GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はバーサーカーモードONの清姫とシズクが鬼道と夜叉丸をどう扱うのか?それを書いていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



その4

リポート5 貴女はストーカーですか?いいえ、通い妻です♪ その4

 

清姫が居なくなってからヒャクメは毎日毎日清姫を探していたのだが、見つける事が出来ないでいた

 

(あの子の事が判らないのねー)

 

お姫様なのに何故私の目をすり抜けるような逃走が出来るのか?これだけ必死に探しているのに見つける事が出来ない。その事に激しい疑問を抱きながら必死に清姫ちゃんを探していると

 

「っきゃあ!?な、なんなのねー!?」

 

急に日本。しかも東京から桁違いの竜気を感知して、思わず悲鳴を上げる。だがもしかしたら清姫ちゃんかもしれないと思いその周辺を見て

 

「た、大変なのねー!?!?」

 

横島さんが額から血を流して倒れていて、大人になったシズクという竜神と清姫ちゃんが竜気を全開にしていた、あの2人の竜気を全開にすれば、それこそ日本に悪影響を出しかねない

 

「し、小竜姫ー!小竜姫ッ!!!!」

 

このままでは日本が大変な事になるが、天界正規軍や編成中。しかもスパイがいる可能性があり信用出来ない、つまり頼る事が出来る相手が小竜姫しかいないので私は慌てて妙神山へと向かうのだった……

 

 

 

清姫とシズクの相性が悪い、それは2人の本質にその理由があった。炎を司る清姫の本質は破壊であり、水を司るシズクの本質は護りにある。言うならば2人は盾と矛であり、竜気の相性は良くても性格には致命的なまでに不一致を起こしていた。しかし横島を殺されかけた、2人にとって逆鱗と呼ぶべき存在を傷つけられた。それにより2人はお互いの性格の不一致や気に食わないという思い全てを飲み込み、ある一点に置いて完全に協力していた……そう、鬼道を殺すと言う。その一念で……

 

【ギガアアアアア!!】

 

12神将を取り込み、更に狂神石までも取り込んだ夜叉丸はそれこそ、神魔に匹敵する霊力を有しただろう。だがそれは本来式神と言う扱われる存在が持つには分不相応な力だった、理性は弾け飛び、その魔力に突き動かされるように暴れ回る夜叉丸に対し、怒りが限界を超え、逆に冷静になっていた

 

「シズク」

 

「……ふん……」

 

だがそこはやはり犬猿の仲であることに変わりは無い。夜叉丸と鬼道を潰す、その点に関しては協力こそしているが、その視線も態度も協力しているとは程遠い物だった

 

「……やかましい」

 

指を鳴らした静かな音が響いた瞬間。夜叉丸だけではない、鬼道親子の逃げ道も断つように氷の棘が現れる。夜叉丸に向かったその棘は、楽に消滅させるつもりは無いと言うシズクの意思を示しているのか、脚や肩とダメージは大きいが、決して致命傷にならない感覚で放たれていた

 

【ギッ!ギギャアアアアアア!】

 

「シズク、余計五月蝿いですわ」

 

【ギッ!?】

 

駆け出した清姫が夜叉丸の頭を鷲づかみにする、その細い白魚のような肌は竜を思わせる鱗と爪に変化しており、夜叉丸の顔面を握りつぶさんと言わんばかりに締め上げていた

 

「効くと思います?」

 

苦痛に暴れる夜叉丸の蹴りを物ともせず、にやりと笑った清姫は夜叉丸の頭を掴んだまま地面に叩きつけ

 

「燃えろ」

 

【ギ!ギイイイイイイイイイイッ!!!】

 

信じられない力で地面に叩きつけられ、逃れることが出来ない上に炎で焼かれている夜叉丸が苦悶の声をあげ、暴れまわるが清姫はそれを全く意に介せず炎で丹念に夜叉丸の全身をあぶり続ける

 

「や、夜叉丸!!!」

 

自身の式神が言いように痛めつけられている、その光景を見て政樹が悲鳴をあげ

 

「黒い衣に……白髪……ま、まさか!?」

 

怒り狂う清姫の姿に何かを思い出したように顔色を変えた雄一に、シズクはくだらないといわんばかりに鼻を鳴らし

 

「……清姫」

 

「はいはい、判ってますわよ」

 

【ギッ!?】

 

夜叉丸をシズクの方に蹴り飛ばす清姫。体格は倍以上は違うと言うのに、夜叉丸の身体はまるでボールのように飛びながら、シズクの方へ向かい

 

「……くたばれ」

 

【ギ!?ギギャアアアアアアアア!?】

 

「あらあら、もう少し痛めつけようと思っていましたのに……」

 

巨大な氷の槍で両手足を貫かれ、更に胴体にも氷塊を叩きつけられた夜叉丸を見て、清姫はもう遊べないですわねと呟き。夜叉丸の手足にシズクの氷の槍と重なるように、炎を纏った長刀を付き立て、まるで昆虫標本のように夜叉丸の動きを止めてから、恐怖に震える鬼道親子にシズクと清姫の怒りに燃えた瞳が向けられるのだった……

 

 

 

 

 

私は目の前の惨劇を見て完全に放心状態になっていた。シズクが桁違いの竜神と言う事も知っていたし、清姫も同じく膨大な力を持つ竜神だと言うことは知っていた。いや、知っていたつもりだった……

 

【ギガアア!ギガアアアアアア!!!】

 

暴走している夜叉丸はシズクの氷と清姫の炎の長刀で手足を拘束され、更に炎の鎖で縛られ動く事が出来ず磔状態。止めようにも炎と水が嵐のように吹き荒れ、人間では到底止めに入ることなど不可能な状態だ

 

「誰が気絶して良いと言いましたか?貴方達の断罪はまだ終わっていません」

 

「ぐっぎぎゃああああああああああッ!!!」

 

鬼道の父は何度も何度も気絶をしているが、その度にシズクの水で起され、傷を癒され再び嬲られる。その都度に血反吐を吐き、苦悶の叫びを上げる。その余りの声に思わず耳を塞ぐが、それでも鬼道の父の叫びは聞こえてくる

 

「……いい悲鳴だ。だがその程度の苦痛が何だ、お前は横島を殺した」

 

絶対零度の響を伴ったシズクの静かな声が響くと、鋭い氷の針が鬼道の身体を貫く、だが痛みこそ大きいが、死ぬことも出来ない、気絶することも出来ない。嬲るように、痛めつけるように丁寧に丁寧に針を突き刺していく、そのあまりに悲惨すぎる光景に冥子が悲鳴をあげ、蛍ちゃんも目を逸らす。私も直視したくないほどに酷い光景だった……

 

(これが逆鱗に触った者の末路か)

 

シズクも清姫も簡単に殺すような真似をしないだろう。何十回、何百回だって鬼道親子を癒し、叩きのめすだろう。身体ではなく。先に心を壊す、とても残酷で、そしてその表情さえも普段のシズクからは想像出来ない様な恐ろしい顔をしている

 

「お前も後で同じ目にあわせます。何度殺しても飽き足りない!鬼道の家は滅べ!高島様だけではなく、横島様までも私から奪うと言うのかッ!!!」

 

憎悪だけが込められた眼で睨まれた鬼道政樹が泡を吹いて気絶する。しかし鬼道と六道、そして高島という陰陽師……その全てが繋がっていた……平安時代からの因縁。そんな関係者同士がこの場所に一同に会した、こうなると判っていれば決闘に付き添うことなんて無かったのに!時折飛んで来る氷や炎を避けながら横島君の元へと走るのだった

 

「はっ……はっ!蛍ちゃん!横島君の様子は!?」

 

短い距離だったが、シズクと清姫の怒りに反応したのか、あちこちで地割れや木々が倒れてきて思うように走る事が出来ず、さらには無差別に放たれる攻撃を防ぎながらの走りだったので体力を消耗してしまい、息も絶え絶えに蛍ちゃんに横島君の様子を尋ねる。当った場所は額。上手く当っていれば命を失うことは無いが

 

「……駄目なんです、横島……眼を開けてくれないんです……」

 

へたり込んで涙を流す蛍ちゃんに最悪の結果が脳裏を過ぎる。慌てて横島君の側に駆け寄り……私もその場にへたり込んだ……

 

(そ、そんな……)

 

銃弾は横島君の額のど真ん中に命中したようで、バンダナには深い穴が開いている。そしてその穴から止め処なく溢れる血液に血の気が引く、心眼も何も言わないのがその嫌な予想を強くさせる、心眼自身も横島君が死んでしまったから……?

 

「クウン!クウン!!!」

 

「ワンワン!!」

 

「みむー!!みみー!!!」

 

「うきゅー!」

 

チビとモグラちゃんが横島君に必死に呼びかけ、タマモとショウトラが必死にヒーリングを行っているが、ぴくりとも動かない。その隣では冥子が

 

「う、うえ……令子ちゃん、ごめん……ひっく……ごめんねえ……」

 

へたり込んでぽろぽろと泣きながら謝ってくる。違う、いらない、謝罪なんて欲しくない冥華おば様が沈鬱そうに目を伏せているのを見た瞬間

 

(うっ……頭が)

 

強烈な頭痛が襲ってくる、倒れている横島君と誰かの姿が重なって……何かを思い出しかけた時

 

【っはあ!!】

 

バンダナに心眼が現れ、そこから銃弾がはじき出される

 

【ぜえ、ぜぇ……あ、危ない所だった。あとほんの瞬間遅かったら横島死んでいたぞ】

 

荒い呼吸を整えている(?)心眼の言葉に私は思わずそのバンダナに顔を寄せて

 

「横島君は生きてるの!?」

 

【当たり前だ!私が横島を死なせるものか!!ただサイキックソーサーの展開が僅かに遅れたから、酷い脳震盪で気絶しているが命に別状は無い!!!縁起でもないことを口にするな!!!】

 

心眼の怒声で横島君が無事だと判った瞬間。全身から力が抜け、私はその場にへたり込んでしまうのだった……

 

 

 

 

『ありがと~●●様~』

 

『調子に乗るなよ、●●。お前なんて庶民の出の卑しい術師なのだからな』

 

『●●様。父は私を愛していないのでしょうか?』

 

『●●、あんまり派手に動くな。鬼道様がお前の事を嫌っているぞ』

 

『●●様!私は貴方様に嫁ぎとうございます』

 

『……●●。こいつには気をつけろ、こいつの気性は激しいぞ』

 

『●●殿……』

 

「っはぁ!はぁ!!!」

 

目まぐるしく変わっていく場面。誰もが俺に声を掛けてきた……だがその呼ばれている名前はどうしても聞く事が出来ず、常にノイズが走ったように聞こえてた。どことなく冥子ちゃんに似た女性から始まり、シズクや清姫ちゃんの姿も合った。そして最後に現れた美神さんに似た女性の姿を見た瞬間。俺は荒い呼吸をしながら身体を起こした

 

「よ、横島ぁ!!!!」

 

号泣しながら抱き付いてくる蛍の勢いに押され、再び地面に叩き付けられるのだった……しかしそのときの衝撃のせいか、さっきまではっきりと覚えていた夢の光景は綺麗さっぱりと忘れてしまうのだった……

 

「あいてて、蛍?どうしたん?」

 

「……横島が撃たれて、動かなくて、死んじゃったって……」

 

撃たれた……?俺が?倒れたまま美神さんの方を見ると額を指差される。もしかして額に銃弾が当ったのか?と思い、額に手を伸ばそうとすると

 

【動くな横島。脳が揺れている、今動くのは危険だ】

 

心眼の言葉に動かしかけた右手を止めると、ショウトラとタマモが額を舐め始める。暫くすると離れていくこれで治療完了って事か?ショウトラとタマモの頭を撫でてからゆっくりと身体を起こすと、蛍が背中に手を回して起き上がりやすいようにしてくれる

 

「みむう!みむううう!」

 

「うきゅ!うきゅううう!」

 

涙を流しながら突進してくる、チビ達と涙をハンカチで拭っている冥子ちゃんや美神さんを見て、俺が死に掛けていたのは本当の事だと悟る。しかし清姫ちゃんとシズクの姿が見えない。2人の姿を探そうと思い立ち上がろうとすると

 

「無理をしないで、お願いだから動かないで、脳震盪は本当に怖いんだから」

 

「そうよ。横島君、今は動いたら駄目よ」

 

「倒れたりすると~危ないから~動いちゃ駄目よ~」

 

蛍に美神さん、それに冥子ちゃんが動いた駄目だと繰り返す言う、それがどうしてもおかしいと思えてくる

 

「蛍、美神さん、シズクと清姫ちゃんはどこですか?」

 

俺が怪我をしているのにシズクが姿を見せないのはおかしい、だからどこに居るのか?と尋ねると露骨に目を逸らす美神さん達。これは絶対に何かあると蛍が止めるのを無視して立ち上がる。すると激しい耳鳴りと共に立ち眩みがする

 

「横島!まだ立ったら駄目よ!」

 

蛍が俺に座れと言うが、俺はとてもじゃないが座ることなんて出来なかった

 

「お前は殺す、殺してやる!!2度も私から高島/横島様を奪おうとした罪。永遠に悔いろ!」

 

「……次は貴様だ。鬼道政樹……お前の父がやった事だ。お前も同罪だ」

 

漆黒の着物を着た清姫ちゃんと大人の姿になったシズクが鬼道親子を殺そうとしているのを見て

 

「なんで止めないんですか!?」

 

どうして人を殺そうとしているのに止めないんですか!と怒鳴ると冥華さんが

 

「横島君~貴方は彼女達にとって逆鱗なのよ~彼女達は貴方が撃たれた事で我を忘れている。そんな~竜の前に出るのは自殺行為なのよ~寧ろ生贄を捧げて鎮めた方が早いのよ~」

 

生贄?……鬼道達が……?言われた事が理解出来ず一瞬思考が止まるが、直ぐに言われた言葉を理解し、冥華さんに詰め寄ろうとするが

 

【止めよ。横島。お前は穏やかな側面しか見てなかったのだ、寧ろあれこそが正しい姿と言える】

 

【うむ、確かにそうかもしれん……ああなってしまえば言葉など届かない、落ち着くまでほっておくかない】

 

心眼とノッブちゃんが諭すように俺に言うが、そんな事到底納得できる話じゃない。ゆっくりと爪を振りかぶり、心臓に突き立てようとしているように見えた……俺はそれを見た瞬間。蛍や美神さんの静止を振り切って、シズクと清姫ちゃんに向かって走り出していた

 

「止めてくれッ!!!」

 

鬼道達の前に立ってシズクと清姫ちゃんに叫ぶ。2人は一瞬驚いた顔をしたが

 

「目を覚ましたのですね。良かったです、ですが……どいてください、横島様。この愚か者は殺さなければ何度でも同じ事をする」

 

「……そうだ、退いていろ。お前には……人の死は見るのは早い」

 

俺に退けと言うシズクと清姫ちゃんの目は黒く濁っていて、正直こうしているだけもめちゃくちゃ怖い

 

【馬鹿者!今の清姫とシズクの前に立つな!!お前まで殺されるぞ!!!】

 

心眼がそう叫ぶが、今ここで俺が退けば鬼道達はシズク達に殺される。シズク達が人間を殺してしまう

 

「駄目だ。退かない、シズク、清姫ちゃん。俺は無事だ。こうして生きている。だからもう止めてくれ」

 

シズクはずっと俺の側にいてくれた、もう既に家族のような者だ。清姫ちゃんだって乱暴されかけて怖かったと怯えていた、そんな彼女を1人にして置けなくて、俺は家に連れて帰った。そんな2人が人を殺すなんて許せる訳がない

 

「駄目ですわ、横島様。鬼道に情けを掛けてはいけませんわ。この一族はまた貴方を殺す」

 

「……横島。清姫の言う通りだ。お前の優しさは知っている、だがお前を害する者にまで向ける必要はない」

 

シズクと清姫ちゃんは俺の名前を呼んだ。だがそれは俺に向けられた言葉じゃなかった。だから俺は2人の目を見て

 

「俺は横島忠夫だ。高島じゃない」

 

俺の言葉にシズクと清姫ちゃんの動きが硬直する。2人は俺じゃなくて、高島を見ていた。だから必要以上に鬼道達を警戒し、憎んでいた

 

「昔何があったかなんて、俺には関係ない。俺は今を生きている、過去は関係ない。もう1度言う、俺は横島忠夫だ。高島じゃないッ!!!」

 

2人が俺を通して誰かを見ていても良いさ。それは2人の思い出の中を生きている人間だから、だけどその死んだ人間の為に2人の手を血で汚して欲しくない

 

「頼む、止めてくれ。俺は……そんなシズクも、清姫ちゃんも見たくないんだ。だから止めてくれ、俺を思ってくれるなら殺すのを止めてくれッ!!!」

 

俺は俺の側にいる人間には笑っていて欲しい、もしここで2人が鬼道を殺してしまえば、2人はきっともう心からの笑みを浮かべることが出来ない、そう思った。だから俺は必死にそう叫ぶのだった……

 

 

 

おキヌちゃんに案内され六道の家に来たけど、そこではとんでもない事が起きていた。式神が異形へとなり磔にされているし、氷の壁の中に隠れている美神さんや、蛍ちゃんの姿。そして何よりも

 

「頼む、止めてくれ。俺は……そんなシズクも、清姫ちゃんも見たくないんだ。だから止めてくれ、俺を思ってくれるなら殺すのを止めてくれッ!!!」

 

身を裂くような叫びを上げる横島君と、そんな横島君の前に居る大人の姿をしたシズクと黒い着物の竜族の少女。そしてその後ろで頭を抱えてガタガタと怯えている鬼道親子

 

(一体何が)

 

おキヌちゃんの説明では、鬼道(父)が銃を紅い石……恐らく狂神石を取り出し、式神を強化したら暴走したと聞いていた。だが事はそんな単純な状況じゃ無くなっているのだと一目で悟った。横島君のそんな叫びから数秒後

 

「……すまない、頭に血が上った」

 

「そうですわね。すいません」

 

シズクの姿が見慣れた子供の姿になり、竜族の少女の黒い着物が白に戻って行く。横島君はその姿を見て安心したのか

 

「よかっ……た」

 

膝を付いて崩れ落ちる横島君をシズクともう1人の少女が抱き止める。近寄って横島君の顔を見ると、血の気が引いていて青白い顔をしていた

 

「琉璃!鬼道を殺人未遂で拘束して!そいつ横島君を銃で撃ったの!」

 

銃で!?横島君の顔が青白いのは銃で撃たれて出血したからだと悟り。連れて来た部下に

 

「鬼道雄一を拘束!その後GS協会で尋問するわ、聞くことが沢山あるから」

 

どうやって狂神石を手に入れたのか?もしかするとガープの手の者が居るかもしれない、そうなると横島君や蛍ちゃん達が危ない。入手経路や誰から入手したのか?それも知る必要がある

 

「鬼道政樹君。大人しく~降参してくれるわね~貴方の父親が殺そうとした~男の子が貴方を庇ってくれたのに~その恩を仇で返すような真似はしないわよね~」

 

ニコニコと笑っている冥華さんだが、目は全く笑っていない。断る事が許さない雰囲気の中。鬼道政樹はがっくりと項垂れて

 

「判ってます、ボクの負けですわ……でも今の夜叉丸はボクのコントロールを受け付けません。式神をお返しすることも出来ません」

 

へたり込んだまま悔しそうに言う鬼道政樹。その視線の先では夜叉丸と呼ばれた式神が暴れ続けている

 

「令子ちゃん~あれなんとか出来そう~?」

 

「すいません、無理ですね。高密度の霊体です、今の装備じゃあの身体から狂神石を取り出すことは出来ません」

 

狂神石を取り出せば、暴走は収まる。だけどその石を取り出す手段が無い、しかし早く取り出さないと夜叉丸は完全に悪魔へと変貌するだろう……

 

「横島!?横島!大丈夫!?返事をして!」

 

時間が無いと言えば横島君も危ないだろう。血の気が引いた顔で意識が朦朧としている、傷を治せるシズクだとしても血液不足を補う事は出来ない。かと言って救急車を呼んでいる時間は無い……あ、いや、冥子さんの式神が……でもインダラも取り込まれているっぽいから移動手段が無い

 

「……今ミズチタクシーで運ぶのは危険だ」

 

ミズチタクシーは転移の一種だが、上下左右から衝撃が掛かるので、今の横島君を運搬することは出来ない……だが一刻でも早く病院に連れて行かないと横島君が危ない

 

「ええい、琉璃、夜叉丸と鬼道の事は任せるわ!今コブラを回してくる!」

 

美神さんがそう叫んで駐車場に走ろうとした

 

「清姫様!見つけましたよ!」

 

小竜姫様が額から大粒の汗を流し私達の前に降りて来る。それを見た美神さんは慌てて小竜姫様に詰め寄り

 

「小竜姫様!横島君が危険な状態なんですッ!病院に連れて行ってください!!」

 

小竜姫様が蛍ちゃんに抱き抱えられている血の気の無い横島君を見て、相当危険な状態と悟ったのか

 

「判りました!まずは横島さんを病院に運びます。その前に……はっ!!」

 

腰から下げた鞘から神剣を振るう小竜姫様。その切っ先の先は夜叉丸が居て

 

【ギ、ギガアアアアアア!?】

 

胸が裂かれて狂神石が姿を見せたが、その瞬間。狂神石はひび割れ砕け散る……かなり綺麗な状態だったので無事に回収できると思ったんだけど……

 

(やっぱり回収は出来ないのね)

 

徹底してこちら側に回収されないようになっている、今回はやっとサンプルを手に出来ると思っていたのに……私が溜息を吐いている数秒の間に夜叉丸に取り込まれた冥子さんの式神が全て開放され冥子さんの影に吸い込まれて行き、夜叉丸はぼろぼろの状態でその場に倒れこむ

 

「ごめん、ごめんなぁ……夜叉丸。苦しかったやろ」

 

【……】

 

鬼道政樹が夜叉丸を抱き締めて涙を流している。この様子を見る限りでは今回の事を相当後悔しているようだ、これなら事情聴取などにも素直に応じてくれるかもしれない。今私がするべき事はこの場で何があったのか?それを全て把握する事だ

 

「少しの間よろしくお願いします!おキヌさん案内を!」

 

【わ、判りました!こっちです!】

 

横島君を背中に背負い、おキヌさんに案内されながら飛んで行く小竜姫様を見送り、私は溜息を吐きながら

 

「美神さん、冥華さん、詳しく話を聞かせてください」

 

この場所で何があったのか?それを詳しく教えてくださいとお願いすると、美神さんは

 

「私と冥子と冥華さんが残るから、蛍ちゃんとシズクと清姫とノッブは横島君の側に行かせてあげてくれる?」

 

ちらりと蛍ちゃん達を見るが、こちらも横島君と同じくらい血の気の無い顔をしている。そんな状態で話を聞くなんて酷なことは出来ないので

 

「彼女達を病院へ送ってあげて、話を聞くのは横島君の容態が安定してからで良いわ」

 

判りましたと頷き、蛍ちゃん達を車に案内する部下を見ながら振り返り

 

「じゃあ詳しく、全部教えてください」

 

今日この場で何があったのか?その全てを教えてくださいと美神さんと冥華さんにお願いするのだった……

 

 

 

横島が運ばれた病院で医師は危ない所だったが、問題ないと教えてくれ、その言葉でやっと安心出来て病院の待合室で崩れ落ちた。チビ達も安心したのか、待合室の椅子の上で丸くなって眠り始めた。それだけ横島を心配していて、大丈夫だと判ったから緊張の糸が切れたのだろう

 

【良かったのう、これで安心じゃな】

 

【ほ、本当ですね】

 

ぷかぷかと浮かぶながら良かったと笑うノッブとおキヌさんに釣られて笑っていると

 

「シズク、清姫様。どうしてあんなことをしたのか教えてください。平安時代に何があったのかを」

 

小竜姫様がそう尋ねるとシズクと清姫は少し考えてから口を開いた。鬼道の家は平安時代の貴族で庶民の出だが陰陽術に長け、時の帝にも信頼されていた高島を憎み、高島が藤原の姫に手を出したと言う事を知ると、声高々に殺せと言い出したと

 

「……藤原の姫に手を出したと言っても高島は、親に見向きもされなかった哀れな姫の話し相手になっただけで手を出した事は無かった」

 

「あの方。性に奔放でしたけど、傷ついている人を抱いたりする人じゃありませんでしたものね」

 

高島と鬼道の因縁は判った。そして処刑の理由の藤原の姫の境遇も判った。高島が性に奔放な酷い男ではあるが、優しさもあったと少し知りたくないことも知った。じゃあ今度は高島と六道の事を尋ねると

 

「……高島が特別に調整した12の式神。それが12神将だ」

 

え?じゃあショウトラ達が懐いているのは、創造主である高島に横島が似てるから?

 

「そうなると思いますわ、あ、後鬼道の家が廃れるように呪いを掛けたのは私ですわ。高島様を殺した人間なんて全員死ねばいいんです」

 

笑顔で死ねば良いのに言う清姫には全体的に賛同出来る。そして呪いを掛けたのも納得の理由だ、殺すのではなく、時間を掛けてじわじわと衰退させ、追い詰めていく。それだけ清姫の怒りが深かったと言う事だろう

 

【私もそれを知っていたら呪いを掛けてましたね】

 

【ワシなら不能にしてやるかもしれんな】

 

貴族同士の権力闘争に巻き込まれて死んだ高島。確かに今の話を聞けば鬼道先生を憎んでいた理由も納得だ。現に私もそれを知っていれば、間違いなく同じような事をしていたと思うから、でも1つ気がかりな事が

 

(お父さんの話と食い違っている)

 

お父さんが高島を殺したと言っていた。しかし清姫は鬼道が先導し高島の抹殺を叫び、高島は処刑されたと言う。この食い違いは何だろうか?

 

(1度聞いてみる必要があるかもしれない)

 

この食い違いが後々大きな食い違いになっていくかもしれない。早い段階で判ったのだから聞いておく必要がある

 

「清姫様、事情はわかりました。ですが1度天界にお戻りください」

 

「嫌ですわ」

 

「清姫様「嫌ですわ」

 

天界に帰ってくださいと言う小竜姫様と帰りたくない清姫の話はきっとどこまで行っても平行線だろう。もし清姫が帰るとすれば、横島が説得した時以外ありえないと思う

 

「でもシズク。少しは反省してよ?あんなの何回もされたら止めれないし、美神さんと琉璃さんにも迷惑が掛かるんだから」

 

横島を殺されかけたから冷静さを失い、そしてそれを止める為に横島が動き倒れた。それに横島が叫んでいた、俺は高島じゃないと。それはシズクも清姫も横島ではなく、高島を見ていたと言う事に横島が気付いたからだろう、いやもしかすると血を流し倒れる横島の姿に、高島の処刑の前に動く事が出来なかったと言うトラウマを刺激されてしまったのかもしれない

 

「……判っている。私も少し感情的になりすぎた」

 

「ですね。判っていたつもりだったのですが……」

 

かなり反省している様子のシズクと清姫。だけど私達もシズク達を止める事が出来ないと決め付け、動くことがなかったので同罪だ。私達に清姫とシズクを責める権利はなく、それが出来るのは横島だけなので、それ以上追い詰めるのは止めにし私は待合室の椅子に背中を預け

 

「すいません小竜姫様……横島が起きたら、教えてください」

 

起きているのも限界だ。横島が死ぬことは無いと聞いたら完全に気が緩み。私は横島と面会可能になったら教えてくださいと頼み、背もたれに背中を預け目を閉じるのだった……眠る寸前に私が考えていたのは、当事者達も知らない、過去の因縁……もしかすると今後もっとそう言う因縁が表に出てくるのかもしれない、そんな不安を抱きながら、私の意識は闇の中に沈んで行くのだった……なお、これから2時間後に面会可能になったのだが、横島は鬼道先生を殺そうとしていた、シズクと清姫に長い長い説教を始め、病院を私達が後にしたのは、それから更に2時間後の事だった……

 

リポート5 貴女はストーカーですか?いいえ、通い妻です♪ その5へ続く

 

 




鬼道父は逮捕、政樹は従順になりつつあり、蛍達は鬼道と六道と高島の関係を知りました。次回は事情聴取と清姫の話を書いていこうと思っています。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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