GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
どうも混沌の魔法使いです。今回は横島と蘆屋の戦いをメインで書いて行こうと思います。美神達が合流してくるのは次回になるかなと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
リポート26 妖怪病院 その9
緋立病院に向かっている美神達は緋立病院の方から天に向かって登る霊力の柱を見て、自分達の危惧している展開になっていると確信した
「不味いわねッ! ちょっと飛ばしていくわよッ!!」
もう十分飛ばしている。だがこれだけ離れていても響いてくる霊力の波動に美神達は激しい焦燥感を感じた、何故ならばチビ達が居るとはいえ、横島1人。それに霊力を持たない民間人が2人……それだけのハンデを背負って戦えるだけの経験が横島には無いからだ
「あの感じ……真っ当な霊力ではないですね」
「濁り切ってて気持ち悪くなるわね」
くえすとタマモが顔を顰めながら告げる。それは勿論美神も感じていた、神族の神通力、魔族の魔力とは違う。完全な人間の霊力なのだが、それが濁りきっている……人間でありながら魔族に近い魔力を発しているのだ。それはつまり姿は人間だが、もうその魂は人間ではないという証拠だった。
「聖奈さんとかの助っ人を受けるべきでしたか」
「……それは考えたけど無理」
余りに派手に聖奈達が動き回ると、人間界の霊力のバランスを崩すことになる。それにもしこの霊力の反応がガープとかならば、それも叶うが、人間界レベルの悪霊や魔族の出現に上級神魔である聖奈に助っ人を頼むことは難しい。
「シズク!先行出来ないッ!?」
「……出来るならしてる」
シズクの苛立った声に美神は舌打ちする。水を媒介にした転移で一気に横島と合流して貰おうと思っていたのだが、それも叶わない。
「おキヌちゃん!先行して!精霊石と粉末!それと聖水を持っていって!」
【は、はい!判りましたぁッ!!】
おキヌが美神の指示で精霊石などをまとめてある袋を抱えて、バンの天井から飛び出していく
「美神殿!おキヌ殿だけで大丈夫でござるか!?拙者も!」
「あんたはおとなしくしてなさいッ!」
自分もとと飛び出していこうとするシロを美神は一喝して止める。くえすも車から出ないのは、この周辺の空気が既に瘴気と呼ぶに相応しいレベルにまで歪んでいるからだ。おキヌを先行させたのは、精霊石を所持している上に空を飛ぶ事が出来るので一直線に向かうことが出来るから選んだのだ。だが走って行くシロでは、辿り着く前に瘴気に倒れる可能性もあり美神はシロを止めたのだ。
(無事でいてよ、横島君ッ!)
前々から感じていたが、全ての事件は横島を中心にしておきている。ありえないと一蹴したわけだが、今回の事で、本当にその通りなのかもしれない……思い当たる節はあまりにも多すぎる。美神は激しい胸騒ぎを感じながら強くアクセルを踏み込み、緋立病院へ向かう山道に向かってハンドルを切るのだった……
~横島視点~
蘆屋の放った特大の霊波砲……俺は勿論、牛若丸も反応出来なかった。つまりあの攻撃を防いだのは心眼と言うことになる。
【すまん、文珠を使った】
脳裏に響く心眼の謝罪。文珠は極力使うなと言われていた、それだけ稀少な霊具であるのと同時に俺が作れると判ると俺の身が危ないと言う美神さん達の助言だった。正直な話それだけ貴重な道具と言われても正直ピンと来ないし、なによりも使わなければ防げなかったとなれば心眼に感謝こそすれど、責める訳も無い。まぁ神魔にばれたとしても、正直なるようになれとしか言えないし、使えば生き残れると判っているのならばそれを使うのを躊躇う馬鹿はいない。
(それよりも今はあいつを何とかしようぜ)
蘆屋は今も健在だ。ダメージが通らないのだから、それも当然だが……いつまでも相手に攻撃を仕掛けれないのではジリ貧だ。なんとしても突破口を見出す必要がある。
【主殿、どうしますか?】
俺は正直に言うと、今使えて神魔眼魂を除けばもっとも能力の高いグレイト魂にチェンジするつもりだった。だがグレイト魂はヒミコ魂に変化していた。それはグレイト魂がヒミコ魂が有効だと判断してくれたと思いたい、正直このド派手なピンクはどうかと思うが、まずはなによりも命は大事にだ
「まずは様子見、突破口を見つけたら一気に其処から突き崩す」
【心得ました。では私が先陣を切るとしましょうか】
私服の上に鎧甲冑……痴女使用はそれはそれで駄目だけど……これはこれで似合わない
(だよなあ)
カジュアルな服の上に鎧……上手く言えないけど、これじゃない感が凄いが……本人が大して気にしてない様子なのでそれを指摘するのは正直どうかと言うものだろう
【あああーー】
【ぼうらあーッ!!】
【ぎっぎっぐやあーあーッ!!】
奇声を発して近づいてくる手足が人間ではない兵士達。その哀れな姿を見ると蘆屋に対する激しい怒りがふつふつと湧き上がってくる
「おやおや、そんなにもその兵士達が哀れですかな?ですが、彼らは力を求めた。その結果がその姿、何も嘆くことも怒ることもありませんよ」
仮に力を求めたとしても、まさか自分がこんな姿になるなんて思っても見なかっただろう。蘆屋によって改造され、人間としての姿も尊厳も失い、ただ蘆屋に使役されるだけの哀れな兵士……俺には恐ろしいと思うよりも先に、可哀想と言う気持ちと彼らをこんな姿にした蘆屋に対する激しい怒りがふつふつと沸いて来る。
「てめえはもう黙れ、ぶっ潰してやる」
「良いですねえ、その純粋な激しい怒り、私には理解出来ない物ですが……くふふふ、そういう正義感に溢れている人間を叩き潰すのが私の趣味なのですよ」
……ほんとーにいい性格をしてやがる。今すぐにでもあいつを叩き潰したいが、まずは今俺達に近づいて来ている亡霊兵士を突破し、蘆屋の懐にまで飛び込む必要がある。
【怒りは判るが、我を見失うなよ】
心眼の助言に判ってると返事を返す、相手の性格が最低最悪で、しかも俺と同じ陰陽師。下手に近づけば、そのまま罠に囚われて捕まるかもしれない。相手にどれだけむかついているとしても冷静に相手の策略に引っかからずに冷静に対応する
「行くぜ、牛若丸」
【はい、参りましょう】
俺と牛若丸に近づいてくる異形の兵士を見つめ、俺と牛若丸は同時に地面を蹴って走り出すのだった……
~牛若丸視点~
人の身体に獣の手足……人間の知性を持った獣と考えればそれは優秀なのかもしれない。だが肝心の人間の面が既に死んでいれば、それは唯の歪な異形に過ぎない
【シッ!!】
擦れ違い様に一閃し、そのまま半回転して振り下ろされた巨大な蟷螂の鎌を受け止める。確かに昆虫の力を人間の大きさで振るうと考えれば、それは凄まじい脅威だ。だが狙いは甘い、そして唯の力任せの攻撃ともなれば囲まれる事さえ避ければ脅威とは足りえない。
【うあああ……】
【ギグギ】
【グルアアアアッ!】
「ふふふ、兵士はまだまだいますよ」
蘆屋の影から次々と出てくる兵士達。そのどれもが既に死んでいるのを無理やり使役されていると思うと哀れにも思うが、今は敵同士。自分達が生き残ることだけを最優先で考える
「せいッ!!」
【ギシャア!?」
主殿の動きはやはりぎこちなさが残っている。だが、私や信長との修練のおかげか、刀を持つ握り、足捌きはやはり格段に良くなっている
「このっ!!」
敵の攻撃を刀の腹で受け止め、そのまま半回転し薙ぎ払う、そしてそのままの勢いで刀を振り上げ敵の一撃を防き、蹴りを叩き込んで相手を吹き飛ばす。
(これだけの動きが出来るのに何故、こんなにも自己評価が低いのか……私には理解できません)
左右から迫ってくる異形の拳を地面を蹴って回避し、私に向かって伸ばされている手の上に着地し、主殿の方に向かって走る
「【はっ!!】」
互いの影から姿を見せた異形を同時に切り裂き、互いに背中に会わせで合流する。
【流石心眼殿ですね】
【ふん、私が言う前に横島が気付いていた】
心眼殿の言葉にそれは失礼と返事を返しながら、周囲をうかがう。姿は見えないが、肌に突き刺さる殺気は時間が経てば経つほどにその数を増している。
(なぁ、牛若丸。おかしいとは思わないか)
主殿の問いかけに私もそう思いますと返事を返す。先ほどまでの恐ろしいまでの波状攻撃が姿を消し、今は異形の兵士とメインとした包囲網を作る戦闘スタイル、私の力を主が使っていた時の炎で私達を追いまわす攻撃は兵士を召喚しだしてから使っていない
「それ、参りますぞ」
「炎と雷だッ!」
4本の腕に持っている巨大な札による、広範囲に広がる陰陽術を使ってくる。だがそれは細かい制御が出来ておらず、私や主殿は勿論。兵士さえも巻き込む広範囲攻撃にこそなっているが、狙いは甘く私の機動力を持ってすれば避けることは容易く、さらにそこに主殿の予知能力が加われば対処すること事態は容易い。
(どう見る?)
(おおよその推測になりますが……あの力を長時間は維持出来ないのではないでしょうか?)
巨大化することによる範囲攻撃、周囲の兵士を取り込むことで増大した霊力による強力な攻撃。それらはどれも強力な攻撃だが、それに伴う霊力の消耗とて激しいはずだ。
(賭けだけど突っ込むのはどうだろう?心眼は慎重になれっていってるけど)
慎重になるのも必要な事だと思いますが、敵の戦力が未知数で戦えるのが私と主殿と数が限られている事を考えれば私の判断は1つ
【前に出ましょう】
戦力差は明らか、このままでは私も主殿は勿論。チビ達や主殿の旧友の命も危なくなる、それならばまだ動ける内に、まだ私も主殿も体力にも霊力にも余裕があるうちに前に出るべきだ。
【……仕方ない、霊力の流れは私が読む。危険だと思えば止めるぞ】
心眼殿の呆れた様な言葉を聞きながら、私と主殿は地面を蹴って蘆屋の元へ向かって走り出すのだった……
~ベルゼブル視点~
異常な霊力の付近に横島の霊力を感じて様子を見に来た(断固助けに来たわけではない)のだが、そこにルイ様とルキフグスがいて、私は近くに行く事を禁じられてしまった。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。ベルゼブル」
「……慌ててなどいないのですが……」
「ベルゼブル、物凄い足踏みしてますが?」
ルキフグスに言われて気付いた、確かに右足が小刻みに動いて貧乏ゆすりをしている。そしてそんな私を見て、ルイ様がとても微笑ましい物を見るような顔をしている
「……死にたい」
「死んでもいいけど、また復活するだけだよ?」
……物凄く真面目に返答されて、さらに悲しくなった。どうして横島が関わると私はここまで平常心を失うようになったのか……自分の事ながら理解出来ない。
「さてと、ベルゼブル。この状況をどう見る?」
「……正直に言いますと、応援は必要ないかと」
私の言葉にルイ様はその通りだねと笑う。確かにここにきた時は焦っていた、だがこうしてルイ様に玩具にされ、ルキフグスの慰めるような視線に晒されていると嫌でも精神が落ち着いてくる
「でやああああッ!!!」
愚直に、ただただ愚直に前に進むだけ、一杯一杯になっているのは判る。だがそれを補って、導く心眼がいる。だからこそ横島は本能と言うべき荒々しい動きで前に進んでいるのだが、その中にも日々の修行で身に付けた技が出ている
「横島は面白いね」
「そうですね……とても面白いです」
才能の塊の癖に、自分に自信が無くて自分だけではない、他人のためにも全力で頑張れる。本当に面白いというか、見ていて飽きない奴だと思う。
「おーりゃあああーッ!!!」
走りながら胴を切り払い、逆袈裟で相手の腕を切り裂いて、拳を相手の顔面に叩き込む。型なんて無い、でたらめな動きに見える。だがその実、どの動きにも決められた動きや足捌きが見え隠れしている。
(静と動を意識せずに組み合わせるか……)
普通はどちらか1つだが、横島には経験も知識も無い。例えるのならば無地の紙か澄んだ水だ、どんな色に形にもなるし、どんな色にも染まる。横島と一緒に巨大な亡霊へと駆けている英霊の動きも真似し、1秒前の横島よりも、今の横島の方が強い。自分に必要な物、自分の戦い方に合致すると思えばどんな動きでも学習し、自分の物とする。
「横島は天性の持ち主ですね」
「そうだね、知識が無いって言うのがこうもプラスに働く男と言うのは見たことがないよ」
知識があって応用がある、それが普通だ。だが横島の場合、応用から覚えてそこから普通を覚えていく、何もかも本当にちぐはぐな男だ。
(む、あれは……)
フェンリルもどきと戦った時に見せた、攻防一体の構え。敵の攻撃を受け止めると同時に重心を変え、敵の動きを利用して受け流し、背後に回りこむ。鎧を展開していれば、そんな小細工は必要ない。だが生身の時で戦う時に覚えた私独自の剣術……それすらも組み込んでいるか……なんとも強欲な男だ
「ベルゼブル。凄く嬉しそうだね」
「どうぞ」
すっと差し出された鏡に映る私の顔は嬉しそうと言うよりも、だらしなく緩んでいるとも言える顔で……
「だから!なんで!横島と関わると私は変になるッ!!」
「いやいや、面白くていいよ。ベルゼブル、もっと私に愉快な物を見せてくれ」
「お褒めに預かり光栄ですッ!!!」
半分切れながらルイ様に返事を返す。ルイ様に喜んで貰えるのは何よりも喜ぶべきことだ、だがそれが自分でも制御出来ていない感情となると話は別だ。上手く説明出来ないが、恥ずかしさだけが胸を満たしていく
「つまり横島といるとこうなる、そう、恋愛雑魚だ」
「……あの正直それはどうかと思うんですけど」
頭を抱えて呻いているベルゼブルを見て、これほど楽しい物は無いと笑うルイと、同僚が上手く説明出来ないが大変なことになっていると理解したルキフグス
「なに、心配することはない。横島と関われば、直ぐにお前もこうなる」
「……あの帰ったら駄目でしょうか?」
「駄目に決まってるだろう?それだと私が楽しくないじゃないか」
ルイの言葉にルキフグスは死んだ目でそうですねと小さく呟く、でも自分は大丈夫かもしれないと思っていたルキフグス。だが彼女もまた、ルイをこれ以上無いほどに楽しませる事となるのだった……
~横島視点~
蘆屋に改造された兵士の勢いは留まることは無く、むしろ近づけば近づくほどにその勢いを増していた。だがそれに反比例するように、蘆屋からの妨害は減り、ついにはその姿も巨大な亡霊から元の人型に戻り、俺達の動きを拘束するような陰陽術に切り替えてきた。それは蘆屋の霊力が尽きかけているという証拠に思えた。だが、牛若丸も霊力も消耗がかなり激しいのか、その姿が壊れかけのTVのように明暗を繰り返している
【すみません!私はここまで……】
6つ腕の異形の兵士の頭を斬り飛ばしたと同時に眼魂に戻った牛若丸。眼魂が地面に落ちる前に駆け出し、眼魂を拾い上げる。
(お疲れ様)
俺の消耗を少しでも少なくしようとして、限界を超えて頑張ってくれた牛若丸に労いの言葉を呟く、もし牛若丸がいなければ、俺もとっくの昔に限界を超えていたかもしれない。それだけ、蘆屋の召喚する敵の数には限りが無かった
「本当に素晴らしい力ですよ。よく2人でここまで戦ったと褒めて上げたい位です」
口調こそ穏やかだが、その目は赤く光っており蘆屋が激しい怒りを覚えているのが良く判る。それとも霊力の消耗が限界なのか……どっちにせよ、向こうもそろそろ限界が近いと見て間違いないだろう。
「へえ、褒めてくれるって言うなら、何かくれるのか?」
何百体切り倒したかは判らないが、俺の手も振るえガンガンブレードを握る手も、俺自身の汗なのか、それとも敵の血なのか、ぬるぬると滑っている。下手をするとすっぽ抜けそうなのが怖いところだ
「そうですねえ、貴方を思いっきり改造するのも楽しそうだと思いませんか?」
むき出しの悪意って言うのはこんなにも恐ろしい物なんだな……姿は人間なのに、その考え方も行動も人間とは程遠い。怪人とでも言うべき存在を目の当たりにし、霊力に飲み込まれると大変なことになるという言葉の意味を……俺は知ることになったのかもしれない。霊力を扱う者ならば、そのすべてが警戒しなければならない霊力に飲み込まれた者の末路とでも言うべき姿は俺もなりえるかもしれない可能性なのだと思うべきなのだと思った。
「ですが、それもまた難しいでしょうなあ……」
にやにやといやらしく笑う蘆屋の影から、再び改造された兵士が姿を見せる。だが今までと違うのは、蘆屋の背後に黒い穴が開いている事だ。
「大変楽しい時を過ごす事が出来ましたが、それもここまで、ではまた何れ、名も無き大地の精霊が眠る場所ににてお会いしましょう」
「ま、待て!逃げるなッ!!」
蘆屋は危険だ、ここで逃がすわけには行かない。ガンガンブレードを変形させて、霊波砲での狙撃を狙う
「くふふふ、無駄ですよ」
【【【【アアアアーッ!!!】】】】
「クソッ!!」
亡霊兵士が蘆屋を庇うように立ち塞がり、霊波砲は蘆屋にまで届かない。そうしている間にも蘆屋の身体は既に腰まで消えている……
「くそッ!間に合えッ!!!」
ゴーストドライバーのレバーを掴んで引こうとするが、それよりも早く蘆屋の身体は消えてしまいそうだった
「ふふふふ、もう間に合いませんよ【てええーいいッ!!!】ギッ!?」
空中から聞えてきたおキヌちゃんの声、そして投げ付けられた精霊石の光が蘆屋を包み込んだ。
「今だッ!!」
【ダイカイガン!ヒミコ!オメガドライブッ!!!】
普通に攻撃したら蘆屋にまでは届かない、腰を深く落とすと同時に地面を蹴り回転しながら飛び上がる。俺の動きにそって霊力の竜巻が発生し、俺を囲んでいた亡霊兵士を巻き上げ浄化していく……
(そうか、これがヒミコ魂の能力か)
蘆屋の無敵能力も消し去っていたし、何よりも何の苦しみも無い表情で消えていく亡霊兵士を見て、ヒミコ魂の能力は悪霊を浄化する能力。それに特化しているのだと確信した、最大まで上昇すると同時に半回転し、空中に作り出したサイキックソーサーの上に着地すると同時に爆発させる。
「いっけえええええッ!!!」
眩いまでに輝くピンクの光に包まれながら、俺は全力で蘆屋のがら空きの胴体に蹴りを叩き込んだ……のだが、蘆屋の身体は煙と共に消え去り、ゆっくりと俺の手の中に何かが落ちてきた
「これは……」
それは焼け焦げた紙で出来た人型だった。その焼け焦げた場所は俺の蹴りが命中した場所と全く同じ場所だった
【変わり身だ。いつからすり替わっていたんだ……】
なんとしてもここで倒すと決めていたのに……結局は逃げられてしまった訳……か。
【横島さん、大丈夫ですか?】
「あーごめん、無理。後よろしく」
おキヌちゃんの返事を聞くよりも先に、変身が解除され、俺はそのまま背中から倒れこみながら意識を失った。体力の消耗も霊力も消費も限界を超えていたし、何よりもしとめ損ねたと言うのが大分堪えた……紛れも無く、俺は蘆屋を追詰めていたはずなのに、自分でも気付かないうちにすり替わっていた。それは俺と蘆屋の間にとてつもない力の差があるように思えた……
(蘆屋……道貞……か)
その名は決して忘れてはいけない、ゆっくりと消えていく意識の中……俺の心に蘆屋の名前と容姿は深く刻まれた。上手く説明出来ないのだが……俺は蘆屋を知っている……そんな気がしてならないのだった……
リポート26 妖怪病院 その10へ続く
初動の遅れと言うか、先行していた横島に最後まで追いつけない形になってしまいましたが、美神達が横島に合流出来なかったのもちゃんと理由があります。それは次回の方で書かせていただきたいと思っております、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い