GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はハーピーの今後と前回の囮作戦を考えた横島君への説教とかを書いて行こうと思います
助かると判っていても無謀な作戦。師匠としてやらないといけないことはありますからね。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その4

 

 

リポート4 保父さん横島 その4

 

アシュタロスと戦うつもりだった私と交代して、子供の時の令子を連れて来たけど……正直ちょっと驚いていた

 

(凄くしっかりしてるわ)

 

私の記憶の中にあるお金にがめつい令子よりも数倍しっかりしていて、私の理想とした令子の姿だった。だが

 

「令子?それくらいにしたら?」

 

「まだ足りないわ!!」

 

事務所に令子が戻ってきてから4時間説教が続いている。正座している横島君達の顔が実に面白い事になっているので、流石の私も助けを出すことにしたのだが、令子の怒りは相当深く

 

「でもあんまり説教しすぎても酷だわ。横島君はかなり頑張ったのよ?」

 

令子が居ないからと言う事で作戦を考えた。助けて欲しいと訴えているハーピーも助け、自分達も助かる作戦を考え実行した。確かに自分と令子ちゃんとアリスちゃんを囮にしたのは正直駄目だったと思うけど、正直よく考えたと思う

 

(頭はやっぱり良かったのね)

 

この時の横島君は馬鹿な事をしていたと令子達には聞いていたが、それはお調子者の仮面を被っているだけだと思っていた。実際机の上に並べられた作戦の案を見ていると本当はかなり賢いと言うのが良く判った

 

「判ったわママ。とりあえず今後は独断行動絶対禁止!それと横島君は1週間除霊助手の仕事も無し!アリスちゃんの面倒を見てなさい、それと!蛍ちゃん!シズク!横島君は時々とんでもないことをやるんだからしっかり止めなさい!!」

 

「は、はい……判りましたぁ」

 

「す、すいません……」

 

正座で足が痺れたのか事務所の床に崩れ落ちながら、頷く横島君と蛍ちゃんを見て怒った様子で自分の椅子に座る令子を見て、これなら大丈夫だと確信した。弟子の事を心配し、本気で怒る。横島君と蛍ちゃんのおかげで令子も成長していることを目の当たりにし、私は笑みを零しながら

 

「とりあえず軽く夕食でも作るわ。話はその後で」

 

令子達も疲れているだろうから私が夕食の準備をするわと声を掛け、私はキッチンに向かうのだった……

 

 

 

美智恵さんが用意してくれたパスタで軽く空腹を満たした所で事務所の隅でご、ご馳走様でしたと手を合わせるハーピーを見つめる。酷く弱気でびくびくとしている。美智恵さんは時間移動の疲れもあると言う事で休むわと言って寝室に向かってしまったので今はここにはいない。無理に話し合いに参加してくれとは言えないので、仕方ないことだけど。出来れば美智恵さんの意見も聞きたかったわね

 

「みむ!」

 

「うっきゅー!」

 

「え。あ、う、うん……」

 

チビとモグラちゃんと会話出来るようだけど、一体何の話をしているのだろうか?

 

「パスタ美味しかった?」

 

「うん!すっごくおいしかった♪ね、令子ちゃん」

 

「うん、すっごく美味しかった♪アリスお姉ちゃん♪」

 

口の周りをケチャップでべたべたにしているアリスちゃんと令子ちゃんの口をハンカチで拭っている横島はとりあえず、話し合いには参加出来そうに無いわね

 

「魔界正規軍としてはハーピー。貴方を被害者として保護することは可能です、可能ですが……正直に言うと身の安全を100%は保障できません。今魔界も天界もスパイ騒動でバタついています、あのザックスや竜神を見れば判るでしょう」

 

確かにハーピーを脅しているのが魔族と竜族だなんて思ってもいなかった。つまり今は魔界や天界は決して安全地域ではないということだ

 

「じゃあ、聖奈さん。ハーピーさんは人間界で匿えば良いんじゃないのか?」

 

散歩無しで不機嫌そうなチビとモグラちゃんをアリスちゃんと令子ちゃんと一緒にボールで遊んでいる横島が気楽そうに呟くが聖奈さんがそれは駄目ですねと呟いてから

 

「それも難しいですね。もし事情を知らない、魔界正規軍などに見つかれば間違いなく、話を聞く聞かない以前に抹殺されます」

 

抹殺と聞いて顔を青くするハーピー。詳しく話を聞きたいだろうし、何とかして彼女の身の安全を確保できないだろうか?

 

情報を持っているハーピーすらも抹殺対象になっているだろうし……かと言って魔界正規軍とかも安全とは言えないとなると……どこで匿うかが問題になってくる。最悪小竜姫様に事情を説明したら妙神山で匿って貰えるだろうか?と考えていると

 

【じゃああれはどうじゃ?眼魂の中に隠れて貰うか】

 

ノッブがそう提案するが、今までは幽霊だから隠れる事が出来たが、ハーピーが隠れる事が出来るだろうか?

 

「あ、あたいはどうすればいい?」

 

見捨てないでと濡れた目で見つめてくるハーピー。ここまで助けてと言っている相手を見捨てる事は出来ないし……

 

「いや私を見ないでよ。別に暫くの間匿うことくらいは構わないわよ?でも何時までもは無理よ」

 

【そうですね、私の結界は外からには強いですが、中の反応を完全に隠すことは出来ませんから】

 

私の事務所今人外率半端無いんだからと言う美神さん。ま、まあ確かに今事務所の人間の比率が少なすぎる。しかしいっちゃんが護りきれないと言うと、事務所で匿うと言うことは出来ない。それじゃあ彼女を匿う場所が無い……どうするか悩んでいると

 

「ねえ、お姉ちゃん。私が黒おじさんと赤おじさんに頼んであげようか?」

 

「え?」

 

誰もが妙案を思いつかず、唸っているとアリスちゃんがチビを膝の上に乗せ、頭を撫でながら

 

「黒おじさんと赤おじさんはとってもとっても凄いの♪今はお仕事でお家に居ないけど、黒おじさんと赤おじさんが居ればお姉ちゃんもきっと大丈夫だと思うよ?オーディンおじちゃんも私が説得してあげるよ?」

 

オーディンおじちゃん?私達の視線が聖奈さんに集まる、聖奈さんの魔族としての名前はブリュンヒルデ。戦乙女ヴァルキリーだ。つまり……オーディンは聖奈さんの父親になるはずだ。そして聖奈さんは魔界正規軍の副司令……つまり……

 

「私の父で魔界正規軍司令です」

 

……それをおじちゃんと呼べるアリスちゃん。それはきっと黒おじさんと赤おじさんと言うのが魔界の中でも相当な重鎮と言う事で……そんな2人に匿われる。それは何よりも安全と言うことの証明だった

 

「ほ、本当?嘘じゃない?」

 

「うん!アリスね、お姉ちゃんが欲しかったの♪お姉ちゃんがアリスのお姉ちゃんになってくれるならお願いしてあげるよ」

 

なるなる!アリスちゃんのお姉ちゃんになる!と何度も頷くハーピー。よっぽど安心したのか、涙を流している。

 

「当たり前だけど、魔族にも感情があるのよね」

 

【何を当たり前の事を言っている?生きているんだから感情があって当たり前だろう?】

 

美神さんの呟きに心眼が反応して厳しいことを言ってるけど、まさにその通りだ

 

「黒介さんと赤介さんは1週間ほど仕事が入っているので、1週間の間だけ人間界で暮らしてください。その後はアリスちゃんと貴女をあの方達の宮殿にご案内します」

 

何にせよこれで、当面の問題は解決したわね……安心したからか、どっと疲れが出てきた

 

「じゃあ、俺は家に帰るわ、アリスちゃん行くよー」

 

「はーい♪じゃあねれーこお姉ちゃん、また明日」

 

「うん、また明日あそぼーねー♪」

 

令子ちゃんに見送られながら横島達が事務所の床に刻まれたルーン魔術で家に帰っていく、私はどうしようか?と思っていると美神さんが

 

「蛍ちゃんも疲れてるでしょ?今日は泊まっていくと良いわ。おキヌちゃん、確か布団が余ってたわよね?」

 

【はい!今用意してきますねー、美神さんと蛍ちゃんはお風呂で汗を流してきてください】

 

除霊の関係で泊まる事もあるからって美神さんの事務所に着替えを置いておいて正解だったわね。雨と汗でびしょびしょで気持ち悪かったので、おキヌさんの言葉に甘えて私と美神さんは浴室に向かうのだった……

 

 

 

美神さんから除霊の付き添い禁止と言われたので、ここ数日俺は令子ちゃんとアリスちゃんの面倒を見ていた。蛍もあげはも同年代だから一緒に面倒を見てくれる?と言うのは今日はあげはちゃんも一緒だ

 

「あ、あげはでちゅ」

 

「アリスはアリスだよー♪よろしくねあげは」

 

「れーこだよ♪」

 

ニコニコと笑いながら自己紹介をしているアリスちゃん達を見ながら、持ってた玩具を確認する

 

(ゴムボールとフラフープ……めんこは無理かな?)

 

俺自身はめんこは得意だけど、アリスちゃん達じゃ無理かな?公園の遊具とゴムボールで遊ぶかなっと思いボールを取り出して

 

「アリスちゃん、行くよー?」

 

「うん!」

 

来ーいっと笑うアリスちゃんにボールを軽く投げ渡すとアリスちゃんは今度はあげはちゃんに行くよーと笑い、ボールを投げ渡す。そんな光景を見ているとふと思うアリスちゃんも懐いてくれているし、令子ちゃんも懐いてくれているので一緒にチビ達の散歩をしたり、公園で遊んだりしているとふと思うのだ

 

(保父さんって案外天職?)

 

GSになりたいというのは嘘じゃない、だがこうして令子ちゃんやアリスちゃんと遊んでいると気持ちが穏やかになるのも本当だ。もし俺が蛍に出会わなかったら、もしかすると保父さんを目指していたのかもしれないなと考えながら、投げ渡されたボールを受け取り、渡してくれた子と別の子に渡して遊んでいると

 

「お兄ちゃーん!ブランコ!ブランコ押してー♪」

 

「れいこもー♪」

 

ボール遊びに飽きたのか、ブランコに座って俺を呼ぶ令子ちゃんとアリスちゃんの声で思考の海から引き上げられる。

 

「うっし、じゃあ行くかタマモ」

 

「コン」

 

俺の隣で丸くなっていたタマモを頭の上に乗せてブランコに向かう。タマモは精霊石があれば人間の姿を取ることが出来るが、少ない霊力を精霊石で増幅させているだけなので長時間変化していると調子を崩す事が判った。事実急に狐の姿になってぐったりとしたタマモを見て絶叫した物だ

 

「明日は精霊石貸してやるからな?」

 

「クウン」

 

精霊石で人間になっていいのは、1週間の内3日。しかも連続では禁止と言われたので俺としてもそれに従うしかない。タマモは大事な家族なので弱った姿は見たくない、なのでタマモは欲しがるが俺は精霊石を取り上げた

 

「みみむー」

 

「うきゅー!」

 

砂場で遊んでいたチビ達が足元に駆け寄ってくるので、拾い上げて肩の上に乗せて俺はブランコのほうに歩き出すのだった……

 

「「「すー……すー……」」」

 

「よいっしょっと」

 

遊び疲れたのかベンチで眠ってしまったアリスちゃん達を背負って家へ向かう。タマモも頭の上に乗っているし。、チビとモグラちゃんも両肩で眠っている上に、3人も背負うと流石に重いしバランスを取るのが難しいなあと苦笑していると心眼が

 

【横島は子供が好きなんだな】

 

穏やかな声でそう尋ねて来る。俺は3人を落とさないように気をつけながら、ずり落ちてきたあげはちゃんをしっかりを背負いなおしながら

 

「そりゃ子供は好きやで?ロリコンとか言う意味じゃなくてな?子供は護ってやらなあかんからな。それに俺自身は怒られた記憶しかない。だからその分甘くなるのかもなあ」

 

お袋と親父には怒られた記憶しかない、だからその分甘くなるのかも?と苦笑しながら言うと

 

【お前は両親が嫌いか?】

 

「いや?嫌いではないよ?ちょっと苦手だけどな」

 

親父とお袋が嫌いか?といわれると違うと断言出来る。確かに苦手意識はあるが、親が嫌いなんて思った事は無いよ

 

【そうか、それなら良い。厳しく育てる事がお前の為になると思っていたんだろうな】

 

俺としてはもう少し優しい方が良かったぜと呟き、令子ちゃんやアリスちゃんを落とさないように気をつけながら、帰路についたのだった

 

「はい、はい。判りました、じゃあ令子ちゃんは預かっておきますね」

 

『ええ、ごめんね。近い内にはまた雷雨が来るらしいから、それまでは迷惑を掛けるけど宜しくね』

 

令子ちゃん達をソファーに寝かし、事務所に電話すると除霊の後の打ち合わせの話で暫く迎えにいけないので、預かっていて欲しいと言うので判りましたと返事を返し受話器を元に戻す、ルーン魔術の転移陣はもう消されてしまったのでそれで向こうに飛ぶって事も出来ないし、寝ているアリスちゃんを置いて出掛けることも出来ないので、美神さんが迎えに来るのを待つ事にし、空いているソファーに腰掛け溜息を吐くと

 

「……子守で疲れたか?」

 

机の上にお茶とお菓子を置きながら尋ねて来るシズクに良いやと返事を返し

 

「全然。見ていると穏やかな気分になって落ち着いてくるよ」

 

子供の持つ癒しパワーは凄いと苦笑しながらシズクが用意してくれたお菓子に手を伸ばそうとすると

 

「っと?どうした?」

 

無言で膝の上に頭を預けてきたシズクにどうかしたか?と尋ねるとシズクは

 

「……お前が疲れていないのなら私を休ませてくれ、流石に疲れた」

 

ふあっと欠伸をするシズク。確かに魔族とかの襲撃は退けた、だけどそれで終わりな筈はないとずっと警戒してくれているシズクの疲労はきっと誰よりも重いはずだ

 

「判った。今はゆっくり休んでくれ」

 

「……ん」

 

目を閉じたシズクの髪を撫でながら、俺の変わりに除霊の助手に行っているノッブちゃんが帰って来るまではこうしていようと思った……

 

【ワシ、帰れないんじゃが……】

 

なお既にノッブは横島の家まで帰って来たのだが、横島から見えない角度で鬼の表情をしているシズクに睨まれ帰るに帰れず、更に

 

「シズクぅ……そんなに私に見せ付けて楽しいですか?私を怒らせて楽しいですか……で、でも会いに行くにはタイミングが重要だって、そのタイミングって何時なんですか……誰か私に教えてください……」

 

(何これ怖い……)

 

白い着物姿の竜族の少女が隣で口から火の粉を撒き散らしているのを見て、ノッブは考えるのを止め、帰る予定時刻までの1時間をこの場で耐える事にするのだった……

 

 

 

今日の除霊はちょっと色々とハプニングがあって、その後に問題があるって事で令子が依頼主の所に話し合いに行ってしまったので、今事務所には私と蛍ちゃんとおキヌさんの3人といっちゃんと呼ばれている人工幽霊だけ……これは良い機会かも知れないわね

 

「さてと令子もいないし、1度おさらいしておきたい事があるからいっちゃんだったかしら?暫くの間干渉しないでくれる?」

 

【判りました?では少しの間事務所などの結界の強化などを行います】

 

いっちゃんの気配が遠ざかったのを確認し、怪訝そうな顔をしている蛍ちゃん達を見ながら

 

「そんなに警戒しなくてもいいでしょ?蛍ちゃん、氷室絹さん」

 

私の言葉にまさかと言う顔をする蛍ちゃんとおキヌさんに

 

「お父さんが大好きだからって逆行までするなんて、おばあちゃん流石にちょっと予想外だったわ」

 

ふうっと溜息を吐く、これは本当に祖母として心配せざるを得ない事態だ。私の言葉を聞いて私も逆行しているのだと気付いたのか

 

「お、おばあちゃん!?え?え!?なんでえ!?」

 

【ま、まさか横島さんを狙って!?】

 

……頭痛を感じながら違うわよと呟き、鞄からノートを取り出しながら

 

「貴女達が逆行してからの事故でねえ。不意にこの時代に来ちゃったのよ。今は神魔と相談して人間界側の情報を集めるって事で協力体制にあるわ、優太郎さんにも会って話はしてるから、蛍ちゃんは一応伝えておいてくれる?直接行くのも難しいから、それと本来この時間軸に来るはずの私はもう南米で隠れてる。そのうち私と統合されるか、私が未来に戻るか?のどっちかだと思うけど、それは先の話だから今は考えなくても良いわ」

 

とりあえず対消滅しないって事だけは判っているので心配する必要は無いわと前置きしてから

 

「とりあえず今私が得ている情報だけ教えるから、それを覚えて。時間が無いから質問は無し。話し終わって令子が戻ってなければ一応は聞くわ」

 

令子は私がいる事で除霊の依頼を受ける数を減らしている。いずれ帰ってしまうと判っているから、それまでは私と一緒に居たいと思っているのだろう。これは私が令子の為と動いて令子に与えてしまったトラウマの所為だ、だから時間は短い、残っている時間で私が得た情報を全て伝える事が出来ればいいんだけど

 

「まずは魔界からの情報だけど真の蠅の王ベルゼブルが近い内に人間界に来るらしいわ、自分の名を騙る偽の蠅の王ベルゼバブの討伐の為。多分干渉することは無いと思うけど、覚えておいて」

 

蠅の王の名に身体を硬直させる蛍ちゃんとおキヌさん、魔界の重鎮も重鎮だ。そんな相手が人間界で、しかも自分の名を騙る者を討伐に来る。それを聞くだけで硬直するのは当然だ

 

「そしてベルゼブルが動いているのは香港。ここまで聞けば判るわね?」

 

逆行している者しか知りえない、GS試験。そして香港これは重大なキーワードとなる

 

「……原始風水盤……」

 

「そうその原始風水盤事件の時に高確率で動くわ。もしかすると時間が左右する可能性もある、最優先で優太郎さんに伝えておいて」

 

令子を迎えに行く前にメモしておいた現在の調査状態を蛍ちゃんに手渡す。

 

「次にだけど、今香港では私とワルキューレの2人で調査しているんだけど、精神攻撃をされている可能性が極めて高いわ。調査前は警戒していたのに、結果は異常なしが多すぎる。それに今まで全然気付いてなかった、もしかするとガープ、もしくはそれに匹敵する高位魔族が香港に居るのかも知れないわ」

 

調べたいのに調べる事が出来ないジレンマ。確実な証拠が欲しいのに、それを目の前まで見つけながら妨害される。正直私もワルキューレもかなりイライラしている

 

「それで調べたらそこはかつての魔人襲撃の際や、神魔大戦の激戦地だと聞くわ。何かあるのは間違いないし、香港自体にかなり古い魔術式が刻まれているからもしかするとそこに魔人が封印されているのかもしれないわ、魔人に付いて判っているのは殆ど無し、2つ名を名乗っているって事だけね1人は鮮血、もう1人は神魔殺しの死神、そして最後に原初の魔人姫、この魔人姫と言うのが頂点で後のはそれに従ってるらしいわ」

 

どうせなら名前だけじゃなく、詳細も知りたかったのだがその関連の書物は禁書として封印されていたのが、ガープによって既に強奪されていると言うと

 

「まさかガープの目的は封印されている魔人の解放?」

 

「その可能性が高いから困ってるのよ」

 

神魔のどちらも敵と認識し襲ってくる魔人。そんなのが開放されれば思うように動けなくなる、だからなんとしても再封印したいと言うのが神魔共通の意見だ

 

「とりあえず私はワルキューレと一緒に香港をまた調べるつもり。蛍ちゃんはそれを優太郎さんに渡しておいて」

 

一応は過激派魔族の頭領として活動している優太郎さんに直接会いに行けばスパイだと疑われる。だから蛍ちゃんに渡しておいてとお願いし、2冊のノートを手渡すと

 

【あ、美神さん帰って来ましたよ!?】

 

外から聞こえてくるコブラのエンジン音。何とか帰ってくるまでに全部話し終わったことに安堵し

 

「とりあえずお茶淹れて来るわ、何か世間話をしてたって思わせる為に」

 

「ですね、じゃあ私はお菓子を用意します」

 

【あ、それならこっちに割と良いお菓子が……】

 

令子はどうも逆行してきたが、その記憶を封印しているようだ。それはきっと横島君についての後悔から来る物だろう。令子が記憶を持っていれば話は早いが、そうではないので私達は慌てて世間話をしていたという風に見えるように偽装工作をするのだった……

 

 

 

依頼者がいちゃもんをつけてきたので、その話し合いに向かい。契約書の内容に違反していないということを何度も説明しやっと帰って来れた精神的にどっと疲れてたのを感じながら、横島君の家によって子供の時の私と蛍ちゃんの妹のあげはちゃんを預かり事務所に帰る

 

「何の話をしてたの?」

 

寝室に私を寝かして所長室に入ると、和気藹々とした雰囲気で話していたママと蛍ちゃんを見ながら、半分眠っているあげはちゃんを蛍ちゃんの隣に座らせながらそう尋ねると

 

「うん、令子も思わない?蛍ちゃんって押しが全然足りないと思うのよ」

 

「み、美智恵さん!?」

 

押し?ああ、横島君と蛍ちゃんの事ね。私はソファーに座りながら、机の上に置かれたクッキーに手を伸ばし

 

「確かにね、蛍ちゃんは押しが足りないわ、もっとぐっと行っても全然大丈夫だと思うけどね」

 

【余計なアドバイスしないでくださいよ!?】

 

恋話だと判り、余りに奥手すぎる蛍ちゃんをママと一緒にからかいながら、ふと窓の外を見る

 

(もう直ぐお別れなのよね)

 

少しずつ広がっている黒雲を見て、ああ、もう直ぐママとは別れなんだなと思うと寂しくて、悲しかったが、こうしてまた短い時間でもママと話をして、共に過ごすことが出来た感謝するべきなんだと思った……

 

「ママ、短い時間だったけど凄く楽しかったわ」

 

翌日朝から重い雲が降りていて、遠くから雷鳴の音を聞いた時、ああ、お別れなんだなっと思った。横島君や蛍ちゃんは私の気持ちを汲んでくれたのか、付き添うことは無く。私だけで見送らせてくれた

 

「おねえちゃん、よこしまとありすにありがとーって伝えておいて!れいこすっごくたのしかった!」

 

「ええ、判ったわ。ちゃんと伝えておくわ」

 

横島君とアリスちゃん。ずっと忘れていた私と遊んでくれたお兄ちゃんと女の子。それがまさかあの2人だなんてね……

ずっと年上だと思っていたのに、まさか年下だなんて思っても無かったと思わず苦笑してしまう

 

「令子、今だから言うわ。私の時間移動の力を使うには莫大なエネルギーがいるの、それが何かは判りますね?」

 

その問いかけに頷く、ママの言う莫大なエネルギーそれは

 

「雷ね?しかもそれを直撃で受ける事」

 

時間移動の理屈は私には判らない、でも時間を越えるとエネルギーが莫大と言うのは判る、そしてもう会えないって事も判った

 

「賢い子ね、令子。ママは安心したわ、時間移動はとても危険なの、だからもう会うことは無いわ。でもね、令子。私はずっと貴女を見守っています。貴女の事を信頼して、着いて来てくれる蛍ちゃんと横島君によって貴女も成長してるわ」

 

確かに横島君や蛍ちゃんを弟子にとってからはあんまりお金に執着しなくなったし、精神的にも落ち着いてきていると思っていた

 

「だから2人を大切にして導きなさい。それが令子にとって素晴らしい事になるから、これからも頑張りなさい、令子。ママはずっと応援していますよ」

 

ママがそう笑うと目の前に雷が落ち、ママと私の姿が消える。今まで目の前に居たのにと思うと、とても寂しかったし、もっと一緒に居て欲しいと言う事も出来た。でも私がそんなんじゃ、ママがいつまで経っても安心出来ない。思わず目に浮かびかけた涙を拭い

 

「さーて、帰りましょうか」

 

事務所で待っているであろう皆の元へ帰ろう。私はもう1人じゃないから、だからもう大丈夫。

 

(だから心配しないでね、ママ)

 

心の中で天国にいるであろうママにそう呟き、私はその場を後にするのだった……

 

別件リポート 神魔会議へ続く

 

 




次回は別件リポートとなります、これはややシリアスのギャグよりで書いて行きたいですね。どんな話になるのかは秘密ですが、面白いといってもらえるように頑張りたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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