GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はセイレーンや石神の話を回想っと言う感じで書こうと思います。話数を使いすぎると、今後長い話が大分控えているので、詳しくは今後別件っと言う形で書くと思いますので、今回はそれでご了承ください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その6

 

 

リポート8 戻って来た日常 その6

 

琉璃に神獣が死んだとされている山の調査をいずれ依頼すると聞いて、正式に依頼される前に事前調査……っと言っても今は立ち入り禁止エリアになっているので、その周辺の土着の神話や避難して来た人の話を聞いたりしながら遠征にならない程度の近所の除霊などを行っていた。間違いなく神獣が死んだ山の調査は難航するだろう、それに悪霊などの出現の可能性も極めて高く。更に言えば神獣が死んだ事で怨念が残り祟神となっている危険性も高く、危険な案件となるだろう。エミや唐巣先生に冥子が居ても私達に声が掛かった理由は色々あると思うが、やはり1番大きいのは……

 

「横島君よねえ……」

 

【横島さんがどうかしたんですか?】

 

事務所に掃除をしてくれていたおキヌちゃんになんでもないわよと手を振りながら、頭の中では別の事を考える。横島君が来れば水神で龍神と言う規格外の神魔のシズクは付いてくる、それに霊視と悪霊などの知識に特化した心眼に、英霊のノッブ。それに頼みさえすれば沖田ちゃんやくえすも同行してくれるだろう。更に言えば……人外に好かれやすい横島君ならば、可能性は低いが死を偽装して生き延びているかもしれない神獣にも遭遇出来るかもしれない。これでもし横島君の除霊の知識と実力が伴っていれば間違いなく横島君1人に出される依頼だろう。だが今横島君には知識も何もかも足りないので、私と蛍ちゃんにも声が掛かっていると考えるべきだろう

 

(規格外の才覚……か……)

 

私や蛍ちゃんとは根本的に違う才能。いや……全てのGSから考えても彼と同じタイプのGSは存在しないといえるだろう。だってそうだろう?失伝している陰陽術を本能で使いこなし、霊力を物質として固形化させる。妖怪や神魔と心を通わし、そして更には眼魂を使い、一部分的にだが、神魔や英霊の力を使う……そんなGSが居るわけがない。

 

(でもこのままでは駄目だわ)

 

ヒャクメも言っていたが眼魂……それも神魔のものだが、それを使えば使うほど横島君の魂は消耗し、そして人間としての感性を失う。横島君の才覚は確かに規格外だろう、だがかれはまだ17歳だ。珍しい力を持っているから、強い力を持っているからと使い潰して良い訳ではない。正直、国内外から横島君を迎え入れたいと言うGSは多くいる、移籍金もそれこそ兆単位で出してもいいと言っているGSも居る……正直蛍ちゃんと横島君に出会う前の私ならば、その法外な金額に目がくらんで横島君を移籍に出していたかもしれない。だけどそんな気持ちは私の中には今は存在しない

 

(なんなんだろうなあ……)

 

霊感がささやくとはまた違う感覚。ここで横島君を失えば、何もかも終わってしまう。そんな予感と2人を手放してはいけないという執着にも似た感情が私の中に生まれていた……今までこんな事になかったのに、どうして横島君と蛍ちゃんはここまで手放してはいけないと思うんだろう?と思いながら送られて来た調査報告を見ているとおキヌちゃんが両手に郵便物を持って

 

【美神さん、お手紙ですよー】

 

「ありがと」

 

追加の報告書かな?と思いながらおキヌちゃんに手渡された郵便物を確認していると

 

「あら?これって……」

 

中々上質な便箋。宛名は美神除霊事務所で、差出人は……「セイレーン」……その名前を見て思わず苦笑しながら、セイレーンの除霊と言うか説得の事を思い出した

 

【だーかーらー、私は歌を歌いたいだけなのよ。ただ、それで歌うと船乗りを吸い寄せて、船を沈めちゃうから困ってるのよ】

 

「そーなんかー。それは辛いなあ」

 

「みーむーむー」

 

【殺さないように、船を沈めても直ぐに助けてるんだけどね?でもさー船を沈めてるから私も危険妖怪扱いなのよ。私はただ歌を歌いたいだけなのに、だからさ人の居ないときに歌ってるつもりなんだけどさ、たまーに運悪く近くに居たりするわけよ。本当私は歌いたいだけで、殺したい訳でも船を沈めたい訳でもないのに】

 

……東京湾の近くでセイレーンによる被害が出ていると聞いて、除霊に向かったまでは良かったんだけど、今はボートの縁でセイレーンと話をしている横島君と暗い顔をしているセイレーンを慰めているチビを見ているという自体になっている。どういうことよ……

 

「美神さん、これってどうなります?」

 

【……なんか、これ退治するって言う雰囲気じゃないと思うんですけど】

 

蛍ちゃんがどうします?と尋ねて来て、おキヌちゃんが退治って言う雰囲気じゃないですねと苦笑する。正直私もどうしたら良いかなんて判らない。セイレーンを退治するには歌合戦と言う事で、ウォークマンを用意して来た。今回は水辺の除霊だが歌と言う事でシズクは今回留守番になっているが、この光景を見るとどうも歌合戦をする雰囲気ではないし、かと言って戦うと言う雰囲気でもない。正直どうすればいいか?なんて私だって教えて欲しいレベルだ

 

【私は楽しく歌を歌って、それで聞いて貰えれば満足なんだけどね】

 

「うーん。美神さん、セイレーンってそう悪い妖怪じゃないっぽいんですけど?」

 

「みーむ」

 

セイレーンと話をしていた横島君とチビが振り返りどうします?と尋ねて来る。私は少し考えてから

 

「海の上じゃないと貴女って死んじゃうの?」

 

【ううん?全然平気だけど?あ、でも水の妖怪だから水の近くの方が調子が良いってだけで、後陸地なら水を操る能力も弱くなるし、陸地でも私は全然平気。でも知り合いも居ないし、妖怪だから街に行っても危ないし】

 

陸上でも大丈夫っと……とりあえずセイレーンに少し待ってと声を掛け、横島君達を近くに呼ぶ

 

「歌を歌いたいだけって言ってるし、私達が相談してる間は歌わないって言ってるし、話せばわからない妖怪じゃないと思うんだけど」

 

「居る場所が問題って事ですよね、美神さん」

 

水の近くじゃなくても大丈夫なら陸地で歌う場所を作るって言う事も出来るんだけど、楽しく歌って歌を聞いて欲しいって言うのがネックよね

 

【だが、比較的友好的な妖怪の様だ。除霊をすると、海辺の妖怪を敵に回すぞ】

 

心眼の言葉も最もだ。セイレーンの周りには水棲の妖怪や精霊が集まっている。無理にセイレーンを除霊すればそれらが牙を剥くだろう、そうなればここから陸地に戻る事も難しい。

 

「あ、美神さん。俺に提案があります」

 

「……横島君の家で面倒を見るって言うのは駄目よ」

 

正直横島君の家はどんどん妖怪や英霊が来て大変な事になっている。前仕事だから迎えに行ったら縁側で沖田ちゃんが昼寝をし、ノッブがメロンパンを齧り、清姫が頭に布巾を巻いて掃除をしている光景を見て蛍ちゃんと絶句したのは記憶に新しい。半分幽霊屋敷になっていると言えなくもない

 

「いやいや、違いますって、ほら、台湾で銀ちゃんに会ったじゃないですか」

 

銀ちゃん?一瞬誰?っとなったが、それが近畿剛一だと判り横島君が何を考えているのか判った

 

「アイドル事務所に紹介するつもりなの?横島?」

 

蛍ちゃんが嘘だと言ってよと言う表情で尋ねると横島君は嬉しそうに笑いながら

 

「うん。銀ちゃんの事務所の電話番号は知ってるし、電話で聞いて見ようと思うんだ」

 

……どこの世界に人間のアイドル事務所に精霊を紹介するGSが居るのか?思わず私と蛍ちゃんは天を仰いだが

 

【それ良いかも知れないですね!】

 

【うむ。人外=危険と言う図式を崩すきっかけになるかもしれないな】

 

「だろだろ?良いアイデアだろ?」

 

「みむう!」

 

心眼とおキヌちゃんは良いアイデアと言うし、横島君は嬉しそうだし……私は深い溜息を吐きながら

 

「知り合いに芸能事務所があるから、話をしてみるわ」

 

【本当!ありがとう!楽しみに待ってる!】

 

そう笑って水の中に帰っていくセイレーンを見送り、港に帰り横島君が近畿剛一の事務所に電話するのを見る

 

「あ。もしもし?●●プロダクションですか?俺、近畿剛一の知り合いで横島って言います。ちょっと代わってくれますか?」

 

それで代わってくれる訳無いだろう?と正直思ったのだが

 

「あ、もしもし?銀ちゃん?俺俺、ちょっと頼みがあってさ。え?俺がデビュー?ちゃうちゃう、今除霊でさ、歌を歌いたいだけなんだけど、歌う場所がなくて困っている妖怪が居るんだよ。歌も上手いし、綺麗だし、どう?え?面接?あ、うん。うん……写真つきの履歴書と歌を3曲?……OKOK」

 

……しかし私の予想に反して交渉はかなりスムーズに動いていた。電話しながら手帳にメモしていく横島君を見ながら振り返り

 

「……ねえ?なんで妖怪なのに面接OKになるのかしら?」

 

「わ、判りません」

 

事務所に妖怪を紹介するGSもGSだが、それを自然と受け入れる事務所も事務所だと心の底から思った

 

「日時は4日後?東京の事務所でだな?OKOK、その人と一緒に俺も行くわ。え?ついでに俺の面接?いらんいらん、俺はGSになるからアイドルにはならねえよ。ん、じゃあな、急に電話してごめん……あ、美神さん。面接OKですって!」

 

弾ける笑顔の横島君にもうどうにでもなれと私と蛍ちゃんが諦めの境地に達したのは言うまでもなく、更にセイレーンも一発で面接をとおり、その次の日にはアイドルデビューをしていた事に私は驚愕する事になった

 

「……お礼の手紙かしらね?後で横島君に届けてあげましょう」

 

事務所宛にはなってるけど、間違いなく横島君充てだと思うのであけるのは失礼だと思い。封をそのままにして引き出しの中にしまい、他の郵便物を確認する。やはり大半が神獣が死んだとされる山における調査報告であり、それを確認しながら調査に必要になるであろう霊具。調査のスケジュールなどを念入りに調整しつつ、今回の一件はGS試験や原始風水盤の時の様な事にならないようにと心の底から祈るのだった……

 

 

 

セイレーンさんもアイドルデビューが出来たみたいで良かった。歌を歌いたいだけって言うのに退治するのは可哀想だしな。たまにTVで見るその姿に良かったと思う、それに今朝俺の家の郵便受けに入っていた手紙はハーピイさんからで、アリスちゃんつきのメイド兼お世話係として頑張っていると書いてあって二重で良かったと思う。

 

「うーし、チビ散歩行くかー」

 

「みーむう!」

 

両手をぶんぶんと振って飛んで来たチビの首輪にリードの紐を繋ぎながら、リビングで伏せているタマモに

 

「今日はタマモはどうする?」

 

「くう」

 

顔をあげはしたが、ふわあっと欠伸する姿を見て散歩に着いて来る気がないと判り、今日はタマモは留守番だなっと呟く

 

【あ、ワシ。途中までついていくぞ!メロンパンを買うのじゃ!】

 

「本当ノッブちゃんはメロンパンが好きだな」

 

結構な量を消費しているのを知っているのでそう呟くとノッブちゃんは黒いスカートに赤いシャツ姿で

 

【現世で食べた中であれは相当気に入った!良い食べ物じゃ】

 

嬉しそうに笑うノッブちゃんを見ながらキッチンで夕食の準備をしているシズクに行って来ると声を掛け、俺はノッブちゃんと共にチビの散歩に向かうのだった……

 

「みっみーみむー♪」

 

上機嫌に鳴きながら目の前を飛んでいるチビを見ているとやはり気持ちが和んでくる。リードを長めにしているので、宙返りや先回をしている姿を見ていると、ポケットからかぼちゃ頭の姿に変身したウィスプ眼魂が出てきて

 

【イッヒー♪】

 

「みむみむ♪」

 

楽しそうに笑うウィスプ眼魂とチビを見ていると、横から視線を感じて振り返ると、ノッブちゃんが俺を見て楽しそうに笑っているので

 

「どうかした?なんかついてる?」

 

それか寝癖とか?っと尋ねるとノッブちゃんは更に楽しそうに笑いながら

 

【ん?いやあ?お主はやっぱり面白いと思ってのう】

 

面白い?俺が?……ノッブちゃんの評価になんと反応すれば良いのか?それとも何処が面白いのか尋ねるべきか?と考えていると

 

【じゃ、ワシはメロンパンを買いに行くのでな】

 

「あー行っちまった」

 

シュタっと手を上げてパン屋に走っていくノッブちゃん。考えるよりも先に訪ねるべきだったな、まぁどうせ家に帰ってくるんだからその時に聞けば良いかと判断しチビの散歩を再開する

 

「あ、横島ー!」

 

「テレサー?どうしたんだ?」

 

買い物に向かう所なのだろうか、空の買い物袋を振り回しながら走ってくるテレサにどうしたんだ?と尋ねる

 

「姉さんにお使いを頼まれて、商店街に行く所なんだ。チビの散歩だろ?途中まで私も一緒に行っても良い?」

 

別に断る理由もないし、構わないと返事を返し。予定していた川原への散歩コースではなく、商店街から公園に向かう散歩コースに変更し、テレサと並んで商店街の方へと歩き出す

 

「みーむみーむみむ、みみーむー♪」

 

【イッヒ、イヒヒヒ、イヒヒーッ♪】

 

なんか歌っている。なんか歌っているのは判るのだが鳴き声なので何を言っているのかわからない、でもまぁ楽しそうだから良いかとチビのリードだけを掴んで勝手に飛んでいかないように注意しながらテレサと話しながらのんびりと散歩をする

 

「カオスのジーさん、最近見ないけどどうしたんだ?」

 

「あーカオスか、なんか難しい研究をしてるとかで姉さんしか研究室に入ったら駄目だって聞いてる」

 

そうなのか、たまに散歩している時に会ったけど、そんなに大事な研究をしているのかと呟いていると、テレサはチビ達を見て

 

「また今度遊びに行っても良い?姉さんもいないし、カオスは研究している暇なんだ」」

 

「別に全然構わないぞ?いつでも訪ねて来ても」

 

俺はいなくてもシズクはいるだろうしと言うとありがとっと笑ったテレサは商店街の方に視線を向けて

 

「じゃあ私はこっちだから。夕方になってくると幽霊が多いから、気をつけないと駄目だよ?まぁ、心眼が居るから大丈夫だと思うけど。気をつけてね」

 

心配してくれているテレサにありがとうと礼を口にし、判れた所で心眼に声を掛ける

 

「テレサ、前は気付かなかったのにな」

 

【うむ、テレサも精神的に成長しているという事なのだろう】

 

心眼は竜気で構成されているので毎日身につけている訳ではない。周囲にも影響を与えるし、俺にも影響を与えるからだ。2日おきとか、3日おきとかの普通のバンダナに交換にしている。今日は心眼だが、姿を見せず沈黙していたのに心眼に気付いていたテレサ。前は心眼を見て驚いていたのになぁ……と思いながら早く早くと言わんばかりに目の前を飛んでいるチビに頷き、公園に向かって歩き出すのだった

 

【よ!、横島今日も散歩かい?】

 

公園の近くまで来た所で大柄な女性の幽霊に声を掛けられる。なんか最近人間よりも幽霊とかの知り合いが多いような気がするなあと苦笑しながら

 

「チビは散歩好きだからな、石神さんは?」

 

【私は巡回だよ。ここら辺はおキヌちゃんのシマだからね】

 

その言葉に更に苦笑する。石神さんは幽霊ではなく、名前のとおりれっきとした神様だ。何でも元は隣町の祠に祭られていた石に宿る神様らしいのだが、工事してこの公園の近くに祠が移動して来たのでそれと共にこっちに来たらしい

 

【おキヌとの戦いは疲れたか?】

 

【まぁねえ。あんな小娘だけど、私よりも霊格が上だからね。それに約束も約束だ、口にしたことは護るよ】

 

石神さんは守護するものとして浮遊霊などを襲い、追い出していたが、おキヌちゃんがそれを止めたのだ。幽霊同士の戦いは霊力の戦い、300年幽霊をしていたおキヌちゃんの霊力はやはり凄まじいらしく、石神さんを撃退して見せたのだ。何故か……プロレス技で、その後は浮遊霊などをむやみに襲わないなどの約束をしおキヌちゃんの部下みたいな感じで悪霊などが子供を襲わないように巡回してくれているのだ

 

【ここら辺は事故現場が多い。そう言うのに惹かれないように私が面倒を見るから心配ないよ】

 

どんっと自分の胸を叩く石神さん。大柄な体型に大きな声と頼もしい限りだなと思いながら、公園に入り

 

「うーし、チビ、行けー!」

 

「みーむうー♪」

 

【イヒヒー♪】

 

「いや、なんでジャックまでいくんや……」

 

ボールなどでチビとジャックが満足するまで遊んでやり、遊びつかれたのか、欠伸をしているチビを胸ポケットに入れ、夕日を見ながらのんびりと家に向かって引き返していると

 

「もし、そこのお方」

 

「はい?」

 

背後から声を掛けられる。今時聞かない喋り方に幽霊?と思いながら振り返ると、そこにはああ、良かったと穏やかに微笑む黒髪の女性が居た。幽霊……じゃないな。緑色のジャケットに白のシャツとズボン、長い黒髪は天パ気味なのかゆるいカールを巻いている。色んな美人を見てきたと思うが、この人も物凄い美人、美人なんだけど……こう、なんと言えば良いのか判らないが、小竜姫様とかと同じ様な気配がするような……とりあえず観察するのは後にして何の用事か尋ねようと思い

 

「どうかしましたか?」

 

「ええ、少々道に迷っておりまして、六道女学院への道は判りますか?田舎から出て来たばかりでして、地図はこうしてもらっているのですが道が判らないのです」

 

道に迷っていると聞いて、気の毒になりバス停の近くまで案内する事にしたのだが、口は開かないが妙に心眼が驚いているような気がしてどうしたんだろうか?と思いながら、俺はその女性をバス停の近くまで案内するのだった

 

「六道女学院だったら、あそこのバス停で終点まで行けば直ぐ近くですよ」

 

「まぁ、ご親切にどうも。六道女学院に今度カウンセラーとして招かれたのですが、東京まで出てくるのがやっとだったんです。本当に助かりました」

 

田舎から出てきたのか、キャリーつきのトランクケースを引っ張っているから旅行者かな?って思ったんだけど、どうも違うようだ。しかしカウンセラー……か、やっぱり霊的な面でのカウンセラーなんだろうか?と思いながら帰る時間を大分ずれている事に気付き、早く帰らないとシズクが心配すると思い

 

「じゃあ、俺はこれで」

 

「あ、お待ちになってください。貴方のお名前は?」

 

「横島です。横島忠夫」

 

「横島さんですね、今日はとても助かりました、私の名はキアラ。殺生院キアラと申します、またご縁があればどこかで」

 

穏やかに手を振るキアラさんに別れを告げ、俺は家に向かって歩きながら心眼に声を掛けた

 

「しかしなんか変わった人だったな」

 

カウンセラーって言ってたけど、霊力も感じたし、それに雰囲気も変わった人だなと思ったので心眼にそう尋ねる

 

【あれは聖人と呼ばれるタイプの人種だ、死後魂が昇華されやすい人間だな】

 

「へーじゃあ英霊って奴になるのか?」

 

牛若丸や、ノッブちゃんと同じ風になるのかと尋ねると心眼はまさかと笑いながら

 

【現代ではそうも上手く行くまい、あれが中世や戦国時代の生まれで日本人でなく、外国生まれならば英霊に至ったかもしれないがな】

 

ふーん、そう言う物なのか。俺と心眼はそんな話をしながら遊び疲れてポケットの中で眠っているチビを起さないように気をつけながら、帰路を急ぐのだった……

 

 

 

横島が若干慌てて家へと引き返している頃。唐巣神父の教会ではある来客者が来ていた

 

「ピートおにいさまー!お帰りなさいー」

 

「……アンちゃんがなんで居るんですか?」

 

ヴァンヘルシング教授の孫娘「アン・ヘルシング」が尋ねてきており、笑顔で手を振るアンに対してピートの顔は引き攣っていた

 

「日本ではGSが今減りつつある。国際GS協会の決定で六道女学院などで若いGSの面倒を見ることが決定した、それで彼女も来たんだよ、ピート君」

 

「そ、そうなんですか……」

 

唐巣神父の言葉に引き攣った笑みで返事を返すピート、その視線の先では

 

「シルフィーお姉ちゃん。久しぶりです」

 

「そうだね~元気にしてた?」

 

「はい!ピートおにいさまにもシルフィーお姉ちゃんにも会えて嬉しいです。今お土産を出しますね」

 

横島を思う余り適当な呪文で異界の神を召喚しようとシルフィーと、中学生で思春期真っ只中のアンが楽しそうに話をしていて、基本暴走思考の2人が出会うことで更に暴走するのではないか?という不安を抱き

 

「まぁお前を慕う娘だ。仲良くしてやれ」

 

「あの、父さん。彼女ヴァンパイヤハンターですけど?」

 

「毒を抱えてこそ、一人前の領主。それを制御する事もまたお前がブラドー島を治めるのにいずれ必要になるだろう」

 

……み、味方が居ないと嘆くピートだったが、次の瞬間血相を変えてしゃがみ込む。その頭上を通り過ぎる銀の弾丸

 

「えへ、銃が暴発しちゃいました♪ごめんなさい」

 

お土産を出そうとしていた筈なのに、何故か銃を取り出し、それがピンポイントで暴発し、自身の頭に向かって来た事に蹲り、アンは舌を出してごめんなさいと笑う

 

「……まぁ我には関係無い事だ。頑張れピエトロ」

 

自分には関係無いと言ってヴァンパイヤミストで逃げて行くブラドー伯爵にピートが血相を変えて、そうはさせないと捕まえに入るが……

 

「父さん!それは余りにってうわあ!?」

 

逃げた父に抗議するピートだったが、今度はニンニクの瓶が飛んで来た事に気付き、慌てて両手で受け止めるピート。神の家だが、始祖の吸血鬼1人に半吸血鬼2人とニンニクは最悪の兵器足りえる存在になっていた

 

「とりあえず、今日は顔を出しに来ただけだから大丈夫だと思うよ」

 

「僕には毎日尋ねてくるようにしか思えません」

 

頑張りなさいと肩を叩く唐巣神父にピートはがっくりと項垂れるのだった。そして案の定毎日アンが尋ねてきて、何らかのトラブル(ピートに深刻な被害)を起し続け、ピートがやつれたのは言うまでもないだろう……

 

 

別件リポート ただいま修行中へ続く

 

 

 




キアラさんでました。しかし魔性菩薩じゃないですよ、綺麗なほうのキアラさんですからね?ソロモンでもゼパルとか絶対出しませんからね(ここ重要)アンちゃんはドジッ子属性にて参戦しますのであしからず、次回はただいま修行中と言う別件リポートです、どうなるのか楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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