GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
アシュ様。ブラドーに制裁された後姿の見えないシルフィーが何をしているのか?そこを書いてみようと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
別件リポート その頃日本では
私に蛍と横島君を助けてと言った蓮華はそれから丸1日眠り続けた。私はその間最高指導者と交渉し、香港に向かう許可を得ようとしていたが、当然許可が下りるはずも無く。東京で娘と横島君の無事を祈るしか出来なかった。そんな中地下の研究室からポット開封のランプが点灯する。それから数分後私の部屋の扉が勢い良く開き、蓮華が飛び込んでくる
「アシュ様!姉さんと横島は!?」
その言葉に蓮華にも逆行の記憶があるのだと確信した。だがそうなると何故あげはにはその記憶が無いのだろうか?と言う疑問が残るのだが、蓮華にとあげはには目覚めるまでに相当時間の差があった。その時間の差が逆行の記憶の有無に繋がっているのだと推測していた……っとそんな事を考えている場合ではない、涙目で姉さんと横島は!?と叫ぶ蓮華に私は凄まじい罪悪感を感じながら
「香港だ」
私の言葉に目を大きく見開きその場にへたり込む蓮華は涙を流しながら
「だ、駄目なんだよ……横島は呼び戻さないと駄目なんだよ」
私は間に合わなかったと涙を流している蓮華。一体蓮華は何を知っているのか?それを尋ねようとした時。蛍の通信兵鬼から連絡が入る
「もしもし!蛍!今状況はどうなってる!」
状況が全く判らない事に焦りと不安を感じていて、私は思わず蛍の声が聞こえる前に半分怒鳴るような感じで尋ねてしまった。蓮華がひうっと怯えた様子を見せたことで冷静になり、そう言えば初めて蛍に怒鳴ったと思い、内心慌てながら
「もしもし?蛍?状況はどうなっている?」
今度は静かな声で再度そう尋ねる。だが蛍からの返事は無く、兵鬼の通信が切れたか?と思ったがまだ通信モードはONになっている。
「何かあったのか?横島君に何かあったのかい?」
私がそう尋ねるとやっと兵鬼から蛍の声が聞こえたが、その声は消耗しきっており、更にその声は震えていた
『横島が……痛みも、味も何も判らないって……2つ眼魂を同時に使って……それの……後遺症……じゃないかって』
2つの眼魂を同時に使った。その言葉に私は思わず目を見開いた、眼魂というのはまだ分析段階かつ私の見解だが、神や英霊をこの世に留める為の道具であり、ゴーストドライバーは眼魂に宿った力をドライバーを介し横島君に再現する能力だと思っている。だがこれは本来ありえないことであり、人間よりも遥かに魂の容量の大きい英霊や神を身体に宿す。そのリスクは私達が想像しているのより遥かに大きいはず
「辛い事だと思うが、2つの眼魂を使ったときの事を教えてくれ、それと横島君の今の状況もだ。それに合わせて今の内に横島君に合わせて薬を調合する」
蛍と話をしたそうな顔をしている蓮華に今は駄目だと目配せをして、机から手帳を取り出し蛍の話を聞きながら手帳に今の横島君の状態と使った力をメモしていく
・ マタドールとの戦いで、牛若丸・ジャック・シズク・小竜姫・メドーサの5種類の眼魂を使い、1度強制解除になったのを無理やりドライバーとナイトランターンを呼び出し、更には小竜姫とメドーサの眼魂を使い、強烈な光と闇の力を使っていた、その前にそれは剣を振るうだけで突風を巻き起こすほどの強烈な力だった。だけど横島が使いこなせる力ではなく、殆ど暴走に近く。その証拠に剣を振るうだけで火花が散り、苦悶の悲鳴を上げていた
・ マタドールはそんな横島を完全に押さえ込んでいて、更にその上で余裕を見せ付けながら、横島を同胞と呼んだ
・ 最終的には横島が変身を強制化除されながらも、霊力の篭手を突き出した。それは途中で霊力となって霧散したが、マタドールは己の敗北だと叫び、横島を倒すまで神魔への襲撃を行わないと宣言し横島の治療をして去って行った
・ ホテルに戻ると横島は平気そうに歩き回り、笑っていたので今回は後遺症が無いと思っていた。だけど結果は痛覚・味覚障害と今までよりも遥かに酷い神経に関する後遺症が出ていた
『今は神宮寺が魔法で眠らせてる。小竜姫様が今度ヒャクメを呼んで魂を見てくれるって』
話している内に落ち着いたのか、落ち着いた声色で放す蛍に辛い事を聞いたねと謝り。手帳を閉じる
「とりあえず、様子を見るしかない。何か判ったら連絡してくれれば良い、ただ直接見ていないから憶測で話をするしか無いのが申し訳ない」
直接見ていれば症状などから予測出来るが聞いているだけなので確証がない。とりあえず今私に出来る事とすれば、聞いた症状から予測される病状に効く薬を用意するだけだ
「とりあえず小竜姫の指示に従って行動して欲しい。思い込みや考え込んで行動しない事。いいね」
未知の力なのだから何が起きるか判らない、今回はそれがかなり強く出てしまっただけだと思いたい
『う、うん。判った、じゃあお父さん。横島への薬をお願いね』
「ああ、判ってる心配ないよ」
私に任せてくれれば良いと返事を返し、通信兵鬼の電源を切ると同時に立ち上がり
「すまない蓮華、横島君の方でとても重大なトラブルが発生した。横島君が戻るまでに準備しなければならないものが山ほどある」
内線ボタンを押してあげはの面倒を見ていた土偶羅魔具羅を呼び寄せる
「アシュ「お父さんだ」あ、はい。お父さん」
娘にアシュ様呼びは嫌なのでお父さんだときっぱりと言う、困惑しながらも頷く蓮華にそれで良いと笑いかけながら
「地下の研究施設で必要な物を用意する。だから暫くの間。土偶羅魔具羅と協力してあげはを頼む、物凄い元気だからな。大変だと思うが頑張ってくれ」
蓮華の肩を叩き地下の研究室に向かう。時間的な余裕は1日か2日。その間に考えられる40通りの症状から必要とされる薬の調合のパターンを考えると確実に徹夜だがそんな事を言っている余裕はないな。私は早足で地下の研究室に向かうのだった……なお、アシュタロスの部屋に残されたべスパこと蓮華は
「蓮華ちゃんですか!あげはのお姉ちゃんが増えたでちゅー♪」
自分の周りを楽しそうに跳ねるあげはと、幻術で隠されているが、顔や足が欠けている土偶羅魔具羅を見て恐怖したのは言うまでもない。小さい子供は天使で悪魔と言う言葉を帰国後起きている蓮華を見て、絶句している蛍に蓮華はそう告げるのだった……
「やあ、やぁ、会長殿」
「何しに来たの?」
柩がにやにや笑いながら会長室に尋ねて来た。それだけで猛烈に嫌な予感を感じた、探しているときは出て来ないくせに、忙しい時にはふらりと現れ更なる面倒ごとを起していく。それが柩に関する私の評価だ、そして柩はそんな私の考えは当然判っているので笑みを浮かべている
「それで今回はどんな厄介ごと?」
絶対面倒な案件を持って来たに違いないと思いながら、書類を整理しながら尋ねると、柩はくひひっと笑うと思っていたのだが私の耳に届いたのは真剣な柩の声だった
「神代家が横島忠夫を利用するのならば神代の家は滅ぶよ」
その突然の言葉に書類から顔を上げる。その表情から笑みは消えている
「相談役が動いているの?」
神代家当主と言っても私はGS協会の会長も兼任している。ゆえに神代家の動きを全て知っているわけではない、神代家の分家に良い神降ろしの技を持つ10歳にも満たない少女が居ると聞いた。もし私が解放されなければ、血脈と言う事で神代家の当主となっていだろう
「どこの世界にも権力欲の強い馬鹿は居るさ、それが人間だからね。でも人間を唆すのは悪魔さ、組織は一枚岩じゃない、ちゃんとGS協会と神代家両方を纏め上げるくらいの度量は見せなよ」
最後まで笑う事無く会長室を出て行こうとする柩。ああ、そうだ思い出したと言って振り返り
「横島は2つの神様の力を宿った眼魂を同時に使って痛覚障害・感覚障害・味覚障害を発症したらしいよ」
「なんですって!?」
予想外の言葉に思わず声が大きくなる。だが柩は冷静な口調を最後まで崩す事無く私を見つめながら
「強い力には相当の対価を、当たり前の話だろう?横島は特別じゃない、普通の人間さ。それを忘れない方がいい」
そう言うとじゃあねと呟いて帰って行った柩。私は直ぐに電話を手にし、本宅の私の教育係だったお梅さんに電話をする
「もしもし?お梅さん?」
『これはこれはお嬢様。お元気そうな声を聞けて婆は嬉しいですよ』
婆と言っているが、その声は若々しく力強さに満ちている。私が誰よりも信用する人……それがお梅さんだ
「急なお願いなんだけど良いかしら?」
『構いませんよ?どうなさいました?』
彼女だけは私を裏切らない。私が神代家に戻った時もみすみす封印されるような小娘に当主は相応しくないと言う相談役を一喝し、私を認めてくれた人だから。その後に相談役を解散させ、再結成したが恐らく私が斬り捨てた連中が今の相談役になんらかの指示を出している筈だ
「相談役が動いたら教えて欲しいの」
『……何か問題が起きているのですね?判りました婆にお任せください』
お梅さんにありがとうと返事を返し、受話器を置く。東京に居ては神代家の本家で何が起こっているか知る事は出来ない、だが私は今GS協会を離れる訳には行かないのだ
(うっとうしい事になってきたわね)
GS免許を返納したGS達と退職届を出したGS協会の役員。そのおかげでGS協会の再編成は出来たが、そのせいでいらない火種を作り出してしまった
「これは冥華さんに協力を頼まないと無理かもしれないわね」
私だけでは抑えきれない、情けない話だが私では経験が足りない。長い間GS協会の役員として動いていた狸達と張り合うには経験が足りてないのだ、そう思い冥華さんに六道の隠居としてではない。正式に私の相談役として、GS協会に復帰して貰おうと受話器に手を伸ばそうとした時。会長室の扉がノックされる
(……まさか盗聴?)
一瞬その可能性が脳裏を過ぎり、返事を返すのを躊躇う。すると廊下からノックの音が小さかったかしら?と言う呟きが聞こえ、私の目の前で会長室の扉が粉砕された。そのあまりの光景に思わず絶句する
「あちゃー……ちょっと強く叩きすぎちゃったかしら?ううん違う違う、この扉が老朽化してたのね、うん。きっとそう」
扉をノックだけで粉砕した何者かは失敗失敗と呟きながら、部屋の中を見て居るじゃないと微笑み残っていた扉も粉砕して会長室に入って来たのは予想に反して女性だった。美しい紫の髪をし、同性でもうらやましいと言わざるを得ない完璧な肢体、そして強気そうな目つきをした女性は私を見て手を差し出す、私がそれを握り返すと女性は穏やかに微笑みながら自らの名前を口にした
「天界から日本に常駐するように命じられて現界した、聖女マルタよ。よろしく」
それは三蔵様に続く2人目の英霊が日本に現れた瞬間だった……
「あ、そうそう。なんか上の命令で教師をやれとか言われたんだけど、どこか良い学校ってある?」
きょ、教師ですかぁ……それは恐らく人間側の戦力UPって命令よね。私は少し考えてからどうせ冥華さんに電話するんだし、六道女学院でマルタさんを預かって貰おうと思った。あそこの生徒は少し実戦経験が足りない傾向にあるって良く聞くから、それの解消にもなる。それに普通の学校じゃ、英霊が教師をやる意味が無いしね。霊能科のある六道女学院が最も適役だろう
「心当たりがあるので電話します。少し待って下さい」
ええ、良いわよと頷く姿に安堵の溜息を吐きながら受話器に再び手を伸ばすのだった……
「シルフェニア、お前には淑女としての嗜みが足りん」
「ひーん……」
ここ数日ずっと私の教会で行われている、親子のやり取りに微笑ましい物を感じながらも、本当はこんな事をしている場合じゃないんだけどなあと心の中で深く溜息を吐く。原始風水盤……起動してしまえば現世と冥界の関係さえも逆転させてしまう最悪の兵器と言える。本当なら私も付き添い、原始風水盤の起動を阻止する為に尽力するべきなのだが……原始風水盤は設置されるだけで周囲の環境に強い影響を与える。聖句は勿論その効果を発揮しないだろう、本気で戦ったとしても私の戦いの基礎は聖句で身体を強化しての肉弾戦にある。どのみち聖句を使うことが出来なければ私の実力は半減する、美神君たちの足手纏いになるわけにはいかないからこうして日本に残ったが、美神君達の事が心配で仕方ない
(情けない、なんと情けない事か)
本来ならば率先して戦うべきの自分が足手纏いになる。それの何と情けない事か……
「お前は父の恩人に迷惑を掛けた。お前はそのことを十分に理解していない、ゆえにお前の牙は我が良いと判断するまで封印する」
「酷い!牙返してくれないと横島君の血が吸えないよ!?」
「それが駄目だと言っているんだ!この馬鹿娘がぁッ!!!」
ブラドー伯爵の一喝が教会に響き、窓がビリビリと揺れる。シルフィー君に至っては本気で泣く10秒前と言った感じだ
「どうも我はお前の教育を間違えていたようだ。血を吸う為に何度も襲い掛かるとは……恥を知れッ!!」
「ひうううっ!!!」
教育をし直すと言ってシルフィー君をスパルタ教育で躾けなおしているブラドー伯爵。一体何時までこのやり取りは続くのだろうか?
「伯爵家の娘だが、状況次第では横島の元へメイドとして「メイド!?それはそれで……ふぎゃっ!?」
ブラドー伯爵の拳骨がシルフィー君の頭に叩き込まれ、教会の床に倒れこむシルフィー君を見ながら深い溜息を吐きながらブラドー伯爵は
「教えてくれ唐巣、我は娘の育て方を間違えたのだろうか?いや、確かに島を護る為に眠りについたのは我が悪かろう。だがメイド長にこういう風に育てよと命令を下しておいたのもまた事実。あの者は厳しい事で有名だったのだ……だから安心して任せた、何故こんな風に育ってしまったのだ」
沈鬱そうにどうしてだ?と尋ねて来るブラドー伯爵。だが私は独り身なので当然そんな事は判らず、シルフィー君が横島君が好きだと言っているのを思い出し
「あれじゃないですか?初恋で暴走?」
そうだとしても酷すぎると嘆くブラドー伯爵。シルフィー君は頭にたんこぶを作って気絶中……なんだこれ……本当になんだこれ……お願いだから早く美神君達帰って来てくれないだろうか?それか蝙蝠の使い魔でも良い、どうなったかな教えてくれないかな……
唐巣和弘は美神達が香港で観光を楽しんでいる間。シルフィーとブラドーの親子喧嘩に巻き込まれ、その胃を激しく痛めることになったのは言うまでもない……
リポート8 戻って来た日常 その1へ続く
次回は日常回ですが、今回の話で立てた蓮華との出会いなどや神魔が動く辺りの話も書いて行こうと思います。あとブラドーに教育されたシルフィーを久しぶりに登場させてみようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い