかり考えていた。霊力も妖力も回復し、自分で言うのもなんだが既にもう万全と言うレベルなのだが、まだ最後の尻尾が戻らない。更にはこれだけ力が充実しているのに人化も出来ない

 

(暇……)

 

最近は満月の時でも雲が出ていて話も出来ないし、なんか妙に眠いし……本当に暇である

 

「みむ!」

 

「うきゃーッ!!!!」

 

ぐるぐると台車を回して遊んでいるチビとモグラに子供は元気でいいわねーと心の中で呟いているとチャイムの音が響く

 

「お客さんかな?ちょっと見てくるわ」

 

横島がそう言って立ち上がろうとすると、ノッブが

 

【ああ。ワシが行こう。久しぶりの親子で過ごす時間じゃろ?ゆっくり話をすればいい】

 

横島を制し、玄関へ向かう。お調子者って思っていたけど、案外そう言う所はしっかりしているのね

 

【横島ー?なんか知らんおっさんと犬が来てるぞ?】

 

おっさんと犬?なんと言う組み合わせだろうか?と私が首を傾げていると

 

「くははっ!おっさんは酷いな!」

 

「ワンワン!!」

 

この声って!?思わず顔を上げると玄関のほうから白い子犬が走ってくる。間違いない

 

「コン!(シロ!)」

 

「ワンワン!(タマモ!)」

 

妙神山で出会ったとき見捨ててしまったシロの姿だった……

 

「ほほう。横島殿の母上でござったか。拙者は犬塚クロと申す。横島殿に助けられた人狼でござるよ」

 

「ご丁寧にどうも。忠夫の母の百合子です」

 

シロの父親だと言うクロと話をしている百合子を見ながら、私は近くに近寄ってきたシロに

 

「ココーン?(元気?)」

 

「ワンワン!(それなりにござるよ!)」

 

うんうん、元気そうでなによりね。ただ私が妙神山で見捨てたことは明らかに根に持ってそうだけど……

 

「ワンワンワン!(所であの動物は?)」

 

机の上からシロを観察しているチビとモグラについて尋ねて来るシロ。ああ、これは説明しておかないと駄目ね

 

「クウン!コン!ココーン!(横島が大事にしている妖怪。攻撃すると怒るわよ)」

 

横島がとても大事に育てているので危害を加えちゃ駄目よ?と説明する。それに2匹とも中々強いので戦うのも正直危険である。見た目はハムスター程度だが、実際はかなり強いのだから

 

「……」

 

いぶかしげにこっちを見ているシズクの視線がどうも気になる、私とシロが仲良さげに話しているのが気になっているんだろう。シロもシズクを見て

 

「ワン(誰?)」

 

知らない顔が当然のように横島の家に居るので困惑しているシロに、めちゃくちゃ危険な奴だから。小竜姫と同じく竜。ええええ!?っと怯えているシロに気をつけたほうが良いわよ?と注意しておく

 

「所でクロさん。娘さんは元気に?」

 

「うむ、元気でそこを駆けているだろう?」

 

横島の視線がシロに移り、横島は何回か目を擦ってから

 

「犬ですけど?」

 

「はっはっは!!!娘はまだ人化が思うように出来んのだ。それはほれ、こうすると」

 

クロがシロを抱き上げて首に精霊石のペンダントを下げると、ぽんっと言う乾いた音を立てて

 

「せっしゃがシロでござるよー、せんせー」

 

「犬が幼女に!?」

 

シロが人間の姿になり、手を振るのを見て驚いている横島。私はシロが首に下げている精霊石を見て、あれ?もしかして私も精霊石で人間になれる?とは言え狐の姿じゃ取ることなんて出来ないしなぁ……

 

「せんせー、父上たすけてくれてありがとうでござるよー」

 

「いやいや、そんな大層な事をしたわけじゃないぞ?」

 

せんせーせんせーといわれて困惑している横島に対して笑顔のシロ。そう言えばなんであいつは横島の事を先生って言うんだろうか?

 

「元気そうな娘さんですね」

 

「ええ、拙者にとっては命よりも大事な娘ですよ」

 

百合子とクロが話をしていると横島が立ち上がって箪笥から精霊石のペンダントを取り出して

 

「へー精霊石で人間に成れるのか。もしかしてタマモもそうかなあ」

 

のほほんと笑いながらペンダントを手に私の前に座る横島。なんと言う幸運……!横島の考えたら直ぐ実行と言う考えたかに感謝だ

 

【それは面白そうじゃな!やってみるぞ!】

 

「だよなだよな!」

 

【横島精霊石は遊び道具ではないのだぞ?】

 

私を遊び道具にしているのは正直困るが、これで人間になれるならと横島から首にペンダントを掛けられる。するとぽんっと言う音を立てて視界が高くなる。

 

「おお!やっぱりだ!良かったなタマモ!」

 

【ワシよりも少し年下って感じじゃな!】

 

シズクがしまったという顔をしているのを見ながら、首から下げたペンダントを外す。またぽんっと言う音を立てて視界が低くなる。これを数回繰り返してから

 

「……私の馬鹿ぁッ!!!」

 

精霊石なんてずっと横島の家に置いてあったのに!今の今までこんな効果があるとは知らず、目の前にあったにも関わらず触ろうともしなかった。もし触っていたらもっと早く人間の姿になって横島と話すことが出来た。その事に気付いた私は思わずその場に泣き崩れるのだった……

 

「た、タマモ!?急に泣き出してどうした!?どこか調子が悪いのか!?」

 

おろおろと慌てながら駆け寄ってくる横島に自分の馬鹿さに悲しくなって泣いているとは言えず、ううっと泣き続けるのだった

 

「なんと妖狐でござったか。シロ、仲間だぞ?友達になったらどうだ?」

 

「タマモとは仲良しでござるよ!父上」

 

「あら?可愛いわね。この際離婚するついでにタマモちゃん養子にしちゃおうかしら?」

 

泣き崩れるタマモの近くでクロ達がそんなのんびりとしたやり取りを行っている頃ナルニアでは

 

「アメリカのチケット1つ!!!!」

 

「は、はいいい!!!」

 

大樹がボロボロになりながらも無事に空港に辿り着き、日本へ向かう為に動き出しているのだった……

 

 

リポート3 父来る その3へ続く

 

 




父。ブラドー伯爵・クロが来て、そして大樹も日本へ向かって出発しました、ここでシロが登場し、精霊石で人間になれるのを見て泣き崩れるタマモとカオス100%でお送りしています、そして大樹が来る=妻と死に別れ組みがエキサイトする結果となるでしょう。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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