GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
リポート11 新たな一歩 その5
冥子さんの依頼の大半は調査と言ってもそれだけではGSとしての活動が認められないので、今日は久しぶりに除霊に訪れていたんだけど……予定の除霊開始時間を大幅にオーバーしてしまっている
「ああ……怖いわ~私除霊とかやりたくないのよ~」
「大丈夫ですって、冥子ちゃんなら出来るよ」
横島が頑張りましょうと声を掛けているのだが中々車から降りてくれない、思わず溜息を吐いてしまう。鬼道先生はここまで送ってくれたけど、まだ保護観察処分中なので正式な除霊に参加する事は出来ないので私と横島と冥子さんとチビとうりぼーでの除霊だ
「う~判ったわ~私頑張る~」
「頑張ろう。冥子ちゃん」
横島の説得でやっと車から降りてくれた冥子さん、これからねと思い車を降りようとすると鬼道先生が
「冥子はんは横島君が居るからちょっと甘えとるんや。こういうときぷっつんしやすいで気をつけたって」
判りましたと返事を返しはしたが、横島がいるから甘えてるってどういうことよ……あの人私達より年上でしょうよと思いながら除霊現場へと足を踏み入れるのだった……
「きゃ~きゃ~やだやだ~!!!」
「冥子ちゃん!落ち着いて!お願いだから落ち着いて!!!サンチラとアンチラも暴れない!!!」
「これあれよりも先に式神にやられるわよ!?」
浮遊霊の除霊だったのだが、それがこの廃墟の中で死んでいた動物と融合してケルベロスもどきになったのを見てパニックになっている冥子さんを必死に宥めているのだが、パニック状態の冥子さんには言葉が届かない。ケルベロスもどきと式神の攻撃に悪霊の前に味方の攻撃で重傷を負いそうだ
【蛍、言葉で説得するのを諦めろ!気絶させるんだ!】
「判った!」
心眼に言われるまでも無く、このままでは駄目だと思っていたのですいませんと謝ってから、冥子さんの額を掴んで霊力を流す
「はう!?」
外から霊力をチャクラに流された事で気絶した冥子さんを抱き抱える、式神も冥子さんが気絶したから消えているがあのケルベロスもどきは残っている
「横島!冥子さんを運んだら手伝うから、少しの間頑張って!」
チビとうりぼーと心眼に陰陽術。これだけあれば動物の死骸に憑依した悪霊と戦っても時間稼ぎが出来る、そう思い横島にそう頼むとうりぼーが
「ぷぎゅう!!」
自分が戦うと言わんばかりに前に出る。そして横島を見て指示をくれと言わんばかりの表情?……とにかく表情だと思う。やる気満々と言うのがよく判る、うりぼーは増えるし、大きくなるし、ケルベロスもどきなら楽勝だろう。横島もそれを理解したのかよしっと頷き
「良し!うりぼー!ビームだっ!」
「ぷぎゅ……ぴぎゅう!?」
「ビーム!?なんでビームなの!?」
突進とかじゃなくてなんでビームなの!?私の突っ込みとうりぼーの困惑した声がするが横島は力強く頷きながら
「出来る!うりぼーなら出来る!」
「みーむうー!みみむー!!」
謎の信頼とチビの声援。そして向かってくるケルベロスもどきにうりぼーは困惑した素振りのまま、ケルベロスもどきの方を向いた……そして
「ぷーぎゅーーーーーーーッ!!!!ぴぎいっ!?」
「ビーム出た!?」
うりぼーの牙の先に霊力が集まり、そこから打ち出された光線がケルベロスもどきの頭を吹き飛ばす。まさかの攻撃に断末魔の悲鳴を上げる暇も無く消えたケルベロスもどきに私は絶句し、うりぼーは自分自身がビームを打てた事に驚き。横島とチビはうりぼーに駆け寄り
「凄いぞ!うりぼー!ビームできるじゃないか!」
「みむー!みむみむ!!」
「ぴ、ぷぎう……」
凄いぞとうりぼーを褒めている横島とチビ、そして照れているうりぼーを見て思わず溜息を吐きながら、私は足元で気絶している冥子さんを見た。想定外の事に対して弱すぎる、霊力と知識は豊富なのだから後2日の研修期間中にこの弱い精神力を何とかして、ガープと戦う時の戦力にできないかと頭を悩ませるのだった……なお今日の横島の除霊報告書の最後に行に謎の言葉が書かれていた
【真のうりぼーに牙など不要。真のうりぼーは目で殺す】
と言う謎の横島の格言が書いてあり、頭痛を覚えたのは言うまでも無いだろう……
冥子の所から横島君と蛍ちゃんの除霊報告書が来たんだけど……
【なんじゃそら】
「私が聞きたいわ」
シズクは清姫がいるし、横島君がいないので協力してくれる訳が無い。必然的にノッブが協力してくれているんだけど、私の手元の報告書を見て苦笑している
「何なの?この【真のうりぼーに牙など不要。真のうりぼーは目で殺す】って……」
【何が起きてるんじゃ?向こうで?】
【なんか変な攻撃を覚えたんでしょうか?】
激しく不安になってきた……研修としてちゃんとプラスになっているのだろうか?良し丁度最終日だし見に行きましょう
「見に行きましょう」
何か手遅れになっていてはいけない、私はそう思い冥華おば様に連絡を入れて出発しようとした所でノッブに
「シズクと清姫呼びに行った方が良いかしら?」
【かもしれんの、横島にあわせれば落ち着くだろうしの】
犬猿の仲と言えるシズクと清姫の喧嘩に付き合ってられない、という事でここ数日私の事務所に寝泊りしていたノッブの言葉に頷き
「おキヌちゃんはどう思う?」
【呼びに行きましょう。後で怒るって判ってますから】
横島君に対しては限りなく過保護なシズクと横島君命の清姫。会いに行っていると知られたら後で大変な事になるわね……
「じゃあ横島の家に行ってから行きましょうか」
はいっと返事を返す、ノッブに先にシズクと清姫に声を掛けておいてと頼み。私は車の準備の為にガレージへと向かうのだった……
令子ちゃんからの1度横島君と蛍ちゃんの様子を見に来ると言う連絡に私は思わず笑みを深めた。今回の横島君の除霊報告書は正直謎だったが、その謎さが令子ちゃんの不安を煽り様子を見に来ると言う決断をさせてくれたのだから
(私から見ても~冥子は大分成長したけどね~)
横島君と蛍ちゃんの前でいい格好をしたいと思っているのか、私にどういう指導をすれば良いのか?とか熱心に聞きに来てメモをしていたし、保護観察処分中の鬼道君も指導者としての才覚を見せてくれた。ただ致命的に問題だったのは冥子のメンタル面の弱さと想定外の事に弱すぎる点だ……
「ちょうどいいわ~令子ちゃんも来るんならあれをやりましょう~」
六道に伝わる死の試練。今までは冥子にさせようとは思わなかった、初代六道から伝わり続けた修行法。失敗すれば亜空間に投げ出されると言う試練だが、冥子は今変わろうとしている。本人だけでは恐らくパニックになり逃げようとするが、横島君達を巻き込めれば信じられないほどに強い精神力を発揮する。その試練をする事で、冥子が精神的に大きく成長すると思い、私は令子ちゃんが尋ねて来たらその試練をやらせる事に決めたのだが、そこで私は想像もしない物をみる事になるのだった
「横島様!お元気そうでなによりです!修行は順調でしょうか?」
「……無理はしてないな。あまり霊体と身体に負荷をかけるなよ」
令子ちゃんは清姫とシズクちゃんも連れて来たのねえ……ちょっと失敗したら大変な事になるかも~
「冥華おば様。修行は順調そうで安心しました、今回はうちの助手の除霊研修ありがとうございました」
私を見て挨拶をしてくる令子ちゃんにそうね~と笑いながら返事を返す。横島君と蛍ちゃんだけではなく、冥子にとってもいい修行になっているみたいだからお互い様よ~と笑いながら
「実は~六道の家に伝わる特別な霊能の修行があるの~良い機会だから横島君達も~見学してみない~?」
六道に伝わる特別な霊能の修行と聞いて令子ちゃんの顔色が変わる。私がなにか別のことを考えているのではないか?と探るような視線を向けながら
「部外者に見せてもいい物なのですか?」
「ええ~令子ちゃん達なら~見ても口外しないでしょう~?」
口外すればどうなるのか判っているんでしょうね?笑顔に圧を加えると冥子が首を傾げながら
「お母様~?私そんなの聞いたこと無いよ~?」
「ええ~だってまだ伝えてないですもの~六道の式神「12神将」を正式に継承する試験ですからね~」
私も冥子と同じくらいの時にやったのよ~と笑いながら言うと、冥子はじゃあ私もやる~と返事を返してくれた。今までだったらお腹痛いとか頭痛いっと言って逃げていたからやっぱり今回の研修の話は冥子にとってもプラスだったわ~と笑みを深める
【横島さん。どうですか?何か手ごたえはありましたか?】
【と言うか真のうりぼーに牙など不要。真のうりぼーは目で殺すって何じゃ?】
「俺に手ごたえって言うか、うりぼーがビームを覚えたんだ。な?うりぼー?」
「ぷぎゅうッ!」
おキヌちゃんやノッブと話をしている横島君がうりぼーを抱き抱えると、うりぼーの牙の間が光り霊波砲が発射される。一体家の娘は横島君になんの修行をしたのかしら~と首を傾げながら
「こっちよ~」
ビームで吹っ飛んだ木々を見て、絶句している令子ちゃん達を六道の屋敷の外れにある修行場へと連れて行くのだった……
家では毎日会っているのに、どうしてここまでシズクと清姫ちゃんは俺のことを心配するんだろうな?と首を傾げながら、冥華さんの後ろを着いて歩きながら
「やっぱり一族秘伝とかは普通は秘密にするものなのか?」
六道に伝わる特別な修行の見学をさせてくれると言っていたのを思い出しながら蛍に尋ねると、蛍は当たり前よと頷き、シズクも頷く
「その家が発展してきた証みたいな物だからね。正直見せてくれるって聞いて驚いてるわ」
「……その通りだな。何か別の思惑があるかもしれないから気をつけておけ」
「私とシズクがいるから下手な事をすれば、六道が滅ぶと判っているでしょうから大丈夫ですわ」
……清姫ちゃんとシズクだけで正直過剰戦力といえば、過剰戦力だろう。そして六道の家を滅ぼせるというのも嘘ではない
「心眼先生。大丈夫かな?」
【……知らん……】
心眼先生にも知らないと言われ、俺は本当に大丈夫かなあっと思いつつ、現実逃避気味に横を見ると
【うむ、良いぞ。その調子じゃ】
「ぷぎゅう♪」
「みむうー♪」
割と大きくなったうりぼーの上にノッブちゃんが跨り、うりぼーの頭の上にチビが座っていて楽しそうなのを見てしまい。俺は抱き抱えていたタマモに
「俺ちょっとノッブちゃんが判らないや」
「クウン?」
「それって多分今更だと思うわよ?」
「……私もな、そう思う」
「迷惑をかけてるなら焼きましょうか?」
物凄く物騒な事を言う清姫ちゃんに焼かなくて良いと返事を返し、ノッブちゃんが楽しそうなら良いかと呟くのだった
【あ、横島さん。見えてきましたよ」
おキヌちゃんの声に顔を上げると、巨大な山のような物と社が見えて来た。俺は思わず本格的だなと呟くのと同時に、本当に六道に伝わる修行を見るのだと判り気持ちを引き締めるのだった……
「ここは~普段は封印されてるの~今から封印を解除するから待っててね~?」
冥華さんはそう笑うがその顔は真剣で嫌でも緊張感が高まるのが判った
『古より六道の者に伝わりし禁忌の地よ!試練の時は来た!扉を開き、我が一族の娘を試したまえッ!!!』
冥華さんの呪文と共に封印された扉が開いた瞬間。扉の近くに半透明な誰かがいた
【あら?懐かしい気配と思って見にきたら~清姫にシズクじゃないの~それにこの人は高島様にそっくりね♪】
にこにこと笑う冥子ちゃんにそっくりな12単衣の少女の幽霊が穏やかに手を振ってくるので、思わず手を振り返しながら
「知り合い?」
清姫ちゃんとシズクに知り合い?と尋ねるとシズクは額に手を当て溜息を吐き、清姫ちゃんは穏やかに笑いながら
「知り合いですわ、私が高島様の屋敷にお世話になっている時。高島様から式神を作って貰った六道の人間ですね」
「……お前成仏してなかったんだな……」
2人の知り合いと言うと平安時代の幽霊!?穏やかに笑うその少女の幽霊に冥華さんが
「あの初代様?私の時と修行の内容が違うのですが?」
【ん?ああ!昔の口調に戻ってるわよ~六道の人間は~この喋り方じゃないと駄目~って散々言ったでしょ~?】
初代六道さんの言葉に冥華さんが顔を歪める。え?昔はもっと凛っとした喋り方だったの?と思わず思ってしまった
【ま~立ち話もなんだから~どうぞ~どうぞ~暗いし、じめじめしてるけど~外と違って涼しいわよ~】
そう笑い社の中に入っていく初代六道さんを見ていた美神さんが引き攣った顔で冥華さんの方を見て
「あの……私達はどうすれば?」
「と、とりあえず~中で話を聞いて見ましょうか~?」
そう話しているのに、歩こうとしない美神さんと冥華さん。俺はどうすれば良いのか?と悩んでいるとおキヌちゃんとノッブちゃんが深刻そうな表情をして俺に気をつけろと声を掛けてくる
【横島さん。あの人……見た目は穏やかですけど、危険ですよ】
【うむ、怨霊になっていてもおかしくない存在じゃ、気をつけよ】
平安時代の幽霊がここまで自我を保ち、狂っていないのはおかしいと言うおキヌちゃんとシズク。それに続くようにシズクと清姫ちゃんも注意するようにと警告してくる
「……あいつは高島に恋慕していた。自我はしっかりしているようだが、気をつけろ。何をきっかけに凶暴化するか判らないぞ、狐もそう言っているだろう?」
さっきから腕の中でタマモが唸っているのは俺に気をつけろって言う意味だったのか……
「性格的には私ととても良く似ています。悪い人間ではないですが、どうかお心を許されないように」
悪霊や怨霊は強かに魂の隙を狙っているのですから、その口調に脅しなのではないと悟った。本当に危険なのだと
「シズクや清姫が来てくれたのは本当に良かったわね。警戒しながら行きましょう、心眼もよろしくね」
【ああ、判っている。お前自身も気を緩めるなよ、横島】
緊張した面持ちの蛍と硬い声をしている心眼に判ったと返事を返し、心配そうに足元に駆け寄ってきたチビとうりぼーをGジャンのポケットに入れて。俺は美神さん達の後を着いて社の中に足を踏み入れたのだった……
この社の中に眠って何年経っただろう?もうほとんど何も覚えてない私だけど……高島様とシズクと清姫……それとあの2人の事ははっきりと覚えている。喧嘩もしたし、泣きもした。だけど楽しかったと言える毎日は今でもしっかりと私の中に残っている
(高島様にそっくり……それに名前も)
しかもシズクと清姫もいるから余計に横島と言う少年が高島様に思えてくる。しかも妖怪の子供がその側にいるのを見て、余計に高島様に似ていると思ってしまった。あの人の側も妖怪が沢山いたから。そして私の子孫だと言う少女は私にとても良く似ていた……私は確かに死んだ、死んだけど死んでない。初代六道として子供を生む前に、切り離した楽しかった高島様との思い出、それが私を形作っている。だから私は確かに初代六道ではあるが、初代六道ではないのだ。
【そんなに警戒しなくてもいいわ~私は害をなすつもりなんて無いんだから~】
私が怨霊である可能性を考慮して警戒している子孫の2人と横島君を囲んでいる幽霊や、シズクや清姫に笑いながら言う。確かに彼をこの中に閉じ込めてしまえば、一緒に居れると言う気持ちは無い訳ではない。だけど、私は高島様に似ている横島君に害なすことはしたくなかった
「その言葉に嘘は無いですね?」
「……お前は清姫に似てるからな」
昔馴染みとのやり取りに思わず笑ってしまう。死んでいるけど、昔の生きていた時のことをどうしても思い出してしまう。まるで昔に戻ってみたい
【嘘はつかないわ。私は高島様は愛しているけれど、彼は違うでしょう?そんな事はしないわ~】
高島様を愛しているから私はこうして幽霊となる事を選んだ。私はあの人の妻にはなれなかったけれど、遠い未来にはもしかしたら~と思っていた。私ではない私が高島様ではない高島様と添い遂げる……それを私は見たかったのだ
「では初代様~六道の試練とやらをやりたいのですが~?」
【試練?ああ……私の暇つぶしね。12神将で亜空間に落ちるのを食い止めるってやつ~】
今まで暇だったし、私自身も自分で言うのは何だが精神力が弱い方なので子孫を鍛えると言う意味でやっていたけど……高島様の転生者かもしれない横島君を巻き込むわけには行かないし、シズクと清姫に会ったからか、昔を思い出して仕方ない
「亜空間!?冗談じゃないわよ!」
緋色の髪をした女性が冗談じゃないと叫ぶ。私はその姿を見て、彼女は葛の葉に似てるわねと苦笑しながら
【そんなの出来ないわよ~ただの脅し文句と~暇つぶしなんだから~】
12神将をコントロールする精神力を鍛えるための訓練なのよ~?まぁ私の暇つぶしをかねてるけどね~と言うと冥華が信じられないという顔をして尋ねてきた
「ひ、暇つぶしだったのですか~?」
【うん、暇つぶし。特に貴女はガチガチで面白くなかったわ~】
何をやっても悲鳴を上げない、強い精神力を持っている冥華は正直面白くなかったわ~と笑う
「なんかこの人ちょっと怖いな」
「うん、私もちょっと苦手かも……」
横島君とその隣の少女が私のことを怖いとか苦手とか言っているのに正直少し傷ついた。特に横島君に言われたのは寂しかった
【うう……凄い霊力です……なんか怒っているんじゃないですか?】
【うむ、英霊とまでは言わぬが、この幽霊も中々の力を持っているぞ?】
っといけないいけない、思わず感情に任せて霊力を放出する所だった。そんな事をすれば攻撃したと思われかねないと思い、慌てて霊力を抑えるとシズクが苦笑しながら
「……怖いというか、こいつは黒いんだよ」
【ひどい~そんな風に言わなくてもいいじゃない~】
正直六道の家は霊力だけある家系だった。だから子供を生むための母体としてしか評価されなかった、高島様がいなければ、きっと六道の名前は長い歴史の中に消えていたと思う
「じゃあ私の修行は~」
【う~ん?無しでいいわ~懐かしい人に会えて~すっごく嬉しいから~特別に大事な事を教えてあげるから~こっちに来なさい~】
おいでおいでと私にとても良く似ている冥子と言う子孫を呼ぶ。私と高島様は高島様の方が年上だったけど、横島君と冥子だと冥子の方が年上なのねと思わず笑ってしまう。そして近づいてきた冥子を抱きしめて
(あのね、私は好きな人と添い遂げる事が出来なかったの~辛くて、悲しかったわ~それにあの人は手の届かない所に逝ってしまったから)
私には高島様を助ける事が出来なかった。権力を得てからもその時の後悔はずっと私の胸に残っている
(貴女には~そんな想いをして欲しくないの~だから強くなりなさい、身体じゃない、心よ~)
「心~?」
不思議そうに言う冥子にそうよ、強い心と笑う。冥華もそうだけど、私の子孫は誰一人12神将の真の姿に辿り着いていない。それは心が弱いからだと思う
【だから自分が何をしたいのか?何をしたいと願っているのか?それをしっかりと理解しなさい、そして強く心を持ちなさい。貴女は私にとても良く似ている~だから貴女はきっと辿りつけるわ。六道の真の力に】
今まで見てきた子孫にこんな言葉を掛けた事は無かった。だけど冥子は違う、きっと辿り着けると思った。そして違うかもしれないけれど、高島様の転生者と同じ時に私に似た子孫がいるのは運命だと思った
(貴女は私みたいな想いをしないで?護られるだけじゃないの、護れる存在になって)
私は護られる存在だったから高島様を助ける事ができなかった。そして私自身が12神将の真の力を知ったのは、高島様が死んでから何年も経った後だった。後悔したし、泣きもした。どうしてあの時にこの力が無かったのかと心から嘆いた。私に似ている冥子にはそんな想いを抱いて欲しくなかった
【強くありなさい、そして大事な者を見つけるの~そうすればきっと大丈夫~だから頑張って~?】
そして私のような悲しい想いはしないで?と冥子に小声で呟き、この社から出るように言う。
【私はいつもここにいるわ~だから何か困った事があったら~相談に来るといいわ~初代六道の名において貴女達を助けましょう、私の知識が貴方達の助けになりますように】
ゆっくりと閉まっていく扉。最後に出ようとした横島君の姿が一瞬高島様とダブる……それを見て確信した。きっと彼が高島様の転生者なのだと確信した。だがそれを口にする事はしない、光の中に消えていく横島君の姿を私はずっと見つめ続け、慣れ親しんだ闇が戻って来たとき……
【良かった……良かったぁ……蘇る事が出来たんだ……】
ずっと待っていた、長い時を待っていた……それなのに一度も高島様の転生者と会う事は無かった。今こうして気の遠くなるような未来で高島様の転生者と出会う事が出来た、そして私に良く似た子孫がその側にいる。その事に私は涙をこぼし、そして呟いた
【どうか、今度こそ高島様の助けになれますように】
護られるのではない、護れる存在になってほしいと心から願うのだった……
初代様との話からお母様が落ち込んでいたようだけど、私は良い事を聞けたと思っていた。最終日と言うこともあり、令子ちゃんと帰ってしまった横島君と蛍ちゃん。だけど彼らが研修として来てくれている間に私は少しは変われたと思う
「ショウトラちゃん」
ベッドに寝転びながらショウトラちゃんの名前を呼ぶ。ベッドの上に上がってきたショウトラちゃんを抱きしめながら
「初代様寂しそうだったね~」
「わん……」
高島様を私は護れなかったと泣いていたその姿が脳裏に蘇る。私はショウトラちゃんを抱きしめてもしも横島君が死んでしまったらと思った。それも自分の力が足りないせいで死んでしまったと想像する
「私は~やっぱり除霊は苦手だけど~強くなりたいわ~」
護られるんじゃない、護れる存在になりたい。だけど私は令子ちゃんや蛍ちゃんのように自ら戦える訳ではない
「私は~もうぷっつんしない、もっと精神的に強くなるわ~だからショウトラちゃん~それに皆も~」
「ワン!」
腕の中で元気よく鳴くショウトラちゃんの頭を撫でながら、他の皆を呼ぶ。私が寝転んでいるベッドを囲んでいる12神将の皆を見つめながら
「私も強くなるから~皆も~私と一緒に強くなりましょう~」
放電したり、ジャンプしたりする皆の動きを返事だと思い。ありがとうと呟き皆を影の中に戻し、ショウトラちゃんを抱きしめながら目を閉じるのだった……
「すーすー……」
「くう」
冥子が寝静まった頃、ショウトラの身体は淡く光り始めていた。それは冥子の変わりたいと強く思う心と決意にショウトラが呼応するかのように……ゆっくりとしかし徐々にその輝きを強くしていた……のだが……
「くうん……」
寝返りを打ったショウトラの動きと共にその光は霧散して消えていく……覚醒の時はまだ遠い……
別件リポート 別件リポート 星の三蔵ちゃん、白竜寺を再建する その3へ続く
うりぼーがビームを覚えました。分身して、大きくなって、増えてビーム。凶悪なマスコットへと変貌を遂げつつありますね
そして初代六道と高島は親交ありになったので冥子成長フラグ1達成です。次回は久しぶりに白竜寺の話を書いてみようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
-
サイドまたは視点は必要
-
今のままで良い