GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は今日一日の捜索結果のまとめをしている美神達の話と横島とうり坊の話になります。うり坊がマスコットになったのか、横島が野性に返したのか?そこを楽しみにしていてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その3

 

 

リポート9 神の山を捜索せよ その3

 

捜索結果を美神さんと神宮寺と一緒にまとめながらふと顔を上げると夕日が完全に沈もうとしていた

 

「横島遅いですね」

 

「ん?ああ、そういえばそうね。夕暮れ前には帰りなさいって言ったのに」

 

手帳から顔を上げた美神さんが仕方ないわねと言う感じで呟く。チビとタマモの散歩の時間なのであんまり遠くに行かず、夕暮れ前に戻って来るようにって言っておいたのに

 

「まぁもう直ぐ戻ってくるでしょう。何でしたら使い魔を飛ばしますわよ?」

 

神宮寺に使い魔を飛ばしてもらうように頼もうかと悩んでいるとシズクがキッチンから顔を出して

 

「……横島の気配が近づいているから戻ってきているから、心配ない」

 

結界もあるし大丈夫だというシズクの言葉に頷き、周辺の捜索結果のまとめ作業を再開する

 

「私の見解ですが……やはりこの周辺には何者かが存在していますわね。低く見積もってもC級、もしかするとA級クラスのGSに匹敵する何者かが潜んでいると思います」

 

「そうなるわね。獲物は恐らく霊刀。それもかなりの業物……蛍ちゃん。ここら辺周辺で神社とかはないわよね?」

 

美神さんに言われてセーフハウスに用意されていた周辺の地図を確認するが

 

「それらしいのはないですね。勿論登録されているGSや霊媒師のデータもないです」

 

地元では神の山と呼ばれており、悪霊などの出現もなく護られた土地と言われていた。だから霊媒師などは存在せず、また神が居られる山に神社を作るのはおかしいと言う事で神社などが建てられた記録もない

 

「周辺の聞き取り調査で祠があるくらいですね」

 

「となると人間じゃない可能性も出てくるわね。この山の神の眷属……それがいるのかも」

 

神の眷属……か。口で言うのは簡単だけどいざ対峙する事になると恐ろしいわね

 

「山の神の不在もあり、山の神を探しているのかもしれないですわね。話し合う余地があればいいんですけどね」

 

「山の神の眷属だから知性もあると思うわよ?話を聞いてくれるのは別だと思うけど」

 

もし話を聞くことが出来ればこの山の神が何か判るんだけど……話を聞いてくれる余地があるかが不安か

 

「とりあえず、明日は朝から魔力反応があるって場所に向かって見おうと思うんだけど蛍ちゃんとくえすはどう思う?」

 

机の上に広がれた地図を指差して私と神宮寺に意見を求めてくる美神さん

 

「確かに早い段階で調べたほうが良いと思いますが……この魔力を吸収して突然変異が生まれている可能性もありますわね」

 

「でも遅くなると魔力の残滓もなくなってしまう可能性もありますね」

 

危険性はかなり高い場所と言える。しかし調べておかないとガープ達の痕跡が無くなってしまう可能性が高い

 

「私なら横島は残します。引かれても困りますからね」

 

「ですね。横島自身の霊的防御が不安要素になりますね」

 

横島を連れて行かないのが1番安全ではないですか?と私と神宮寺がそう言うと美神さんはそうなるわよねと呟き

 

「丁度この近くに綺麗な川があるからそこで魚でも釣って貰ってましょうか?川ならシズクが離れていても判るし。おキヌちゃん食料ってどんな感じ?」

 

貯蔵庫から食料を持ってきていたおキヌさんに声を掛ける美神さん。おキヌさんはえーっとと呟きながら

 

【お肉とかは保存が利くベーコンとか、ハムでしたね。野菜はたっぷりありますけど……到着から逆算して用意してくれたんですかね?】

 

「ありがと、料理に戻ってくれていいわ。よろしくね」

 

事前に用意してくれていた物だからそんなものよね。でもこれはある意味好都合と言える、食料調達の名目で安全な場所に横島を置いておく事が出来るのだから

 

「じゃあ横島君に食料調達を頼んで、私達とシズクで山の中腹に向かう。それで良いわね?」

 

「私は異論はありません。不安なら、川原周辺に結界を追加で用意すればいいですしね」

 

「私もそれでいいと思います」

 

魔力が横島にどんな影響を与えるか判らない。マタドールとの戦いでは味覚障害なども起していたのだから、もしも、もしもだが横島の中にあるビュレトの魔力がガープの魔力と反応して何が起きるか判らないのだから、ここは無理をしないほうがいいだろう

 

「神宮寺。ビュレトの魔力のほうって正直どうなの?」

 

「その神宮寺って言うのはいい加減止めて欲しいですわね、くえすで良いですわ。私も蛍と呼びます。ギスギスとした空気を作るのは避けるべきですからね」

 

まさかの神宮寺からの譲歩に驚きながらも、ここまで言われたら意地を張ることなんて出来る訳も無く

 

「判ったわ、くえす。それで魔力のほうは?」

 

「今の段階では完全に小康状態ですわね、ただ完全に消えるという気配は全く無いので、何らかのきっかけで活性化する可能性は十分にあります」

 

専門家のくえすが活性化する可能性があると言えば、やはり横島に無理をさせる訳には行かない。残す方向で説得するしかないわねと思っていると

 

「ただいまー」

 

「みーむ!」

 

「ココーン!」

 

横島とチビ達の声が聞こえてくる。完全に暗くなる前に帰ってきてくれて良かったと安堵の溜息を吐いたのだが、リビングに入って来た横島を見て

 

「おかえ……捨てて来なさい。横島君」

 

「……どうして拾って来たんですの?」

 

「横島……野生に返してあげたほうがいいわ」

 

「……捨てて来い、横島」

 

【捨てた方がいいと思いますよ?横島さん】

 

「全員で捨てた方が良いって言わないでくれよ!こんなに可愛いんだぜ!?」

 

「ぴぐう♪」

 

小さなうり坊を大事そうに抱えている横島を見て私達は深く溜息を吐きながら、やっぱり変なのを拾って来たと呟くのだった

 

 

 

捨てて来なさいという美神さん達を何とか説得してうり坊をシャワーで綺麗に洗って、乾かしてからリビングに戻る

 

「ぷぎ、ぷぎいー♪」

 

リビングの机の上に置くと楽しそうに鳴きながらちょこちょこと歩き回り、チビと遊んでいる。本当に凄く仲良くなっているなぁと思っていると美神さんがうり坊を見ながら

 

「ちなみにそれどうしたの?」

 

「えっと散歩してたら茂みから出てきて、チビの餌のりんごを分けたら懐いちゃって」

 

駄目と言ったんだけど、どうしても付いて来るのでやむを得ずというと深く溜息を吐かれた

 

「確認するけど、近くに親は居なかった?」

 

「心眼と一緒に調べました。でもどこにも居なくて、それに酷く弱っていたので親と逸れたか、親が死んでるんじゃないかって思います」

 

膝の上にうり坊を乗せてやると、数分もしない間に眠り始める。元気良く鳴いていたが、やはり相当消耗していたのだろう

 

「見た感じでは普通の猪ですわね」

 

「……妖怪ではないと思うんだが」

 

神宮寺さんとシズクがうり坊を見て普通の猪と言う結果が出た。普通の猪となると大きく成長してしまうのでやはり長い時間一緒に居ることは出来ない

 

「とりあえず、今日一晩は良いけど、明日には野生に返すのよ」

 

「はい」

 

妖怪とかならチビと一緒に連れて帰ることが出来るけど、普通の猪では仕方ない。一晩面倒を見て、元気になった段階で野生に返すべきなんだろう

 

「みむー」

 

「うーん。流石に普通の動物じゃあ難しいからな」

 

しょぼーんっとしているチビにごめんなと謝っていると神宮寺さんが俺の方を見て

 

「横島。香港の時に使ったダウジング、あれは今もまだ使えるのですか?」

 

「え?あ。はい、大丈夫ですよ?何か探すんですか?」

 

香港での原始風水盤を探すときに使ったダウジング。あれのコツは掴んでいるので使える筈、何か探すんですか?と尋ねると地図を広げられて

 

「ここがガープが居たとされる魔力が観測されている場所なのよ。他にも反応があるかどうか見て欲しいんだけど?」

 

「判りました、えーとっ……あったあった」

 

Gジャンからペンデュラムを取り出して、地図の上に翳すが……

 

「うん?んー……」

 

ペンデュラムは地図の上でぐるぐると回る。暫く続けてみたが反応は変わらず、俺はペンデュラムを回収していると心眼が

 

【あの時は原始風水盤の針を包んでいた紙を媒介に陰陽術を併用していた。もし詳しい結果が欲しいなら、この周辺の葉っぱを回収してくれればダウジングの精度が上がる筈だ】

 

なるほど……陰陽術と平行していたからあの精度だったのか、心眼の言葉に納得していると蛍が唸りながら

 

「じゃあ何の手掛かりもない。この周辺に居るかもしれない霊能者を見つけるのは……?」

 

【無理だな。横島もまたダウジングを学び始めたばかり、手掛かりも無しでは見つける、見つけない以前の問題だ】

 

「なんか役に立てなくてすいません」

 

出来ると思っていたんだけど、まさかそんな条件があるなんて思っても無かったと謝ると美神さんが

 

「ううん、こっちが無理を言ってるのは判ってるわ。そりゃ1回、2回の練習でそんなに精度の高い物を要求するこっちがおかしいのよ。もう少し手掛かりを集めてきたらまた頼むわ」

 

「判りました。次は頑張ります」

 

今度は結果を出せるように頑張りますと返事を返しているとキッチンからおキヌちゃんとシズクが鍋を持ってきて

 

【明日も捜索がありますからね。今日はしっかりご飯を食べて、明日に備えてくださいね!】

 

「……今日はかなり汗をかいていたからな、塩分を濃い目にしてある。辛かったら教えてくれ、お湯を回す」

 

シズクの言葉は聞こえているようで聞こえていなかった。鍋からただよう良い匂いに腹が鳴るのを感じうり坊を起さないように気をつけて、俺は夕食に箸を伸ばすのだった……

 

「とりあえず横島。明日の予定だけど、横島はこの近くの川で食料調達をしてくれる?」

 

「食料調達?」

 

蛍の言葉に思わず尋ね返す。久しぶりの自然の中で疲れたのかチビとタマモは既に舟を漕いでいるので、起さないように気をつけながら尋ね返すと美神さんが

 

「食料は野菜中心と保存の利く燻製肉が多いのよ。ここら辺の川は全然大丈夫らしいから魚を釣って欲しいんだけど、横島君は魚釣りは出来る?」

 

「そりゃまあ、親父と釣りはしたことありますよ?」

 

それほど上手いって訳ではないと思うけど、人数分位は釣れると思いますと返事を返しながら

 

「美神さん達は明日はどうするんですか?」

 

「私達は明日は山の中腹の捜索です、全員で捜索するのが当たり前だと思いますが、1人は拠点に残さないと何があるか判りませんからね。川の近くならシズクが監視してくれていますし、水で直ぐに跳んで来ることも出来る。そういった事を考慮して横島を残す事にしたのですが不服はありますか?」

 

不服はありますか?と言われれば置いていかれる事に対しては多少納得行かない部分もある。だが食料調達と拠点防衛と言われれば不服だと言えるわけも無い

 

「いえ、大丈夫です。それで拠点に残るのは俺とおキヌちゃんって事でいいんですか?」

 

「そうなるけど、水の近くだからシズクも実質居ると考えて良いわ。眼魂は極力使わないでね、精霊石とか破魔札を用意しておくからそれで対処して頂戴」

 

美神さんの言葉に判りましたと返事を返し、今日の所は解散となった

 

「よーし、チビもタマモも寝ようなー」

 

持ってきた籠の中にチビとタマモをそれぞれ寝かせ、うり坊は人間の匂いがつくと自然に帰れないという美神さんのアドバイスを聞いて、新品のタオルで包んでやる

 

【横島。多少の不満はあると思うが、拠点を護るのは大事な仕事だぞ?】

 

「判ってるよ、無理もしないし、ついて行こうとも思わないから大丈夫だ」

 

心眼の言葉に大丈夫だと言ってから隣のベッドを見て

 

「おやすみ、シズク」

 

「……ああ。おやすみ」

 

なんかシズクと当然のように一緒の部屋で寝てるなあと思いながら、俺は部屋の明かりを消してベッドの中に潜り込むのだった……

 

「ぴぎい」

 

そして横島が寝入った深夜0時過ぎ。もぞもぞとタオルから抜け出したうり坊の瞳が怪しく光るのだった……

 

「みーむうーみむー!!!」

 

「コーン、ココーン!!!」

 

チビとタマモの慌てた声とぺちぺちと顔を叩かれる感触で目を覚ます

 

「うなあ?なんだどうしたあ?」

 

普段こんな事しないのにと思いながら目を擦りながらベッドから身体を起す。シズクはもう起きているのかと思いながら大きく欠伸をしながらベッドから降りようとして気付いた

 

「「「「「「ぷぎい?」」」」」」

 

「……増えてる!?」

 

足元を埋め尽くさんばかりのうり坊の姿に眠気は一瞬で吹き飛んだ。ぷぎい、ぴぎーっと言う鳴き声が響く中。足元を埋め尽くしているうり坊を見つめるが判らないので心眼を頭に巻く

 

【なんだ横島?もう……増えてる!?】

 

「だよな、その反応するよな」

 

俺と全く同じ反応をする心眼になんか俺に似てきたなと思いながら

 

「全部本物か?」

 

【あ、ああ。少し待て】

 

心眼の言葉に判ったと返事を返し、ベッドの上でおろおろしているチビとタマモの背中を撫でていると心眼が

 

【あの机の前のが本体だ】

 

「よし判った」

 

栄光の手を伸ばしてうり坊を捕まえる。足元のうり坊は消えるかと思ったが、まだぴぐぴぐ鳴いてる。これ影分身とかそう言うのかな?それとも本当に増えているのだろうか?と思いながら捕まえたうり坊に視線を向ける

 

「ぴぎ?」

 

なーに?と言う感じでこっちを見るうり坊の円らな瞳に苦笑しながら

 

「そっかーお前も妖怪だったのか。どうする?これからも俺達と一緒に来るか?」

 

【まぁ妖怪なら仕方ないだろう。戦力としては不安だが、チビも喜ぶだろうしな】

 

心眼も別に構わないだろうと言うのでうり坊にどうする?と問いかけるとうり坊は元気良く尻尾を振りながら。俺の腕の中で前足と後ろ足をばたばたと動かす

 

「ぴぎーぷぎー!!!」

 

野生の猪なら駄目だけど、妖怪の猪なら大丈夫だろう。俺の問いかけに元気良く返事を返すうり坊に了承の返事だと判断し、鞄から新しい赤いハンカチを取り出しそれを首元に結んでやりながら

 

「よっし、よろしくな。うりぼー」

 

「ぴぎっ♪」

 

うり坊のうりぼー。容易な名前だけど可愛いよな。俺の腕の中でぷぎぷぎ鳴いているうりぼーを抱きかかえ、肩の上にチビ、頭の上にタマモを乗せてリビングに向かうんだが

 

「「「「「ぴぐぴぐ」」」」」

 

「……ま、いっか」

 

ぞろぞろとついてくるうりぼー軍団をどうやって美神さん達に紹介しようかと思いながら、俺はリビングに向かうのだった……

 

 

 

朝から今日の捜索の準備をしていると、私達から少し遅れて横島君が起きて来たんだけど

 

「おはようございます」

 

「みむ!」

 

「コーン!」

 

「ぴぐう!」

 

チビ達を抱えて入って来た横島君の後ろから

 

「「「「「ぴぐぴぐ」」」」」

 

大量のうり坊が列を成してリビングに入って来たのを見て、思わず思考が停止した。

 

「横島?それ……どうしたの?」

 

蛍ちゃんがうり坊の群れを指差しながら尋ねると横島君は笑いながら

 

「朝起きたら増えてました。うりぼー妖怪だったみたいです」

 

「ぴぎい♪」

 

横島君の腕の中で前足を上げるうり坊を見て、私はゆっくりと振り返り

 

「普通の猪って言ってなかった?」

 

「霊力とかは何にも感じませんでしたわよ?今は何故か霊力を発していますが……」

 

「……それは間違いない。もしかすると霊力が完全に枯渇していたから気づけなかったのかも……」

 

【私も探知出来なかった。本当にギリギリまで消耗していて、食事とかで回復したと思われる】

 

私も気付けなかったから責める事はお門違いなのだが、まさかあのうり坊が妖怪だなんて……

 

「って言うか、横島。うりぼーって」

 

「おう!うり坊のうりぼー!。可愛いだろ?」

 

……な、名前まで……これで完全にあのうり坊は横島君の使い魔になってしまった……やっぱり横島君を単独行動させたのは失敗だったかしら?と後悔していると

 

「ぴーぐ!ぷぎゅうっ!」

 

「「「「「ぴぐぴぐぴぐ」」」」

 

横島君の腕の中のうりぼーが勇ましく鳴くと、リビングをチョコチョコ動き回っていたうり坊達が集まり始める

 

【な、何をするつもりなんですかね?】

 

「凄く嫌な予感がしますわ」

 

引き攣った顔をしているおキヌちゃんと眉を顰めているくえすの前でうり坊達が組み体操のようにピラミッドを作る

 

「……霊力が増大している」

 

【うむ、凄い反応だ】

 

ぼそりと呟いたシズクと心眼の言葉に危険を感じて、うり坊達から離れた瞬間

 

「ぴーぐう!」

 

横島君の腕の中のうりぼーがピラミッドの上に着地した瞬間。ぽんっと言う爆発音と煙で視界が一瞬塞がれ、煙が晴れたときリビングの真ん中には

 

「ぴぐう?」

 

「「「「でかっ!?」」」」

 

元が抱き抱える事ができるサイズだったうりぼーからは想像も出来ない、縦2メートル、横3メートルはあろうかと言う大きさになったうりぼーに思わずそう呟く

 

「おーでっかいな。でも小さい方が可愛いな、小さくなれる?」

 

「ぴーぎゅ」

 

全く動じない横島君が小さくなれる?と尋ねるとしゅるしゅると小さくなって行き、チビと同じサイズになったうりぼーがぴぎいっと鳴くのを見て私は思わず頭を抱えながら

 

「とりあえず、そのうりぼーの面倒は横島君。ちゃんと見るのよ」

 

「うっす!うりぼーは人懐っこいから大丈夫ですよ。なー?」

 

「ぷぎい!」

 

「みみー!」

 

足元のうりぼーとチビを抱き抱えてのほほんと笑う横島君。その姿にまた私の事務所の人外率が上がる事に深い溜息を吐きながら

 

「シズク、おキヌちゃん。朝ごはんにしてくれる?出来れば昼過ぎには戻って来たいから」

 

私達でも長時間魔力溜まりに居るのは危険なので、朝から出発して昼過ぎには戻ってくるつもりなのでうりぼーと横島君に時間を掛けている余裕は無いので、朝ごはんの用意をしてくれる?と2人に頼むのだった

 

「ぷぎい?」

 

「あ。本当だ、凄く人懐っこい」

 

「ですわね」

 

朝食の準備が終わるまでの間うりぼーを観察していた蛍ちゃんとくえすだけど、珍しく懐いて擦り寄ってくる姿に頬が緩んでいるのが判る。そして私も

 

「ぴぐ?」

 

「……ほんとね。人懐っこい」

 

チビは未だに懐かず、モグラちゃんは怯える中。きらきらとした円らな目で私を見つめてくるうりぼーを思わず撫でてしまうのだった……

 

「じゃあ、横島。食料調達よろしくね」

 

「最低ノルマは人数分ですので、しかしあんまり遠くは行かないように」

 

「……川の流れは速いからな、緩やかと思っても入るなよ」

 

「横島君も子供じゃないから大丈夫よ。それよりも行くわよ」

 

朝食の後。横島君とおキヌちゃんを川原に残し、食料調達を頼み、川に注意するように言う蛍ちゃん達に行くわよと声を掛け私達は山へと足を向けるのだった……

 

 

 

 

荷物を持って山を登っていく美神さん達を見送り、セーフハウスから持ち出した渓流竿を伸ばし、魚を釣る準備をする

 

「みーむ?」

 

「ぷぎゅ?」

 

初めて見る道具に興味津々と言う感じのチビとうりぼーに危ないぞーと声を掛けながら、テグスを結んでウキを取り付けて最後に釣り針を結ぶ

 

「よし、これでOKっと」

 

【中々手際がいいな。釣りは得意なのか?】

 

心眼の言葉にそこそこかなーと返事を返し、1度釣竿を置いて、川の浅い所に入って石をひっくり返す

 

【何してるんですか?】

 

「ん?餌取ってるんだ。川虫がいい餌なんだよ」

 

岩の下に居た虫を捕まえて見せると、きゃっと悲鳴を上げて逃げるおキヌちゃんに幽霊でも虫は怖いんだなと苦笑しながら瓶に水を入れて数匹入れておく。足りなくなったらまた捕まえれば良いので、そんなにいっきに捕まえる必要は無いしな

 

「クウン?」

 

「おう、今から始めるよ」

 

セーフハウスから持ってきた椅子の上にタマモ達を乗せて、危ないから川に近づいたら駄目だぞ?と声を掛けてから

 

「よっしゃ。おキヌちゃん、魚釣り始めるぞー」

 

【はーい♪】

 

ポルターガイストで釣り竿を構えるおキヌちゃんに器用だなあと感心しながら、俺は仕掛けを川の中へと振り込みながら、久しぶりだからちゃんと釣れるかなあと言う不安を抱きながらも、久しぶりの釣りに心を躍らせ、何とか全員分だから5匹は釣りたいなあっと思いながらウキを見つめるのだった……

 

 

リポート9 神の山を捜索せよ その4へ続く

 

 




次回は横島とおキヌの釣り視点と美神達の捜索視点で書いて行こうと思います。うりぼーは「大きくなる」「小さくなる」「増える」と言うスキル持ちのうりぼーです。増えるは影分身みたいな感じですね、性格は非常に人懐っこいですかね?
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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