GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回も同窓会と言う事でふるい友人同士の話と言う感じで4つくらいの視点で書いていこうと思います。
今後の話や第3部などにも関係する話になるので、今回の更新もどうかよろしくお願いします


その3

 

 

リポート27 同窓会 その3

 

~冥華視点~

 

性別、経歴などが一切不明の躑躅院。中世的で美しいが、それと同時に冷酷な光を宿す彼(彼女?)については六道の家の力を使っても、その経歴を完全に調べることは出来なかった

 

『冥華さん。悪いが、私の方も駄目だなあ』

 

「そう~ごめんねえ~一条さん。今度、何かお返しするわ~」

 

六道を初めとしたかつて陰陽寮に所属していた六家。一条・二条・九条・土御門・近衛・六道の六家、血が薄まり、既に霊能者としては滅んでいる家系は決して少なくは無い。命がけの除霊、そして日本政府からも信頼が厚いと言えば聞こえは良いが、その反面殉職率は高い。六道家も高島が残した式だがその中にはかつて、躑躅院と親交のあった家もあるかもしれないと電話をして回っているのだが、一番最有力の一条は駄目だったか……

 

『その代わり蘆屋は見つけたぞ、世界大戦の始まる前……えっとお……昭和13年に一条家に一時駐在しておった』

 

その年代と言うと一条家が廃れ始める前……いや、正しくは霊能を捨てる前だったと記憶している

 

「もしかして奪われたの?」

 

『だはは……面目ない』

 

私の本来の口調に一条家の前の当主は取り繕ったように笑い謝罪した。

 

『じゃがな、あの当時の一条家で最強と言われた隠を抵抗すらもさせずに殺害し、逃亡されてはなぁ……』

 

「隠蔽したわけね、貴方のお父様が」

 

『そうなるな。それにあの自分はワシは父上の命令で山奥に疎開しておったしな』

 

霊能を捨てたのではなく、捨てざるを得なかったと言う事なのね。それだけ蘆屋と言う男の霊能はずば抜けていたと見て間違いないだろう

 

「ありがとね~また何か判ったら~教えて~」

 

『おうともさ、じゃが最近きな臭い。そちらも気をつけるんじゃよ』

 

心配してくれてありがとねーと返事を返し、受話器を置く。一条家の霊能は確か、使役した動物の召喚……横島君達のような妖使いではなく、意思を完全に剥奪して使役する。

 

「……なるほどね、大体カラクリが見えてきたわ」

 

一条から使役術を奪い

 

二条から霊力のコントロールの術を学び

 

九条からは結界術を奪い

 

土御門と近衛はまだ判っていないが、確実にその家の霊能を奪っているのは間違いないだろう。

 

「……土御門からは陰陽術で、近衛からは治癒術と言うところかしらねぇ」

 

まだ連絡がついていないが、その家の霊能に関しては十分に理解しているつもりだ。六道に来なかったのは12神将は六道の血にしか、基本的に従わない。奪っても使役できないのでは意味がないと考えたのだろう

 

「出来れば躑躅院の事も知りたいんだけどねぇ」

 

蘆屋は当然陰陽師としては危険すぎる、それに日本陸軍に所属していたと言う事までは判明しているが、それ以外の経歴は一切不明だ。それに加えて躑躅院も判ってることの方が少なすぎる

 

(……六道と敵対関係って言うのも不安なのよね)

 

高島と婚姻関係にあった躑躅院、だが肝心の高島はまだ妻となる少女が幼いと言う事で正式に婚姻を結ばず、自身の陰陽術を伝えた。そして藤原の姫や、輝夜と交友を深め、そして六道の家には12神将を残した。それがどれだけ躑躅院のプライドを傷つけただろうか……そうなればその子孫の躑躅院も六道に深い恨みを抱いている可能性は高い。そんな事を考えていると電話が鳴る

 

「はい~もしもし~」

 

『どうも、六道冥華。私です、躑躅院です』

 

アポイトメントを取っていた土御門か、近衛と思っていたのに電話を掛けてきたのは躑躅院だった。予想外の相手からの電話に受話器を握り締める手に自然に力が篭もった

 

「どうしたのかしら~?」

 

『いえ、日本政府から日本で大きな災害が起こるかもしれないと聞きまして』

 

……あの糞狸共。一番流してはいけない情報を躑躅院に流しやがったわね……

 

『何かお力になれることもあるかも知れないので、私も東京に向かおうと思うのです』

 

「ありがとね~じゃあ来てくれるのを待ってるわぁ~」

 

思う事はある、互いに互いに互いの腹の探りあいと言うことも判っている。だが、ここで臆していては躑躅院の情報を手に入れることは出来ない。罠だと判っていても、それに乗る必要がある

 

『ただし、向かうのは私だけになりますがね』

 

それも予想通りの返答だ、躑躅院の力は未知数だ。それを知る機会を逃す手は無い

 

「来るのを待ってるわ~」

 

どこまで信用できるかは判らない、だが日本が消滅しては元も子も無い。この機会が躑躅院の力を見る最初で最後のチャンスだと思い、私は躑躅院を招き入れる事を決めるのだった……

 

「ボスよぉ、あんまり単独行動をするのはあっしとしてはどうかと思いますぜぇ?」

 

「ふふ、必要なことだよ。道真、向こうが苦しいからこそ、私の手を取るしかないのだから」

 

随分と性悪なこってと道真は肩を竦める。自分のボスの悪辣さは知っていたが、こういう時は本当に生き生きするんだからと苦笑する

 

「それよりもだ。少し休む、後は任せるぞ」

 

「へーへー。判りやしたよって言う傍からかい」

 

躑躅院の頭がガクンと落ち、道真は慌ててそれを支える。そして暫くすると顔をゆっくりと上げる、だがその目に先ほどまでの冷酷とも取れる意思の光は消えていた

 

「さ、行きましょうね。いまはゆっくり休んでくださいな」

 

ぼんやりしている躑躅院の手を引いて、道真は部屋を出る。手で目を擦りながら躑躅院は大きく欠伸をする

 

「眠いんですかい?」

 

「どうだろ……良く判んないや、そうだ、それより横島!横島に何時会える?」

 

「きっと近いうちに会えますよ、さ、今は寝ましょうね」

 

華のように笑う躑躅院を寝室に案内し、その部屋の前にどっかりと座り込んだ道真は舌打ちする

 

「ちっ、胸糞わりぃ、何が躑躅院の最高傑作だよ。くそが、これから狂人と関わるのはごめんなんだ」

 

躑躅院の本当の姿を知るただ1人。鷲羽は腕を組んで目を閉じる、己を縛る契約。それとは別に力になりたいと思っている自分を嘲笑すると同時に、そんな自分も決して嫌いではないのだから……

 

 

 

~くえす視点~

 

イギリスの魔鈴めぐみから受け取った魔道書に挟まれていた機密文書の解読……それは思った以上に難航していた。

 

「これが……いえ、違いますわね。ではこれ……文脈がおかしいですわね」

 

判っていることはこのイギリス政府が隠していた魔道書が何か、そうとてつもなく強力な魔道書の1ページと言うことだ。しかし、その文は古代文字で書かれており、しかも中世の時代の魔法を前提にして書かれていることが、解読の難易度を恐ろしいまでに上げていた

 

「……くえす様。お客様です」

 

「今忙しいから追い返しなさい」

 

妖精メイドに追い返しなさいと即座に返す、これが横島なら考えるが、客と言う段階で横島ではない。ならばわざわざ会う必要は……

 

「いえ、待ちなさい。尋ねて来たのは誰ですか?」

 

「ドクターカオスです」

 

……ヨーロッパの魔王の異名を持つドクターカオスなら解読のヒントになるかもしれない、そう思いメイドにやっぱり招き入れるようにと声を掛ける

 

「ぬお、随分と酷い有様じゃのう」

 

「うるさいですわ、それで何の用ですの?」

 

解読する為に山積みにしている魔道書を見て、叫ぶカオスを睨むとカオスは肩を竦める。

 

「悪いんじゃが、これに魔法を込めてくれるかの?」

 

「……自分でおやりになればいいでしょう?」

 

私の言葉にカオスは苦笑し、机の上に銃弾を置く。白銀の弾丸が5つだ、随分と珍しい物を持って来てますわね。

 

「黒魔術も白魔術も両方扱えるが、やはり専門とは言いがたいしの」

 

「はいはい、判りましたわよ。きっちり対価は貰いますからね」

 

判っておると返事を返すカオスに頷き、読んでいた魔道書を閉じて注文された魔法を銃弾に込めていく

 

「毒に、成長阻害に壊死……一体何に使うつもりですの?」

 

「詳しくは説明できんが、必ず役に立つとだけ言っておくかの」

 

考えられるのは緋立病院で私達を襲った昆虫の群れ、それに対する対抗策と言う所ですかね。あの時は私とタマモの最大火力で薙ぎ払いましたが、それもそう連発出来る物ではない。別の方法で相手を楽に殲滅できるのならばそれに越したことは無い

 

「それで対価は何を支払えばいい?」

 

「これを」

 

私が解読している魔道書のページを見せる。するとカオスは深く深く溜め息を吐く

 

「馬鹿なイギリスじゃな、これはの、卓越した黒魔術師と白魔術師で無ければ解読できん」

 

「え?」

 

「つまり1人じゃ解読出来んのじゃ、悪いがワシはもう歳じゃからお主の魔力量に合わせることは出来ん。知人に白魔術に優れている人間がいるなら呼び寄せることじゃな」

 

今までの私の苦労が全て無駄……そう聞いて激しい怒りを覚えたが、これ以上時間の浪費をしなくて済んだと考えればそれは決して無駄ではないと思う

 

「ではカオス、悪いですがイギリス政府に圧力を掛けてくださいますか?魔鈴めぐみが日本に来れる様に」

 

「……仕方ないのう……家に帰ったらすぐにやるわい」

 

めぐみは押しに弱いので、政府に駄目と言われたらそれで引き下がってしまう。ここはカオスに頑張ってもらうとしましょう

 

「もしもし、めぐみですか?」

 

『くえすですかあ……?解読出来ました?』

 

私と同じで行き詰っているであろうめぐみにすぐ連絡を取る。時間の無駄は少しでも早く終わらせるべきだ

 

「なんでもそれは白魔術師と黒魔術師が協力しないと解読出来ないそうですわ」

 

『ええ!?な、なんですかそれは!!何処情報です?』

 

「ドクターカオスですわ」

 

ドクターカオスの名前に真実なんですねっと疲れた様子で呟くめぐみ。小声で数ヶ月無駄になりましたと呟いているので、そこは哀れに思う

 

「カオスがめぐみが日本に来れるように圧力をかけるそうですから、解読は暫く諦めることですわね」

 

『ほんとですか。もう私イギリス政府の無茶振りに疲れましたから、早く呼んで下さいね』

 

凄く嬉しそうにしているので、下手をすれば日本が沈むかもしれないというのを伝えるのは止める事にし、他に出来る魔道書の分析を勧めて電話を切る。

 

「さてと、私も気合を入れて行きますか」

 

切り札になると思っていたのが、切り札所か完全にゴミ札だった。だが早い段階で判明してくれて良かった、今ならばまだ準備は間に合う、美神達が準備を整え再び東京を発つ前に私も準備を進める事にするのだった……

 

 

 

~ルイ視点~

 

暇つぶしでオーディンの所に顔を出すと珍しい顔があった。片腕を失ったアマイモンだ、まさか魔界正規軍でこいつの姿を見るとは正直よそ以外だね

 

「へえ、アマイモンじゃないか。なにをしてるんだい?」

 

自分の部下であるはずのアスモデウス達が大騒動を起こしているのに、どうしてここにいるんだい?と言う意味を込めて、アマイモンにそう尋ねる。

 

「……これは閣下。随分とお久しぶりですね」

 

うんうん、この隠そうとしても見え隠れている不快そうな気配、これだからアマイモンは面白い。

 

「そんなに私が嫌いかな?」

 

「……ご戯れを」

 

あの言葉の間とその反抗的な目……殆どの神魔が私と事を構えるのを恐れる中、それでもこれだけはっきりと意思表示をするアマイモンは本当に面白い

 

(腹に一物抱えているけど、それもまた是としようじゃないか)

 

かつて、まだアマイモンが神だった頃。私とどちらが最高指導者になるかで揉め、僅差で私に破れ、その後に魔族に堕ちた。アマイモンも中々に複雑な経歴をしていると苦笑する。

 

「いい加減にかつての部下の後始末はつけられそうかい?」

 

「……この身体ですので、知恵を貸すだけでお許し願いたいです」

 

「おかしなことを言うな、そんな事をかけらも思っていないのにね」

 

ギリッとアマイモンが歯を噛み締める音が響く、私との一食触発の空気に魔界軍の第一司令部に緊張感が走る。

 

「この道楽者が」

 

「ふふふ、良いね良いね、やっと素が出たじゃないか」

 

この荒れ狂う炎のような気質。これこそがアマイモンだ、あの燻っている様な気配では全く持って面白くない

 

「随分な口を利くじゃあないか、魂を砕かれる覚悟は出来ているのかい?」

 

「先に喧嘩を売ったのは貴様だ、ルシファー」

 

1神魔であるアマイモンが私を呼び捨てできるのは理由がある。かつて太陽神と同一視されたアマイモンは私に匹敵すると言ってもいい

 

「そうだねえ、じゃあ私の責任で殺し合いでもするかい?部下の後始末を自分でつける、なんて良い上司なんだ。出来るだけ惨たらしく殺してあげようか?」

 

「……ちっ」

 

私の言葉に露骨に舌打ちするアマイモン、彼だって判っている。これが私の挑発であると言う事を……だからこそ小さく溜め息を吐いて怒りを飲み込む素振りを見せるアマイモンが面白くて仕方ない。

 

「ご無礼を心より謝罪します」

 

「ふふふ、良いよ別にね。気にして無いさ」

 

それに良い気分だから戦う気はなくなったのも事実。もしもアマイモンが下らないことを言うのなら、まだしも、矛を引いた。それならばまた私も矛を引くのが道理と言うもの、これで怒っていたら私の方が子供と認めているようなものだしね。

 

「ルイ様!どうか、どうか穏便に!」

 

「ああ、いいよ。気が変わったから今日は帰るよ、引きこもってるソロモンとポーカーでもして帰るさ」

 

どうせ付き人もいないから、面倒ごとを起こすと自分で後始末をしないといけないのでめんどくさいし……それに見るべき物は見た

 

(ああ。こちらもこちらで面白くなりそうだ)

 

アマイモンなんていう劇物を抱え込んだオーディン、それが牙を剥いた時。あいつがどんな反応をするかが楽しみだ

 

(運命を決めるのは神じゃない。人間だからね……)

 

結局神魔が自由に出来ることなんてそれほどない、運命を決めるのは人間。それを見定めるのが私の楽しみであり、最高の娯楽だ。知らずの内に魔人姫や私と仲良くなっている横島が今は最高に面白い。だからこそ、私は口を紡ぐ。そう強いて言うのならば……

 

「今はまだ語るべきではないって所かな」

 

アマイモンが内に秘める獣を見た。それだけで今回は十分、だから

 

「横島に巻き上げられた分はどこのソロモンから奪い取ってやろうかなあ」

 

折角シヴァから取り上げた槍も返す羽目になってしまったし、それに変わりお宝を誰から奪い取ってやろうか……私はそんな事を考え、鼻歌を歌いながら魔界を歩き出すのだった……

 

 

 

 

 

 

~メドーサ視点~

 

出雲の土着の竜神と言えば、シズクのホームと言っても良い。だからシズクがいれば、交渉にしろ、説得にしろ楽に済むと考えていた。

 

小竜姫だけでは話が拗れただろう、なんせ小竜姫は天界のエリート中のエリートだ。そんな相手が来れば土着の竜族はへそを曲げるだろう。

シズクだけでは話が纏まらなかっただろう、シズクは地上の竜のトップと言っても過言ではない。そんな相手が来れば形だけは平伏するが、反逆を考えるだろう。

 

私では考えてもいないのに反逆を考えているだろうと話になってしまうだろう。

 

つまり私達3人で来る事で対等な話し合いになるだろうと私は考えていた。

 

「これは滾る」

 

「やべえ、流石ヒャクメ。これは萌える……」

 

「ああ、どうやったら横島にあえるのかなぁ……」

 

……なんで土着の竜族全員が横島を知ってるんだ?しかも、ヒャクメが小遣い稼ぎで売ってるブロマイドとか、ちょっとしたビデオ見たいのを売ってるんだが、なんでそれを持っているんだ?

 

「横島の石像だってよ! 凄くないか!」

 

「ほほう……これは良いな」

 

「いやいや、この映像はどうだ。可愛い」

 

「横島は可愛い」

 

うりぼーに埋もれて昼寝をしている横島を見て可愛い、可愛いと言ってる土着の竜族に頭痛がしてきた。

 

「……なあ、メドーサ。あいつら殺してもいいか?」

 

「止めろ。気持ちは判るが止めてくれ」

 

あんな奴らでもこれから起きるかもしれない未曾有の大災害の備えにはなるんだ。だから殺さないでくれと言うとシズクは溜め息を吐いて、指を鳴らした。

 

「ああああーーッ!!?これはあ!」

 

「いやあああッ!シズクさまだアア!」

 

「嘘でしょ!?まだ来る時間じゃ……あああーーーッ!」

 

あちこちから聞こえてくる断末魔の叫びに溜め息を吐きながらも、余りに土着の連中が酷すぎたので、これで自分達に有利な状況で交渉できると思う事にするのだった……。

 

「はいはい、地震が起きるかもしれないからそれを止めるのを手伝えと」

 

「……そうだ。断れば判るな?」

 

「はい、大丈夫ですよ?大丈夫ですから降ろしてくれません?」

 

「……それは駄目だ」

 

水で吊るされている土着の竜神が泣いているが、待ったくこれっぽっちも同情出来ないから不思議だ。

 

「……おい、待て小竜姫」

 

「……ナンデスカ?」

 

「……氷土下座するか?」

 

「……すみませんでした」

 

……土着の竜族から取り上げたものを回収しようとする小竜姫にも頭痛を覚えた。どうしてこんな事になっているのか、不思議でしょうがない。

 

「もし災害を最小に抑えたら横島に会えますか?」

 

「あんな可愛い人間見たこと無い」

 

「YESショタ、ノータッチを誓う」

 

どうするって顔でこっちを見てくるシズク。いや、私を見るなよ……頼むからさ……。

 

(横島の人外ホイホイのレベルが上がってる)

 

私の知る横島よりも今の横島の人外に好かれるレベルが桁違いに上がってる。なんせ会ったことも無いはずの土着の竜族さえもこれだ。

 

「とりあえず仕事次第じゃないか?良ければ竜神王様が許可してくれるかもしれないぞ?」

 

「「「しゃあッ!!」」」

 

吊るされたまま、体育会系の返事をする竜族に頭痛を覚えながら、シズクに視線を向ける。

 

「横島連れてきたら一瞬だったんじゃないか?」

 

「……例えそうだとしても絶対に連れてこない」

 

だろうね……この反応を見る限りでは飢えた獣の中に横島をほっぽり出す事になる。説得や交渉が楽になると思うけど、それだけは絶対にしてはいけない事だと思った。

 

「これ、レアの……こっちと変えません?」

 

「む……良いだろう交換成立だ」

 

「……あの馬鹿殴って良いか?」

 

「良いよ」

 

ブロマイドを交換している馬鹿を殴りに行くシズクを見ながら、とんだ貧乏くじを引いたと私は深く後悔するのだった……。

 

 

 

 

氷室神社の近くの森の中……そこには導師の幽霊とシズ、そしてナナシの3人の姿があった

 

【流石にこれ以上は無理そうだな】

 

「うむ、流石にこれ以上はどうしようもないな」

 

【まさかこのようなことになるとは……】

 

3人の力で結界を構築していたが、それすらも限界が近い。結界の中にはおぞましい蟲の群れが封じられている

 

【まさかお前の権能を奪い取られるとは……】

 

【最上級神魔には私にも勝てない】

 

今ここにいるシズはガープに権能を完全に奪われる前に、切り離したシズの自意識だけの集合体だ。だがその反面力の7割を失い、シズにもう神霊としての力は無い

 

「2人を呼び戻すか?」

 

【いや、ナナシ殿、いまさら呼び戻して間にあわんでしょう】

 

自分1人ではなく、ナナシと同じく舞の護衛の妖精を呼び戻すか?と呟くが、今からでは間に合わないと導師は判断した

 

【じゃが、私はおキヌを今回の事に巻き込むのは避けたい】

 

【……いえ、申し訳ない。もうおキヌを霊的兵器にする装置は壊れており、使用出来ません。もとより使うつもりは無いですが……この地の霊脈はおキヌの霊力と混じっておりますから】

 

【兵器として使わずともおキヌをこの場に呼び寄せる必要があるのか。なんと忌々しいッ!】

 

そう舌打ちするシズ、出来ればおキヌには白骨温泉での事件に巻き込まず。自分達の力で解決したかったが、それも不可能であると言うことはシズ達が一番理解していた

 

【ええい!仕方あるまい!今使えるだけ霊脈から霊力を引き出してこの場を封印する!】

 

【単なる時間稼ぎにしかなりませんが、それしかありませんな】

 

昆虫達が融合し、巨大な異形の姿へと変化したのを見て、導師達は今引き出せるだけの霊力を霊脈から引き出し、強力な結界を張り、その場から逃走する。日本の次なる危機はもうすぐ傍に迫っているのだった……

 

 

 

リポート27 同窓会 その4へ続く

 

 




次回の話でリポート28へと繋げて行こうと思います。つまりセカンドでの大きな事件の最終リポートになります。長く連載してきましたが、そろそろ第二部も終了となります、リポート28の後は日常系の話を少し入れて、独立した平安編を書いていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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