GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は山猫親子と緋鞠を交えてのこの山の話を書いていこうと思います、今回は山神様について、次回はガープの魔力の残滓についてで進めて行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その5

 

 

リポート9 神の山を捜索せよ その5

 

横島と師匠達が戻ってきた所で私は椅子代わりにしていた石から立ち上がり

 

「この度は勘違いをし、襲撃してしまった事深くお詫び申し上げる。申し訳ない」

 

深く深く頭を下げる。今までの妖怪退治は話も聞かず襲ってきた。それと同類だと思ってしまっていたことを深く謝罪する

 

「まあ誰だって勘違いはするものだし、えーっと緋鞠さんで良いんだっけ?」

 

私が奇襲した女性がそう尋ねてくるので頷きながら

 

「化け猫の緋鞠じゃ。この度の無礼、まことに申し訳ない」

 

ただ戦闘力の弱い美衣さんや、子供のケイのこともあり必要以上にピリピリしていたと説明すると仕方ないと言われ、正直拍子抜けしたが

 

(これはもしかすると横島のおかげか?)

 

もしかすると私の様な妖怪などとも出会っている横島のおかげで、仕方ないかという空気になっているのかもしれないと思い。本当に変わった人間だと私は小さく苦笑してしまうのだった。そしてそんな横島はと言うと

 

「横島!妖怪とかに会いやすいのは判るけど、すぐいい人って信用するのは正直どうかと思うわよ!?騙されているとか考えないの!」

 

「そうですわよ、妖怪……特に鬼と呼ばれる種族は笑いながら人を斬るような種族です。あれは違うと思いますが、すぐ信用するのは止めなさい」

 

「は、はい……すいません」

 

川原で正座し蛍とくえすの2人に説教されていたりするのだった……

 

 

 

横島君が危ないと思い焦ってセーフハウスに戻って来たのだが、この山に住むと言う化け猫の妖怪と仲良くなっているのは正直驚き、そしてもう少し警戒心を持って欲しいと思った

 

「……かなり釣れたみたいだな?」

 

「魚影めちゃくちゃ濃いからなあ。俺とタマモとおキヌちゃんで30匹くらい釣ったんじゃないかな?だいぶ食べたけど」

 

それでもまだかなり魚篭に残っているのを見ると相当な釣果だったのだと一目で判った。人数分釣れれば御の字と思っていたけど、これも正直予想外だった

 

「……うん。悪くない、良い具合に脂が乗ってる」

 

「そうね。白身で凄く美味しい」

 

「……丸かじりなんて初めてですわね」

 

焚き火で焼かれた魚を食べている蛍ちゃん達を見ていると、美衣さんが焚き火のほうに手を向けて

 

「どうぞ食事を先にしてください、私達は待っておりますので」

 

その言葉にすいませんと返事を返し、おキヌちゃんと横島君が焼いてくれていた焼き魚に手を伸ばすのだった……大きさは20センチくらいだったがかなり肥えている上に脂が乗っていて確かにかなり美味しい魚だった

 

「失礼しました。それでこの山の神に関してなのですが、何か知っていることはありませんか?」

 

横島君にダウジングを頼むことも考えていたが、山の内情を知っているのならその人に話を聞いて、そこを直接捜索した方が早いと思い美衣さんと緋鞠にそう尋ねる

 

「なー。アンちゃん。おいらつまらない」

 

「うーん。美衣さん、ケイ少し預かりますね?」

 

「あ、それでしたら、この近くに安全な竹林と広場があるのでそちらで」

 

ケイはこの話についてこれず、つまらないつまらないと騒いでいるので横島君が面倒を見てくれるのはありがたい。話をしていたが、この人達に私達を騙そうという意思は感じないので大丈夫だろう……だけど

 

「おキヌちゃんとシズクも一応付き添ってあげて?」

 

「……良いだろう。いくぞ、横島。ケイ」

 

【じゃあ、行ってきますねー】

 

ほかの妖怪の事もあるので、シズクとおキヌちゃんを横島君達の護衛につけ、私達はこの山に関しての話し合いを始めるのだった

 

「じゃあ、緋鞠もこの山の神については知らないの?」

 

「ああ。姿を見ることは許されていないからな、ただ気配だけは知っているんじゃ。どこまでも大きく、そして厳しく、威厳のある方なのじゃ」

 

緋鞠さんと蛍ちゃんの話を聞いて、小さく溜息を吐く。山神の巫女と言うので姿を知っていると思っていたのが、姿を見ることが許されていないので声と気配しか知らないと言われれば特定出来ると思っていたので正直ガッカリする

 

「ですが、その方が作った聖域はまだ生きております。私達の住処と、そして横島さん達が向かった竹林。最後に山神様の祠です」

 

「聖域ですか、それなら山神の何かが残っている可能性は十分にありますわね」

 

「うん。私もそう思うわ」

 

結界の触媒として何かが残っている可能性は極めて高い。そこから山神を特定出来る可能性は極めて高い、ガープの事を調べるよりも先に山神の特定をしたほうが良いかもしれないと話をしていると、緋鞠さんがストップを掛けた

 

「今から出発するのは止めた方が良いぞ?山の奥のそのまた奥じゃ、もし向かうなら案内はするが、人間でそこまでたどり着けるかどうか……」

 

「そうね。そこが心配ですね……ですが車とかが通れる所ではありませんし」

 

緋鞠さんと美衣さんがうーんっと唸る。手がかりはあるのだが、そこに辿り付けるかどうかと言われるとやはり人間と妖怪のポテンシャルの差が出てくるだろう

 

「調査しない訳には行かないから多少無理をしてでも行くわ。案内はしてくれるんでしょう?」

 

「まぁ、この山を荒らされない様にしてくれる為に必要だと言うのなら案内はするが……大丈夫かの?」

 

心配そうにしている緋鞠さん。でも調べない訳には行かないので多少の無理はするし

 

「こっちにも移動手段はあるわ」

 

「私の事言ってます?」

 

ほかに誰がいるの?と逆にくえすに尋ねる。魔法使いなのだから飛行魔法とか、転移魔法とかは取得している。それなら緋鞠と美衣さんに案内してもらい、くえすが先行。そこから転移で飛ぶと言うのが一番効率が良いだろう

 

「はぁ……まあ仕方ないですわね」

 

「頼りにしてるわよ」

 

シズクタクシーという手段もあるが、あれは体力も霊力もかなり消耗するので最後の手段にしたい。と言うか、出来ればあれはやりたくない、絶対にお断りというレベルなのだから

 

「蛍ちゃん。地図をお願い」

 

「はい、判りました」

 

とりあえず地図で場所の確認。それとどんな些細な事でも良いからガープが現れた時の話を聞かせて欲しいと頼み、私達は日暮れまで美衣さん達と話し合いを続けるのだった……

 

 

 

ケイに案内されてきた竹林と広場は相当な広さがあった。まさかセーフハウスの近くにこんな所があるなんて全然気付かなかったと驚いていると心眼が教えてくれた

 

【ここはなんらかの方法で隔離されている。知っている者がいなければ気付く事は出来ないだろう】

 

「……ああ。かなり格の高い神霊が何かをしたんだろうな、結界では無いのは判るが何だろうな」

 

心眼とシズクが判らないなら、俺に判る訳ないかと思い。背負ってきたリュックからナイフを取り出して背の低い竹を切って座り込む

 

「アンちゃん?何してるの?」

 

「みむ?」

 

「ぷぎ?」

 

遊んでくれると思っていたのに、俺が座り込んだ事で不満そうな顔をしているケイ達にちょっと待ってくれなーと声をかける。

 

「タマモ。ロープくれ」

 

「これでいい?」

 

OKOKっとタマモの差し出してくれたロープを受け取り、切った竹の細工を始める

 

【横島さん。ナイフで切れるんですか?】

 

「無理」

 

そもそもナイフなんかで竹を切れると思ってないし、背の低い若い竹ならまだしも普通の竹は無理

 

【じゃあどうやって切るんですか?】

 

「いや、そこはほら。こうやって……」

 

ナイフに札を貼り付けて、指に少し傷をつけて血を垂らしてっと

 

「急急如律令ッ!!!火精招来ッ!!」

 

ナイフの刀身が赤くなったのを確認してから、大きめの竹の前に立って

 

「ていッ!!!」

 

軽い手ごたえと共に竹がゆっくりと倒れてくる。おお、成功成功。火の陰陽術で切れ味を強化出来ないか?と思ったんだけど成功したようだ。数本竹を切って、再び座り込んで細工を再開していると

 

「……お前何をするつもりなんだ?」

 

俺が竹を切り倒しているのを見て、シズクが何をするんだ?と尋ねてくるので俺は竹の長さを手で測りながら

 

「玩具つくり。まずは……これから仕上げるか」

 

最初に切った竹をナイフで切って削り、棒と長い板状の物を作り。竹の破材を積み上げて

 

「タマモ。ここで火をつけてくれ」

 

「横島。私の事便利な道具とか思ってない?」

 

「いやそんな事思った事ないけど?大事な家族だろ?」

 

俺タマモのことは道具だなんて思ってないし、大事な家族だと思っていると告げると、タマモがそっぽを向きながら破材に火をつけてくれる。なんでそっぽを向いたんだろうなと思いながら、切り分けた材料を火の上にかざして乾かしながら、角度などを調整する

 

「すげー、アンちゃん。何作ってるんだろうな?」

 

「みー?」

 

「ぴぎい?」

 

俺が玩具を作っていると言うと、興味深そうに俺の手元を覗き込んでくるケイ達に苦笑しながら、最後の仕上げをしてっと

 

「よーし、出来た。それッ!」

 

作った竹とんぼを飛ばすと判りやすいくらいケイの顔が輝き、地面に落ちる前に拾ったケイは

 

「アンちゃん!これ貰って良いのか!?」

 

「良いぞー。まだ作るから、しばらくそれで遊んでてくれ」

 

判ったと叫びチビとうりぼーと一緒に竹とんぼを飛ばして、広場を走り回っている姿に思わず微笑みながら、俺は竹細工の玩具つくりを再開した。材料は嫌ってほどあるし、ロープもある。竹ぽっくりとかも面白いかもなぁと思いながら次の細工をしているとシズクとタマモが俺の隣に座り込んで俺の手元を覗き込む、おキヌちゃんも面白いですねーと呟きながら俺の前を浮かんでいる

 

(なんか落ち着かないなあ……)

 

大した物を作っている訳じゃないんだけどなあ……どうしてこんなに見られているんだろう?俺は落ち着かないのを誤魔化す様に竹細工作りに意識を向けるのだった……

 

 

 

翌日。セーフハウスに泊まってくれた緋鞠さんがくえすを案内して山へと向かった。くえすが先行して、私達を魔法陣で運ぶ準備をしている中。私達もまた捜索の準備をしていた、今回は横島も連れて行くので装備は昨日よりも重装備になる

 

「これは瘴気避けのペンダント、こっちは呪に強い装備。こっちは毒とかよ、ちょっとガチャガチャするけど我慢して」

 

「これでちょっとなの!?」

 

驚いている横島にそうよ?と返事を返す。心眼にタマモとシズクのおかげで装備を少なく出来ているが、自前で瘴気避けや、呪に対抗できないのなら装備で補うしかないのだ

 

「くえすの転移で山の奥に直接移動。そこから移動する事になるんだけど、美衣さん。山の奥は悪霊もそれほど多くないんですね?」

 

確認という感じで美衣さんに尋ねる美神さん。美衣さん達が普段暮らしている周辺に移動するのでケイに美衣さんも同行する予定になっている

 

「ぷぎ」

 

「うりぼーすげー♪」

 

ケイは子供という事もあり、大型犬程度の大きさになったうりぼーの上に座っている。昨日1日で仲良くなったチビもケイの頭の上に座っている、タマモは昨日1日精霊石で人化していた事もあり、今は横島の背負っているリュックの中だ

 

「ええ、奥に行けば行くほど山神様の領域となっているので安全性は高くなります。ですが、そこまで辿り付くまでは悪霊なども多いので装備は用意した方が良いと思います」

 

それでも多少の悪霊は出ますが、ここよりかは断然安全ですと断言する美衣さん。ここまで言うのなら本当に安全なんだと思うけど、念の為に私も装備を身に着けておく

 

「……早々抜かせるつもりはない。だから心配する事はない」

 

シズクがいれば確かに安全性はかなり確保されると言えるだろう。山の中なので地面の中や渓流から水を取り込んでいるので、普段よりも数段パワーアップしている。これなら霊団がいたとしてもシズク1人で対応出来るかもと思っていると、川原の真ん中の魔法陣が浮かび上がる

 

「準備が出来たみたいね。行くわよ」

 

【私は瘴気があるとついていけないので、ご飯の用意をしてますね。気をつけて】

 

おキヌさんの言葉にありがとうと返事を返し、私達が魔法陣の中に足を踏み入れると同時に何かに引っ張られる感覚と共に、私達は川原から一瞬で山の奥深くへと移動した

 

「ほー、西洋の術は凄いの、こんな事も出来るのか」

 

魔法陣の外で待っていた緋鞠さんが驚いた表情でそう告げる。魔法陣で移動すると聞いて本当に出来るのか?と言っていたのでこうして実際に目の当たりにして驚いているのだろう

 

「お疲れ、くえす。大丈夫?」

 

「疲労はそれほどでもありませんわ。悪霊も確かに多かったですが、飛んで移動していたので戦闘にもなってません。魔力の消耗だけです」

 

その言葉のとおり、くえすの顔に疲労の色はない。これだけの人数を魔法で移動させても消耗していない、偉そうな事を言うだけあってくえすの実力はやはり桁違いなのだと改めて実感した

 

「確かに空気が澄んでいるわね。聖域って言うのもあながち嘘じゃないかも」

 

山の中腹辺りが瘴気溜りになっているとはとても信じられない位に空気が澄んでいる

 

「なんか木まで光ってるように見えるな」

 

【いや、実際に光っているぞ?神通力を溜め込んでな】

 

横島と心眼の会話に驚きながら木々を見ると、確かにぼんやりと光っている気が見られる。それらが神通力を放ち自然の結界を作っているって事ね……これはまさしく聖域と言わざるを得ない

 

「ここから少し先に私達の家があります。私達はそこで待っているので、緋鞠に案内して貰って山神様の祠までは移動してください」

 

美衣さんの言葉に頷き移動すると、開けた場所に古い民家があった。これが美衣さん達の家なのね。古きよき日本家屋って感じでどこか懐かしい感じのする建物だ

 

「アンちゃん。玩具ありがとうな、気をつけて」

 

「ありがとうな。ケイ」

 

危険と言うことで美衣さん達を家に残し、私達は緋鞠さんの案内で山の奥へと足を向けるのだった

 

「よいっしょっと、ほら。蛍」

 

「あ、ありがとう。横島」

 

人間がたどり着けるかと緋鞠さんが心配していた理由がよく判った。急勾配なのも去ることながら巨大な木々が道を塞いでいて、移動が非常に困難だったのだ。横島が木を乗り越え、手やロープで私達を引き上げてくれているのだ。悪霊は時々出てくる程度だが、完全に出現しないわけではないから装備をそこまで使う訳じゃないんだけど、ここまで重装備じゃなくてもよかったかもと若干後悔した

 

「ふう。結構しんどいわね」

 

「ですね」

 

木を乗り越えたところで大きく深呼吸をする。体力には自信があるが、それとこれは根本的に違う握力や脚力を要する純粋な体力勝負な所がある。こうなってくると横島の方が有利な部分が出てくる

 

「もう少しじゃ、頑張れ」

 

「……力が強くなっているな。目的地は近い」

 

化け猫と言う事もあり、軽々と木を乗り越えて進んでいく緋鞠さんと地面の中に潜って移動するシズクにずるいと思いながら、最後に木を乗り越えたくえすと横島が降りてきた所で緋鞠さんが森の中を進んでいく。この後も岩や、木々を乗り越え、体力的にきつい物を感じた頃

 

「ここだ。ここが山神様の祠じゃ」

 

山の中なのに開けた場所。そこに巨大な何かの動物の牙と骨。そして石で出来た祠があった、かなり離れているのに凄まじい力を感じた

 

「これは山神様の牙なのですか?」

 

「いや、これは違う。山神様とこの山の支配を掛けて戦った狼の牙じゃ、良く見てみろ頭の骨格が見えるじゃろ?」

 

狼の牙?そう言われて近くの動物の骨を見ると確かに犬のような頭の形状をしていた。しかしその大きさが異常だった、軽く見積もってもトラックよりも大きい。生きていた時は一体どんな巨体だったのかと恐ろしく思う

 

「……神同士の利権の争いか……この感じを見ると相当前だな……」

 

風化しないで残っているのは、骨自身が持っている神通力の影響だなと呟くシズク。周囲を警戒しながら、祠の方に足を進める

 

「なんかぽかぽかする……凄い穏やかな気分になりますね。美神さん」

 

横島が穏やかな表情でそう告げる。確かに今までの疲れが抜け落ちていくような……暖かい日向の中にいるような気持ちだ

 

「凄いレベルの神域よ。ここまでとなると妙神山よりも上かも」

 

妙神山よりもさらにレベルの高い神域……それがこんな所にあるなんてと驚いていると、くえすは近づこうとしないのでどうしたんだろうか?と見つめているとくえすが肩を竦めながら

 

「私はビュレト様の系譜ですから、ここまでの神域には入ることは出来ませんわ。申し訳ないですが、調査は3人でお願いします」

 

下手をすると力を失うかもしれないとまで言われては、無理に頼むことは出来ず、私達で祠の周辺を調べることにするのだった……

 

 

 

美神さん達が祠の周辺を調べているのを見ながら、俺はリュックから出したチビ達と共に牙の周辺を調べていた。全員で祠を調べても無駄だろうし、もしかするとチビ達が匂いか何かで何かを見つけてくれるかも?という期待もあったからだ

 

「みむ?みむう?」

 

「ぴぎー!」

 

「コン!」

 

「ん?なんか見つけたか?」

 

ちょこちょこ動き回っていたチビ達が急に止まり、鳴き声を上げるので駆け寄る

 

「みむみー」

 

「ぷぎぷぎ!」

 

「ココーン!」

 

何かを見つけたと言わんばかりにその周辺を走っているチビ達。この感じ本当に何かを見つけたっぽいなと思い近づくと

 

「なんじゃ?何か見つけたのか?」

 

「俺じゃなくて、チビ達だけどな」

 

緋鞠さんもその反応に気付いたのか、駆け寄ってきて2人でチビ達が見つけた何かを調べる。それは地面に突き刺さっている錆びた金属片のような何かと、割れたお面の欠片のような物だった

 

「緋鞠さん。見覚えは?」

 

「いや、無いな」

 

もしかして緋鞠さんの所有物では?と思いお面を差し出すが、違うと言われたのでリュックから取り出した袋にそのお面をしまう。何かの手がかりになればいいんだけどな……

 

「んっぎい……ぐぎいいいいいい!だ、駄目だぁ……ビクともしない」

 

「どれ、今度は私がふっ……ぐっ……くううう……だ、駄目じゃな」

 

2人で全力で引っ張ったが、全く抜けない。何かの手がかりっぽい感じなんだけどな……

 

「……どうした?何か見つけたか?」

 

「ああ。なんか地面に刺さってる金属見たいなんだけど、これ何かの手がかりになるか?」

 

俺と緋鞠さんが引っ張り出そうとしている物をシズクに見せると、シズクはその金属片を観察して

 

「……それは抜けないな、見た感じは金属だが、あの動物の骨と同じ気配がする。確実に引き抜けるものじゃないぞ」

 

そうなのか……見た感じ金属っぽいから何かの手がかりになると思ったんだけどな。あ、じゃあこれはどうだろうかと先ほど拾ったお面を見せながら

 

「これも見つけたんだけどどうだろうか?」

 

やはりこれも手がかりにはならないだろうか?とシズクに尋ねると、シズクはそのお面を見て

 

「……これは見たことがあるぞ。ずっと前……私がまだ神界にいた時に……そうだ。特定の神の眷属だとを証明するお面の筈だ」

 

「「え?」」

 

シズクがいつまで神界にいたかは知らないが、これは相当古い品物だと言う事が判った。

 

「……残りを探した方が良い。もう少し揃えれば何の神に関係するかお面か判る筈だ」

 

他のかけらもこの付近にあるかもしれないと言う事になり、俺と緋鞠さんはチビ達に協力して貰い地面の中や茂みの中に落ちている。山神の眷属が所持していたとされる装飾品の捜索を始めるのだった……

 

「んーお面とナイフかな?それと勾玉に腕輪……これっは剣っぽいな」

 

「統一性が無いの。もしかすると山神様と戦った神の眷族の遺留品も残っているのかもしれん」

 

いろいろ探してみたが大半が地面の中に隠れており。うりぼーが掘り返してくれた事で見つける事は出来たが、統一性が無く、そして破損も酷いな。もしかすると山神様だけではなく、戦ったと言う神の眷属の所持物かもしれない

 

「……その可能性は高いが、年代が特定出来れば、もしかすると私の知っている神かもしれない。明るい所で調べないと確実なことは言えないが、たぶん平安時代よりももっと前の時代物だと思う」

 

竜神の時はかなり神としての地位も高かったからなと言いながら、平安時代よりも前の物だと思うと言うシズクに

 

「でもそれだけ古くて、風化してないっておかしくないか?」

 

【いや、おかしくは無いぞ。神域に達していて、周囲は聖域だ。邪気や風の流れを遮断して存在を維持していたと言っても不思議は無い】

 

それによほどの事が無ければ神の眷属が持つ道具は不変だ。自然風化などはありえないといわれ、やっぱり神様って凄いんだなと思いながら頑張ってくれたチビ達にありがとうと声を掛けていると祠の捜索をしていた美神さんと蛍がやってきて

 

「横島君達も何かを見つけたのね。こっちも収穫はあったわよ」

 

「お疲れ様です。俺はこの通り装飾品みたいです、美神さん達は何を見つけたんですか?」

 

俺はそう尋ねると目に見えた収穫は無いけどねと蛍は笑いながら

 

「残っていた神通力とか、そう言うのでどういうタイプの神様がいたのか?とかそういうのは特定出来たわ。横島の見つけてくれた道具と合わせればもっと詳しい特定が出来るかもしれないわよ」

 

とりあえず一度セーフハウスに帰ろうという話になり、結界の外に出る神宮寺さんが魔法陣を地面に描いていて

 

「ここから直接セーフハウスに跳べる準備をしましたわよ。もう帰るのですか?」

 

「緋鞠さんはどうする?私達は一度拠点に戻るけど?」

 

「私は今日は美衣さんの所に戻る。明日また尋ねさせて貰う。どうも電化製品?とやらの気配は落ち着かなくてな」

 

そう言って木々の中に消えて行く緋鞠さんを見送り、俺達は神域で見つけた物を手にセーフハウスへと戻るのだった……

 

 

リポート9 神の山を捜索せよ その6へ続く

 

 




次回はこの山で入手した装飾品の分析とガープの魔力の残っている場所の捜索を書いて行こうと思います。それでリポート9は終わりですね。その後は別件を入れて、別のリポートに入っていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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