GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は横島サイドではなく、美神達の視点と舞&ナナシ視点から始めて行こうと思います。実力未知数なナナシがどんな活躍をするのか楽しみにしていてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その4

 

リポート10 マスコットファイト開幕 その4

 

横島君は順当に1勝か。見ていて私は当然かと小さく呟いた、正直な所六道女学院の生徒の使い魔のレベルは相当低い。いや、チビって言う規格外を見ているからそう感じるって言う線もあるか……実際チビは強い、強すぎるくらいに

 

「結構育成カリキュラムとか組んでいたんだけどね~横島君のほうが育成が上手ね~」

 

そう笑う冥華おば様だけどこれは育成とかじゃないと思う

 

「お言葉ですけど、私は六道の生徒の使い魔は信頼関係が無いと思います」

 

私が言いたかった事を琉璃が口にする。生徒の使い魔はせまいケージの中に押し込められ。触れる時もまるで腫れ物に触れるように手袋越し、そんな方法ではどう考えても信頼関係なんて築けるとは思えない

 

「と言うか、横島って放任主義だから躾とか、育成とか全然してないですけどね」

 

ご飯を食べるときとかの躾はするけど、それ以外の躾とか全然してない、チビ達が自発的に強くなっていると言えると蛍ちゃんが言うと、その言葉が予想外だったようで絶句している冥華おば様を見ながら並んでいる生徒を観察する

 

「横島みたいに触れ合っている生徒も少ないけど居るみたいですよ?」

 

16人居る生徒の中で2~3人だが、確かにそういう生徒も居るみたいだけど……横島君みたいとは言いがたいだろう

 

「横島君って育成とか躾けとかしてるんじゃないの~?」

 

「全然全く何もしてないですよ?横島が用意したのボールとか、ハムスター用の台車とかそんなんですよ?」

 

どうしてそれで強くなるのかしら~と呟く冥華おば様。横島君が思いやりを持って接しているから、チビ達がそんな横島君に応えようとしていると私は思うのよね

 

「見てください、横島がカソをもう手懐けてますよ」

 

「……本当ね」

 

もうチビが倒したカソは横島君に懐いているそぶりを見せていて、やっぱり横島君が妖怪に懐かれるのは異常のレベルだと改めて実感するのだった……

 

 

 

私とナナシの初戦の相手は管狐だったのが、目に見えて凶暴性が見えている。管狐は飼い主の影響をもろに受ける

 

「さー妖精なんかに負けないでよ?」

 

【ガルルルルル】

 

牙を剥き出しにして唸っている所を見ると、既に魔に染まりかけているのかもしれない。管狐は精霊に近い、このままだとあの人の言う事を聞かなくなるのは目に見ている

 

「では飯綱使い、葉月志穂の使い魔管狐対氷室舞、妖精ナナシ。試合開始!!」

 

審判の合図と共にナナシが走り出すが、腰に挿している木の枝の剣も背中に背負っている木の葉の盾も使う気配が無い

 

「妖精なんかに負けないでしょうね!やりなさい!!」

 

【キシャアアアアッ!!!】

 

葉月さんの指示で管狐が飛び出してくるが、その目は真紅に染まっていて既にかなり凶暴化しているのがわかる

 

「ふん!主にただ従うだけが使い魔のあり方ではないぞ!!」

 

【ぎゃんッ!!!】

 

ナナシが前に踏み込み管狐の鼻に拳を叩きつける。ナナシが喋った事にも、拳で戦った事に驚愕の声があちこちからあがる

 

「武器など、拳の延長戦に過ぎんわぁッ!でやあッ!!」

 

【ぐぎゃあ!?】

 

「うそでしょ!?どんな妖精よ!それ!!!」

 

すいません、知りません。ナナシは名前も種族も無いからナナシと呼んでいるだけで、妖精と言うのも自己申告なので実は全く別物の可能性もある

 

「正拳!肘うち!裏拳!!!でやあああああッ!!!!」

 

ハムスターサイズの妖精が大型犬サイズの管狐をその短い手足で叩きのめしている。徐々に管狐の目におびえの色が混じってくる

 

「ワシはな十分手加減している。この剣を使えば、お前は死んでいるのだからな!」

 

【ウルルル……】

 

ナナシの強さは私は良く知っている。シズのいた森は神通力に満ちていて、不思議な獣が多く。私も襲われた事が多かったが、ナナシがその度に撃退し、気が付けばナナシはあの森の覇者みたいになっていた。あの森の獣と比べればナナシからすれば、敵ではないのだろう。管狐はその気迫に飲み込まれ鳴き声も弱々しくなっている。これならばもう数分もしないうちに決着が付くだろう

 

「あの、すいません」

 

「はい?なんでしょうか?舞様」

 

周りで監視をしている神代の紋付きの制服を着ている男性に声を掛ける。どうもこの人は私を知っていたようだ、それなら話が早い

 

「綺麗な竹を用意してくれますか?」

 

「竹ですか?……判りました」

 

不思議そうに首を傾げながらも頷いてくれた事に感謝し、ナナシの方に視線を向ける

 

「火を噴きなさい!それで動きを抑えるのよ!!!」

 

【カーッ!!!】

 

怯えながらも口を開いて炎を吐き出した管狐だが、ナナシは全く動揺せず背中の盾に手を回し

 

「ふんっ!!」

 

「嘘でしょ!?」

 

ナナシがその盾で炎を受け止めるのを見て、周りの人も動揺した声を上げる。管狐が炎を吐いていた時間は数秒だったが、完全に炎を防ぎきるナナシ。その盾は全くの無傷だ、葉っぱの盾なのにどうして炎を防げるのだろうか?これは本当に謎なのだが、木の枝の剣で悪霊を消滅させるのも見た事があるので何か特別な力が働いているのかもしれない

 

「かああああああッ!!!」

 

ナナシが突き出した左手が光り輝く。原理は判らないが、ナナシの得意技だ。あれで悪霊も獣も薙ぎ払ってきた、ナナシの必殺技のようなものだ。管狐に向かって恐ろしいスピードで間合いをつめるナナシ。管狐は逃げることも出来ず頭を掴まれ

 

「でやああああッ!!!」

 

【きゃうーんッ!!!】

 

その手から放出された力に吹き飛ばされる。審判が駆け寄り、気絶しているのを確認し

 

「勝者!ナナシ!」

 

「当然だな」

 

「そ、そんな……わ、私の管狐が……」

 

自分の勝ち名乗りに満足そうにしているナナシと、自分の使い魔が負けた事が信じられないという顔をしている生徒を見ていると、先ほど竹を頼んだ人が戻ってくる

 

「どうぞ。しかし、何に使うんですか?」

 

「ちょっとね」

 

口で説明するの難しいので、ちょっとねと口にし、審判から受け取った管狐を見て確信する

 

(やっぱり、適切な育成がされてない)

 

管狐が邪気を溜め込む性質を持っている。それなのに、それが払われていない。多分邪気を溜め込んで大きくなり、強くなっているのを見て邪気払いをしてなかったのだ。受け取った竹に素早く管狐を入れ、その身体に溜まりきった邪気を払うおうと思い

 

「ナナシ!行くよ」

 

「うむ!今行く」

 

地面を蹴り私の肩に飛び乗ったナナシを確認してから、私はその竹の管を持って精霊石を借りる為にお姉ちゃんの元へと走るのだった……

 

 

 

 

使い魔同士の戦いと聞いて心配していたのだが、それは全くの杞憂であった。チビは身内の俺から見ても強かったのだが、どうも六道の生徒から見てもかなり強かったようでほぼ無傷かつ疲労もなく完全勝利を続けていた。チビの強さは知っているつもりだったが、まさかここまでとは思っても居なかった。そしてチビが勝ち続ける中。俺は冥華さんが俺を参加させた理由は戦わせる目的ではないという事も判ったのだ

 

【キギィ】

 

最初に戦ったカソはまだ怯えの色を見せているが、少しずつ近づいて来た。うりぼーとタマモの説得が聞いたのだろう

 

「よーし、よし。大丈夫だ、怖くない。怖くないぞ」

 

近寄ってきたカソを抱きかかえ、大丈夫怖くない、怖くないと声を掛けると、青い炎が徐々に赤い炎に変わっていく。それでもまだ青みが掛かっているが、それでも明るい色になりつつある事に安堵の溜息を吐く、チビは圧倒的な強さもあり今まで7戦。すべて勝利し、生徒の使い魔を俺は受け取っていたのだが、ツチノコと猫又の2匹を除き酷い、怯えと恐怖を見せていたのだ。ちなみにツチノコと猫又はと言うと

 

「シャー?しゃー!!」

 

「にゃーにゃにゃーん」

 

俺の回りを楽しそうに鳴いてぐるぐる回ってる。チビとかもやるけど、これは何なんだ。何か意味のあることなのだろうか?

 

【人間を恐れている、それほど厳しく躾けられているのだろう】

 

心眼の言葉が最初信じられなかったが、暴れるや涙を流す姿を見て本当に人間を怖がっているのだと理解した。妖怪図鑑とにらめっこしながら必死にケアを施す。カソとサラマンダーの青い炎は怯えと恐怖の証であり、カマイタチが風を纏い続けているのは触れられる事に対する恐怖による防衛。ブラッグドックことヘルハウンドの凶暴性は邪気を溜め込みすぎた事による凶暴化。シーサーの本来の体色が黄色なのに、灰色が掛かっているのも同様の理由だ

 

「おキヌちゃん、悪いけど、美神さんに言って精霊石の粉末とか少し分けてくれって言って来てくれる?」

 

【判りました、すぐ戻りますね】

 

さっき貰ってきて貰った分はもう無いので追加で持って来てくれとおキヌちゃんに頼み。道具も無いので座り込み一息ついていると

 

「シャー?」

 

「みゃーん?」

 

「あー後でな」

 

ツチノコと猫又は飼い主の女の子と友好的に過ごしていたのか、人懐っこく俺の周りを這い回っているが、他の動物のケアが大変すぎる。だいぶ落ち着いてきたけど、ヘルハウンドが全然近づいてこないのでうりぼーとタマモに声を掛ける

 

「うりぼー、タマモ。説得よろしく、ヘルハウンドを説得してくれ」

 

タイガーなら動物と話をする事も出来るだろうが、俺には当然そんな能力はないのでうりぼーとタマモにヘルハウンドの説得を頼み、その間に妖怪図鑑を見て、溜め込んだ邪気を払う方法を調べる

 

(えっと精霊石の粉末を水に溶かして……霊力を放出しながら背中を撫でる)

 

使い魔を持つ生徒の対応が悪いと聞いていたが、これは本当に悪すぎるだろう。下手をすると魔獣化して大惨事になる手前だぞと溜息を吐く

 

【恐らくは家からは適切な育成法は聞いていたが、それよりも強さを優先してしまったのだろう】

 

「強さを優先する以前に、苦しんでいるとか変わってるとか気付かないもんか?」

 

今日来たばかりの俺でも判るのに、一緒にいる人間がどうして気付かないんだ?と心眼と話をしていると審判の人が近づいて来て

 

「横島GS。そろそろ次の試合の準備をしていただけますか?」

 

この横島GSって言うのは慣れないなあ。俺どっちかと言うとまだ見習いでそんな風に呼ばれると何だか恥ずかしくなってくる

 

「あ。はい、判りました」

 

うりぼーとタマモが凶暴化しているヘルハウンドに話しかけているのを見ながら、試合の準備をする

 

「みーむ!」

 

「いつの間に着替えたの?」

 

チビのほうに行くと、前のクリスマスの俺のバンダナとGジャンのチビサイズの物に着替えていた。俺が着替えさせた訳ではないので、チビ本人が着替えた筈だ。あんな短い手でどうやって着替えたのだろうか?と言う疑問が残る

 

「横島GS使い魔チビ対篠村薫使い魔キョンシー!試合開始!」

 

キョンシーと言われて人型を想像していたんだけど、チビノブみたいなサイズで思ったよりも大きくない。しかも額に札を張ってるから視界が悪いのか

 

「なにやってるの!ちゃんと狙いなさい!」

 

【……】

 

頑張って手足を動かしているのだが、チビはするする避けながら俺の方を見る。反撃していいのかな?と尋ねているように見える

 

「だからー!そこだって!もっと早くッ!!」

 

生徒の方は興奮して指示を出しているが、キョンシーの反応は芳しくない。それ所か小さい肩を震わせていて怒っているように見えなくも無い

 

「ちょっと様子見」

 

【ああ、それがいいだろうな。もしかすると何もしなくても決着がつきそうだ】

 

「みむっ!」

 

振るわれる手や足をしゃがんだり転がって回避するチビに対戦相手の生徒が冷静さを失い、次々指示を出すのを見ているとおキヌちゃんが戻ってくる

 

【横島さん、貰って来ましたよ】

 

「ありがとう、おキヌちゃん」

 

受け取った精霊石の粉末をペットボトルの中に入れて振る。後はこれを飲ませて、霊力を与えながら撫でればヘルハウンドも落ち着くだろう

 

「みーむ!」

 

「もう!なにやってるのよ!完全に馬鹿にされてるでしょ!真面目にやりなさい!」

 

キョンシーの攻撃を回避したチビがその手の上に乗るのを見て、篠村が怒鳴った瞬間。それは起きた

 

【!!!!】

 

「え!?」

 

キョンシーが切れて額の札を自ら引きちぎり、俺のほうに歩いてきて両手を広げる

 

【これ、拾ってくれって言っているように見えるぞ?】

 

心眼の言葉に俺もそう思うと返事を返し、Gパンのすそを引っ張っているキョンシーに視線を向ける

 

【……】

 

札で隠れて見えなかったのだが、札が無いので円らな目と視線が合い、とりあえず抱き上げると生徒の方を見てキョンシーはべーっと舌を出す

 

「キョンシー試合拒否!よって横島GSの勝ち!」

 

「うそ……」

 

そしてチビの最後の試合はキョンシーの試合拒否および篠村薫に愛想をつかした事による不戦勝となるのだった……

 

「そこまで~横島君と舞ちゃんはお疲れ様~」

 

舞ちゃんの方も決着がついたらしい、舞ちゃんの方に視線を向けると俺と同じように8匹の妖怪がいた。ナナシもチビと同様に全勝したらしい、冥華さんが特別授業の終了の合図をする中

 

「はいはい、ちょっと暴れないなー」

 

「しゃー」

 

「みゃー」

 

ツチノコと猫又はご主人の所に帰りたいのか、ばたばたと暴れているのを抱きかかえる。ほかの使い魔はご主人の方に見向きもせず

 

「きゅーい」

 

「バウバウ!」

 

「ふしゅー」

 

「わんわん!」

 

「ぷぎゅー!」

 

「ココーン!」

 

「みむう!」

 

チビ達と何かの話をしながら遊んでいる。ヘルハウンドもようやく落ち着いてくれたようで良かった

 

「貴女達と~横島君、舞ちゃんの違いはあとで説明するけど~その前に~横島君、舞ちゃん~」

 

にこにこと笑う冥華さんと目が合い、なんか強烈に嫌な予感がした。舞ちゃんも同じようで嫌そうな顔をしている

 

「特別試合って事で~チビちゃんとナナシの試合をやって欲しいなあ~?」

 

お願いと言っているが、その目が凄まじい光を放っているのを見て、俺と舞ちゃんは反射的に頷いてしまうのだった……あとで思ったのだが、あれは笑顔だったが、人に絶対的な恐怖を与える恐ろしい笑みだと後に舞ちゃんと2人で美神さんと蛍と琉璃さんに言うのだった……

 

 

 

チビが強いのは私も知っていた。だがこうして使い魔同士の戦いモニターで見ながら、その認識を改める事になった

 

「ねえ?蛍ちゃん。野生のグレムリンもあそこまで強くなるのかしら?」

 

「そしたら特A級の危険妖怪ですね」

 

どこの世界に、自分よりも種族的に強い魔獣をフルボッコにするグレムリンが存在するだろうか?サラマンダーはまだ判る、電撃と火炎放射の打ち合いで電撃が押し切り麻痺して動けなくなり勝利判定。これはまだ判るのだが……

 

「カマイタチと戦ったとき凄かったですね」

 

「そうね、まさか強風で吹き飛ばされた後。結界を走りながら放電して、体当たりするとは思わなかったわ」

 

使い魔同士の炎や風の刃から生徒達を守る為の結界なのだが、チビはカマイタチの暴風に吹き飛ばされ、結界を垂直に走りながら、放電し、そのままの勢いで突進しカマイタチの風の障壁を完全に吹き飛ばしたのだ

 

「賢いってレベルを超えてますよね」

 

疲れたように呟く琉璃さんに美神さんと揃って頷く、カマイタチの暴風で弾き飛ばされたように見えたが、火力不足を補うために態と吹き飛ばされたように見える。そうで無ければ、弾き飛ばされてすぐ結界を走るなんて真似はしないだろう。チビにとってすべて計算づくだったのだろう

 

「でもチビも強いですけど、ナナシってあれ……本当に妖精だと思います?」

 

「「思わない」」

 

美神さんと琉璃さんが声を揃えて思わないと言う。舞さんは妖精だと言っていたけど、どこの世界にあれだけ言葉を喋り、恐ろしいほどの

格闘技術を持っている妖精が存在するだろうか?

 

「あんなのがたくさん居たら人類は全滅するわ」

 

この言葉冗談と言う事は出来ない。チビもナナシもハムスターサイズなのにその戦闘能力は異常すぎる、もしあんなグレムリンと妖精が増えていけば、簡単に人間は全滅するかもしれない。冗談抜きでそう思うほどに強いのだ

 

「まぁこれで終わりですね」

 

チビとナナシの試合はこれで全部終わった。後は説教とかで終わりですよね?と美神さんと話をしていると冥華さんが再び指令台に上る

 

「……なんか凄い嫌な予感がするわ」

 

「私もです」

 

その顔を見ると何か考えているのが一目で判る。これ以上何を……

 

「まさかチビとナナシを戦わせるとか言わないですよね?」

 

私の呟きに沈黙で返す琉璃さんと美神さん。いやいや、チビとナナシと圧倒的な戦闘能力を持つ使い魔が戦えばどんな事になるか、考えるまでも無く大変な事になるはずだ。冥華さんもそれは判っているはずだから、まさか戦えなんて言わないわよね?と言うかお願いだから言わないで欲しいんだけど……そんな祈りを込めて冥華さんにお願いしますと言う視線を向ける

 

「貴女達と~横島君、舞ちゃんの違いはあとで説明するけど~その前に~横島君、舞ちゃん~」

 

にこにこと笑う冥華さんと目が合い、なんか強烈に嫌な予感がした。私達の願いは決して届かないと理解してしまった、むしろこれからがメインイベントなのだと……

 

「特別試合って事で~チビちゃんとナナシの試合をやって欲しいなあ~?」

 

やって欲しいなあっと言いつつ、恐ろしい眼力を放っている冥華さんに横島も舞さんも怯えながら頷いてしまった

 

「……美神さん、これ大丈夫ですかね?」

 

「大丈夫だと祈るしかないわ」

 

今ここに六道と神代家の関係者しかいない事に心底感謝した。もしここにオカルトGメンとか居たら危険だとか騒いで、チビもナナシも横島と舞さんの下から取り上げられない事になっていただろうから

 

 

 

ナナシとチビの戦いかぁ……ちらりと見ていたけど、これ大丈夫なのかな?チビもそうだけど、ナナシもかなり強い。だが断ることが出来無かったのでいまさら戦いをやめるとは言えなかった。それに何よりもチビ達がやる気満々なのだ

 

「コン!ココン!コーン!!!」

 

「ぴぎ!ぷぎぴぎ!ぴぎー!」

 

「みむうっ!!!」

 

うりぼーとタマモに激励されてやる気満々のチビ。とりあえず俺も激励したが……

 

「頑張ってなチビ。でも怪我とかはしないような?」

 

今までの試合でも不安だったのにナナシはかなり強いので、本当に怪我をしないでくれよと声を掛ける

 

「みむう!」

 

ふんすっと気合満々の表情で頷き、結界の中に入っていくチビを見送り。足元に居るうりぼーとタマモを抱きかかえ、椅子に座るのだった

 

「行くぞ!チビ!」

 

「みむっ!」

 

ナナシも気合満々の表情でチビに声を掛ける。その後ろで舞ちゃんがナナシがやる気満々でごめんなさいと声を掛けてくるが、チビも気合満々なのでお互い様なので何も言う事が出来なかった

 

「横島GS使い魔チビ対氷室舞使い魔ナナシ!試合開始ッ!!」

 

「みっぎゃああああッ!!!」

 

「チビーッ!?!?」

 

試合開始の合図と共にいきなり破壊光線を打ち出すチビ。やる気満々ではなく、殺る気満々のチビに思わずその名前を叫んでしまう

 

「ぬうううッ!!かあああああッ!!!」

 

だがナナシもナナシで全く動揺しない所かにやりと笑い、大きく息を吸い込んだと思った瞬間。その大きさからは信じられない大声で破壊光線を明後日の方向に弾き飛ばす

 

「弾き飛ばしたぁッ!?」

 

鬼門を撃破したチビの破壊光線の威力は桁違いなのだが、それを声だけで弾き飛ばすなんて……信じられない妖精だ

 

「みむ……」

 

だがチビは予測していたのか、やはり通用しないかと言わんばかりの反応だ。まさか今の破壊光線で相手の実力を測ったとでも言うのか?

 

「ふっふっふ、飛び道具が通用すると思うか。拳で来い」

 

右足を上げて拳を突き出す武術の構えを取るナナシ、それに対してチビも同じように拳を突き出す構えを取る

 

「かあーッ!!!」

 

「みむうううッ!!!」

 

ハムスターサイズとは思えない激しい打撃音が響くのを見て、俺は思わず心眼に

 

「なぁ?これ大丈夫かな?」

 

【……私は大丈夫じゃないと思う】

 

鋭い風切り音と共にチビとナナシの姿が消え、全く違う場所に現れ拳と蹴りのラッシュで戦う姿を見て、俺も大丈夫じゃないと思うと小さく呟く、チビとナナシの戦いはまだ始まったばかりだ……

 

 

「……食べるか?」

 

【のーぶーッ!】

 

一方その頃横島邸ではシズクとチビノブが縁側に揃って座り、せんべいを齧っていた

 

「……お前頑張れば、良い使い魔になるぞ?」

 

【のぶ?のぶのぶ!!】

 

「……よしよし、頑張れ」

 

のぶのぶ言ってるだけだが、シズクにはその言葉が判るらしく頑張れと言いながら頭を撫でていた。六道女学院で大変な事が起きているのだが、横島家は平常運転で平和な時間が流れているのだった……

 

 

 

リポート10 マスコットファイト開幕 その5へ続く

 

 

 




いまさらですがナナシのモチーフは東○不○さんです。もう色々とはっちゃけているので、とにかく凄い妖精だと思ってください。次回は丸々1話を使って書いていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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