GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
リポート30 陰陽寮 その7
~美神視点~
案内役として来た躑躅院美弥。彼女が言うには躑躅院の妹で、躑躅院の性別は男と言うことになる。それは正体不明ともいえる躑躅院を知る手掛かりでもあった。
「っとと」
「大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です。私は……少しドジなので」
何もない所で躓く、道を間違えましたぁと嘆く等。躑躅院の名を持つが躑躅院の持つ不気味な雰囲気とは程遠い。
(あれ、囮とかじゃないですかね?)
(私もそう思う)
信用出来る部下に躑躅院の名前を与えて、妹として振舞えとして言われているだけのような気がする。……正直完全にから回っているような気がするけど、自分の妹(偽)でも躑躅院を名乗らせたと言う事はそれ相応の能力は持っていると思う。
「むふー♪」
「紫ちゃん楽しそうだね」
「楽しいー♪」
横島君と手を繋いでご満悦と言う様子の紫ちゃんも非常に愛らしい。子供の紫ちゃんとおっちょこちょいの美弥は横島君が面倒を見てくれているので、その間に私達は美弥と言う少女を観察する。
(見た感じは……17~8くらいね。それにしても……体格は小柄で自信無さげ……やっぱり偽者?)
躑躅院家の詳細はわからないが、躑躅院のあの油断も隙も無い振る舞いは幼い頃から、そう躾けられているのが理由だと思う。
(……兄だけ英才教育した可能性はある)
(もしくは政略結婚の駒ですかね)
シズクと清姫の言う事も判る。躑躅院と非常に似た顔立ちで双子と言っていたから、霊力などは全部兄である躑躅院に行って美弥には殆ど霊力が残っていないのかもしれない。だがその整った容姿と庇護欲を掻き立てる様子は政略結婚の駒として育てられたと考えれば決して不思議ではない。
「ちょーっと離れましょうね」
「……あ。はい、ごめんなさい」
あんまり距離が近いと蛍ちゃんが横島君と美弥の間に割り込む、しかもそれだけではなくくえすまでも動き始めている。
「……琉璃は大人しくしててよ?」
「やだなあ、判ってますよ?」
絶対嘘だ。今凄いそわそわしてた、私が声を掛けなければ絶対あの中に割り込んでいたと思う。
「……引率の教師ってこんな感じなのかな?西条さん」
「いや、引率の教師でもここまで大変ではないと思うよ」
西条さんと揃ってため息を吐いた。明々後日には冥華おば様の部下が来るので東京に帰れるが、ここまで疲れたのは久しぶりかもしれない。肉体的ではなく、精神的に疲れている。
「ぷぎい?」
「みむぅ」
「ん?それが食べたいのか?OKOK。すいませーん、このお饅頭……えっと食べる人ー?」
はーいと手を上げる紫ちゃんとチビノブ。そしてそれに続くように蛍ちゃん達も手を上げる、横島君はそれを数えて店のおばちゃんに饅頭の数を注文している。なんか凄く横島君が生き生きしているように見えるわね……横島君の性質上、多分こういうのが本当に彼の天職なのだと思う。
「道真公ですが、会いに行かなくて正解だったかもしれません」
「どういうことですか?小竜姫様」
「はい、道真公もまた文珠の使い手で神です。狂神石による洗脳を考え、神魔の厳重警護の中にいるそうです」
「……確かに、操られる訳にはいかないからな」
学問の神ではあるが、それと同時に怨霊でもある道真公。雷神でもあることを考えれば、神魔としても護らなければならない人材だろう。
「晴明神社の方はどうなの?」
「式神が残っているそうなので、彼らに話を聞いてみれば良いと思います」
狂神石による洗脳を恐れるのは当然だ。だけど、本音を言えば人間界で警護するくらいなら天界でも、魔界でもいいからそちらに引っ込んで、警護に回す神魔をガープとの戦いに参加して欲しいと思うのはいけないことだろうか?
「美神さん達もどうぞ」
私達にも饅頭を持ってきてくれた横島君を見て思う、何故横島君ばかりが狙われるのか、そして何故横島君だけがあれほどの力を身につけるのか……それがガープ達に対抗する為だけの術となれば、それがどれだけ過酷な事なのか。霊能者なのだから運命と言うものは信じている、だけど何故横島君だけがこれほどまでの過酷な運命を背負わなければならないのかと思わずにはいられない。
「美神さん?」
「あ、うん。ありがとう、貰うわ」
「せんせー、拙者もー拙者ーも欲しいでござるー」
「ちょっと恥ずかしいから大声出さないでくれる?あ、横島私も欲しい」
シロとタマモに呼ばれて、今もってくよーと返事を返して紫ちゃんと歩いていく横島君を見て、自分に出来る事は何かと考える。私の出来る事なんて高が知れている、それでも師匠として出来る限り彼を護りたい。私は心からそう思うのだった……。
~小竜姫視点~
普段決して人が多いとは言えないが、晴明神社には数人の人間が常に駐在している。だが今日に限って、誰もいない。その異様な光景に美神さん達が息を飲んだ。
「朝早すぎたかな?まだ、出社してないのかな?」
横島さんだけが間の抜けたことを言っていて力が抜けてしまった。思わず美神さんと蛍さんを見たが、そっと目を逸らされた。
「……横島。出社時間ではなく、人払いだ」
「横島様達だけを招待しているんですよ?」
「え?マジで?」
横島さんが本当ですか?と私達を見るので小さく頷くと、うわー恥ずかしいと言って顔を押さえている。
(どう見ても横島さんが可愛い)
戦闘中は凛々しいという感じなのに、今の横島さんが可愛く見えて仕方ないのは何故だろうか?
【ムカエ……キタ】
【ドウゾ……ヤシロヘ】
地響きと共に現れた巨躯の大鬼。その額に張られている陰陽札から晴明の式神なのだと判断して全員で社に足を進めるのだが……。
【……モウシワケナイ、ゴエンリョネガイタイ】
「へ?」
横島さん、シズクさん、清姫様、そしてタマモさんの4人だけが鬼の手で遮られた。
「……お前ら何を言っているか判っているのか?」
「式神の分際で」
シズクさんと清姫様がその表情に憤怒の形相を浮かべる中、赤い鬼が青い鬼に目配せする。
【『申し訳無いが、高島殿の転生者かもしれない人間に会うとか気不味いとかそんな話じゃない、あの人の陰陽師の経歴の半分くらいが私の功績に……すまぬ、嘘ついた。8割くらい私の功績にされてるのは辛い、もう死ぬほど辛い、もう死んでるけどさ……なんか生まれてきてごめんなさい。清姫様とシズク様もすいません、許してください。お願いだから社は壊さないでください、高島殿の書物は社に安置しているので、それでお許しください。本当すいません、許してください。生まれ来てごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい……』アルジカラノデンゴンデアル】
余りに卑屈すぎる晴明の言葉に私達は絶句した。だけど平安時代の天才陰陽師の高島の功績を自分の功績と誤解されれば、それはそれで辛い物があったのだろう。
「えっと、じゃあ俺は残れば?」
【モウシワケナイ、アナタガタカシマニニテイルトオソレテアルジニゲタ】
【アルジメンタルトウフ、ユルシテ】
片言で謝る大鬼2人に横島さんは仕方ないと肩を竦めて、入ってはいけないと言われた清姫様達の手を引いて、神社のベンチに腰掛ける。
「ここでお留守番してますね。幸いチビ達の玩具を持ってきているので、これで遊んでますよ」
「……お前が良いなら良いが」
「まぁ一緒に遊べるなんて嬉しいですわ♪」
「横島が良いって言ってるから私も待つわ」
チビちゃん達と一緒に残ると言う横島さん、結界も張ってあるので侵入される事はないと思い。入室を許された私達だけで社の中に足を踏み入れる。
「せんせー!拙者も残るでござる」
「私はお兄さんと遊ぶー♪」
【横島が残るならワシも残るかの】
【私達がいますので大丈夫ですよ】
「わ、私は案内役なのでここに残ります、それに、に、兄さんに霊能に関わるなと言われてますし】
躑躅院の妹が残る事は不安だったが、信長さん達が残ってくれるというので横島さんが何かされることは無いと安心して社の中に足を踏み入れると、そこは私達が寝泊りしている高島の屋敷に似た空間だった。
「これは凄いね。今の僕達に必要な物ばかりだ」
「……とは言って持ち出せないみたいですね」
「それなら可能な限りメモして、覚えていくしかないわね。くえす、頼んだわよ」
「なんで私に全部に押し付けるんですの?」
棚に収められていたのは失伝した陰陽術や、霊具の作成方法。そして古い霊脈やかつて信仰された神の居る場所などが事細かく記されていた。西条さんの言う通り、今の私達に必要な物ばかりだった。
「でもこれを全部見ていると相当時間が掛かりますよ?」
「それは大丈夫でしょう。ここは異界ですよね?」
確認の為に尋ねると鬼は小さく頷く、この霊力の流れから異界であることは確信していたから本当にただの確認だが、異界であったことに安堵した。
「ここの時間と外の時間は同じではないのです。この異界は外の時間よりもゆっくり時間が流れるっと言う事でよろしいですか?」
【ナカノイチジカン……ソトノイップン】
【ユックリシテホシイ】
つまりここで5時間調べても外の時間では5分と言うことだ。貴重な文献を調べる時間としては十分だ。それにまず間違いなく2度目に尋ねてもこの場所は2度と入れてはくれないだろう。
「OK、そう言うことなら徹底的にメモさせてもらうわよ」
「こういうのは横島には向いてないですしね」
「令子ちゃん、蛍君。ノートだよ、これにメモしておこう」
既に集中しているくえすさんに苦笑しながら私も棚に収められている本の形をした霊力の塊に手を伸ばす。形状自体は本だが、高密度の霊力の集まり、開いただけで膨大な情報が脳の中に流れ込んでくるのがわかる。
(これならメモの必要は無いかもしれないですね)
目で見ているのではない、魂に直接刻み込まれているのだ。これならばメモの必要はない、それが判ったからか片っ端から本を見ている美神さん達に苦笑し、神魔にとって一番必要な古い神の場所が記された書物に重点的に私は目を通すのだった……。
~シズク視点~
ボールを弾ませチビ達と紫と駆け回っている横島を見つめる。横島が楽しそうで幸福に満ちた光景、私が一番好きな光景だった。
「それ」
「えっとえっと、あいた!」
「わたた、清姫ちゃん。大丈夫?」
「だ、大丈夫ですわ」
……凄まじく猫被りしている清姫に腹は立つが、それはそれ、これはこれと言う物だ。
「……楽しそうですねえ」
「……そうだな」
躑躅院の妹だという美弥。穏やかで何を考えているのか判らないぽやぽやとした視線。美神達は偽者を疑っているようだが、この娘は紛れも無く躑躅院の娘。その魂の気配と霊力の香りで間違いないと確信出来る。
(……だがこの娘には違和感がある)
何がと言われると説明しがたいのだが、この娘にはなんとも言えない邪な気配がある。
「えっと、なんでしょうか?」
「……いや、なんでもない」
確信はないから何も言わないが、この娘には気を許してはいけない。警戒していなければならないと言う事を竜の直感で私は悟っていた。
「そーれっと!」
「きゃっ!ちょっと力加減を考えなさいよシロッ!」
「ぷぎー!ぴぎいッ!!」
思いっきりボールを蹴ったシロにタマモの怒鳴り声とうりぼーの抗議の声が響いた。
「むう、申し訳ないでござる」
【力加減は難しいです】
野生児コンビが唸るが、遊びなのだから何もそこまで全力でやる事はないのだ。
「それ。紫ちゃん行くよ?」
「よいしょ、えい」
横島が軽くボールを蹴り、紫がそれを受け止めて蹴り返す。するとチビがボールの上に乗ってボールを転がしていく、そしてその先ではチビノブが待ち構えていて……
【ノッバアアッ!!】
【へぶろおっ!またお前は!良い加減にワシも怒るぞ!!】
【ノブノブー♪】
【待てコラーッ!!】
全力でボールを蹴り込まれた信長がチビノブを追い掛け回しているが、あいつ気付いているのか?社の上で待機している無数のチビノブの姿に……
【【【ノブー♪】】】
【ぎゃああああああーーーッ……】
「ノッブちゃーん!?」
「もきゅもきゅで楽しそう♪」
悲痛そうな横島の叫び声に対してチビノブに埋もれているのを楽しそうと言う紫。やはり紫は只者ではないと確信し、チビノブの山の中から必死に信長を助け出そうとしている横島の手助けをする為にベンチから立ち上がる。
「くすくす」
「……どうした?」
「いえ、こんなに楽しそうなのは初めてで、ああ、私もお手伝いしますね。シズク様」
くすくすと笑っていた美弥も立ち上がり、チビノブの山に埋もれている信長の救出を手伝う為に立ち上がる。その顔に邪心などは見られず、ますます私はこの娘が何を考えているのか判らなくなった。
【死ぬかと思った】
「もう死んでるじゃない」
【そうだとしても痛い物は痛いんじゃッ!】
「チビノブ、ごめんなさいは?」
【ノーブウ】
【なんで御主がふてくされておるんじゃあ!】
【ノッ!】
お前なんか嫌いだと言わんばかりに砂をかけるチビノブに信長の額に井形が浮かぶ。
「本当にチビノブと信長は仲が悪いわねえ」
「でもせんせーが居ないと結構仲良しでござるよ?」
【主殿がいると思うことがあるんでしょう。チビノブも】
ノブとしかいえないがチビノブは信長の分身である。抱く感情も考えている物も同じだ、恐らくチビノブが抱いているのは嫉妬に似た感情であることは間違いがない。
「うふふ、貴女も横島様が大好きなのね」
【ノブゥ♪】
「みむー♪】
「ぴぎい♪」
清姫の言葉にチビノブだけではなく、うりぼー達も楽しそうに鳴く、横島の側に集まるのは横島が大好きだからだ。そうでなければ、幼生とはいえ子悪魔と神獣が人間の側に居る訳が無い。人外を引きつける魔性とも言える魅力……それが横島にはある。
「横島様の周りはとても楽しそうですね」
「美弥さん?様って?」
「あ、いえ、その横島様と言う感じがしませんか?」
着物で顔を隠しながらチラチラと横島を伺っている美弥。その目には邪心などは無いが、隠しきれて居ない横島への好意の色が浮かんでいた。
(……妄執か)
躑躅院は高島の家と婚姻する事で自分達の家に足りない陰陽師を招きいれようとした。そして高島には無い、貴族としての立場を与えると盟約を結んだ。それが成し遂げられることは無かったが、高島の転生者である横島に好意を抱く、それはきっと躑躅院が何代、何年掛かろうが、今度こそ高島の血を躑躅院の家に入れるという目的の為に子孫に呪いとして刻み付けた物だろう。
(これか、私の感じていた違和感は)
己の感情ではない、先祖から高島の転生者に出会ったら恋に落ちるように呪を刻まれた哀れな娘。それが躑躅院美弥と言う娘だった。
「美弥ちゃんも遊ぶ?チビ達はちっちゃいからそこの所は力加減を考えて欲しいけど」
「は、はい!私も混ぜてください」
因果が導くように横島と美弥は出会ってしまった。それが幸か不幸かはシズクにも判らない、だけど……
「え、えい」
「ぷーぎッ!」
「わわ、返してくれた」
「良かったな、うりぼーも遊んでくれて楽しそうだ」
「はい、良かったです!」
今楽しそうに笑う姿は決して1000年の妄執ではなく、今を生きる美弥と言う少女の嘘偽りの無い本心であると言うことは明らかだと思うのだった。
~冥華視点~
東京に居る西条君や令子ちゃんからの報告書を見て私は眉を顰めた。人造妖魔、人造神魔の研究プラント、そして狂神石の存在。それらは今まで散りじりだった線を1つに繋げてくれていた。
「これでやっと~鬼道の事がわかったわ~」
何故あの気狂いが狂神石を持っていたのか?それは私にとっても謎だったが、鬼道は京都を拠点にしていた。つまりなんて事は無い、鬼道の事件が起きる前から京都で人造妖魔と人造神魔の研究は行われていて、そしてその研究者の1人か、ガープかは判らないが鬼道に狂神石を与えた。入手経路は繋がった、但しその道は辿ったとしても首謀者に辿り着くことはないとしてもそれも1つの手がかりにはなっていた。
「悪いんだけど~京都に行く調査班の中にいた過去に南部グループと、東部グループの調査に赴いたのを全員外してくれるかしら~?」
自分の部下を疑っている訳ではない、だが人間の中で人造妖魔と人造神魔の研究をしていたので有名なのは南部と東部グループであり、互いに競い合っていた、まだ名前は出ていないが、確実に京都の人造妖魔の件には南部か東部が関係していると考えていた。
「これは~ますます大変な事になるわねえ~」
人造妖魔に人造神魔。人造妖魔は人間だけだが、確実に人造神魔はガープが絡んでいる。どれだけの個体数が在ったのか、どれだけの期間研究されていたのか?それらを突き止める術はない。だが判っていることは1つだけあった。
「人間同士の醜い足の引っ張り合いが起きるわ~それだけは避けないと~」
東京の隕石落としで既に判っていたが、視察団やオカルトGメンの若手の行動は酷い有様だった。だが今回は本来見方であるべき人間の中に日本を滅ぼす研究をしている者が居る。それは何としても避けなければならない。
「あ、もしもし~唐巣君?~悪いんだけど~少しの間東京を離れるからよろしくね~」
えっ!?どういうことですか!と叫んでいる唐巣君を無視して受話器を戻して執務室から立ち上がる。目的地は首相官邸だ、陰陽寮の現当主の躑躅院が存続を諦め、GS協会の傘下に入る事を認めた。これで陰陽寮を支持している政治家連中の要らないやっかみを受けることは無くなる。
(本当に馬鹿しか居ないんだから~)
既に崩壊している陰陽寮の顔を立てろとか、GS協会と六道は陰陽寮の傘下に入るべきだと言っていた馬鹿な連中の顔を思い出す。だが今回の陰陽寮の傘下の研究者が人造妖魔の研究をしていたと言うことが明るみになれば無理に陰陽寮の存続は出来ない。
(いえ、確実に繋がってるわねえ~)
陰陽寮の支持をしていた政治家達は南部グループや東部グループのパーテイに出席していた。そう考えれば間違いなくクロだ。
「それで~今回は手伝ってくれるのかしら~?」
「……ええ、その為に無理を言いましたから」
「全く、お前と一緒だと飽きないよ。美知恵」
死んだ筈の美神美知恵と魔族のワルキューレのコンビに私は笑みを深める。
「そろそろ邪魔者を排除したかったのよねえ」
「先生、良い御歳なのですからもう少し大人しく出来ませんか?」
「出来ると思う?」
「……はい、そうでしたね。すみません」
私に睨まれて肩を竦める美知恵ちゃんだけど、彼女が集めてきてくれた情報は本当にありがたい。死んだ事になっている事と魔族の協力があるから得れる資料が沢山ある。
「じゃあ行きましょうか~令子ちゃん達が戻る前に決着をつけるわよ~」
「本当、そうしてください。私はまだ令子に見つかる訳には行かないので」
美神達が京都に居る間、東京でも戦いの幕が上がろうとしていた、高度な政治戦。だがそれは決して甘い物ではなく、下手をすれば除霊よりも激しく、そして悪辣な人間同士の争いなのである。
リポート31 サイド東京 その1へ続く
次回は東京での話、陰念や雪之丞と言った、ここ最近メインで話になっていない人物の話を2つほどやりまして、セカンドは終わりになります。横島達の視点で丁度いい話を切る所が無かったのと、セカンドとファイナルの間に平安大魔境が入りますので、綺麗な終わり方になりませんが、そこは広い目で見てください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い