GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
リポート10 マスコットファイト開幕 その3
朝から六道の使いが尋ねて来て持ってきた手紙。それを見て絶対裏があると判りつつも、冥華おば様には横島君の事で借りがあるので断る事も出来ず、夕方学校が終わってから事務所に来るようにと横島君と蛍ちゃんに連絡したのだ
「またあの人ですか……」
蛍ちゃんは海外の学校を飛び級で卒業している事もあり、16時ちょうどに尋ねて来てくれた。横島君は17時前になるかしら?と思いながら呼び出した内容を説明すると嫌そうな顔をする蛍ちゃん
「そうなのよ、しかも今回も断れない案件ね」
はぁーっと深い溜息を吐く蛍ちゃん。あの人の怖さを知っているからこその反応だ、昨日TVでニュースを見て思わず吹いたのだが日本の霊能関連で強い発言力を持つ議員や、企業の会長が軒並み逮捕と言う事件があった。逮捕の内容は違法献金や、自分達が知りえた情報を無断での流出にGS協会に対する離反疑惑など例を挙げればきりが無い。これだけまとめて逮捕するだけの証拠を掴めるのは冥華おば様しかおらず、今回の事で冥華おば様に対立していた人間もほとんどが逮捕され、その発言力はますます強い物となった
「根は悪い人じゃないのよ?良い人なんだけど……ちょっとね」
悪い人ではないのだ、冷遇されているGSや、若手GSの育成にも尽力しているし、歳をとってもGSとしての実力も高い。しかしそれゆえに冷酷な部分もあるのだ、多分今回逮捕された面子はGS協会を金儲けの為の手段として考え、琉璃の失脚を企んでいたから排除したのだろう。本当に怖い人だ、一度懐に入れた人間は徹底して守るが、その手段は相変わらず残酷かつ、他の人間を恐怖させる
【あのオーナー。横島さんが来られたのですが、奇妙な霊力を放っているのですが……】
いっちゃんの報告に蛍ちゃんと揃って深い溜息を吐く、また何か拾ってきたのねと思いながらとりあえず通してくれる?といっちゃんに指示を出し数分後
「おはようございます。えっと美神さん、ちょっと相談があるんですけど……」
「なに?また何か妖怪でも拾ったの?」
いえ違うんですけど、違わなくてとしどろもどろの横島君は背負っていたリュックを机の上に降ろして
「昨日ノッブちゃんが霊力が回復したからって、ノッブ忍法ってのを見せてくれたんですけど」
何よ、ノッブ忍法って……横島君の後ろで気まずそうにしているノッブに視線を向けると思いっきり逸らされた。あ、シズクに氷で頭を殴られて悶絶している、シズクがここまで怒るって本当に今度は何をしたって言うのよ
「それで影分身って言ってたんですけど、なんか失敗したのかな?判らないんですけど」
リュックに両手を突っ込んだ横島君はそう話しながら、リュックの中身を取り出した
「「は?」」
【今お茶を……?】
私と蛍ちゃんの呆然とした声が響き、横島君と蛍ちゃんにお茶を用意していたおキヌちゃんの手からお盆が滑り落ちる
「なんか奇妙な生き物が生まれちゃって、どうすればいいですかね?」
【のっぶう!】
30センチくらいの大きさの小人がリュックから取り出され、両手を振る姿を見て思わず言葉を失うのだった……
横島君のリュックから出てきた謎の生き物。デフォルメされたノッブのような格好をしてるそれは、ちょこちょこと事務所の中を歩き回っている
「なんでああなるの?影分身したんでしょ?」
【そ、そのはずなんじゃが、なにがどうなったのか判らないが、ああなった】
やった本人でもわからないってこれどうなってるのよ……横島君も困っている様子で全く意図してなかった事態らしい
【のーぶう!】
【え、はい、よろしくです】
おキヌさんに手を伸ばす小人、おキヌさんは驚いた様子で握手を交わす。そして今度は私の方に歩いてきて
【のぶっ!】
「あ。うん、よろしく」
差し出された手を握り返す、ぷにぷにとしていて暖かい。これってもしかして幽霊とかじゃなくて生きているんじゃ?私の考えている事が判ったのかシズクが溜息を吐きながら
「……そう、生きているんだ。完全に生物として成立している」
【どうしてこうなったのかは、私もシズクも判らない】
シズクと心眼が疲れた様子で呟く、なんで影分身が自我を持ってしかも生きてるのよ。と言うか、どうしてこんな事になるのよ
「チビノブ。おいで」
【のっぶう♪】
横島君が手を叩くと横島君の方に移動して膝の上に座り込んで、うりぼーを抱きかかえ、頭の上にチビを乗せている。チビノブ……
「あれ、消せないの?」
【無理。なんか生きてるし、ワシの言う事聞かないしな】
なんで生み出した本人の言うことを聞かないのよ……と言うか横島君に懐きすぎじゃない?子供の落書きみたいな顔をしているけど嬉しそうにしているし……
「……とりあえず、そのノッブ忍法影分身って言うのは禁止」
【判ってるわい、昨日めちゃくちゃシズクに怒られたからの】
ふうっと疲れた様子で溜息を吐く、ノッブに溜息を吐きたいのはこっちよと溜息を吐きながら
「横島君。六道女学院から招待が来てるから行くわよ」
「六道女学院へですか?また何かの用事ですか?」
チビノブの頭を撫でながら、ふてくされているタマモを宥めながら尋ねてくる横島君にそうよと返事を返しながら
「六道にも使い魔を持っている生徒が居るから、使い魔同士の模擬戦をするからぜひ横島君も来てくださいって」
使い魔同士の模擬戦と聞いて露骨に嫌そうな顔をしている横島君。絶対納得してくれないわよねと思いながらどうやって説得しようか私は頭を悩ませるのだった……
使い魔同士の模擬戦ってチビとうりぼーを戦わせるという事で、いくら美神さんの頼みでも、はい、そうですかと素直に納得する事は出来ない
「……お前。自分が何を言っているのか判ってるのか?」
【流石に横島もそれは承諾しないぞ】
シズクと心眼の厳しい口調に美神さんも判っているし、本当は私も断りたい所なのよっと言いながら
「手紙の内容によるとね、六道で使い魔を持っている生徒の質が悪いらしいのよ」
六道女学院は優秀な霊能者を育成する学校だろう?質が悪いってそんな事あるのか?と首を傾げると蛍が深刻な表情で
「使い魔に対する扱い、育成に難があるそうでね。使い魔を道具扱いしている生徒が多いから、それを懲らしめる為にも大事に育てている横島の力を借りたいそうなのよ」
使い魔を道具扱い?その言葉を聞いて俺は信じられないと思った。どうしてそんな事をするのか判らず美神さんを見ると
「使い魔を扱うにも、妖怪と契約するにも本人の資質が物を言うのよ、だから自分は偉い。自分は凄いって調子に乗るのよ。いくらいっても話を聞かないから懲らしめる為に力を貸してほしいって言う頼みなのよ」
俺は机の上でこっちを見ているチビとうりぼーを見つめる。確かに俺としてもそんなのは許せる物ではない、だけど俺と違って戦うために育てている使い魔にチビ達が勝てるだろうか?と不安が頭をよぎる
「……生きている物を道具扱いか、酷い物だな」
【……うむ、そういうおごっている連中は同じ土俵で敗れなければ決して人の話は聞かないだろう】
【ううむ。そういう連中は一度きつい灸を据えてやらねば、性根は変わらんな】
どうしてそんな事が出来るのか、俺には判らなかった。何とかしてやりたいと思うけどチビ達を戦わせるのはやっぱり嫌で……俺が悩んでいると
【横島さん、チビちゃん達を見てください】
おキヌちゃんに言われて机の上のチビ達に視線を向けると……
「みーむ!みみむー!!」
「ぴぎー!ぷぎゅぷぎゅー!!!」
【ノブノブ!ノーブー!!】
「コン!ココーンッ!!!」
両手をぶんぶんと振るチビに力強い鳴き声を上げるタマモ達、これはまさか……戦うって言ってるのか?
「お前やるって言うのか?」
「みむう!!」
力強い鳴き声には怒りの声が混じっていて、そして何よりもその強い眼差しが俺に心配無用と言っている様な気がした
「チビはやる気みたいね。どうするの?横島」
蛍がどうするの?と尋ねてくる。俺はやっぱり、チビにそんな危険な事をして欲しくないが、チビのやる気と俺とチビにしか出来ないのなら……
「判りました。行きます」
「うん……ごめんね、横島君。私も本当はやらせたくないのよ」
美神さんの顔を見ればそれは判る。俺は本当は断りたいが、チビ達がやると言っているのだ。俺が止める訳には行かない
「大丈夫です。チビ達ならきっとやってくれると思います」
任せろと言わんばかりに鳴いているチビ達を抱き抱え、どうか怪我だけはしないで欲しいと思った。そしてもう1つ、自分と一緒にいてくれる使い魔を道具扱いするような連中をそのままにはしておけないと思ったから、俺も参加すると言ったのだ
「大丈夫よ横島。横島が大事に育ててるチビ達は絶対に負けないわ、そして六道の生徒に正しい使い魔達との付き合い方と言うのを見せれるわ」
「……ああ。心配するのも判るが、大丈夫だ。チビ達は負けない」
蛍とシズクの言葉に判ってると返事を返した物の、俺はどうしても大丈夫と直ぐに安心する事が出来ず。ぼんやりとしたまま美神さんの事務所を後にするのだった……
翌日横島を美神さんと迎えに来たんだけど、やっぱり暗い顔をしている。チビ達やる気みたいだけど、横島は心配で心配で仕方ないという感じに見える。元気なく車に乗り込んだ横島は出発してくださいと口にする
【シズクちゃんとノッブちゃんは良いんですか?】
いつも一緒のシズクとノッブちゃんは?とおキヌさんが尋ねると横島は
「ぶち切れて更地にしそうだから残るって」
……それは十分にありえる。と言うかその光景を容易に想像出来て、思わず黙り込んでしまうのだった……
「とりあえず行きましょうか」
はいっと暗い声で返事を返す横島を乗せて美神さんのバンは六道女学院に向かって走り出すのだった……
「あ、よ、横島君。お、おおお……おはよう」
「舞ちゃん。人見知り少し治した方がいいわよ?」
駐車場に車を停めて校舎に移動していると琉璃さんとその後ろに隠れながら挨拶をしてくる少女にあった。彼女が一昨日横島が迎えに行った琉璃さんの妹か……琉璃さんよりも髪の色も目の色も少し薄く、少し癖のある髪が特徴的だった
「舞ちゃんも参加するの?」
「う、うん……私は正直あんまり……来たく無いんだけど……ナナシが」
ナナシ?舞さんの口から出た言葉とほぼ同時に舞さんのポケットから
「使い魔を道具扱いとは嘆かわしい、制裁を加えてくれるわッ!!!」
見た目物凄いファンシーなんだけど、やたら声が渋い妖精が顔を見せる。
「あ、おはよう。ナナシ」
「うむ、おはよう。お前も参加するというのか、チビ」
「みーむうッ!!」
良きかな良きかなと言うナナシと言う妖精。と言うか何の妖精なのだろうか?と首を傾げていると
「あら?まぁ横島さんじゃないですか」
にこにこと笑う黒髪の女性が横島を見て嬉しそうに笑う。思わず横島を見ると
「あ、どうも。キアラさん、おはようございます」
「はい、おはようございます」
凄く穏やかで綺麗な人なんだけど、どこで出会ったのだろうか?と言うかなんで横島は女性と知り合いが多いのだろうか
「えっと横島君。知り合い?」
「ちょっと会っただけですけど、迷子になってるって言うんでここに来るバス停まで案内したんですよ」
あの時はとても助かりましたと笑う女性は私達を見て
「初めまして、六道女学院でカウンセラーを務めている殺生院キアラと申します。今回は理事長室までの案内を任せられて参りました」
カウンセラー……?六道女学院は寮もあり、そこで暮らしている生徒のカウンセラーをしているのだろうか?と思いながら、私達はキアラさんに案内され理事長室まで案内されるのだった
「なんか性格違くない?」
「……えっと、私は……人見知りきついから……よ、横島君はチビとか、うりぼーとか一緒で平気だけど」
琉璃さんとは性格がまるで違う舞さんはその言葉の通り、人見知りが激しいようで琉璃さんの背中に隠れながら横島と話をしている
(なんかこう……何も言えないわ)
あの反応を見るとまるで自分が虐めているように見えて、なにも言えない。なんと言う小動物のような少女だろうか……
「こちらです。では私はこれで」
案内を終えて、手を振り階段を下りていくキアラさんを見送り私達は理事長室に足を踏み入れるのだった
「おはよう~皆~横島君も舞ちゃんも来てくれてありがとう~」
人の良い笑顔でおはようと笑う冥華さんにおはようございますと返事を返す美神さんと琉璃さんは
「じゃあ、横島君。後は冥華さんの話を聞いて打ち合わせをして、私と蛍ちゃんは今回の事で来賓としてグランドで打ち合わせしないといけないから」
「え?そうなんですか?」
聞いてなかった来賓としての仕事があるんですか?と言うと美神さんと琉璃さんはそうよと声を揃えて言う
「じゃあ何かあったらおキヌちゃんに伝えてくれれば良いから」
「舞ちゃん、横島君。頑張ってね」
私の背中を押して逃げるように言う琉璃さんと美神さん。理事長室から離れた所でその理由を尋ねてみると物凄い悪い顔で笑っていた(美神さんと琉璃さん視点)のでこのままだと大変な事になると思い、横島と舞さんには悪いと思ったが逃げたとの事
「絶対何か押し付けられるわ」
「同意します」
……ああ、そっか。あの人見た目は凄く穏やかだけど強かかつ、腹黒い人ですよね。逃げるのは当然かと3人揃って溜息を吐き
「じゃあ下のテントの下に行こっか?」
出来れば行きたくないけどなあと思いながら、私は美神さん達と一緒にいつの間にかグラウンドに設置されていたテントの元へと歩き出すのだった……だが美神達はこの時とんでもないミスをしていた。自分達が巻き込まれないように逃走したのだが、それを見て嬉しそうに笑う冥華の姿に、3人が逃亡するのは折込済みで横島と舞が理事長室に残った。それこそが冥華の作ろうとしていた状況だったのだ……
今日理事長が使い魔を持つ生徒が参加する特別授業を行うと聞いて、私を含む16人の生徒がグランドに呼び出された
「皆さん。おはようございます~」
理事長先生のおはようございますという言葉におはようございますと返事を返す。今回の特別授業で良い成績を出せば、卒業後のGS事務所の斡旋に、GS協会への就職とこれでもかと言うくらい利点がある。私含めて全員の視線がギラギラとしているのが判る
「今回は~若手GSNO.1の美神令子GSと今年のGS試験で好成績を残した芦蛍さん。それとGS協会会長の神代琉璃さんに特別ゲストとして来て貰っているわ~」
その言葉に観戦に来ていた生徒から喜びの声が上がる。六道女学院の卒業生の中で今一番有名なお姉様に、GS協会の若い会長の神代琉璃さん。そして同年代ながら既にお姉様の事務所で活躍している蛍さん、誰もが接点を欲しいと思っている人達だ
「特別授業の内容は~使い魔同士の模擬戦だけど~それは授業でやってるから、特別参加として~横島忠夫君と琉璃さんの妹の舞ちゃんの2人が参加するわ~」
上がって来てと挨拶台の上に上がって来たのは赤いバンダナ姿の男子と私よりも年下に見える少女。2人とも肩の上に妖精とグレムリンを乗せている。しかしそれにしても横島忠夫か……今回のGS試験で異質な力を持つと評判で、稀少技能をこれでもかと持ちながら霊能者として勉強し始めたのが遅く知識不足を指摘されているが、それさえ克服すれば若手の中でも最高峰といわれている。それに以前にその異質な霊能を使う模擬戦を見せて貰ったが、とんでもなかったというのは良く覚えている。現に並んでいる生徒の中からは
「家から接触を取れるならって言われてたわ」
「私も、陰陽師としての才能もあるって」
と言うひそひそ話が聞こえてくる。現に私も接触を取れるなら自己紹介位しておけと家から手紙が来ていたっけ……見た目は平々凡々。だけどその実規格外の霊能の所持者、今回で接触を取れたのは幸いかもしれない
「横島君と舞ちゃんを入れて18人だから~8人、8人で順番に横島君達の使い魔と戦って貰うわ~ただし~負けたら、生徒全員は使い魔を没収。そしてその上でその使い魔は横島君と舞ちゃんに預けるからね~」
笑顔で告げられたルールに言葉を失う、使い魔の没収?……ざわざわとグランドに動揺する声が響き始める
「使い魔は~道具じゃないの~貴女達が道具として育てた使い魔と~横島君達が大事に大事に家族として育てた使い魔~その差って物をしっかりと学ぶといいわ~もちろん、これは貴女達の家にも話は通してあるから~逃げることは許さないわよ~」
音を立ててグランドを囲む黒服達に逃げ道は無いという事を嫌っというほど知らされ、無作為に分けられ、私は横島のグループに回された
「ではお前からだ。燐、言っておくが疲労で消耗など言う集団戦術はさせない。一戦ごとに30分の休憩を挟む、先だろうが、あとだろうがその差は無いぞ」
向こうは1人なのだから後半が有利だと話していた生徒を睨み付けるように言う使い魔学科の教師。私はケージから
「ほら。カソ、出ておいで」
「キキ」
青黒い炎のカソがケージから出てくる。かぐや姫で有名な火の鼠のカソ、それが私の使い魔だ。俊敏な動きと炎、それをもつカソは使い魔学科の中でも優秀な成績を残している。しかも本来の炎は鮮やかな緋色なのだが、私のカソの炎は青色と火力も強い、見た目の美しさもありかなり評判が良い
「よーし、チビ。頑張れよ」
【頑張ってくださいね、チビちゃん】
GSなのに幽霊と一緒にいる横島。GSと言う仕事をなんだと思っているのかと思わず私の視線がきつくなる、だが横島は私の視線に気付いていないのか、前に出たグレムリンに頑張れよと声を掛けている
「みーむ!」
やる気満々の鳴き声をしているが、横島の使い魔はグレムリン。あの弱くて戦闘能力を持たないというグレムリンだ、そんな相手にカソが負ける訳が無い
(舐めているのね)
横島の近くには明らかに妖怪の猪に狐、恐らく妖狐だろう。それほど強い使い魔を持っているのにグレムリンを出してくる。それはこっちを甘く見ているという証拠だ。控え席の生徒も甘く見ているなと嘲笑う声が聞こえてくる
「ではこれより第1試合。横島GSの使い魔チビ対藤村燐!使い魔カソの試合を始める!双方準備は良いか?」
旗を手にしている審判に大丈夫ですと返事を返す、横島の方は少し驚いたそぶりを見せてから大丈夫ですと返事を返す。その様子を見て使い魔同士の戦いもしたことがないに違いない。そんな相手に負ける訳が無い、そう思っていた
「行きなさい!カソッ!」
試合開始の合図と共にカソに指示を出す。私の指示にうなずき弾丸のように駆け出すカソに対して、グレムリンは欠伸をしているし、横島も指示を出さない。これは私の勝ちだ、戦闘用に育ててない使い魔になんか負ける訳が無い
「みーむ!!」
「きい!?」
カソの突進を軽々と交わしたグレムリンはそのまま4つ這いで動き出すのだが、早い。カソの周りを素早く移動し、カソを完全に翻弄している
「カソ!炎で焼き払いなさい!」
「チビ!怪我しないように頑張れ!」
私の指示と大して応援するだけの横島にこんな相手に負ける訳が無い。その思いが強くなる、カソは私の指示に従い炎を吹き出すが
「みッ!!」
素早く地面を蹴り飛翔したグレムリンにその炎は当たらず、グレムリンの身体が光ったと思った瞬間。静電気のような音が響き
「……きゅう」
弱弱しい鳴き声を上げて倒れこむカソ。そんな……電撃を使うグレムリンなんて聞いた事も無い。子供の時は戦闘能力を持たない、それがグレムリンのはずなのに
「カソ!戦闘不能!チビの勝ち!!」
審判が動けないカソを見てチビの勝ち名乗りを上げる、とっさにカソに駆け寄ろうとするが肩を掴まれる
「ルールは先ほど説明したな?使い魔は没収の上、横島GSに預ける」
「か、カソは返してもらえるんですか?」
もし駄目ならまた別の使い魔を捕まえに行かなくてはいけない、そうなればまた一から躾けるのが面倒と思いながら教師に尋ねると、教師はそれはカソ次第だと告げる。だがその言葉に私は大丈夫だと思った、カソはずっと私に従ってきた。だから心配するまでもなく、私の所に戻ってくると横島に懐く訳が無いと、没収されたままじゃないと安心し、私は控え席に戻る。グレムリンだと甘く見たのが私の敗因だが、今の戦いを見て次の生徒は警戒を強めるだろう。そうなればグレムリンなんて弱い悪魔が私達の使い魔に負ける訳が無い
「では横島GS。カソを受け取ってください」
「え、あ……はい」
気絶しているカソを受け取る横島を見ながら、その腕の中のカソを見て。カソは絶対私の所に戻ってくる、だから心配する必要は無いと思い、それよりもグレムリンに負けるなんて、私の手元に戻ってきたら今までよりも厳しく鍛えないといけないと思いながら、次に横島と試合するクラスメイトを見て
(あいつも負けるわね)
私達と違って、使い魔を友達同然に育てているあの子が勝てる訳が無い。横島だってきっとそうだ見かけは優しく接しているが、きっと厳しく躾けているに違いない。この特別授業が終わったらその方法を教えて貰えるのだろうか?と思いながら私は椅子に座り目を閉じるのだった……
なお使い魔同士の戦いが繰り広げられている頃。横島の家では
【のぶのぶー♪】
「……よしよし、お前は中々筋がいいぞ」
【のぶう♪】
チビノブがシズク教導の元掃除を学び、シズクに褒められて嬉しそうに笑っていた。チビノブはあんな姿をしているが、勤勉で朝から雑巾で廊下で水拭きや竹箒で庭の掃除をするなど非常に真面目かつ頑張り屋だった
【なんでワシの言う事を聞かないんじゃ……?】
そしてそんな光景を見て、ノッブが何でワシの言う事を聞かないんじゃ?と項垂れているのだった……
リポート10 マスコットファイト開幕 その4へ続く
今回はちょっと雰囲気が悪い感じの話になってしまいましたが、妖使いと言う稀少技能を持っている人間とかは増長してしまうという感じでこんな感じとなりました。あんまり好きな話の書き方ではないですが、こんな感じになるのは今回だけとなります。次回からはもうちょっと可愛いマスコットの戦闘を書いていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い