GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からは香港編のメイン「魔人復活」について書いて行こうと思います。最初がマタドールなのは、個人的に好きだからです!あの人カリスマ性凄いですからね!今回は魔人復活での各陣営での動きを書いて、後半で戦闘開始となります。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート7 鮮血のマタドール
その1


 

 

 

リポート7 鮮血のマタドール その1

 

香港の上空でたたずむ2つの影。1人は黒い鎧姿、もう1人は空中には不似合いなドレス姿の妙齢の女性

 

「ルシ「ルイだよ。ベルゼブル、幾ら君でもそれは許さないよ」失礼しました、ルイ様」

 

にこにこと笑っているが、その言葉に込められた魔力に気圧され深く頭を下げる。ルイ様は穏やかに笑いながら

 

「君には横島の監視と護衛を任せると決めた。だから君があの場に向かうのは当然の事だ、だが今この時はそれを禁ずる」

 

自分で護れと指示を出しておいて何故……私が困惑しているとルイ様は笑みを浮かべたまま

 

「厄介な連中が動き出してね。少し手伝って欲しいんだ、ベルゼブル」

 

背後から聞こえた3頭の馬の嘶きと魔力にまさかと思いながら振り返る。そしてそこにいたのは最悪の存在だった……

 

「明けの明星と真の蠅の王か……これは久しぶりだな」

 

紅い馬に跨り、その腰に巨大な剣を挿した骸骨

 

「ふむ。それもまた然り、姫の目覚めの前に強大な敵と会う事は判っていた」

 

白馬に跨り、その頭に王冠、背中に弓矢を背負った骸骨

 

「……今は敵対の意思は無い。どうか通してくれ……我らは姫の下に馳せ参じるのみ……」

 

黒い馬に跨り、その手に巨大な天秤を手にした骸骨……信じたくは無かった。かつての魔人襲来の際に神魔が死に物狂いで封じた3柱の魔人

 

「レッドライダー、ホワイトライダー、ブラックライダー!何故お前達がここに居る!」

 

ヨハネの黙示録に名を連ねる3柱の魔人。1体1体が神により特殊な権限を持つ事を許された存在……神魔の天敵が何故ここに!何故復活している

 

「面倒だ。蹴散らしてしまおう、白いの、黒いの」

 

「それは駄目だ。我らが勝手に戦う事は許されていない」

 

「……紅いの、気持ちは判る。だが姫が神魔をどうするかは判らぬ、我らの独断で事を構えることは出来ぬ」

 

前回神魔を敵にしたのは姫の気まぐれなのだからと言うブラックライダーの言葉に殺意を抱かずに入られない、何百と言う神魔を屠り、今もなお目覚める事の無い神魔は多い。それが気まぐれだと言われ冷静でいられる訳が無い

 

「姫に会いたいのは判る、だが今は駄目だ。今ここを強引に通るというのなら……その魂を消滅されられる事を覚悟してもらおうか」

 

ルイ様が魔力を開放する。こんな場所でと慌てたが、何時の間にか結界が展開され私達が隔離されている事に気付いた

 

「……何故だ?我らは敵対するつもりは無いというのに、何故争う方向を求める?」

 

「私だって争いたい訳じゃないさ。だけど……」

 

そこで言葉を切ったルイ様は悪戯っぽく笑いながら

 

「魔人姫が見初める男を見極めるのまた家臣の勤めじゃないのかな?」

 

魔人姫が見初める?誰を?まさかあの馬鹿をか!?ルイ様の言葉の意味が判り、ルイ様の方を振り返るがルイ様は笑っているだけで何を考えているのか判らない

 

「見初める男……そうか、姫の目覚めの鐘を鳴らした男か。ならば見極める必要がある」

 

「しかしだな。人間だぞ?」

 

「……我らとて元は人間。ならばその男もまた……我らと同じく魔人の末席に座る権利があるということ、ならば……見極めるのまた姫の為となる事だ」

 

闘志を納めた魔人達にルイ様は笑いながら手を叩き、空中に映像を映し出す。そこにはやはりもう1人の魔人マタドールの姿があった

 

「マタドールをどう退けるのか?ゆっくりと観戦しようじゃないか?」

 

私は合流出来そうに無いか……あの偽者を成敗するつもりだったが仕方あるまい。ルイ様の背後に控え、空中に映し出された光景に視線を向けるのだった……

 

 

 

 

香港の状況を使い魔を通じてみていたのだが、状況は最悪の方向に向かっていた

 

「ルイとベルゼブルにヨハネの4騎士のうち3人!?冗談じゃない!」

 

最上級神魔が5体。それが人間の街の上空で戦う……香港が壊滅的打撃を受けるのは間違いない。かと言って神魔混成軍が動けば、被害は爆発的に加速するだろう、魔人はたった8体で神魔に壊滅的打撃を与えた。1体1体でも脅威なのにそれが3体も揃っている。戦闘になればどうなるかなんて考えるまでも無い、人間界の壊滅だ……

 

「これがガープの目的だったのか!!」

 

原始風水盤の事ばかり考えていたが、原始風水盤すらブラフ。いや原始風水盤が生み出す膨大な魔力を使って魔人の封印を解除する。魔人を御すなんて事は考えていない、魔人なら放置するだけで神魔両方に戦闘を仕掛けてくる。そしてその間に自分の策略を進める

 

「なんて鬱陶しい手を打ってくるんだ」

 

自分達が襲われるリスクも当然考えているだろうが、アジトを一箇所に固定せず移動を繰り返しているガープ達ならば場所を特定され襲撃されるリスクは低い。そうなると場所が判っている魔界正規軍や天界正規軍の方が襲われる危険性が高く、人間界で活動される可能性もあるのでそちらにも神魔の警戒網を張らなければならない。そうなると必然的にガープ達か、魔人達かの警戒が疎かになる……自分達の労力を使う事無く、神魔を疲弊させる。凄まじくいやらしい一手だ……この状況をなんと伝えれば良い……必死にそれを考えていると私の部屋の扉が開いた音がし、そちらに視線を向けると

 

「れ、蓮華!?」

 

今まで目覚める事の無かった蓮華が培養液で濡れた身体でそこに立っていた。慌てて駆け寄ると蓮華は私を見て、苦しそうに口を開いた

 

「アシュ様。早く……早く……横島と姉さんを日本へ……」

 

父さんではなく、アシュ様と呼んだ……魔族として作り出したのではない。だから私の事をアシュ様と蓮華が呼ぶ訳が無い

 

(まさか蓮華も逆行の記憶を!?)

 

だから目覚めるのが遅かった?そう考えれば辻褄があう……だが今はそんな事を考えている場合ではない、調整もせず培養液から出て来た蓮華は弱りきっている。早く手当てをしなければ、何か障害が

 

「私はいいから……早く、横島と姉さんを……日本に呼び戻して……じゃないと手遅れになる」

 

うわごとの様に蛍と横島君を日本に呼び戻せと言う蓮華。蓮華が何かを感じ取っているのかもしれない、口元に耳を寄せて蓮華の小さな声に意識を集中させる

 

「……魔人姫……魔人姫が横島を……それだけじゃない……誰かが……横島を姉さんから……奪っていく……戦わせたら……駄目……横島が……横島じゃ……なくな……る」

 

蓮華はそう言うと意識を失いその場に倒れこむ。蛍と横島君を心配して私に情報を伝えにきてくれた……私は気絶している蓮華を抱き上げる

 

「……もう間に合わない」

 

せめて1日早ければ……横島君達を日本へ呼び戻す事は出来たかも知れない。だがもう香港で横島君達は魔人と対峙してしまっている……私は表立って動く事は出来ない。出来る事と言えば、小竜姫とメドーサが何とかしてくれる事を祈るだけ……

 

「姉さん……横島……」

 

熱に浮かされたように苦しそうに呟く蓮華。大丈夫だと、心配ないと言ってやりたいが……それすらも出来ないとは……私は蓮華を再び地下に運び、培養液の中に戻した。もう意識はハッキリしているので目覚めた時の為の調整をするだけだ。設定を済ませその部屋を後にした私は、思わず自分の拳を見た。ソロモン72柱に数えられる強大な魔神……そうだと言うのに、今私には何も出来ない……それが激しい苛立ちとなり胸の中を埋め尽くしていく

 

「本当に私は……無力だな」

 

横島君達が危険だと判っているのに、一般の神魔達にはアスモデウス達と同じく過激派魔族として追われている。アスモデウス達の情報を得る為だと我慢してきた……だがッ!!

 

「くそがぁッ!!」

 

娘達が危ないと言うのに動く事が出来ない。それが神魔と最高指導者達との契約……神魔同士の契約の拘束は凄まじい、どれだけ助けたいと願っても私は東京から出る事が出来ない。その歯がゆさと怒りに私は思わず拳を通路に叩き付けるのだった……

 

 

 

踊るGSの撮影の為に俺は香港に訪れていた。本当なら昨日の内に日本に帰る予定だったのだが、1つシーンの撮り忘れと言う事で予定を1日延長していた

 

「剛一君ごめんねー?」

 

「いや、いいですよ、マネージャーさん」

 

近畿剛一の名前にも慣れたもんやな。昔は自分の名前って思えんかったもんなあ……所属事務所が決めた芸名にも慣れたなあっと苦笑する。近藤銀一がどうやったら近畿剛一になるんやろなあ……いやまあ、自分の名前が少しずつ残ってるだけ我慢しないといかんよなあ……先輩とかには自分の名前とは全く違う名前を名乗ってる人も居るし、少しでも自分の名前の面影が残ってるだけ良い思わんと……

 

「監督~本当に行くんですか?」

 

撮影クルーが監督に不安そうな顔をしながら尋ねているのを見ながら、2ヶ月前の映画雑誌を捲る

 

(横っちも俳優になってたんやなあ……)

 

新訳・新撰組の特集雑誌に懐かしい顔を見て、それから俺はこの2ヶ月も前の映画雑誌をずっと持っていた。小学校の時に転校して行った横っちがまさか俳優になってるとはなぁ……これは今までで一番の驚愕かもしれない。動物と一緒に映画に出ていたのもまた横っちらしい、昔から横っちは動物に好かれとったからなあ……とは言え妖怪にまで好かれるのは予想外やけど……それも横っちらしいって思えるなあ

 

(夏子に見せたらどんな反応をするやろ?)

 

そんな事を考えながら雑誌を捲っていると、マネージャーさんが古い雑誌を見ているのが気になったのか尋ねて来る

 

「剛一君。なんでそんな前の雑誌を見てるの?」

 

「あ、ああ。これですか?俺の幼馴染なんですよ」

 

横っちが刀を振るっているシーンのアップを見せながら言うとマネージャーさんは驚いた顔をして

 

「ご、剛一君!そのこの名前知ってるの?」

 

「知ってますけど?」

 

どうしたんです?と尋ねると周りの映画の撮影スタッフの皆も真剣な顔をしてる。どういうことや?と俺が首を傾げているとマネージャーさんが説明してくれた

 

「その子ね、本名も住所も一切公開してないの。元々映画のエキストラだったらしいから当然なんだけど……あちこちの芸能事務所が探してる逸材なのよ」

 

……え。横っち俳優や無かったの?俺はてっきり横っちもどこかの事務所に所属してる物だと思ってた

 

「どこに住んでいるとか知ってる?連絡先は?」

 

東京に住んでいる事くらいしか知らないのだが、もう俺が住所とかも知っている流れになっていて、凄い剣幕で尋ねて来るマネージャーさん達に怯えていると監督が

 

「なに油売ってやがる!撮影を済ませるぞ!急げぇ!」

 

「「「は、はいっ!!!」」」

 

監督さんの一喝に怯えた声で返事を返す撮影クルーに安堵の溜息を吐いているとマネージャーさんが小声で

 

「撮影の後、住所と名前よろしく」

 

「は、はあ」

 

そんなに横っちをスカウトしたいのか?いやでもまぁおんなじ事務所で知り合いが居るなら案外良い物かも知れないな、何なら横っちとコンビを組んで活動するのもいいかもしれへん。俺はそんな事を考えながら、地下鉄の整備用プラットフォームに向かっていく監督さんと撮影クルーの後を着いて歩き出すのだった……

 

「ふう、スケジュール調整が」

 

残されたマネージャーは、関係各所に電話をしてスケジュールの調整をしていたのだが、突如武装した公安に囲まれ、ここが立ち入り禁止区域になっていることを知り、慌てて剛一達を呼び戻そうとしたのだが、危険と言う事で強制的にその場から連れ出されてしまうのだった……

 

 

 

虚空から現れた骸骨、それを目の前にして私は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。原始風水盤は既に砕け、その機能を失っている。そして私達の前に居る骸骨に視線を向ければ、背筋に冷たい汗が流れる

 

(な、何なのよ。あれは……)

 

豪奢な衣装に身を包み、上機嫌で足踏みをしている骸骨。魔人マタドールと名乗った存在から感じる威圧感はガープと同じかそれ以上だった……原始風水盤が起動した時に現れた。私の脳裏に過ぎったのは原始風水盤が囮だったと言う最悪の予想……

 

(無理よ……あれには勝てない)

 

勝つ事が出来ないと一目で悟り何とか逃げる事が出来ないかと考えているとマタドールが私を見つめ

 

「セニョリータ。逃げようなどとは思わない事だ、確かに私は目覚めたばかりで本調子ではない。だが逃げに回った人間を殺す事は造作も無いのだよ」

 

穏やかな口調だが、その言葉に込められた圧倒的な殺意に逃げる事が出来ないと本能的に悟る。マタドールはさてとっと呟き、手にした紅い布を振り回し、周囲に漂っていた魔力を消し飛ばし。満足げに頷きながら私達を見据える

 

「さて自己紹介はこれで終わりだ、そろそろ始めようか」

 

ベルゼバブを一瞬で細切れにした剣をこっちに向けてくるマタドール。反射的に神通棍に霊力を通し伸ばす、戦わなくては殺される。それは本当に反射的な行動だった……くえすとシズクも同様で青い顔をしてマタドールに対峙する。横島君達だけでも何とか逃がしたい所だけど、あの足を締め付けている蔦がある以上逃げられない。しかし今マタドールに背を向ければ殺される……横島君達を何とかしたいと思っているのだが動く事が出来ない

 

(なんとか自力でどうにかしてくれないかしら)

 

足を押さえられ、立ち上がる事が出来ない横島君達も自分達で何とかしようと頑張っているのが見えているが、状況は良くなる所か、悪化しているのが判る。さっきまで足首だけだったのが、今は脛辺りまで蔦が伸びているのが見える

 

「魔界の蔦じゃ、霊力は使うな!蔦が余計に生長する!」

 

【じゃあワシじゃ無理じゃん!?ワシ幽霊じゃよ!?】

 

ドクターカオスの言葉にノッブがそう叫ぶ。幽霊であるノッブは常に霊力を纏っている、ノッブの刀で何とかして貰おうと思っていたのに、それすらも駄目になってしまった

 

「動かないでよ!足とか切りかねないから」

 

「わ、判った!」

 

蛍ちゃんが横島君がブラドー伯爵から譲り受けたナイフを受け取り、蔦を切りつけているのが見える。あの様子ではまだ蔦の拘束から逃れる事は出来そうにない。マタドールの口調から正々堂々と戦うタイプっぽいけど……戦いの邪魔と言う理由で横島君達を排除しようとしてくる可能性がある。動けない横島君達を守りながらの戦い……しかも相手はガープクラスの圧倒的強者……状況は最悪を通り越して絶望的だ。くえすとシズクもそれが判っているが、守る為に背を向ければ自分達が殺される。それが判っているから動くに動けない……マタドールの視線が動いたのを感じて、精霊石を投げようとした瞬間

 

「はっ!!!」

 

「ほう!行き成りかね!情熱的なセニョリータは嫌いじゃないぞ!」

 

小竜姫様が凄まじい勢いでマタドールに斬りかかって行く。両手で神剣の柄を握り締めた渾身の一撃、常識的に考えてあんな細身の剣で受け止めたら一撃でその剣を砕く……そう思っていたのだが、マタドールは楽しげに笑いながら小竜姫様の一撃を簡単に受け流し、ひらりと後ろへと飛びのく。その余りに身軽な動きと優雅な仕草に思わず感嘆の溜息が零れる……闘牛士の姿に相応しい魅せる戦いだと感じてしまった

 

「メドーサ!ここは私が何とか抑えます!横島さん達を拘束している蔦を何とかしてください!」

 

マタドールに連続で攻撃を仕掛けて横島君達から引き離そうとしている小竜姫の言葉にマタドールが倒れている横島君達の足元を見て

 

「ああ、なるほど。あの下種に人質を取られていたのか……」

 

「馬鹿な!?」

 

小竜姫様の驚愕の悲鳴がプラットフォームの中に響く、マタドールはその切っ先で小竜姫様の剣を受け止めていたのだ。どんな反射神経と技術があればあんな細い剣であの大剣を受け止める事が出来ると言うの!?しかも横島君達の事に気付かれた

 

「人質などに気を取られていては万全な戦いなど出来る訳も無い。道理で動かないと思っていたが納得した」

 

「させ……うっぐ!」

 

マタドールが小竜姫様の腹に蹴りを叩き込み蹴り飛ばす、メドーサがマタドールを止める為に飛び出しながら

 

「あいつらを護る準備をしろ!なんとか足止めはする!」

 

連続で槍を突き出し、マタドールの動きを封じようとするメドーサだが、マタドールは紅い布で受け流しながら何かを呟いている。まさか魔法まで使えるって言うの!?

 

「シズク!水の障壁!くえすは防御魔法とか出来る!?」

 

「……言われなくても!」

 

「私を舐めないで欲しいですわね!」

 

私は精霊石で結界を作ろうと首から下げた精霊石のペンダントを引きちぎり、結界を作ろうとしたが、マタドールの方が早かった。紅い布が振るわれたと思った瞬間凄まじい暴風が巻き起こる、それは作られかけていた結界を簡単に砕き、横島君達へと向かっていく。発生した土煙で見えないが、横島君達は……恐らく、私達が睨みつけるとマタドールは肩を竦めながら

 

「ああ、勘違いしてくれるな。私は戦いを好む、卑劣な手段など使いはしない。それのあの中にも中々興味深い者達も居た」

 

土煙の中から凄まじい霊波砲が放たれる。マタドールはそれを見て楽しそうに笑いながら紅い布を振るい、それを弾き飛ばす

 

「やーっと動けるぜ!覚悟しな!骸骨野郎!」

 

「美神さん!小竜姫様!微力ながらお手伝いさせて頂きます!」

 

魔装術を展開した雪之丞と法力と魔力を開放したピートが土煙の中から姿を現す。横島君は両手に札を持ち

 

「支援は任せてください!おキヌちゃん!じゃんじゃん札をくれ!」

 

【は、はい!】

 

おキヌちゃんから札を貰い、次々血文字で文字を書き投げ続ける横島君。その内の一枚が私に当ると急に身体が熱くなる、外から供給される霊力が私の霊力を底上げしてるのだと即座に悟る、だがそれはマタドールの前で横島君が補助などに特化した支援タイプだと悟られたと思いマタドールを見るが、マタドールは横島君を見て楽しそうに手を叩きながら

 

「味方の助けをする。それもまた戦いの形、ふっふふ、これでそちらも万全。では改めて始めようか!心躍る素晴らしき闘争をッ!!!」

 

手にした剣を振り上げそう叫ぶマタドールの目は横島君には向けられておらず、寧ろ横島君が私達の能力を高める事を見て、それすらも戦いを楽しむ要因だと言わんばかりにメドーサへと斬りかかって行く姿を見て、マタドールはガープよりも遥かに厄介な存在だと悟り。蛍ちゃんとシズクに横島君の援護と指示を出し、小竜姫様を先頭にマタドールへと向かっていくのだった……

 

 

 

 

 

一切の光が届かない闇の中で突如何が砕ける音が響く。その場所はガープが何度も訪れていた亜空間だ

 

「ふわあ……よく寝た」

 

水晶の中から姿を見せたのはふわりとした金髪をした小柄な女性の姿。透き通るような白い肌と身長とは不相応な大ぶりの胸。その美しい裸体を見せ付けるようにして歩く女性の近くに控える骸骨……ぺイルライダーだ

 

「おはようございます。姫様、御召し物の用意は出来ております」

 

ぺイルライダーが差し出したドレスを手にした女性は眉を顰め

 

「余のセンスにあわぬな。やはりお前ではなく白が良い」

 

こんなに堅苦しいドレス、美しくない。余の美しさを損ねるだけだと不機嫌そうに口にする、するとぺイルライダーは深く頭を下げながら

 

「申し訳ございません、ですが下賎な輩が御身を何度も見ておりましたゆえ。この場を後にするまでの今一時は我慢の程を」

 

仕方あるまいと呟き女性は差し出されたドレスを着込んだ、だがやはり納得していないのかその顔は面白く無さそうだ

 

「それで?今の神魔の情勢はどうなっておる?また暇つぶしにはなりそうか?」

 

「神魔よりも面白い存在がおります、人間ではありますが、育ち方次第では我らの末席に座る素質は十分かと」

 

ぺイルライダーの言葉にほほうっと興味深そうな声で返事を返した女性は楽しそうに笑いながら

 

「前に神魔を使って遊ぶのは面白かったが、あれも飽いた。あれよりも面白いか?」

 

神魔にとっての最悪の戦いを遊びと言う女性。その目は何処までも澄んでいたが、その目には暗い色が浮かんでいた

 

「勿論でございます。丁度今マタドールが遊んでいる筈、どうかご覧ください、必ずや姫様も気に入るとこのぺイルライダー自信を持って進言いたします」

 

「うむ、そこまで言うのならば見極めようではないか、この魔人姫マザーハーロットがな♪」

 

誰も知らないその場所で最高指導者に匹敵する力を持った恐ろしき魔人。魔人姫マザーハーロットがどこまでも純粋で、どこまでも残酷な笑みを浮かべたのだった……

 

リポート7 鮮血のマタドール その2へ続く

 

 

 




ルシファー・アシュ様・撮影クルーの視点と美神視点。そして魔人姫の視点と5つの視点で今回はお送りしました。今回出なかった神魔とアスモデウス陣営はリポート7の間にメインで書こうと思っているので、どうなるのか楽しみにしていてください。ちなみに魔人姫マザーハーロットのモデルは多分皆様判って居ると思いますが、今の段階ではスルーして頂けると嬉しいです。では次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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