GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
どうも混沌の魔法使いです。今回は別件リポートとなります、ただいま修行中と言う事で、本編で出ていないキャラの修行の度合いを書いて行こうと思っています。これが終われば、次回からはまた長編リポートとなりますのでよろしくお願いします。
別件リポート ただいま修行中
薄暗い部屋の中で蝋燭の炎が揺らめき、ゆっくりとした深呼吸の音だけが部屋の中に響き渡る。その呼吸の主である陰念の額からは凄まじい量の汗が流れ落ちている……陰念はその汗を拭おうともせず瞑想を続ける
「良し、今日はここまでよ」
「……はい。お師匠様」
闇の中に響き渡った女性の声と共に陰念は目を開き、ゆっくりと立ち上がり。自らの手でタオルを掴み、汗を拭い始める
「大分手足の感覚は戻って来たみたいね」
「お師匠様のおかげです」
用意してあった水を飲みながらお師匠様……つまりは三蔵様のおかげだと感謝を口にする。悪魔の憑依と強制除霊で手足の感覚は長い間あやふやで、しかもチャクラもボロボロで霊能者としては勿論再起不能寸前。普通に生活するのも不可能に近いと言われていたが、お師匠様のおかげでここまで回復できた。お師匠様にはただただ感謝するばかりだ
「でもまだまだこれからなのよ。手足の神経は大分回復して来てるけど、チャクラのほうはまだまだこれからよ。ハッキリ言うけど、普通の方法じゃ霊能者としてカンバックするのはまず無理よ」
……判っていた事だが、ハッキリ言われると辛い物があるなと思ったが、普通の方法ではなければ復帰出来ると言う事なのだろうか
「一応その普通じゃない方法での復帰と言うのを目安に考えているわ。これなら早ければ後2ヶ月ほどで霊能者として復帰できるかもしれない……でも尋常じゃないリスクを伴うわ」
「リスクがあっても良い、霊能者として復帰出来るならば!俺は復帰したい!」
ニュースや新聞で何度も見ている。ガープの出現に伴い、日本のGSは有名所を除き長期休養や、GS免許の返上を行い。苦肉の策として仮GS免許の交付に踏み切り、霊能者の育成施設としては取り壊される予定だった白竜寺もお師匠様と雪之丞のおかげで残る事になった。絶望的な状況でも皆が出来る事を全力でやっているのだ、ならば多少のリスクなど……
「GS試験の時みたいに完全に悪魔になって2度と戻れないとしても?」
「……ッ!」
お師匠様の言葉に思わず息を呑む。悪魔に魂を喰われる激痛と恐怖は今もまだ俺の中に残っている。俺が硬直しているとお師匠様は意地悪が過ぎたわねと呟き
「勿論行き成り悪魔になるリスクがある訳じゃないわ。まだ可能性の段階だし、もし実用段階に入るならその前に幾つも保険策を用意する。ただ暴走すれば、悪魔になる。戻って来れる保証がある訳でもない、霊能者として復帰は出来るだろうけど、何時爆発するかも判らない爆弾を抱えての復帰になるわ。それでも直ぐ復帰したい?時間を掛ければ……そうね。10年……20年……もっと掛かるかもしれないけど、安全にそして確実に復帰出来るわ。それでも直ぐにでも復帰したい?」
確かにそこまでのリスクを背負うのならば時間を掛けるのが一番なのだろう。俺もそれは判ってる、判っているが……
「俺はそれでも早く復帰したいです」
リスクがなんだというのだ。俺は色んな人間に迷惑を掛けている。そんな俺が自分の身を護ろうとするなんておかしな話だ、俺は少しでも早く復帰したい。この気持ちを偽る事なんて出来はしない
「……判ったわ。貴方の意思を尊重してその方向で調整します」
「よろしくお願いします」
俺の無理な要望を聞いてくれたお師匠様に頭を下げる。するとお師匠様はしょうがないわねと苦笑しながら
「覚悟を決めた人間を止めるのは無理なのよ。私も同じだったしね、だから私は止めない。でも、リスクを少しでも減らせるように今まで以上に鍛えるわ。と言う訳で、今日は今から滝行よ!」
「う……うっす!!!」
さー行くわよーっと笑うお師匠様に頷き、俺は滝行の為に白竜寺を後にするのだった……
「うあー……」
「おう、大丈夫か?」
同室の雪之丞に大丈夫に見えるか?と返事を返す。お師匠様の修行は普段も厳しいが、今日はそれをはるかに超えていた。滝行に瞑想それに殆ど動かない手足での組み手に走りこみ、限界を超えていると言える。そして更に宿題として読経も与えられている
「読経なのか?それ?」
「知らん」
普段読むお経とはまるで違う。雪之丞にそう尋ねられても知らんとしか言いようがなく、言われた通り読み終えて眠る準備を整え、布団に横になり拳を握り締める。まだ感覚は弱いが拳は握れるし、腕も上がる……少しずつだが己が回復しているのは判っていた、だが焦りが募って行く今の状況でのんびりリハビリをしている精神的な余裕が俺には無かった
(少しでも早く復帰してやる)
その為ならば過酷な修行にも、リスクだって背負ってやる。俺はそんな覚悟を決め目を閉じるのだった……
「あ、悟空。急にごめんね」
【どうなさいましたか?お師匠様?何か問題でも?】
「んー問題って言うか、うん。そうね、私の我侭かな……」
【我侭ですか……それはいつもの事ですな】
「ひっどいなー」
早朝三蔵と悟空の楽しげな会話が三蔵の私室で行われていた。穏やかな雰囲気だったが、それは最初の方だけで最後のほうでは凛とした口調で三蔵は言い切った
「スパイとして活動しているアシュタロスと接触をとりたいの」
【……それはまた難しい頼みですな】
「それは判ってるわ。でも必要なの」
【……判りました。連絡がつきましたらご報告を入れます】
「よろしく、悟空」
その言葉を最後に悟空の声は遠ざかり、三蔵は深く溜息を吐きながら天井を見上げ
「仕方ないわね……私には止めれないわ」
覚悟を決め、信念を持つ人間を止めることは出来ない。なら少しでも手助けをしたいじゃないと呟いた三蔵は立ち上がり
「さてと、じゃあ今日もしっかり鍛えますか」
今日はどういう修行にするかなーと呟きながら、三蔵は私室を後にするのだった……そしてこの時の連絡が陰念の運命を大きく変える事になることを今は誰も知らないのだった……
お師匠様からの連絡に深い溜息を吐く、アシュタロスに接触を……それはつまり何らかの魔具の作成依頼だろう。
(やれやれ……)
ワシは年を取ったが、お師匠様は英霊であるがゆえにまだ若々しく、そして以前のままだ。思いのまま進む、そしてワシ達がその尻拭いをする。いつもの事だ……ああなっては止めることは出来ない。あまり気は進まないがアシュタロスに連絡を取るかな
「まぁ、まずは朝食じゃな」
連絡は何時でも取れる。まずは朝食じゃなと呟き、ワシは自室を後にするのだった……
「良い具合じゃなー」
「うむ」
朝食の後アシュタロスに連絡を取ろうとしたんじゃが、出ていると言う事で後で連絡すると伝言を頼み、ロンの孫のモグラの修行を見に来たんじゃが
「うっきゅいー!!!!」
巨大な岩石を鼠程度の大きさのまま粉砕するモグラ……凄まじい強さじゃな。しかもまだまだ成長するのが判っているので、もしかするとロンの一族の中で最強になる可能性もあるの
「きっとあれじゃな。横島殿の所に帰りたいんじゃろ」
「寂しくないか?」
少し寂しいと呟くロン。孫が自分よりも人間に懐き、そしてその人間のために強くなろうとするのは複雑じゃろうなぁ……だが横島と関わったおかげで角が生え、恐ろしい強さを発揮しているのだから文句など言えるわけも無い
「とは言え、修行はまだまだ始まったばかりじゃがな」
「こ、これでですか!?」
素振りをしていた小竜姫が驚いたように振り返る。そしてその視線の先では
「うきゅ!うきゅうきゅうきゅうきゅっ!うっきゅーッ!!!」
連続パンチからの飛び蹴りで岩山を粉砕しているモグラ……格闘ゲーム見せすぎたかの?その内竜巻旋●脚や昇●拳を使いそうで怖いんじゃが……と内心戦慄しながら
「お主は元々人じゃが、普通の竜族は竜の姿から人化を覚えるんじゃよ?」
「あっ」
ロンの言葉に今気付いたと言う感じで口に手を当てる小竜姫。妙神山にこそ括られているが、小竜姫もまた天界の竜族の中ではエリートと呼ばれる血筋だ。ゆえに生まれた時から人間の姿じゃが、普通の竜族は違う。長い時を生きて、そこから竜に変化するのだ。鯉や土竜から竜変化は当然竜の姿もしくは暫くは鯉や土竜の姿で生活し、竜気を蓄え本格的な竜へと生まれ変わっていく、そして其処からさらに人化を覚えて竜族へと変化していくのだ
「あやつのように竜になるのではなく、小さくなるという方向性での進化は驚きじゃ」
「……横島さんの側によっぽど居たかったんでしょうね……」
横島は人外に好かれやすい、しかもそれが子供ならなおの事。モグラは横島の側に行きたくて、竜としてではなく、マスコットととしての進化を始めている。それが間違いとはいえないが、正直少し判断に悩むところだ
「竜化をコントロールし、人化を覚えたら横島殿の元へ返すと約束したからの」
「竜化はともかく、人化は難しそうじゃなあ」
火炎放射なども使っているのを見れば、竜化は早そうじゃが、人間化は難しいかもしれんのうとロンと笑いあいのだが、丁度その瞬間
「うきゅうきゅうきゅー!!」
「「あちちちちーッ!っぎゃあああああッ!!!!」」
トドメと言わんばかりに吐き出された炎にこんがりと焼かれている鬼門を見て、ロンにそろそろ肉体的なトレーニングを終わりにして、そう言う術系統の訓練に移行したらどうじゃ?と言うべきか、どうなのかと悩みながら真面目に修行に取り組んでいるモグラと小竜姫を見つめるのだった……
「ふう……こんな感じかな」
日付が変わる少し前に終わった書類整理に溜息を吐きながら、背凭れに背中を預け大きく背伸びをした。横島君に憑依に対する訓練を着けるという約束も護れていないし、舞ちゃんも本当ならもうこっちに来てる予定だけど、まだ忙しいと言う事でまだ呼べていない。頑張っているつもりなんだけど、トラブルが本当に重なり続けていて、本当に嫌になってしまう
「エミさんと唐巣神父も頑張ってくれてるんだけどなあ……」
白竜寺は英霊三蔵法師様と伊達君の活躍で盛り返しつつある、エミさんはタイガー君に攻撃系の霊能力を教えるのでそれに伴い、訓練施設の貸し出し要請。唐巣神父は唐巣神父でブラドー伯爵と組み手を行うので、魔力を検知しても動かないで欲しいと言う頼み。GSが減った事で負担が大きくなっているが、それでも弟子を鍛え、己を鍛えガープの再出現に備えてくれているのには本当に頭が下がる思いで一杯だ。だが安全な所で文句を言ってくる国際GS協会やバチカンはこれでも納得しないと言うのだから鬱陶しい物だ
「そっちでもソロモンが動いてみろって言うのよ」
中にはガープの出現などガセネタでその様な状況でも自分はちゃんと働いているってアピールだろうって言う馬鹿も居る。こんな事になるのならGS試験の時に招いてやれば良かったと心の底から思う。私が若すぎると言う事で荒を探してくる連中が多すぎて本当に嫌に成ってくる
「……そろそろ舞ちゃんも呼びたいし、横島君の訓練の事もあるし……」
休暇もなしで頑張って来たけど、そろそろどこかで休暇を取らないと潰れてしまいそうだ。1日や半日と言う休暇は程ほどにとっているが、それでは溜まりに溜まった疲労が取れるはずも無い。出来る事なら1週間ばかり休暇を取れないか?と思うがそれも難しいだろう
「いっその事どこかの学校での除霊実習の視察とかで動くかなあ」
霊能科のある学校の除霊実習は温泉とかを兼ねているので、それで動いてみるかなあっと考えていると扉がノックされる音がする。もう誰もいない時間のはずなのに?私は警戒心を強めながら
「どちら様ですか?」
破魔札と精霊石を手に訪ねるが返答は無く、代わりにドアの隙間から封筒が入れられ
「私なりに調べ、動いた結果です。上手く使えるかは貴女次第よ」
聞き覚えの無い女性の声。椅子から立ち上がり扉を開けるが人の気配は無い。私は足元の封筒を拾い上げ
「なにかしらね?」
上手く使えるか私次第と言われた封筒を警戒しながら開ける、中身を見て私は驚いた
「こ、これって!?」
思わず大声を上げかけたが、それを堪え封筒の中に書類をしまい。鞄の中に入れてGS協会を後にし、自宅で封筒を開けゆっくりと確認しもう1度驚いた
「あの声の人何者?」
それは決して表に出してはいけない物。各国のGS協会の理事長や支部長が行っている不正などのデータに不倫などの証拠の写真。上手く生かせって……こんな物どう使えって言うのよ。脅しには使えるかもしれないけど
「1回冥華さんに相談してみよう」
これは下手に使えば私自身の身を滅ぼすかもしれない。それほどの武器だ、とは言え、これらが無ければ長い間権力争いの中で生きて来た狸達を相手にすることなんて出来る訳もないし……冥華さんに助言を求めて見よう。あの人ほどの狸を私は知らないし、それに政治的な面でもあれほど頼りに成る人材は居ないだろう
「もしかすると勉強会とかになりそうね」
主に狸と話し合いをする時の相手の心の読み方とか、カードを切るタイミングとか、そう言う政治的な面での勉強をする必要があるかもと思いながら、今日は休む事にした。翌朝、冥華さんに連絡を取ると
「うふふ~いい~物を持って来てくれたわぁ~これは私が~有効に使ってあげる。琉璃ちゃんが休めるようにね~」
「お、お願いします」
笑っているのだが、もの凄く不吉に思えて思わず引き攣った声で返事を返してしまった。そしてその後GS協会で書類整理をしていると、今まで却下されていた私考案のアイデアが通ったなどの連絡が次々に来て
「あの人……何をしたんだろう?」
まだまだ私が勉強しなくてはいけない事が多いと思いながら、あの人が敵じゃなかったことに安堵の溜息を吐き
「これでやっと動ける」
神獣が死んだかもしれない山の調査。あの山は利権の関係では中々調査の許可が下りなかったが、今回の事で許可を強引に手にすることが出来た。へんな横槍が入らないうちにと、私はこのタイミングで正式に美神さん達にあの山の調査の依頼を出すのだった……
一方その頃。とある山中の中の人狼の里では
「てえい!」
「うわ!」
「そこまで!勝者犬塚シロッ!!!」
自分よりも遥かに大きい人狼族の少年を木刀で吹き飛ばすシロを見て、満足そうに頷きながら判定を口にするポチ
「修行が足りん。走りこんで来い」
「はい、先生」
落ち込んだ様子で走っていく少年を見ながら切り株に腰掛けているシロに
「良い腕だ。動きも良い、クロの仕込みか?」
「そうでござるよ。ポチせんせー」
まだ幼い少女だと言うのにな、このまま行ったら女の身でありながら里1番の剣士のになるではないだろうか?と思いながら木刀を片付けているシロに気になった事を尋ねてみた
「何ゆえそこまで焦る。クロもそこまで強くなれとは言わないだろうに」
人狼は闘いの中に身を置くが、いくらなんでもこの齢で剣を取れとは言わない。女友達は居ないだろうが、まだ遊んでいてもおかしくない頃合だというのにシロはやけに焦っているように見えそう問いかけると
「拙者は村の外でやりたい事があるでござるよ。だから強くなるでござる」
「掟はどうするつもりだ?」
村の外へ行きたい。それは子供が夢見る事だが、それが許可された事など無い。子供の夢なのか、本当に村の外に出るつもりなのか?と思いながら問いかけるとシロは真剣な表情で
「父上を助けてくれた方の元へお礼奉公に行くでござるよ。掟よりも、もっと大事な物があるでござるよ。だから拙者は誰に認められずとも、力づくで村の外へでるでござる」
秘密でござるよ?と笑い駆けて行くシロを見ながら
「お前の娘はお前を救った人間に恋をしているのか?」
「そうかも知れぬな。横島殿は気持ちの良い男だった」
シロは気付いていなかったようだが、クロもこの近くに居た。茂みから顔を出したクロに
「お前から見てもか?」
「うむ。才覚だけではない、人格もまた良い」
少し色欲が強すぎる気がしない訳でもないがなと笑うクロにそうかと呟き
「お前の娘が人狼の歴史を変えるやもしれんな」
「ん?なんだお前の事だから駄目だと言うと思ったぞ」
確かに村の外に出ると言う事を認めるつもりは無い。だがあの目を見て悟ってしまった
「あれは止まらんよ。自分の目的に向かって走り続けるだろう、だからどこまで行くのか見てみたい」
恐らく今の人狼の里で最強の剣士としての才覚を見せているシロだからこそ、見てみたいと思った辿り付く先を……だから
「おい、村を出て行くときは声を掛けろ。俺も横島を見てみたい」
「……判った」
どうせ長老が許可を出す訳無い。だからこそ脱走すると判っているクロに俺にも声を掛けろよと呟き、切り株に立てかけてあった刀を抜き放ち
「久しぶりにどうだ?」
「いいだろう、では負けた方が夕飯を取りに行く、それでどうだ?」
「乗ったぞ。では1つ手合わせ願おうかッ!!」
「来い!ポチ!!」
夕暮れの光の中、背後から聞こえて来た金属音に立ち止ったシロはポチとクロの手合わせの姿を見て、近くの切り株に腰掛け脚を揺らしながらぼそりと呟いた
「ポチが良い人なのは驚きでござるよ」
記憶の中では父を斬り殺した悪人だが、今はそんな気配も無く父と仲の良い姿を見せているポチに平和でござるなーと嬉しそうに微笑むのだった……
リポート9 神の山を捜索せよ その1へ続く
今回の修行は陰念とモグラちゃんでした、雪之丞とかは本編で書いていこうと思っているので今回はお休みです。琉璃に封筒を渡したのはもう誰か判っていると思いますがあの人ですのであしからず。次回は猫又親子の山の話を大幅に変えてお送りする予定です、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い