GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は前々回、前回と日常らしくないシリアスな感じで話を進めてきましたが、今回はちゃんと穏やかなほのぼのした話を書いて行こうと思います。学校やとか、家での穏やかな話を書いて、次のリポートに進んで行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その3

 

 

リポート8 戻って来た日常 その3

 

横島君が学校に来ない事はそう珍しい事じゃない、除霊の関係や、修行と言う事で学校に種類を提出して休むのは結構多い。だから横島君が居ない事に関しては大して問題じゃないんだけど

 

「おはよー♪」

 

笑顔で手を振るシルフィーさんとその後ろで非常に疲れた顔をしているピート君。横島君が居なければ暴走する事もなくて、普通に良い子なんだけど、それを差し引いてもシルフィーさんの雰囲気がおかしいと思って

 

(ねえ?彼女どうしたの?お父さん来てから全然見てなかったけど)

 

横島君の血を吸おうとして、父親に頭を掴れて姿を消してから見てなかったけど、別人にしか思えないと思いながら尋ねるとピート君は深い溜息を吐きながら

 

(なんか適当な呪文と魔法陣でへんな神様を呼び出そうとしてて、危険だって事で父さんが処置をしたそうで記憶とかを弄ってる訳じゃないんですけど……その、横島さんに対する恋慕の気持ちを少し控えさせたとか……?)

 

……あの子なにやってるだろ?え?適当な呪文とかで神様とかって召喚出来る物なの?……ピート君の話を聞いて絶句していると

 

「おはようですジャー」

 

ガラっと教室の扉が開き、その巨体を小さくしてタイガー君が教室に入ってくる。母国に帰国すると言って暫く見てなかったんだけど……彼もどこか雰囲気が変わってる気がするわね

 

「はよーっす」

 

「みっむー!!」

 

それから少し遅れて横島君が久しぶりに教室に入ってくる。肩の上で手を振るチビちゃんが可愛い

 

「あ、おはよー」

 

「お、おはよう?」

 

「みーむ?」

 

顔を見ると血を吸われかけている横島君が普通に挨拶してくるシルフィーさんに驚き、チビちゃんが怪訝そうに首を傾げる。そのままこっちに歩いて来た横島君は

 

「あれどしたん?罠?」

 

【あんまり信用するなよ?後ろから襲ってくるかもしれない】

 

……そこで罠を疑い、心眼も後ろから襲ってくるかもしれないと警戒する当り、シルフィーさんをどれだけ恐れているのか?と言うのがよく判る

 

「シルフィーは父さんの躾で人格矯正中です。牙も無いですし、もう恐れる事はないと思いますよ、それよりも横島さん、元気そうで何よりです。もう身体は大丈夫なのですか?」

 

身体は大丈夫?ピート君の言葉に、私とタイガー君が首を傾げると横島君はああっと頷き

 

「香港で色々あって、痛覚とか、味覚とか、感覚とかが無くなっててな」

 

「「はい?」」

 

予想外の言葉に私とタイガー君の間抜けな声が響く中、横島君は更に説明をしてくれた。とんでもない強さの魔人と言う神魔の敵に会って、それを何とかする為に無茶をしたらなんか色々おかしくなったっと

 

「んで今は神様が出してくれた薬を飲んでるから、大分まし、なんと味噌汁の味が判る」

 

【横島?何故それを言って、こいつらが心配しないと思うんだ?】

 

心眼の言う通りだ……味噌汁の味が判らないほどの障害が出てたと聞いて私もタイガー君もピートも絶句する。それに気付いた横島君が慌てた様子で

 

「いや、今は全然大丈夫なんだぞ?心配しなくても大丈夫だって!」

 

そうは言うが、今は大丈夫なだけで、今後どうなるか判らないと思うと心配するのは当然の事だと思う。

 

「授業始めるぞー。ん?タイガーと、横島とピートも復帰したか。ったくまた問題児が揃いも揃って俺にどれだけ心労を掛ける気だ?」

 

「「「え?俺(ワシ)(僕)問題児?」」」

 

1人称こそ違うが、全員が同じ事を言うと担任が冗談だ。冗談と笑いながら出席を取るぞーと言うので皆自分の席へ戻っていくのを見ながら私は思わず溜息を吐いた

 

(でも私は見ているしかないのよね……)

 

私は机妖怪。どれだけ心配しても机の側から離れる事が出来ない。こうして全てが終わった後に誰かから話を聞くことしか出来ない……

 

(私も横島君が心配なのに……)

 

逆行した記憶がこうなってくると邪魔に思えてくるから不思議だ。これからこんな事が起きる、あんな出来事があるって判っているのに自由に動く事が出来ない私にとってそれは気を病む物にしかなりえない

 

「愛子、机妖怪愛子」

 

「はい!」

 

私の名前を呼ぶ担任に反射的に返事を返しながら、この身体を何とか出来ないかと真剣に考えるのだった

 

「自由に歩きたいかぁ……」

 

お昼休みにお弁当を食べている横島君にそう相談してみる。ピート君とタイガー君も腕を組んで考え込んでいる

 

「確かに自由に歩けた方がいいですけん」

 

「ですね。しかし愛子さんは机妖怪ですし……そこがネックですね」

 

「お父さんじゃ駄目かな?」

 

シルフィーさんのあの性格をここまで矯正した2人の父親なら何とかできるかもしれないけど、それも何か怖い

 

「あ。カオスのジーさんに相談してみるか?結構有名な錬金術師見たいやし、何か良い方法を見つけてくれるかも」

 

ドクターカオスの名前に大丈夫?と言い掛けるが、横島君がこういうということはもしかしたらドクターカオスも逆行してきてて居るのかもしれないと思い。その言葉を飲み込む

 

「ああ、確かにドクターカオスなら何とかしてくれるかもしれないですね」

 

「エミさんも言ってますんじゃー。霊具ならドクターカオスって、愛子さん、きっと何とかしてくれると思うんじゃー」

 

ピート君とタイガー君もそう言うのなら間違いなくドクターカオスにも逆行の記憶があり、ボケていないと頼りになる見たいねと思いながら、机の上でりんごを齧っているチビちゃんを見ながら

 

「横島君。モグラちゃんは?」

 

姿の見えないモグラちゃんの事を尋ねると、横島君は少し寂しそうな顔をしてから

 

「角が生えたから、妙神山で修行するんだって」

 

「みーむう……」

 

寂しそうなその姿に聞いてはいけない事を聞いてしまったと私は反省し、それからは妙に重苦しい雰囲気の中での昼食となり私は私の馬鹿と心の中で呟くのだった……

 

「参ったなあ……」

 

下校時間となり、日が落ちた暗い教室で1人で残りながら今日は失敗したと反省する。可愛がっているモグラちゃんが居ない事が気になって尋ねてしまったが、それが横島君を悲しませる結果になってしまった事を反省していると

 

「ミス愛子?」

 

「え?あ、マリアさん」

 

横島君がドクターカオスに伝えてくれたのか、首から入校許可証を下げたマリアさんが居た。考え事に集中していて、その気配に気付けなかった事を反省しながら振り返るとマリアさんは柔らかく微笑む。そしてその時に気付いた私の記憶のマリアさんと異なり、普通の女性のように見えるその姿に

 

「横島さんのお願いで来ました。本体を何とかして外を自由に出歩けるようになりたいと、それで間違いないですか?」

 

「はい。何とか出来ますか?」

 

若干の不安を感じていたが、今のマリアさんを見て大丈夫だと判り。私はマリアさんに外を出歩けるようになりたいと伝えた。するとマリアさんは柔らかく微笑み

 

「判りました。ドクターカオスに伝えておきます、近い内に2人で訪れますのでその時を待っていてくださいね」

 

そう笑って教室を出て行こうとするマリアさんに

 

「待って、マリアさんも……その」

 

逆行の記憶を持っているんですか?と尋ねる事ができず、口ごもっているとマリアさんはくすりと笑い

 

「貴女の想像の通りですよ。またお会いできて嬉しいです、今度は日の出ているとき、学校とは違う場所で会いましょうね」

 

彼女も逆行の記憶を持っているのだと判った。多分この様子ならドクターカオスも逆行の記憶を持っているんだろうなと思いながら、マリアさんに向かって手を振りながら

 

「はい、よろしくお願いします」

 

少なくとも外を自由に出歩けるようになれば、ただ待っているだけという今の自分を変えることが出来る。私はそう思い、よろしくお願いしますと深くマリアさんに向かって頭を下げるのだった……

 

 

 

学校から帰り、チビの散歩に出かけている途中に買い物をしているマリアを見つけて、愛子の事を頼むと快く引き受けてくれた。もしかしたら断られるかもしれないと思っていたので正直かなり安心した。まだ買い物があるというマリアと別れ、公園に向かって歩いていると

 

「やぁ、やあ、横島元気そうだね」

 

柩ちゃんが反対側からたい焼きを手に歩いてくるのが見えた。なんて良いタイミングなんだと思いながら

 

「柩ちゃんも元気そうだな」

 

「くひひ、ま、それなりに元気だよ」

 

くひひっと笑い焦点の合っていない目。パッと見不気味なんだけど、俺はこの子が良い子だと知っているので恐怖や嫌悪感を感じる事無かった。暫く立ったまま世間話をしながら、自然な流れで尋ねてしまおうと思い

 

「あ。そうだ、前の恩返しに何かお返ししたいんだけど、何か好きなアクセサリーとかある?」

 

「アクセサリー?んーそうだね、チョーカーとか好きだよ」

 

チョーカー?聞き覚えの無いアクセサリーの名前に首を傾げながらも、柩ちゃんが欲しいと言っているアクセサリーが判った事に安堵の溜息を吐きながら

 

「判った。じゃあ今度プレゼントするよ」

 

「くひひ、楽しみにしてるよ。横島」

 

チビの散歩の途中だからと柩ちゃんと別れ歩き出す。なお横島は気付かなかったが、歩いていく横島を見て、柩が悪い笑みを浮かべていたりするのだが、横島はそれに気付く事はなかった

 

「おーチビは元気だな」

 

「みーむう♪」

 

俺の顔の周りをぴこぴこと飛んでいるチビを見ながら、ゆっくりと歩いていると背後から鈍い衝撃を感じて振り返る

 

「えへへ、よこちま」

 

「あげはちゃんか、もう学校は終わったの?」

 

しゃがみ込んであげはちゃんの頭を撫でながら尋ねると、うんっと元気良く返事を返すあげはちゃんの笑顔に釣られて笑っているとその後ろから蛍ともう1人が走ってくるのが見えた

 

「あげは!勝手に走って行ったら駄目よ」

 

「ったく、ちょこまかと足が早いね」

 

蛍よりも少し背の高い人はもしかして蛍のお姉さんだろうか?と思いながら、俺の名前を呼ぶあげはちゃんを抱き抱えながら立ち上がるのだった

 

「横島。ありがとう、あげはを捕まえてくれて」

 

「いや、良いよ?俺を見て走ってきたみたいだし」

 

「うん!」

 

俺の腕の中で元気良く返事をするあげはちゃんに苦笑しながら

 

「蛍。その後ろの人誰?お姉さん?」

 

俺がそう尋ねると美神さんほど鮮やかではないが、オレンジ色の髪をした女性が笑いながら

 

「あげはの姉で蛍姉さんの妹で蓮華って言うんだ。姉さんから話は聞いてるよ、横島で良いよな?」

 

見た目通りの強気な性格のようだ。しかし蛍の妹か……結構長くいるけど見たことも聞いたことも無かったんだけどなと首を傾げていると蓮華が俺の疑問に気付いたようで

 

「ああ、あたしは海外留学してたんだ。姉さん達が香港に居る時に丁度戻って来たんだ」

 

そうなんだ。間が悪いときに帰ってきたんだなと思っていると抱っこしているあげはちゃんが

 

「よこちまー、あげはもチビと一緒に散歩するー♪」

 

「みーむう!」

 

俺が返事を返すよりも早く、良いよーと言わんばかりに手を振るチビに仕方ないなと苦笑しながら

 

「あげはちゃんも散歩に連れて行っていい?2人が用事があるなら、後で家まで送り届けるから」

 

俺がそう尋ねると夕方まで時間があるので蓮華に街の中を案内するのを兼ねて散歩していると聞いて、蛍達も一緒にチビの散歩をする事になったのだった

 

「そうでちゅか、もぐらちゃんお家に帰っちゃたんでちゅか、チビ寂しいね」

 

「みーむう……」

 

あげはちゃんに抱っこされて寂しそうに返事を返すチビ。今まで一緒に居た友達が居なくなるのはとても寂しい事だろう。とは言え、モグラちゃんが何時帰ってくるかも判らないし、そうそう妖怪なんて拾える物じゃないし、我慢してもらうしかない

 

「横島?また妖怪拾えないかな?とか考えてない?」

 

【横島?駄目だとは言わないぞ?だが安全な妖怪かどうかは良く考えろ】

 

なんで俺の考える事はばれるんだ?俺ってそんなに判りやすいか?と思いながら、ごまかすように咳払いをしてナップザックからボールを取り出して

 

「よーしあげはちゃん!ボールで遊ぼうかー」

 

「わーい!遊ぶー♪」

 

嬉しそうに手を振るあげはちゃんを連れて、俺は蛍から離れあげはちゃんとチビとボールで遊び始めるのだった……

 

公園で楽しそうに遊ぶ横島達を見て蓮華は穏やかに微笑む。なんの因果か逆行の記憶に加えて、これから起きるかもしれない事件の記憶を手にしてしまった蓮華にとっては最悪の結果を知るだけに、今のこの穏やかな時間がとても幸せな物に見えたのだ

 

「姉さんは混ざらないの?」

 

「いやー流石に浮くでしょ?私だと」

 

あげはとチビと遊んでいる横島に自分が混ざると浮くと呟く蛍に、蓮華は溜息を吐きながら

 

「そんな事を言ってると出遅れるだけだと思うんだけど。あたし」

 

「うぐっ、や、やっぱり?」

 

横島と添い遂げる為に逆行しているのに、こうして足踏みしてて良いの?と蓮華に言われ、蛍は不味い所を突かれたという表情になる

 

「あたしはなると思うけどね。ほらチャンスじゃない?」

 

足元に転がって来たボールを蛍に手渡した蓮華は混ざるチャンスだよと、横島とあげはの方に向かって蛍の背中を押して、蛍が横島達の中に混ざるのを見て、嬉しそうに笑いながら

 

「前はあたしが邪魔しちゃったからな」

 

自分のせいで蛍が逆行をする事を望み、そして全員が心を傷つける結果になった事を蓮華は心から悔いており、こうなったら蛍と横島が相思相愛になるように頑張るぞと気合を入れていたのだが、蓮華は知らない。トトカルチョに10.7倍で自分の名前が刻まれている事を……

 

 

 

横島がチビの散歩を終えるまで後1時間っと言う所か……私は煎餅を食べる手を止めて、立ち上がりお風呂に湯を入れるに向かう。そしてその足でキッチンに向かい、夕食の準備を始めると

 

【なーシズクはずっとこの家に居るつもりなのか?】

 

買ってきたメロンパンを齧りながら尋ねて来るノッブ。どうして急にそんな質問をして来たのか?と首を傾げると

 

【いやなあ?横島の側は凄まじく居心地が良い。だけどな、ワシはたまに思うんじゃ、ワシらの存在が横島に影響を与えているのではないかとな】

 

豚肉の筋切りをしていた手を止める。それはあえて私も考えないようにしていた事だ、チビがあそこまで強くなったのは私達の影響だと言えるだろう。だからその内横島にも影響を与える可能性を考えると確かに怖いが

 

「……だが私達が家を出たとしよう。それで横島はどうすると思う?」

 

筋切りを終えた豚肉に塩・胡椒で下味をつけて、小麦粉を叩きながら尋ねる

 

【悲しむかの?】

 

「……残念。外れだ」

 

溶き卵に豚肉を潜らせ、パン粉を付けながらノッブを見つめて

 

「……あいつは私達を探すぞ。絶対にな」

 

横島は高島よりも懐に入れた存在に甘い。高島が来る者拒まず、去る者追わずだったが、横島は違う。横島は来るもの拒まず、去る者は追うだろう

 

【……あーそう言われるとワシもそんな気がする】

 

「……1度あいつの側に身を置いた以上あいつは自分から去るのを認めない」

 

危険だからと言う理由で私達が身を引いたとしても、横島はそれを追いかけてくるだろう。横島は強欲な男だ、1度自分の側に置いた者を手放すような真似はしないだろう、それで居て蛍に想いを寄せているとは、本当に強欲な男だ。だけど……それもあいつらしさなのかもしれないなと笑いながら、加熱した油の温度を確認し、トンカツを揚げながら

 

「……それで私を追い出そうとして何をするつもりだ?」

 

【ノッブゥ!?いやいや、ワシはその……な?あれだ。わははははは】

 

誤魔化すように笑うノッブを睨みつけるとすまんと呟くノッブ。こいつも強欲だ、一緒に居る間に横島の価値を見出し、独占したいと思ってしまったのだろう。誤魔化すように笑うノッブに今日はお前のトンカツは無しだなと言うと

 

【いやいや!すまん!マジでスマン!飯抜きは嫌じゃ!】

 

「……お前英霊としてのプライドとか無いのか?」

 

【プライドで腹は膨れん!!】

 

土下座しながらそう叫ぶノッブに苦笑しながらトンカツを揚げるのと平行して、味噌汁の用意を始める

 

(あれもまた魔性とでも言うべき物なのだろうな)

 

人間にとっては横島はそれほど魅力的には見えないだろう。こういったら悪いが、横島はこちら側の存在だ。ゆえに魔性を惹きつける、そして1度近寄ればその側を離れたくないと思ってしまう。なんとも性質の悪い男だと苦笑していると

 

「ただいまー!」

 

「みーむう!!」

 

横島の声に続いてチビの鳴き声が聞こえてくる。揚げ終わったトンカツをトレーの上に乗せながら

 

「……横島。汗をかいているだろう。風呂に湯を張ってある、先に汗を流してくるといい」

 

廊下から判ったーと返事を返す横島の声を聞きながら、指を鳴らすと

 

【【ふぎゃっ】】

 

部屋の中に2人分の奇妙な鳴き声が響く、私は水で洗った野菜をまな板の上に並べながらリビングで倒れこんでいる馬鹿幽霊2人に視線を向けて

 

「……氷土下座するか?」

 

【【ごめんなさい!!もうしません】】

 

どうせ背中を流すとかで突入しようとしていたんだろうが、おキヌはどこから出てきたんだろうなと。全く頭の痛い問題だ

 

「横島様!お会いに参りましたー!お土産におはぎ等を買って来ましたよ!」

 

「……帰れ」

 

リビングの窓を開けて勢い良く叫ぶ清姫。更に頭の痛い問題が来たと本気で溜息を吐きながらも、こんな慌しい日常も悪くない私はそう思い笑いながら、風呂場に突進して行こうとする清姫に向かって馬鹿幽霊達を拘束しているのと同じ水の鎖を伸ばすのだった……それから数分後風呂から出てきた横島が、足に鎖を巻かれ倒れているおキヌ達を見て何事っ!?と叫び、おろおろしている横島を見て、私では自分でも珍しいと思いながら声を上げて笑ってしまうのだった……

 

 

 

横島君の魂の状態を見てくれた神の話を聞くことになったのだが、私と琉璃の時間が取れるのが夜だったので、夜まで待って貰う事になった

 

「すいません、お待たせしました」

 

【私だけで良かったのか?】

 

蛍ちゃんと心眼が事務所に来たのとほぼ同じくらいに、事務所の中に突如女性が現れる

 

「初めましてなのね~私は神魔軍の情報部のヒャクメなのね~」

 

どことなく冥子に似ている雰囲気の女性はにこやかに笑っているが、神と言うだけあって中々強い威圧感を感じた

 

「貴女が神代琉璃さん、そして美神令子さんなのね~?小竜姫から話は聞いてるから直ぐ判ったなのね~じゃあ、早速、横島君の体調不良の原因だけど、一言で言うと、小竜姫とメドーサの眼魂のせいなのね~」

 

それは私も考えていた事だ、小竜姫とメドーサと言う強力な神魔の眼魂をインターバルも無しに連続で使用すれば何らかの後遺症が出るのは判りきっていた。しかもそれを2つ同時に使用すれば悪影響が出るのも当然だ

 

「判っている事はそれほど多くないのね~ただ神魔の眼魂は極力使わせないほうがいいのね~」

 

「その理由は?」

 

「英霊はまだいいのね。元は人間だから魂が似ているから、でも神魔は違う。人間よりも上位の存在なのね?それを受け入れる器は人間に無いのね。最初はいいのね、でも何度も何度も使っていれば、いずれは……」

 

そこで言葉を切ったヒャクメは大きく深呼吸をしてから、目を開く、その目には強い光が宿っていて、私達を射抜いていた。そのあまりの迫力にやはりヒャクメも神族なんだと思い知らされた

 

「横島君は人間でも、神でも、魔族でもない、全く異なる種族に変性する事になるでしょう」

 

その言葉に思わず絶句する。横島君が人間で無くなる!?私達が目を見開いていると、琉璃がソファーに背中を預け

 

「神代家でも稀にそんな存在が出たという話は出ていました。神の力に耐え切れず、発狂する者。神卸しで栄えた神代家ですが、神卸しで滅び掛けたこともある。横島君は大丈夫だと思っていましたけど、そうじゃないんですね?」

 

琉璃の言葉にヒャクメはゆっくりと頷き、私達を見て重い口調で

 

「横島さんの力は神魔の間でも稀少と言える能力だと思います。ですがそれにはリスクが付き纏います、今は神魔眼魂は韋駄天を除き、妙神山にあるので大丈夫だと思いますが、横島さんは眼魂を作る能力がある。止める事は難しいと思いますが、貴方達でも止めるように努力してください、もう1度言います。横島さんに神魔眼魂は極力使わせないでください、さもないと本当に大変な事になるのね」

 

ヒャクメはそう言うと神魔の上層部にも報告しないといけないからと呟き、現れた時と同じ様に消えていった。残された私達の間には重苦しい沈黙だけが残され、誰も口を開けずにいると心眼が

 

【私の方で横島の魂の安定を図るし、眼魂についても制限させる。お前達はこの事は横島には話さない様にして欲しい、無論態度に出すのもだ】

 

「判ってるわよ、こんな話横島に出来るわけがない」

 

蛍ちゃんがやっと搾り出したかのように呟く、横島君が人間じゃなくなると聞いてしまえば、神魔の眼魂を使わせる訳には行かないと判る。いや、他の眼魂だって危険かもしれない。だけど私達が幾ら駄目だと言っても、横島君は眼魂を手にするだろう。そうする事で助ける事が出来るのなら、横島君は躊躇う事無く眼魂を手にする。それが判っているから、私も、蛍ちゃんも、琉璃も心眼も……何も言う事が出来なかった

 

「ガープ達に、魔人に加えて、眼魂の問題……本当問題ばかりが増えていくわね」

 

「ですね……本当、これからどうなるんでしょうか……」

 

私の言葉に疲れたように相槌を打つ琉璃と、心眼を握り締めて黙り込む蛍ちゃん。私自身も問題が解決するどころか、新しい問題を知ってしまい、頭痛を感じながら深く溜息を吐くのだった……

 

 

リポート8 戻って来た日常 その4へ続く

 

 

 




次回は普通にほのぼのした話を書いて行こうと思います。今回はラストで重い話が来ましたしね、神魔眼魂を使い続ける=人外化は、ブレイドのキングフォームと同じだと思っていただければ幸いです。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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