GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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その4

リポート29 新しい生活 その4

 

~横島視点~

 

家にいると言うのは案外退屈だ。昨日神宮寺さんに電話して、自宅療養なのでシルバーアクセサリーで何か作るのありますか?と尋ねると図面を魔法で送ってくれたので、それを見ながらシルバークレイを整形する。

 

「心眼、これってさ。本当に魔具の媒介とかになるの?」

 

【なるぞ、普通はこういうのを作るのはそれ相応の準備が必要なんだが……お前の家は……】

 

「ああ。いいや、大体察した」

 

心眼が口ごもったのでその理由を察した。俺の家が何か大変な事になっていると言う事は聞いているので、それ関係だろう。まぁあれだ、チビ達と暮らすのは楽しいのでそれを止める気は無いので本当に些細な問題だ。

 

「みむ」

 

「ぷっぎゃー♪」

 

【のーぶー!?】

 

チビがうりぼーのほうの旗を掲げる。今うりぼーが鼻息で飛ばしたボールがチビノブの手をすり抜けて、壁に当たったのでゴールと言う事なのだろう。

 

「良し、出来たっと」

 

【いい仕上がりだな。私でも判る】

 

三日月型のペンダントトップが出来た。ただ三日月状にするだけではなく、角度とかそういうのも考えて立体的な仕上がりになっているのだが、思ったよりも上手に形を整える事が出来た事に笑みを零す。

 

「じゃあ、シロ達のも仕上げるか」

 

昨日形を整えて、乾かしておいたシロ達のシルバーアクセサリーも仕上げる事にする。シロは牙の形をしたペンダントトップ、タマモは指輪(人差し指用)シズクは何でも良いと言っていたので、板状に伸ばしたシルバーアクセサリーに水の雫を連想させる彫りこみを入れてみた。鍵とかにつけるアクセサリーに丁度良いと思う大きさだし、多分これくらいなら邪魔にならないと思う。

 

【しかし、結構色々作っているな】

 

「練習でな、華とか綺麗にできてるだろ?」

 

ネロちゃんが花が好きだとか言っていたので、細かいものを作る練習で花も何回か作っている。色々作成して、神宮寺さんに持って行って、魔具にして貰う。それがどんな効果を持つのかは俺には判らないし、それは全部神宮寺さんの感性にある。

 

「横島ー、ちょっと出かけてくるからねー」

 

「美神殿に呼ばれてるでござるよー」

 

「……私は少し小竜姫に会って来る」

 

シズク達に了解ーっと返事を返す、シロとタマモの件は昨日美神さんに聞いている。人狼族にGS免許を交付する話が纏まりそうだから、シロ達に先にGS試験を受けてみないかって話があるのは知っていた。シズクは多分アレだ、今回の件で神様に進化してしまったうりぼーの件だと思う。

 

「……お昼は」

 

「あー、良いよ、良いよ。適当に作るから」

 

「……すまない」

 

「良いって、これでも簡単な料理は出来るから心配しなくていいよ」

 

最近はシズクに色々用意して貰っているが、最初は1人暮らしの予定だった。それにお袋と親父も帰ってくるのが遅いから、基本的な料理は出来るから心配ないと言ってシズク達を見送る。

 

【……やれやれだ。人払いをここまで徹底するか】

 

「なんか言った?」

 

シルバーアクセサリーを焼いていると心眼が何か呟いたけど、良く聞き取れなかった。なんて言ったのか尋ねたかったけど、シルバーアクセサリーを焼成しているので焼成が終わり、焼きあがったシルバーアクセサリーを机の上に並べてから何て言ったのか?と尋ねる。

 

【いや、お客さんが来そうだなと言ったのさ】

 

お客さん?俺の家に?ピートが課題でも持ってきてくれるのかな?と思っていると本当にチャイムが鳴った。

 

「はーい」

 

郵便局か宅配便かと思いながら玄関を開ける。そして尋ねてきた人物を見て、俺は正直驚いた。

 

「や、暇だから遊びに来たよ」

 

「横島、久しぶりだな。元気にしていたか?」

 

「お、お邪魔するのだわ」

 

ルイさん、ネロちゃん、そして凜さんの3人が尋ねて来た。3人とも良い所のお嬢様……と言うか、神魔なのに何故俺の家に一瞬思った。だけど、神様としてじゃなくて友人として尋ねて来てくれたのだから、神様と判っていても、俺は普通の友人に接するようにする事にした。

 

「いらっしゃい、特にお持て成しも出来ないけど歓迎するよ」

 

俺はそう笑い、3人分のスリッパを用意するのだった……。

 

 

 

 

~ネロ視点~

 

余達が尋ねて来たとき、一瞬横島に迷いが生まれた。それは余達の正体にぼんやりながらも気付いたという証だろう……だが、次の瞬間には笑顔で招き入れてくれた。

 

(本当に面白いなあ)

 

人間ではないと判っていても笑顔で招き入れる、それがどれだけ勇気の居る事か判らないわけではないだろう。

 

「みーむー♪」

 

「あら、チビ。元気?」

 

「みむぅ」

 

なんと……余と明星には懐かないチビが女神に甘えている。頭を撫でられて、気持ち良さそうに目を細めている光景に驚いた。

 

「凛さんはチビと仲良しですねー」

 

「チビ達から擦り寄ってきてくれるのよ」

 

「ぷっぎ、ぴぐうー♪」

 

【ノブノブー】

 

横島の家の不思議生物が女神に集まっている。おかしい、余の方が女神よりもずっと尋ねて来ているはずなのに何故余には懐かない。

 

「理不尽だ、何故余には懐かない!?」

 

「いやあ、うりぼーは人懐っこいけどチビは警戒心が凄いからじゃないかな?」

 

自分の知り合いにも全然懐かないと言うが、それでも納得出来ないにも程がある。

 

「ほら、チビおいで」

 

「み、みぎい……」

 

「ほら、私も仲良し」

 

「……あのチビがめちゃくちゃ怯えてるんで止めてあげてください」

 

明星に震えながら擦り寄るチビ、目力で脅しているのを見て、流石の横島も静止し、チビを抱き抱える。

 

「みむう……みむう」

 

怖かったと言わんばかりに甘えているチビに余と女神の責める視線が明星に向けられる。

 

「私はおいでと言っただけだよ。責められる理由は無いな」

 

……判っていた事だが、明星の面の皮の厚さは凄まじいな。普通は少しで悪びれた素振りを見せるはずなんだが、だが明星が弱っている姿を見せるのなんて想像も出来ない。つまり、明星はこれで良いと言うことなのだろう。

 

「横島、これは何かしら?」

 

「シルバーアクセサリーですよ。今外出禁止なので、暇潰しで作っているんですよ」

 

ほう……前のシルバーアクセサリーも中々良い出来だったので、今回横島が作ったと言うシルバーアクセサリーを覗き込む。

 

「おおッ!これは実に余の好みだッ!」

 

薔薇の装飾が施された指輪を見つけ、それを人差し指に嵌めてみる。本当は薬指のつもりだったのだが、流石に大きすぎた。

 

「ぴったりだ。横島貰っても良いか!?」

 

これほどの出来だと駄目と言われるかもしれないと思ったが、欲しいと思った以上駄目だと言われても持って帰るつもりだった。だけど……横島の返答は予想を超えていた。

 

「ああ、それネロちゃんが薔薇を好きだって言ってから作ったんだよ。不恰好だけど、気に入ってくれたなら良かった」

 

余の為に作ったと言う言葉に一瞬何を言われたのか理解できなかった、少し時間が経って言われた言葉を理解した時。

 

「余は嬉しいッ!お前は余を喜ばせる天才だッ!!」

 

「わぷっ!?」

 

横島の頭を抱え込んで抱き締める。横島が目を白黒させて暴れているのを見て、ますます楽しくなる。

 

「照れているのか、愛い奴めッ!」

 

胸の間に抱き抱えられ、慌てている横島の姿が可愛くて仕方ない。早く魔人となって余の側に来て欲しいとますます強く思ってしまう。

 

「そこらへんにしてあげなよ、横島だって思春期だ」

 

「むう。抱き心地は案外良いのだがな」

 

明星に止めに入られ、渋々横島の頭を解放する。耳まで真っ赤の姿にますます愛いと笑う、この初心な反応が面白くて仕方ない。

 

「な、何をしてるのだわ!?は、破廉恥だわッ!?」

 

女神が目をグルグルさせて半分パニックになっている、本当に不測の事態に弱い奴よ。

 

「ネロにあると言うことは、私にも勿論あるんだろう?」

 

「え、あ、はい。ルイさんにはこれを……」

 

「ほう……どうしてこういう形にしたんだい?」

 

明星に差し出されたのは太陽と月が重なって見えるペンダントだった。横島は頬をかいて、咳払いを繰り返して気を静めてから説明してくれた。

 

「いや、ルイさんってこう……上手く言えないんですけど、太陽みたいに照らしてくれる時もあるし、月みたいに見つめている時もあるかなあって思って」

 

「ほほう……」

 

横島の言葉に明星が楽しそうな笑みを浮かべる。神であり、魔族、善と悪。その両方の側面を持つ明星はまさしく太陽と月、それを感じ取って作るとはやはり横島には常人には無い感性がある。

 

「ありがとう。気に入ったよ」

 

「お嬢様が身につけるにはあれだと思うんですけどね」

 

宝石を使われているわけではない。だけど、その素朴さが返って余達には掛け替えのない物に思えるのだ。

 

「よ、横島。わ、私も欲しい」

 

「凛さんもですか?じゃあ、ここから選んでく「そ、そうじゃなくて私の為だけのが欲しい」……俺の作ったので良いのなら、どんなのが良いですか?」

 

横島にこんな感じが良いと話している女神の顔は酷く楽しそうで、それだけで横島に好意を抱いているのが判り余も明星も面白いからかいのネタを見つけたと笑みを浮かべるのだった……。

 

 

 

 

~エレシュキガル視点~

 

横島に行き成りアクセサリーを欲しいと言ってしまったけど、迷惑ではなかっただろうか……笑顔で引き受けてくれたが、実は困っているんじゃないかと不安が胸を埋め尽くす。

 

「何そんなに気にする事はないさ、無理なら無理と横島は言うからね」

 

「楽しみに待っていれば良いだろう」

 

明星と女帝に言われ、そうなら良いのだけどと慌てていた気持ちが落ち着いてくる。キッチンから聞こえてくる何かを炒める音……今横島が料理を作っている。

 

「迷惑じゃなかったかしら」

 

「お前はネガティブだなあ、横島が良いと言っているのだから大丈夫に決まっている」

 

面白そうと思って明星と女帝の誘いに乗ったけど、もしかしたら迷惑だったかもしれないという不安が強くなる。

 

「まずはネロちゃんから、でも言っておくけど、男料理だから味は保障しないから」

 

「いやいや、作って貰ったのに文句は言ったりせぬ、ありがとう。横島」

 

机の上に置かれたのはシンプルなオムライスだった、女帝は横島に感謝を告げてスプーンを手にする。

 

「いただきます、さてさてどんな味かな」

 

わくわくとした様子でオムライスを口に運んだ女帝。どんな反応をするのかと明星と見ていると女帝は目を丸くした、美味しいのか、不味いのか、その反応では全く判らない。

 

「あむ」

 

無言で黙々と食べる女帝に味の感想は?と言うが女帝は無言のまま。美味しいのか、まずいのか、本当にどっちなのだろう。

 

「はい、お待たせしました。今度はルイさんです」

 

「ああ、ありがとう」

 

今度は明星、最後は私なのだと思うのだけど……まぁそれは仕方ない。多分外見的年齢で作っているのだと思うことにする

 

「いただきます」

 

明星もオムライスを口に運び、女帝と同じ顔をした。

 

「味はどうなのだわ?」

 

「……これは口で説明するのは難しい」

 

「うむ、実際に食べるしかない」

 

口で説明するのが難しいとか、意地悪にしか思えない。どんな味がするのか、それをそわそわしながら待つ。

 

「はい、お待たせしました」

 

「あ、ありがとうなのだわ!」

 

目の前に置かれたオムライスを見る、ケチャップライスは薄焼き卵からはみ出ているし、卵も半熟ではない。本当に普通のオムライスだった、それなのになんで女帝と明星が味の感想も出来ないのかと思いながらスプーンを手にする。

 

「いただきます」

 

「気に入ってくれると良いんですけどね」

 

横島も席についてオムライスを食べ始めるのを見ながら私もオムライスを口に運んだ。

 

(これは……確かに言葉に出来ないのだわ)

 

本当に普通のオムライス。特出すべき事なんて何も無い、本当に平々凡々な味だ。だけど私の胸を埋め尽くしたのは、そのオムライスの味ではない。

 

(暖かいのだわ……)

 

美味しいといってくれるかなあ

 

あちゃあ。ちょっと失敗したなあ……ま、良いか。俺の分にすればいいんだし

 

お嬢様に出す料理何てなあ

 

失敗するかもしれない、美味しいって言ってくれるかなと言う不安も料理から伝わってくる。だけど一番は喜んでくれるかなと言った私達の事を思っている感情がひしひしと伝わってくる。

 

「これは確かに言葉には出来ないわ」

 

「ええ……もしかして不味かったですか?」

 

不味かったですか?と不安そうにする横島。味よりも私達が楽しんでいるのは、横島の気持ちだ。だからこれを味で表現するのは難しい……だからなんと言えば良いのか本当に難しい。だけど、一言で言うのならば……

 

「こんな味(思いやり)は初めてなのだわ」

 

それって不味いって事ですか?と言う横島に3人で違うと笑う、本当に神への供物として考えればこれ以上に無い美味だ。だけど、それは人間に説明するには余りにも複雑だ。だから、私達はそれぞれに笑みを浮かべる。

 

「とても優しい味だ」

 

「うむ、高級なレストランより良い」

 

「素直に言って好きな味よ?」

 

顔を赤くさせて、しどろもどろになる横島を可愛いと思いながら、私は再びオムライスを口に運ぶ。お腹ではなく、心が満たされる優しい味。それは現代で食べたどんな味よりも美味なのだった……。

 

「じゃあ、アクセサリーが出来たらルキさんに伝えますね」

 

「ああ、そうしてくれ。今度遊びに来る時はルキに連絡しておくよ、ではね。また来るよ」

 

「楽しかったぞ、今度は遊園地でも行くか」

 

「遊園地……そうね、それも面白いかもしれないわね」

 

横島の所で昼食を終え、暫く世間話を続けて私達は横島の家を後にした。

 

「いや、本当に優しいものだった」

 

「そうだね。味ではなく、心が満たされたよ」

 

「そうね」

 

神魔の供物としては余りにも現代に近いが、それでもあれほど満たされる供物は今まで経験が無かったかもしれない。

 

「「ルイ様、お楽しみいただけたでしょうか?」」

 

邪魔が入らないように結界を張っていた明星の2人の部下が現れ頭を下げる。

 

「ああ、楽しかったよ。これで暫くは退屈しなさそうだ」

 

「うむ、やはり楽しいという事は良いものだ」

 

ここにいる3人のいずれかでも本気を出せば、日本は滅ぶ。だけど、その時が来るまでは横島の友人として、そして明星と女帝とも友人関係で良いと思う。

 

「ではな、明星、女神よ。今日は面白かったぞ」

 

手を振り、空気に溶ける様に消えていく女帝、そしてそれに続くようにもう1人の金髪の少女から差し出された日傘を受け取り、明星は軽やかにステップをふむ。

 

「本当に横島は面白い、もう少し現代を見ても良いと思えるから不思議だよ。さ、いこうか、ベルゼブル」

 

「はい」

 

魔法陣を展開し、その中に消えていった明星達を見送り、1人残ったメイドに視線を向ける。

 

「横島にありがとうと伝えてください、ではまた何れ」

 

「はい、お気をつけて」

 

部下ではないのに、丁寧に見送ってくれるメイドに手を振り、地面を蹴って空へと舞い上がる。

 

「綺麗なのだわ」

 

人の営みが作り出した人工の星空、それを見つめながら空を飛ぶ。アクセサリーのお礼にまた、冥界の砂を渡しておいた。これで横島が死ぬ事は無いと安堵し、私は鼻歌を歌いながらその場を後にするのだった……。

 

 

 

 

~ルイ視点~

 

「いや、実に楽しかった。やはり横島のところに行くのは面白い」

 

「そうですか……良かったです」

 

良かったと言いながらも苦虫を噛み潰したような顔をするベルゼブル。それは私が横島に会いに行くのを面白くないと思っているのは明らかだだ。

 

(お前も私を楽しませているのだよ)

 

人間を軽視するベルゼブルが人間に想いを寄せている、それが面白くて仕方ない。そしてベルゼブルがそれを自覚していないのが、更に面白いのだ。

 

「横島の護衛を任せているんだから、もう少しちゃんとしっかり見てやっておくれよ?」

 

「は、はい。判っています」

 

私の命令が無ければ人間なんてと言って、思うように近づけないのだ。だから命令と言う形でベルゼブルにもっと横島に関わるようにと命令する。

 

「私を宮殿まで見送ったら、すぐに東京に戻ってくれて構わない」

 

本当はその必要も無いのだけど、ベルゼブルを連れて来たのには理由がある。

 

「ありがとう、お疲れ様。ああ、そうそう、ゴモリーが横島に会いに行くそうだ」

 

「は……は?」

 

目を面白いように丸くするベルゼブルに抑えていた笑みが零れる。ああ、その顔だ。その顔が見たかったんだ……

 

「愛の魔神だからねえ、横島にアプローチをするかもしれないねえ」

 

「……すいません、東京に戻ります」

 

回れ右をして飛んでいくベルゼブルを見て私は声を上げて笑った。ああ、面白い。なんて面白い、自分でも横島の事を想っているのに気付いていないのに、あの顔は如実にベルゼブルの感情を表していた。

 

「お前は焦って、嫉妬した」

 

横島を奪われるかもしれない、横島の愛を受けるかもしれない。そんな未来を想像して、ベルゼブルの顔は焦りと嫉妬に歪んだ。その顔を思い出すだけで笑みが零れる。アレで、自分の感情に気付いていないのだから、本当に面白い。

 

「ああ、さっさと自覚してしまえばいいのに」

 

そうすればもっと面白くなる、無意識に横島を求めている。それが自分が横島を愛しているから、横島を欲している事に気付けば、もっと面白くなる。

 

「ゴモリーは会いに行くけど、その義娘の付き添いなんだけどね」

 

神魔の中でも稀有と言っても良いほどの予知能力者。その保護者をしている、ゴモリーはその娘と横島を結婚させようと色々と考えている。

 

「だけど……どうなるかなあ」

 

ゴモリーは男に全ての女性から愛を得る方法を教える権限を持つ、だけど、自分の権限が利かない相手を見たらどんな反応をするだろうか?

 

「ああ……なんて面白い」

 

退屈をもてあましていた私だが、横島と出会ってから本当に面白くなってきた。横島と言う存在が世界を面白くしているのだろう……そう思えば、簡単にガープの思い通りにさせてしまうのは面白くなく、妨害を繰り返していた。

 

「さて、この感情がどうなるかは君次第だ」

 

今は面白い人間と言う感じで見ているが、横島がもっと面白い事を私に見せてくれれば、その気持ちは変わるだろう。男と女の友情、それも良かろう。それも面白い事の1つだ、友情と愛情の境目で揺れるなんて本当に面白い事じゃないか。

 

「だけど、それが愛になったら……ふふふ、本当に面白いね」

 

人間に興味をここまで持ったのは本当に初めてだ、別の世界の私は本当の神と戦う為にある人間を魔人へと変えたようだけど……今の私はそうではない、もっと面白いものを見たいのに人間を殺すつもりも無い。

 

「世界が違えば、抱く思いも違う。姿も違えば、抱く感情も変わる」

 

神魔であっても心は御せないだからこそ、神魔は人の姿を取るのだ。自分達には無い物を人間に求めて、それは時に判断を鈍らせ、神魔を狂わせる。だけど、それが面白くて仕方ないのだ。

 

「もっと、もーっと私を楽しませておくれ。横島忠夫」

 

お前が生きている間は世界を滅ぼそうなんて思わなくなるように、私の退屈を全てかき消しておくれ、もっともっと私に面白い物を見せてくれ、お前が無様に血を吐きのた打ち回る姿を見せてくれ。

 

「ああ……なんて面白い」

 

世界はこんなにも喜劇と悲劇に満ちている、だからこそ面白い。そして今のこの世界のメインキャストは誰でもない、横島だ。お前が主演の劇を最後まで見届けよう、そして私がお前を本当に助けたいと思ったのならば……。

 

「ふふふ、少しくらいは手伝ってあげようかな」

 

今はまだ手助けするレベルではない、私が動いても良いと思えるほどに私を楽しませてくれと呟き、私は宮殿の中へと足を踏み入れるのだった……。

 

 

 

リポート29 新しい生活 その5へ続く

 

 




神魔が普通に遊びに来る横島ハウス。3人ともやべー女神様ですが、横島は気付いていても気付かない振りで頑張ります。次回は愛子と柩を横島家に遊びに行かせようかなと思いますね、特にゴモリーと横島のエンカウントはやりたいですしね。もう少しでセカンドも終わりですが最後までどうかよろしくお願いします。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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