GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はハーピーとの決着の所まで書いていけたらと思っています。唐巣神父との話し合いは……さっくり風味で終わってしまうかもしれないですけどね。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その3

 

 

リポート4 保父さん横島 その3

 

美神が自分の父に会いに行くと言って事務所を後にした。本来なら単独行動は危険だが、逆に言えばこっちにターゲットが集まっているので美神が狙われないという可能性もある。しかし今回美神が単独行動をした理由で思い当たるのは、やはり複雑な家族関係になるのかもしれないな……そう思うと、やはり強引に付き添う事が出来るわけも無い。シズクによる保険は掛けているが……

 

「……私は横島は護るが、それ以外は正直どうでも良いんだがな」

 

【そう言うな。美神が死ねば、横島が悲しむぞ?】

 

美神は念の為に水のペットボトルを持っていった。だからもし美神がピンチだったのなら転移してくれと頼んだのだが、シズクは思いっきり嫌そうだ。これが横島なら言わなくてもやってくれるんだがなと苦笑しながら

 

【どうだ?何かの気配は感じるか?】

 

【うーむ、今の所は感じないの!見つければ打ち抜いてやるわ】

 

火縄銃を肩に担ぎ、かっかっかと笑うノッブ。横島は今令子とアリスを寝かしつけているので、私を机の上において作戦会議を頼むと言って行ったのでこうして話し合っているが、いつまでも篭城を続けるわけには行かないし、難しい所だ

 

「なにか妙に鳥が集まっていますね?」

 

聖奈が窓の外を見てそう呟く、確かに事務所の回りを鳥が飛び交っている。しかもかなりの数だ

 

【なにか訴えかけているようにも見えますね】

 

その鳥達は代わり代わりに窓枠の近くにとまり、まるで懇願するかのように、窓と嘴で突きこちらを見つめ続けている。鳥達が何を訴えかけているのか?鳥の言葉を理解出来ない私達にはその何かを理解することが出来ないのだった……ただ1人、横島が寝かしつけようとしている1人の少女を除いて……

 

 

 

唐巣先生の教会に行くと、唐巣先生は私1人で来た意味を悟り、ピートと牙が封印されて半泣きのシルフィーちゃんに外出するように告げ私を教会の奥へと案内してくれた。ブラドー伯爵は不在らしいが、出来ればブラドー伯爵にも話を聞いて、もっと詳しく理解したいと思ったが、今の私の状況と時間が無い。また後日尋ねてくることを約束し、父の事。そしてチューブラーベルについてだけ教えて欲しいと頼んだのだ。

 

『判った、そう言うことなら簡潔に話そう』

 

自分が無理な要求をしていると判っていたのに唐巣先生は嫌な顔をせずに教えてくれた、ママと父さん……そしてチューブラーベルの事を……

 

「なるほどね、ふざけた真似をしてくれたじゃないの」

 

コブラに乗って東都大学に向かいながら、聞かされた話を再び頭の中で整理していた。元々美神の家は六道の家にも引けを取らない霊能者の一族だったらしい、所がママに取り憑いたチューブラーベルの除霊に失敗、祖父母は死に。ママもチューブラーベルに取り憑かれ余命も幾ばくも無かったと……それでもGSとして活躍し、祖父母の汚名を晴らそうと努力していた

 

「なんで教えてくれなかったのよ」

 

父さんの精神感応能力の応用でママに取り憑いたチューブラーベルを自身に取り込み、自殺する。そしてママを救う、それが父さんのやろうとした事で結果はチューブラーベルを倒したが、父さんは死ななかった。そしてママの方から結婚を迫ったらしい……

 

「大体私を避ける理由がふざけるなって話よッ!」

 

ママは父さんと一時的に精神が繋がっていた事もあり、霊体が交じり合い。父さんの暴走している精神感応能力に耐性が付いた。でも私には耐性が無いので自分の娘の心を読むのが嫌だったとか、正直ふざけるなと言いたい

 

「絶対今度南米から戻ってきたら文句を言ってやる。勝手に思い込むんじゃないわよ」

 

しかも父さんは父さんで私を避けながらも、私の生活費を振り込んだり、こっそり私の運動会や、授業参観、そしてGS試験までも見に来ていたと言う。唐巣先生は

 

『公彦さんは人見知りが激しい上に、物凄くネガティブなんだ、君に会いたいけど、嫌われるのが怖いって良くこの教会で隠れてたよ』

 

知るかッ!!!と言うか帰国しているのなら顔くらい見せろ!!!と言うか、その時期には私も教会にいたし!唐巣先生も先生だ。幾らなんでも娘から逃げ回る父親がどうなのか?位は思って欲しかった

 

「あー最悪、今までの父さんのイメージが崩れたわ」

 

鉄仮面と言う所で外見の印象は最悪だったが、禄に話もした事が無かったので性格などは想像するだけだったが、まさか人見知りかつネガティブで私に会いたいけど隠れているなんて思っても見なかった

 

「と言うか!会いたいなら会いたいで自分で電話しろぉッ!!!」

 

何時も時間はあるか?と電話してくるのは松井さんだった。だから私は父さんがママの事を忘れて松井さんと再婚するのでは?と思っていた。だから私に会いたいという電話を松井さんにさせてくるのだと思っていた

 

「よし、決めた。一発殴ろう」

 

今から丁度東都大学に行く。そこで父さんのスケジュールをこっそりと聞いて、日本に戻ってきたら全力で殴ろう。その後は……

 

「ママの話をしながらご飯でも食べようかしら……」

 

そうだ、それがいい。その為にもまずは……

 

「とっとと過去の私とアリスちゃんを狙っている魔族をしばき倒すわ」

 

私はそう呟き、アクセルを強く踏みしめるのだった……

 

「本当まどろっこしいことをするわね」

 

松井さんから渡されたのはかなり厚みのある便箋。態々送ってこないで、松井さんに預けていたのは……恐らく送付できない理由があった

 

「やっぱり、ママからの手紙だわ」

 

便箋の中からはボロボロになった便箋が出てきた。きっとこれにママを襲っていた魔族のヒントがある

 

『令子へ、貴女がこの手紙を読んでいると言うことは私から子供の時の貴女を預けに行った日の翌日の筈です。貴女には隠していましたが、私には時間を自由に移動する能力があります。しかしこの能力は歴史改変になり、あまり使いすぎると神魔に危険人物と判断され、処罰されることになり滅多に使う事の出来ない能力です。でも時々こっそりと貴女の事は見に行っています、2人の弟子をとって立派な師匠とし2人を導いているのですね。私はとても安心しました』

 

師匠か……正直私はまだ弟子を取るには早すぎたと思っている。でも横島君と蛍ちゃんのおかげで私自身も成長出来ていると実感している。だから私は今後も2人の良き師匠として頑張って行きたいと思っている、そしていずれは独立させて事務所を持たせてあげたいと思っている

 

『今貴女の元には幼い貴女とアリスちゃんと言う少女がいる筈です。良いですか?令子、貴女自身もそうですが、アリスちゃんを護るのです。彼女は魔界の重鎮の義娘なのですから……』

 

それは判っている。黒介、赤介と名乗る2人組みは私が逆立ちしたって勝てないほどの魔族だと

 

『今から指示する事を守りなさい。いいですね?敵は……』

 

「なんですって!?」

 

読み進めている内に私は驚愕の悲鳴を上げた。そしてそれから数秒後

 

【美神さん!横島さん達が魔族に追われて事務所を出ました!早く合流してください!】

 

空を飛んできたおキヌちゃんの悲鳴にも似た声に頷き、私はコブラの元へ走り、その場を後にするのだった……

 

『くっくっく上手く行っているようだな』

 

令子がその場を後にしてから影から這い出るように現れた魔族は邪悪な笑みを口元に浮かべ、広がり始めた雨雲の中へと消えるのだった……

 

 

 

 

大粒の雨が降る中、俺は令子ちゃんとアリスちゃんを抱えて走り回っていた。シズクや聖奈さんとは分断され、蛍とはさっきコンクリートの橋を破壊された時に逸れてしまった……

 

「!!」

 

悲壮そうな顔をして翼の弾丸を飛ばしてくる翼のある魔族。執拗に足を狙ってくるその翼を避け続ける事が出来たのは心眼のおかげだ

 

【その場でターン!、10秒停止!右斜めに全力で走れ!】

 

指示は細かく、そして無茶な物が多いがそれでも俺の体力なら走り続ける事が出来た

 

(さ、流石にやばいか……)

 

だがそれにも限界が来る。幾ら軽いと言っても人間2人を抱えている、そういつまでも逃げきれる物じゃない

 

「……」

 

俺達の前に立って辛そうな表情をする魔族……今こうして見ていても、手が震えているのが判る

 

「お兄ちゃん」

 

「よこしま」

 

怯えて震えている令子ちゃんとアリスちゃんを下ろして、庇うように前に立つ

 

「あんた、ほんとはこんな事したくないんじゃないのか?」

 

足を狙わず、俺の頭なり、腹を狙えばそれで終わっていた。俺は死んで、アリスちゃんと令子ちゃんは恐らく怪我をして動けなくなる。誰が考えたってそれがもっとも賢い、だがそれをしなかった理由を考えると思いつくのは1つだけ、この魔族は人を殺したくない

 

「……でも殺さないと、あたいが殺される!ごめん!!」

 

謝罪と共に放たれた翼の弾丸が俺の左胸を……そしてアリスちゃんと令子ちゃんを貫く、その衝撃で吹っ飛ばされながら俺が見たのは、こっちに向かってくるコブラを運転する美神さんの姿だった……

 

「良くやったハーピー」

 

「……」

 

目を見開き倒れている横島とその横島にすがり付いて泣いている子供2人を見ながら、空から1体の異形と男が降りてくる

 

「これであたいを開放してくれるんだろ?」

 

震えながら尋ねるハーピーに異形の方が喉を鳴らしながら

 

「ああ、開放してやるとも、辛い生からな」

 

「ごはっ……」

 

異形が手のひらを向けると、そこから槍が飛び出しハーピイの身体を貫く、口から大量の血液を吐き出しながら倒れるハーピーを見ながら異形は楽しげに笑いながら、ハーピイを縛り付けていた呪いの装飾品を踏み砕く

 

「これでデタントは崩壊。横島忠夫の死と美神の一族の根絶、そしてベリアルとネビロスの寵児のアリスの死で完成する」

 

異形が翼を奮うと、漆黒の翼が横島達を飲み込む、鋭利な形状を持つ翼だ。コンクリートを切り裂き、宙に舞う砂煙とコンクリートブロックを見て異形はほくそ笑む。これで全てが戦争に向かって流れていくと

 

「ああ、そうだな。これでくだらない仲良しごっこも終わりだ」

 

男の姿が水になり、次の瞬間には着物姿の竜神の姿になる。竜神はまだ離れてた所でコントロールを失うコブラを見つめ

 

「確定したな、美神令子が死んだから、未来の美神令子が消えた。これで私の目的も完了だ」

 

2人が後はっと同時に呟いた瞬間。第3者の声が響いた

 

「後は横島達を殺したハーピーを殺したとし、自分達の地位の確立と言う訳ですか?」

 

巨大なミスリルの槍を手にしたブリュンヒルデを見て、驚愕に目を見開く異形に今度は

 

「くたばれええええ!!!!」

 

コンクリートをコブラのタイヤで抉りながら、美神の怒声が響き渡り、2体を体当たりで弾き飛ばす

 

「ば、馬鹿な!?な、何故!?」

 

過去の美神令子が死んだのだから、未来の美神令子も死んでいる筈のに目の前に居る。その事に困惑している2人に更なる声が重なる

 

「……私が横島を死なせるわけが無いだろう。馬鹿者が」

 

困惑している魔族に淡々としているが、凄まじい激情の込められた眼で睨みつけるシズク。そしてその影から

 

「あいてて、氷でも完全に防げねぇとかはんぱねえな……」

 

「ご、ごめんよ?あ、あたいも手加減したつもりだったんだけど」

 

死んだ筈のハーピーと横島が身を起し、火縄銃を担いだノッブと精霊石を手にしている蛍。そしてその背後で馬鹿にするように笑っているタマモを見た事で、自分達は嵌められたのだと今更気付くのだった……

 

少し時間は遡る、それは事務所に大量の鳥が集まっていた頃。横島によって寝かしつけられようとしていたアリスが起き上がり叫んだのだ

 

「あの鳥さん達助けてって言ってるよ?優しいあの人を助けてって」

 

助けて?その言葉の意味が判らない横島達に対してアリスは窓を開けて

 

「うん、うんうん。判ったよ、お姉ちゃんやお兄ちゃんに伝えるから、貴方達はその人を連れて来て?」

 

鳴き声を上げて飛んでいく鳥を見ながらアリスは振り返り

 

「あのね?私達を殺せって言われてる人は脅されてるんだって、そんな事したくないって泣いてるんだって。お姉ちゃん、お兄ちゃん。助けてあげて」

 

涙を流しながら助けてあげてと懇願するように言われた横島と聖奈はシズク達の意見も聞かずに

 

「任せろ。だから泣かなくて良いんだよ」

 

「ええ、任せてください。多少事情を聞く事になると思いますが、必ず助けます」

 

その言葉にアリスが頷き、横島がその涙を拭っていると

 

「えっと……鳥達に聞いたんだけど……あたいを助けてくれるって本当?」

 

数分後におどおどとした様子で訪れたハーピー。首から下げられた禍々しい魔力を放つ首飾りとその弱りきった姿を見て嘘ではなく、本当に助けて欲しいのだと悟った蛍達は事務所の中に招き入れ、そしてこの狂言を計画し、ハーピーを脅している何者かをおびき出す作戦を立てたのだ。美神の所におキヌが来た時に持っていたのはこの計画の内容を伝える手紙であり、全ては横島達の手の中で行われていたのだ

 

 

 

 

横島は凄いですね。私は愛用の槍を握り締め、背後のタマモ達の話を聞きながら、目の前に居る竜族と魔族を睨みつける

 

「精霊石貸してくれたのは嬉しいけどさ?血生臭すぎるわよ?」

 

横島は氷で身を護っていたが、ハーピーはそうは行かないので九尾の狐のタマモに精霊石を与え、妖力を増幅し幻術を使ってもらう。あの2人は分断したと思っていたようですが、実際は横島の直ぐ近くを走っていたのだ

 

「……それはすまなかった、でもそれしかなかった」

 

「ま、私は良いけどねー?これで横島と何時でも話を出来るし?」

 

精霊石のペンダントを握り締め、私にありがとうと笑うタマモ。加工した精霊石で無ければ装飾品として持てないので、私が所持していた精霊石のペンダントをタマモに与えたのだ。いざとなれば経費でまた手にすることも出来るのでこのままタマモに持っていて貰おうと思っている

 

(しかし、本当に貴方は凄いですよ)

 

私やシズクの反対を押し切り、敵を誘き出すにはこれしかない。最後まで渋る蛍達を根気良く説得し、この作戦を作り上げた。チビ達は横島が危ないと思えば、勝手に動き出すので今回は可哀想だが、ケージの中に閉じ込めて来たが、それで良かったと思っている。アリスちゃんと令子ちゃんに危険性を説明し、自分が必ず護るからと約束し、私の用意した防具を全て2人に持たせ。自分はシズクの氷と防御符だけで身を護ることにし、自らを囮にする作戦を立てた。敵を追い込む場所としてこのショッピングモールと雨が降る時間を待つと言い出した横島。そこには雨が降っていればシズクが自分を必ず助けてくれるという信頼と、私達が分断された振りをするのに適した立地を見出す戦術眼

 

(自ら動かぬ王に兵は従わぬと言いますが……貴方には王の資質がある)

 

人を纏め上げるカリスマ、もし世が戦国時代や戦争などが起きる時代で、そう言う教育を受けていたのなら人の上に立つ素質は十分すぎる。更には思い付きだと言っていたが、その柔軟な発想と機転は私から見ても十分に賞賛するレベルだ。横島は戦士としても軍師としても大成する素質もある。私が英雄と見定めたのが間違いではないと思い知らせてくれた。これだけお膳立てして貰ったのだ、後は横島が望むだけの成果を上げるだけだ

 

「そうですか、貴方でしたか。確か……ザックスでしたわね?」

 

それなりに武勲を挙げ、それなりに手柄を立て続ける魔族。そう言えば今回のベリアル様とネビロス様の投獄を提案したのもザックスだと聞いていた。なるほど竜族と結託して、その上で情報を得てお互いにお互いの情報を得て、派手な武勲ではないが、安定して武勲を挙げ続け発言力を高めていたと言う事ですか

 

「聞いていない!聞いていないぞ!ザックス!何故ここにシズク様がいる!?」

 

シズクの姿を取り乱す竜族を見つめていたシズクはそうかと呟き

 

「……お前はウーロンだったか?いや……シンだったか?……まぁどっちでもいい……横島に手を出したお前は殺す」

 

「ひ、ひいいいい!?」

 

竜神が悲鳴を上げて逃げ出すが、雨が降っている以上この場所は全てシズクの領域だった。

 

「……タマモ」

 

「オーライ」

 

タマモにシズクが目配せすると、横島達の回りに奇妙な妖力の流れが発生する。恐らく幻術で視界と聴覚を誤認識させられているのだろう

 

「ッぎゃあああああああ!?!?」

 

雨全てが刃となり逃げていた竜族の全身を切り刻み、水溜りからは氷の槍が大量に突き出されその身体を刺し貫く

 

(むちゃくちゃ怒っていますね)

 

横島はシズクにとっての逆鱗だった。それに触れた敵をシズクは当然ながら許す訳も無く

 

「……魂ごと喰らってやる」

 

「あ、い、いやだあああああああ!?!?」

 

水溜りから顔を出した巨大な竜の頭が悲鳴を上げる竜族を飲み込む。肉を租借する音が数秒響いたと思うと竜の頭は水となって消えた……

 

「……もう終わったぞ?聖奈後の処置は頼む。監獄にでも入れておいてくれ」

 

……横島達には喰らったと言いたくないと言う事ですね。その為の幻術ですか……まぁ1人残っていれば問題ないですけどね、私はそう判断し小さく頷きながら

 

「ザックスと共に魔界正規軍で捕らえます」

 

もう喰われて存在しない竜族。本当ならもう少し情報が欲しかったが、仕方ない。目の前に居るザックスだけで良しとしましょう。手にしていた槍を消し去りルーン魔術を発動させる準備をすると

 

「舐めるな!ルーン魔術ごときで「ルーンを使うまでもありませんもの、だって貴方……もう終わっていますわ」

 

ザックスが振り返った瞬間。背後から飛んで来た無数の結界札と精霊石の矢がザックスの手足を打ち抜き、結界札で完全に拘束する。ここまでなれば態々私が手を下す必要も無く、自殺を防ぐために口にルーン魔術を施すだけで終わったのだから……

 

「さっすが、ママ。良く横島君の作戦を聞き入れてくれたわ」

 

「ま、最初は驚いたけどね?でも良く許可したわね?」

 

「ううん、許可なんかしてないわ。事務所に戻ったら説教よ」

 

軽く放電している若い美神美智恵に向かって笑いかけている美神だが、事務所に戻れば説教の言葉にこの作戦を実行する協力はしたが、認めてはいないというのが良く判った。そんな2人の隣でおキヌが大きく深呼吸を繰り返していた

 

【はー……はー雷の落ちる所を探し回るのは疲れました】

 

姿が見えなかった、おキヌはどうも未来に転移してきた美神美智恵を捜しに行っていのか……本来時間移動は重罪だが

 

(許可が下りているんですよね)

 

昨日ここ数日の間の時間移動の許可が神魔から下りている、それはもしかすると美神美智恵もまた最高指導者からの指示を受けて行動しているという証拠だ。ならば私は何も言わない、いう必要はない。そしてそれを美神に伝える必要も無い

 

「ではザックス。貴方はこれから魔界正規軍の元へ送ります。後はお父様にお任せしますわ」

 

脱走しようとしているザックスの頭を蹴りつけてから、私はルーン魔術でザックスを閉じ込めた檻を魔界正規軍の元へと送った。そして振り返ると

 

「やっぱ超いてえ……」

 

「きゃああああッ!?!?お、お兄ちゃん!?お兄ちゃんしっかりして!?」

 

「ママー!お姉ちゃん!!よこしまがしんじゃうううううう!?!?」

 

いくらシズクが作った氷があっても、そこは魔族の攻撃を受けた横島。緊張の糸が切れ痛みが出てきたのか白目を向いてひっくり変える姿を見てアリスちゃんと令子ちゃんが悲鳴を上げて

 

「ご、ごめんじゃん……て、手加減はしたつもりなんだけど……」

 

おろおろしているハーピーに話は後と叫んだ蛍は横島を抱き抱えて

 

「意識は無いけど、脈もあるし……骨折とかもしてるわけじゃないわね……打撲と疲労かしら?と、とりあえず聖奈さん!事務所!事務所に跳んでください!」

 

事務所にルーン文字を刻んでおいて良かった。コブラに乗ってきた美神に先に戻りますと声を掛けてから、私は転移を発動させ、その場を後にしたのですが、消える寸前に見た人影を見て小さく苦笑した

 

(貴女もいたのですね。神宮寺くえす)

 

雷に照らされた人影、長い銀髪を雨風に揺らしながら横島を見つめている神宮寺くえす。それほどまでに心配するのなら合流すれば良かったのにと思いながら私はその場を後にするのだった……

 

 

リポート4 保父さん横島 その4へ続く

 

 




美神がオカルトGメンに行っている時の横島の統率力を美神が別行動をしていると言う事で発揮させてみました。
次回はハーピーの今後とか、日常を書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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