GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
リポート5 貴女はストーカーですか?いいえ、通い妻です♪ その5
疲れて帰ってきた表情の蛍を見て、休むように声を掛けたのだが、その前にと強い口調で言われて何かあったのだと思い、事情を聞くことにしたのだが
「鬼道と六道と高島の関係かぁ……すまないが、流石の私もそこまでは……」
あの時は本気で……ん?んん……?頭の中で知らない記憶が動き出す。その違和感に眉を顰める、これがドクターカオスの言っていた特定のキーワードや人物と出会うことで発生する記憶の変化か……中々不快な感じだな……
「お父さんどう「待ってくれ、情報を整理する。知らないはずだったが、今は知っているな……」
私の言葉に目を見開く蛍。私自身も驚いているが、鬼道・六道・高島の言葉を聞いて、ぼんやりとだが、何かを思い出してきた。それは過去が改変されたのか物による、記憶の修正なのか?それとも逆行による影響なのかは判らないが。平安時代の記憶であることは間違いなかった
「ああ、そうだ。鬼道は高島を憎み、蔑んでいた。その当時の最高の陰陽師。私も人間に化けて会いに行った記憶がある……ただその時には既に式神と置き換わっていたから、メフィストと逃亡していたのかもしれない」
横島君の前世である高島は非常に優秀な陰陽師だった。庶民の出ではあるが、柔軟な発想。妖怪に好かれると言う体質、そして天才的な閃き。それらをもち独自の陰陽術に式神作成のプロフェッショナルであり、時の帝や、上流階級の貴族にも顔が効いた優秀すぎた陰陽師だった
(いや、だがこれも違和感が残るか……?)
私でさえも高島が式神に変わっていることには気付いた。それなのに、清姫とシズク君が気付かないのはおかしい、それに記憶を思い出していると言っても、虫食いのように要所要所が欠落している。これでは私が思い出している記憶が正しい物なのか?と言うのはどうしても疑問が残る
「鬼道はそれに対してどこまで行っても凡人だった。血脈があるから、帝お抱えの陰陽師だったが、能力は高島の遥か下。それに対して強い憎しみを持っていた……筈だ」
私の記憶なのだが、知らない記憶だからどうしても疑問系が残る、それに前の記憶としても、今思い出している記憶とは齟齬が大きすぎる。平行世界だからと言う言葉で思考停止して良いレベルの差異ではない、これはもはや別の世界、別の歴史となってしまっている
「当時の六道は鬼道よりも少し劣る家系だが、高島と懇意にしていた。だから12神将を作ってもらい、それを家宝として代々受け継いで来たんだろうな、それは現代の式神とはスペックから違うわけだ」
あの時代の平安時代は一言で言えば、魔窟だった。人が毎日の様に死に餓鬼が生まれ、陰陽師がそれを討伐する。そんな繰り返しをしていた、だからあの時代の平安時代の空気中の魔力は現代とは段違いだ。更には天才陰陽師が作ったことも加味すれば現代の式神とは根本的なスペックが違うのも当然だ
「それで藤原の姫って言うのは……?」
藤原の姫……藤原の姫……うーん、これは駄目だな。私は溜息を吐きながら
「私とは接点が無いね。彼女に関する記憶は無いが、彼女が高島の処刑に鬼道が踏み切った原因らしいね。ただ強行も強行、時の帝や陰陽寮に情報が入った頃には高島は斬首。荒れ狂う清姫に都は消滅寸前だった」
「鬼道馬鹿なんじゃないの?」
うん、馬鹿だろうね!寧ろそのときの事が原因で衰退して言ったと思って間違い……
「ん?嫌々、駄目だろ。これは駄目じゃないか」
更に浮かんできた光景に思わずそんな事を呟いてしまう。蛍が怪訝そうにしているので、私は苦笑しながら
「横島君がアルビノの少女と黒髪の十二単の少女に取り合いされてる」
「はぁ!?なんで!?」
知らないよ……そんなの私が聞きたいよ……いや、確かに横島君と美神さんは平安時代にタイムスリップしてきていたけど……こんな事は無かった筈なんだが……
「おっとそこに鬼娘も入って来た。とても残念そうであほっぽいな」
なんか黄色い着物を着た角を持った幼女も入って来た。おかしいな?なんで私はこんな記憶を見ているのだろうか?一体これから平安時代で何が起きるのか?それが激しく気になった
「どうなってるの!?」
いや、知らないよ、私が寧ろ聞きたいよ。そして最後に浮かんできた光景を見て、私は思わず思考が止まった
「私と私が居る」
過去の私と今の私。それは私自身も何らかの方法で平安時代へと跳び。過去の私自身を説得すると言う役目を背負っているのだと知り、更に今もまだ目覚めないべスパ……いや、蓮華の事もあり。私は背もたれに深く背中を預けながら蛍と共に深く溜息を吐きながら
「お父さん。これからどうなるのかしら?」
「さっぱり判らないよ……」
原始風水盤ですらどうなるか判っていなのに、それに加えてまさかの平安時代での出来事を今知らされてどうしろと言うんだ……どうせなら原始風水盤の事を知りたかった……私は激しい頭痛を感じながら深く溜息を吐くのだった……
「なんか入るには入れない雰囲気だね、これは」
そしてアシュタロスの部屋の前では妙神山から人間界に派遣されたメドーサが挨拶に来たのだが、入るには入れない雰囲気で部屋の前で困り果てていたりするのだった……
鬼道雄一と鬼道政樹の鬼道親子は陰陽寮に所属していたが、今回の事で陰陽寮からは追放処分になりGS協会預かりとなった。殺人未遂を犯した鬼道雄一はシズクと清姫の恐怖で発狂し精神病棟へ入院。しかも病室では国家防衛を任されている鬼道家当主になんと言う扱いかと怒鳴り散らしているらしい
(人間あそこまで行くと惨めね)
過去の栄光に縋り、犯罪に手を犯し、息子まで道具扱いにした。そして本人は精神異常者専用の牢屋に投獄。これで完全に鬼道家が潰れたのは間違いないだろう
「さてと鬼道政樹。貴方にはいろいろ聞きたい事があるわ」
逮捕される際も暴れる事無く、素直に応じた鬼道政樹は現在留置所で拘留中だ。後にGS協会の霊能関係の犯罪者の牢獄へ移されることが決まっている。その為に色々聞きたいことがあって、私は留置所に訪れていた
「神代会長さん……父さんが撃った青年は大丈夫でしたか?」
やつれた様子ながら横島君の安否を尋ねて来る鬼道に
「ええ、重症ではないわ。昨日輸血をして、そのまま自宅へ帰ったわ。命には別状は無いそうよ」
そうですか、良かったと呟く鬼道。雄一は完全な精神異常者だけどこっちは話が聞けそうね
「じゃあ色々聞かせて貰うわよ。辛いことだと思うけど、全部正直に答えて」
判りましたと返事を返す鬼道を見ながら、私は瓶に詰めた狂神石の欠片を机の上に乗せて
「これ、狂神石って言って神魔も狂わせる危険な道具として警戒されてるのよ。GS試験のガープ襲来の事は知ってるでしょ?あいつらが……って何その今知りましたって顔は?」
ガープの名前を聞いて目を見開いている鬼道に尋ねると、鬼道は乾いた声で笑いながら
「ボクは修行の時と学校に行かされる時以外は、ずっと窓も何も無い部屋に閉じ込められていましたから……父さんの言うことがボクの知りえる全てでした」
それってもう殆ど虐待じゃない……鬼道も怪我をしていたので、怪我の状態を見た医者の話では、日常的な虐待の痕と、今では効果が無いとされている霊力を増幅するツボを異常なほどに刺激された後があると聞いていた
(もう狂人じゃないの)
鬼道雄一。知りもしない平安時代の栄光を求め狂った男、その息子の鬼道政樹もその被害者だったようだ
「ソロモンが襲って来たって言うのに父さんは何をしてるんや……あんなことしてる場合じゃないやろ……本当すんません、父の代わりに謝らせてください」
深く、それこそ土下座しかねない勢いの鬼道を止める。虐待されてきた彼も被害者なのだから責めるのはお門違いであり、むしろ虐待されていたと言う事が判明したおかげでこっちに引っ張り込みやすくなった。その点に関して鬼道雄一に感謝しなければ……
「まぁ、それは良いわ。それで狂神石の入手経路だけど、何か知っていることは無い?」
もし日本にガープの手の者が居て、没落した霊能者の家に渡して回っているなんて事になったら、内部分裂し、それこそガープに備えるなんて言っている場合じゃない。だからどこで手に入れたのか?と尋ねるが
「えっとさっきも言ったとおり、ボクは修行の時以外は閉じ込められていたので、父さんが何をしていたかは知りません。ですが決闘の数日前珍しく機嫌のいい父さんが酔って帰ってきた時に瓶に入れられた紅い水を見せられました」
決闘の時に判明した事だが、狂神石は液状にも変化すると言うことが判った。美神さんの目の前で瓶から出された狂神石が一瞬で固形化したと聞いていたから、しかし酔って帰って来たと言うのと、監禁状態だったと言う話ではどこで入手したかは判らない
「それで誰から貰ったとか、くれた人の特徴とかは?」
もしそれが判るなら指名手配とか出来るんだけどと思いながら尋ねると鬼道はうーんっと唸りながら
「子供って言ってました。10歳くらいの子供で金髪……だったらしいです」
10歳くらいの子供で金髪……目立つ特徴だが、逆に目立ちすぎた。変装や幻術の可能性も高い、だがもしかするとそうじゃない可能性もあるので、一応地方のGS協会の支部に連絡だけは通しておこう
「それとボクが住んでいたのは、京都の××って所で、殆ど山の中です」
「となると飲みに行ったのは街中って事ね?」
多分そうだと思います。と自信無さそうに言う鬼道。正直欲しかった情報は何も手にすることは出来なかったが、鬼道政樹の人となりと、もしかすると日本の中にガープの手下が紛れ込んでいる可能性がある。それだけが判っただけでも良しとしよう。面会の時間も終わりなので立ち上がると
「すんません、こんな事聞けないのは判ってますが……えっと夜叉丸は……」
最後にそう尋ねて来た鬼道に私は振り返り、微笑みかけながら
「心配ないわ。今は六道の家で預かって治療中。今すぐは無理だけど、ちゃんと貴方に返してあげる」
「あ、ありがとうございますッ!今度はボクは自分で考えて、本当に正しい事をしようと思います」
泣きながら言う鬼道に別れを告げて、留置所を後にする。表で待っていてくれた部下の車に乗り込みながら
(鬼道はこっちに引き込めそうね)
鬼道をどうするか?と悩んでいたが、話をして見て判ったが雄一は狂人だったが、鬼道自体は気のいい青年という感じだった。あれほどの虐待を受けていながらも素直な性格をしている事に驚いたが、今回の事もあり六道の家に逆らうことは無いだろう、それに鬼道の家に保管されていた陰陽術と式神の資料は相当な物らしいので、鬼道政樹の知識も相当な物だろう。それに虐待の事が判明したので、そこを強調して保護観察処分で押し切れば優秀な人員を手にする事が出来る
(後はどこに配置するかね、冥華さんに頼んでみましょう)
私直属の部下にするって言う手もあるけど、それだと自由に動く事が出来なくなる。だからある程度自由に動けて、有事の際に備える事が出来る場所に配属させれると良いわねと思いながら、私は会議の為にGS協会へ戻るのだった……
鬼道と六道の決闘の次の日。私は六道の屋敷を再び訪れていた、冥子は居ないので冥華おば様と一対一の話し合いに望む……正直言って、あの狸と一対一の話し合いなんてごめんこうむるが、それでも今回はどうしても話をしないといけない理由がある
(あの狸をどこまで相手に出来るか……)
私自身も修羅場を潜って来たつもりだが、冥華おば様はそれ以上。楽隠居みたいな立ち位置だが、日本の経済や政治に強い影響力を持っている。正直言って、私でも逆らえばGS免許を取り上げられ、横島君と蛍ちゃんを無理やりでも冥子の事務所所属に出来るだけの権力を持っている。そんな相手に逆らう、本来なら自殺行為だが、今回の事はどうしても腹に据えかねているのだ
「令子です」
扉をノックにて入って良いか?と尋ねる。本来ならメイドや執事に案内されるが、それもないと言う事は向こう本気で話し合うつもりなのだと判る
「どうぞ~」
いつもの間延びした声だが、声に冷たさが混じっていて背筋に冷たい汗が流れる。大きく深呼吸してから私は冥華おば様の部屋へ足を踏み入れたのだった
「昨日はごめんなさいね~六道の家から横島君と令子ちゃんにに慰謝料と迷惑料込みで2000万ずつを支払うわ~」
話を切り出してきたのは冥華おば様だった。目の前に差し出された2枚の小切手。昨日の迷惑料と言っているが、実際は確実に口止め料だ。それだけの大金をぽんっと出す……それだけ今回の事は黙っていて欲しいのだろう
「横島君への迷惑料と慰謝料はありがたく頂きますが、私はお断りします。その代わりいくつか質問をさせてください」
質問~?なにかしら~と笑っているが、目が全く笑っていない。このまま小切手を受け取って帰れとその眼が物語っている。凄まじいまでの威圧感にこのまま帰ってしまいたいと思いながら
「清姫という竜族から聞きました、六道・鬼道・そして高島という陰陽師の事。失礼を承知で聞きます、貴女はああなる事が判っていて、私達を巻き込んだ。違いますか?」
六道の家の力を使えば清姫の事を知る機会は合っただろう、そして横島君に高島が残した陰陽術を託したのも、もしかすると横島君が高島の転生者ではないか?と考えたからでは?色々考え、自分で出した答えを口にすると冥華おば様は
「今小切手を持って引き返すなら~聞かなかったことにしてあげるわよ~?」
凄まじい威圧感を放ちながら、小切手を持って逃げ帰れと告げる。私は真っ向にその目を見つめ返す。ここで引き返したらまた利用される、そんなことが何回も繰り返されるだけだと思ったから
「そうね~ああなるって事は大体判っていたわ~だからこそ横島君を呼んだわ~清姫とシズク~桁違いの竜神が彼の側にいるって知らせるためにね~」
シズクと清姫の存在を知らせる?私が首を傾げると冥華さんは
「横島君は~目立ちすぎたわ~あの眼魂~の力に霊力の物質化~今年のGS試験に参加するには~レベルが高すぎたわ~それに~GS協会を辞めた人間が~横島君の陰陽術の事を話したから~今の彼はね~邪魔者扱いなのよ~?」
その言葉に息を呑む、その可能性は十分に考慮していたつもりだった。だけど私のはそのつもりだっただけで、横島君を護るには1手も2手も遅れていた
「だから~やりたくも無い鬼道との決闘を受けて~清姫とシズクが~怒りをむき出しにする相手を用意したわ~ただ~横島君が撃たれちゃったのは~私としても予想外だったけどね~?」
清姫とシズクのあの姿を見てちょっかいを掛ける人間はいないだろう。鬼道に向けられた殺意が全て自分達に向くと知って横島君を害する人間は居ないだろう。だけどそれだけじゃないはず
「それだけじゃないですよね?だって六道に利益が無いじゃないですか?」
そんな表の理由なんてどうでも良い、この人の良い顔の下で何を考えているのか?それを知りたいのだ
「ふふ~簡単な話でしょ~横島君は男で、冥子は女。天才陰陽師の転生者かもしれなくて、未知の力に~高レベルな霊力の圧縮・形状変化の技能~それに妖使い~それに日本経済を動かせると言われた紅井百合子の息子~これだけ優秀な男の血を六道に欲しいと思って悪いの~?だから~ここで恩を売っておいたら~後々役に立つでしょ~?」」
全く悪びれず、笑顔のまま、冥華おば様は言い切った。横島君はどうでも良いが、その親と血を寄越せと
「貴女は!それを本気でやるつもりですか!」
横島君と蛍ちゃんを引き裂くような真似を本気でするつもりか!と怒鳴ると冥華おば様は
「貴女こそ理解しているの?横島君の価値を、あのGS試験で見せた力を!あの力を欲して、海外が動いているって言うことさえも知らない貴女がそれを言うの?」
間延びした声ではなく、強い口調で言い切った冥華おば様に驚いて、椅子に尻餅を打つ様な形で座り込むと
「良い?理解しなさい、横島君は貴女から見ればまだ見習い、だけど他の人間からすれば稀有な才能をこれでもかって持ち合わせた天才児。横島忠夫の価値を知りなさい、今回は助けてあげたわ、でも次は無いわよ?」
そう笑って小切手を2枚私に押し付け、帰りなさいと言う冥華おば様に何も言い返すことが出来ず、私はよろよろと六道の屋敷を後にした
(師匠としてだけじゃない、私にはまだやらないといけないことがあったのね)
横島君の霊能を導くだけではなく、横島君の価値を知り、奪いに来る相手から護る必要がある。今回はあえて悪者になってその危険性を教えてくれた冥華おば様に頭を下げ、私は事務所へと戻るのだった……
病院から退院して2日。俺はあることで困り果てていた。しかもそれが結構なトラブルの元なのが、余計に俺の頭を悩ませていた
「清姫ちゃん。1回天界へ帰ろうって小竜姫様が言ってるんだから、1回帰ろうよ?」
「嫌です。私は横島様の家で暮らすんです」
これだ。清姫ちゃんを迎えに来た小竜姫様と、絶対に嫌だと言う清姫ちゃん。この完全に平行線の話し合いに俺は困り果てていた
「力づくでやると私の立場が危ないんです」
「……性格はこれだが、血脈は竜族の中でもエリート中のエリートだからな、地位的には小竜姫の上だしな」
帰らないと清姫ちゃんが駄々を捏ねるので小竜姫様も俺の家で寝泊りしているのだが
(これは駄目だ。本当に駄目だ)
湯上りの小竜姫様の色気とか、外見からは想像できないほどに1部が成長している清姫ちゃんとかと暮らすには、俺の精神力が持たない。だから何とかして1度帰って貰わなくては
【へたれー】
「シャラップッ!!!」
男なら女の3人や5人は纏めて面倒を見て見せろとか言って、笑いながらからかって来るノッブちゃん。正直居候だから家を追い出してやろうか何度悩んだことか
【ですが、主殿。夫とは複数の妻を「牛若丸はそんな事言ったら駄目!?」……は、はぁ……判りました?】
チカチカ光る眼魂にそう叫ぶ。ノッブちゃんの影響で牛若丸までもが!本気で追い出すことを検討していると清姫ちゃんが机の上の眼魂を見て
「気になっていたんですけど、これなんですか?」
ああ。清姫ちゃんは眼魂の事を知らないのか、俺はポケットからシズク眼魂を取り出して
「眼魂って言って、神魔とかの魂を込める事で、俺が使える武器になるんだ。んでこれはシズクの眼魂」
「……シズクの……では横島様。私も眼魂を作って貴方様の力に!」
ええ……眼魂ってそう簡単に作れるものじゃないんだけど……それを説明しようにも、さぁ!さぁ!っと手を差し出してくる清姫ちゃんに困っているとシズクが黒い笑みを浮かべながら
「……いいじゃないか、ブランクはまた作れる。こいつにも渡してやれ」
その目が物語っている。どうせ失敗すると判っている、それで絶対馬鹿にするつもりだろうと思いながらブランク眼魂を手渡す。清姫ちゃんはそれを両手で握り締め、竜気と霊力を込めているが……
(あ、やっぱり駄目っぽい)
普段なら眼魂が光り輝いて眼魂と変化していくのだが、その気配が無い。これは眼魂にはならないと判った
「ふう……ふう……これでどうですか?」
額に大粒の汗を浮かべている清姫ちゃんが眼魂を差し出してくるが、その色はグレーでスカッパーだと判る
「これスカッパーって言って、失敗作になるんだ」
ショックを受けている表情をしている清姫ちゃんを嘲笑うかの様な表情で見つめているシズク。ついには笑うのも我慢出来なくなったらしく
「……ぷふー」
「私を馬鹿にするのですかぁ!!」
スカッパーを握り締めて、キシャーっと吼える清姫ちゃん。シズクはそれを見て笑い続けている……笑ってはいけないと思ったのだが、つられて笑ってしまう。清姫ちゃんが横島様!?と叫ぶのにごめんと言いながら笑っているとノッブちゃんまでも笑い出す
【笑ってる場合じゃないですよ?横島さん本気で追い出そうとしてますよ?】
【え?マジ?からかいすぎた!?ワシ行くとこないから追い出さないでー!!】
おキヌちゃんの言葉を聞いて、俺が本気だと理解したのか、号泣しているノッブちゃんを見ると追い出すのは可哀想か?という考えが頭を過ぎる
【メロンパン1週間禁止でいいだろう】
【ノッブゥ!?】
心眼の提案にノッブちゃんが奇声を発するのを聞きながら、これが1番効果的なんだと判断し
「じゃ、今回は1週間メロンパン禁止で」
ワシオワタと泣き崩れるノッブちゃんを無視して、清姫ちゃんの説得に戻る
「だからね?1回帰って竜神王って人と話をするんでしょ?」
「嫌ですわ。監禁されて終わりですもの、私逃亡して来ましたから」
でもそれは乱暴されかけたからで、逃げるのは当然の事だよな?小竜姫様を見ると
「はい、乱暴しようとした竜族は魔界に左遷されました。もう安全ですよ。竜神王様も話を聞いてくれると思います」
うん、それなら安全だと思うのに、どうしてここに居たがるのか
「シズクがずるいですわ。ずっと同じ屋根の下、私もそれが良いですわ!シズクと一緒の部屋で良いので側において下さい」
いや、そんな事言われても困るんだけど、蛍がやっぱり横島は年下が好きなのよねー?とか目が全く笑ってない顔で微笑みかけてくるので、清姫ちゃんが居ると蛍に嫌われてしまう。それはどうしても避けたい
「みむう?」
「うきゅ?」
Gパン、Gジャンを傷つけないように器用に上って来たチビとモグラちゃん。構ってあげたいが、今は清姫ちゃんを何とかしないといけないので少し待っていてほしい。この足りない頭でも必死に考えれば妙案の1つくらい……必死に考え込んでいると
「何そんなに悩んでるのよ?」
晩御飯の稲荷寿司を頬張っていて話し合いに参加して無かったタマモが、ご馳走様と手を合わせながら
「清姫はあんたの側にこれないのが嫌なんでしょ?じゃあ来ていいって許可がいつでも下りるんなら素直に帰ってくれるんじゃない?」
盲点!そっか、そっか……そっちの方向で説得すればいいのか、流石タマモだ。頼りになる
「清姫ちゃん。何時でも訪ねてきて良いから。1回天界に帰ってくれるかな?」
「何時でもですか?それは少し揺らぎます」
小竜姫様の目を見る。なんとしても1度説得してくださいと目が訴えかけているので
「うん、何時でも良いからさ」
「判りました。何時でも尋ねてきて良いんですね?……つまりそれは通い妻」
なんかぼそりと清姫ちゃんが呟いた気がするけど、とりあえず大丈夫と言うと
「判りました。では今日の所は1度帰ります。あ、この眼魂は持って帰ります、いずれちゃんと眼魂として横島様に捧げますので!ではでは!」
清姫ちゃんから帰るという言葉が出て、安堵の溜息を吐き。シズクと共に清姫ちゃんと小竜姫様を見送ったのだが、それから数日後
「なあ。シズク、ずっと見られてる気がして落ち着かないんだ」
「……知らん」
その日以来かなりの頻度で誰かの視線を感じるようになったのは、言うまでも無いだろう……
別件リポート 動き出す神魔
次回は別件で天界と魔界サイドで話を書いていこうと思います。次のリポートの原始風水盤への繋ぎの話の予定です、少し短めになるかもしれませんが、よろしくお願いします。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い