GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
どうも混沌の魔法使いです。今回は短めとなりますが、別件リポートとなります。これからのことを考え、不穏な芽は摘み取っておくと言う話です。第一部からその存在をちらちらと書いていたのでそろそろちゃんと書いておくべきだと思ったんで、このタイミングで書く事にします。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
別件リポート 査問会
冥華さんが開催した使い魔同士の戦いが終わった後。それからが私にとっての戦いの舞台だった……深呼吸を繰り返し、気持ちを落ち着けさせる……誰かが持ってきた現在の霊能に関する上役の不正、それに神代家の相談役の悪巧みの証拠。その全てを全部手元に揃えた……それでも不安は胸に募る
(一番不味いのは叔父さんの事を突かれる事)
私が叔父さんに幽閉されていた。その事実が私にとっての不利な点となる、そしてそこが私の最大の弱みとなり、それを知っている上役達はその様な経歴を持つ私がGS協会の会長に相応しくないと責めて来る。正直唐巣神父、冥華さん、それに令子さんやエミさんと言う存在がいなければとっくの昔に協会長の地位を奪われてもおかしくないという状況だった
(このままじゃ行けない)
いつ地位を剥奪されるかと言う不安を持っていては自分の政策に思い切りのいい一手を打つことは出来ない。そしてGS協会の改善をしても、良いタイミングで私を蹴り落とし自分がその地位に入ろうとしている上役は多い。神代家のつながりで信用出来る人間が増えたからこその自体だ
「琉璃ちゃん~緊張しすぎよ~」
冥華さんが部屋の中に何時入ってきたのか気付かなかった。私はそれほどまでに動揺していたのかと今初めて知った
「ですが……」
「確かに琉璃ちゃんは~弱点が多いわ~幽閉された事、強引とも言えるGS協会の方向転換~それに伊達君や~陰念君とかへの~仮GS免許の交付~」
強引である事はわかっていたし、自分への弱点になる事も理解していた。だがGSが減っている今、多少前科があったとしても、それは人知を超えるソロモンの魔神ガープによるものだ、それを罪として責める方がおかしい
「良い~今の上役は~GSを金儲けとしか~見てないわ~」
大物政治家とかと癒着もしてるしね~と笑う冥華さんだが、目が全く笑っていない。その圧倒的な眼力に思わず息を呑む
「それに今回の査問会だって不服としてるわ~小娘が私を抱きこんで何かを企んでる~とか言ってるみたいね」
「迷惑をおかけします」
正直言って今回査問会を開く事ができたのは冥華さんの力が大きい。今回の査問会だって失敗すれば、冥華さんの日本国内のGSの大本と言う地位に大きな傷をつけるかもしれない、それが不安で仕方ない
「琉璃ちゃん~貴女なら出来るわ~貴女が思うように、そして貴女を甘く見ている馬鹿達に格の違いを見せ付けてやりなさい」
間延びした口調からはきはきとした力強い口調になる冥華さんに判りましたと返事を返すと同時に
「会長。お時間です」
「ありがとう、今行くわ」
迎えに来た部下に頭を下げ、頑張ってねと笑う冥華さんに行って来ますと返事を返し私は査問会へと向かうのだった……
査問会が始まって2時間ほど経ってから会議室に入室する。その中では事前の予想と異なり、堂々とした表情と仕草で査問会に呼ばれていた上役に神代家の相談役と対決している琉璃ちゃんの姿があった
(うん、やっぱり私の見立ての通りね)
その表情と狸共を相手にペースを渡さず、自分の流れで話を続けている琉璃ちゃんを見て思わず笑みを浮かべる。人には分相応の地位と言うものがある、そして上に立つ人間には特別な才能が必要になる。その点では琉璃ちゃんは人の上に立つ才能を持ち合わせている
「神代会長。そこまで私達を責められるのならば、私も言わせて貰いましょう!白龍会の前科持ちの人間に仮免許を交付するなんてどういうおつもりですか!」
GS免許の発行と登録を任されている50台の男性職員がそう叫びを上げる。周りからはそうだそうだという声が響くが
「お静かに、白龍会の前科もちの人間と仰られますが、人知を超えたソロモンの魔神ガープに人間が抗う事が出来ると思いますか?」
「まずそれがでっちあげだ!日本なんかにそれだけの魔神が現れる者か!」
海外のGS協会から派遣されている職員が即座にそう叫ぶが、お静かにと言う琉璃ちゃんの言葉に強制的に黙らせられる
「では貴方は天界と魔界から派遣された神魔が嘘をついている。そう言うのですね、判りました。ではその時現場に居てくれた神魔をお呼びしましょう」
「そ、その様な無礼な「いえ、無礼ではありませんよ?査問会を行うと決めた段階で連絡をいれ、来てくださるようにお願いしておりますまだ到着しておられないようですが、……妙神山の管理人「小竜姫」様と魔界正規軍副指令「ブリュンヒルデ」様の両名が到着しだいお呼びしても宜しいでしょうか?」
その言葉に顔から血の気を引かせ、い、いえ結構ですと引き攣った顔で呟き座り込む職員。この言葉に更に笑みを零した、小竜姫様もブリュンヒルデも呼んでいない、完全なハッタリだが自信満々に言われるとまさかと思う。これは非常に効果的なハッタリだ
「では議題を戻します。人間が人知を超えたソロモンの魔神に抗えるわけが無い、そもそも彼ら自身も被害者であり、彼らを加害者としようとする、それがまずおかしいと思うのです。それに白龍会については神魔から無罪放免の処置と連絡が入っているはずなのですが、いつまで彼らを前科持ちとしているのですか?先週それを取り下げるようにと連絡を入れたはずですが?」
やるわねえ、査問会が始まるまではびくびくしていたがいざ始まればきっちりと意識を切り替えている
「そ、それは私の方までれ、連絡が「職務怠慢なのではないでしょうか?霊能犯罪科の局長として職務を理解していますか?」うぐっ」
笑顔で言われ言葉に詰まる局長。他にも何人も青い顔をしているのでかなり痛い所を突かれているのだろう
「そうそう、局長にぜひお聞きしたい事があるのですが?」
「な、なんだね!わ、私に疚しい事など何も無い!!」
必要以上の大声で返事をする。馬鹿な奴だ、あんな様子ではやましい事があると自白しているような物と言うことに気付いていないのだろうか?
「大手建設企業から、白龍寺のある山を貴方から買うという話があり、前金を払ったのにと言う苦情が出ております。そちらの業者の方には詳しく説明をし、あの山は競売に出ないと説明しましたが、これに関してはどういうことなのでしょうか?」
金魚のように口をパクパクさせる局長。インサイダー取引ね、これであの男も終わりっと……
「いい加減にしていただきたいですな、当主殿?我ら相談役がこの場に呼ばれた理由が判りませんが?」
相談役の長が琉璃ちゃんを見てにやにやと笑いながら告げる。それは自分がやろうとしていた犯罪がバレる訳が無いと言う絶対の自信があるから浮かべる事の出来る嘲笑だろう
「理由ですか。本当に無いといえますか?相談役長神大司さん」
「ありませんな。私達はお家の繁栄の為に動いております故」
自信に満ちた表情をする神大に琉璃ちゃんはそうですかと呟き
「出来れば自供して欲しかったのですが……まぁ良いでしょう」
今回の査問会には警察の霊能犯罪科や公安それにオカルトGメンでも信用出来る人物が同席している。さっきから若い職員が出たり入ったりしているのを見ると逮捕する為の準備をしていると見て間違いだろう
(一気に上層部が入れ替わるわね)
それはそれで混乱を呼ぶだろう。だがいつ牙を剥くかわからない相手をそのままにする方がよっぽど危険だ
「今年のGS試験で合格した横島忠夫、そして私の血を分け、現在氷室舞と名乗っている旧姓神代舞の誘拐については覚えがないと?」
「……ありませんな。どこから出た話ですか?」
一瞬間があったわね、流石神大の狸だ。動揺しても表情を変えることが無いとは
「私の乳母の梅さんと、貴方の元から逃亡してきた神大の人間を保護しております、それと彼が持ち出した資料。出来れば貴方と筆跡鑑定をしたいと思っています」
筆跡鑑定。確かにそれは証拠となるだろう、だが少し札を切るタイミングが早かった……思わず顔を顰める
「保護?ああ、そう言えば先日から行方不明になっている部下が居りましたね、保護していただけて感謝しますよ。それで彼が持ち出した
資料の文字と私の筆跡鑑定ですね?受けますよ。どうぞ」
にこにこと笑う神大が自分の筆跡を提出する、その仕草は勝利を確信した表情だ。まさか……偽の資料を掴まされた
「ああ、良かったです。実は保護したって言うのは嘘なんですよ、彼自供して自分は囮だからと証言してくれまして」
査問会が行われている会議室の雰囲気が一変した。笑顔のまま告げる琉璃ちゃんに査問会に呼ばれた全員の視線が集中する
「その後彼が正しいアジトの場所を証言してくれました。さて……今何時ですかね?」
時刻は丁度15時を回った所……そして琉璃ちゃんの言葉と同時に会議室の扉が開き
「会長!見つけました。神大相談役長が計画していた犯罪の実行書と、監禁するために用意された牢屋など全て発見しました!!!」
飛び込んできた若い職員を見て勝利を確信した琉璃ちゃんが笑みを浮かべる。それに対して神大はその顔を真っ青に染め
「こ、この小娘がああああッ!!!!」
唾を吐きながら怒鳴り散らすその姿に先ほどまでの余裕に満ちた表情は無く、完全に動揺しきっているのが判った
「いつまでも小娘、小娘と侮っているからこんな事になるんですよ、私は本気で今の日本のGS協会を変えようとしている、その為ならば
非道と言われる手も打ちましょう。何故ならばまた何時ガープが襲ってくるかもしれない、どんな脅威が起きるかも判らない。そんな状態でお互いの足を引っ張り合うつもりはありません」
琉璃ちゃんはそう笑うと会議室の中心までゆっくりと歩き
「小競り合いで全滅したいのならどこか別の所でやれ、お前達の利益の為に何百人、何千人と言う死者を出すつもりは無いッ!!!」
その一喝は完全に会議室を支配した。女帝としての貫禄を見せつけ、自分がただの小娘ではないという事を証明した琉璃ちゃん。それは彼女の人の上に立つ才能が完全に開花した瞬間だった……
査問会に来ていたオカルトGメンや公安によって何十人も逮捕されるのを見て、ご協力感謝しますという言葉に見送られ執務室に戻る
「つ、疲れた……」
精神的にも肉体的にも疲れた。しかし本当に長い間を生きた狸共は厄介ね、途中何回も足を掬われかけた……こんな相手と戦っていれば、冥華さんがあれだけ強かになるのも納得だ
「お疲れ様~」
「冥華さん」
ノックと共に入ってきた冥華さんの姿に思わず安堵の溜息を吐く。何人も罠に嵌めた、そのせいかさっきから胃が痛くて仕方ない
「ゆっくり休みなさい~って言いたいけど~そんな時間は無いわよ~?」
「判ってますよ」
これが終わりではない、これからが始まりなのだ。腐った上層部は予定通り全員排除する事が出来た、全てはここから始まるのだ
「これ~六道家で信用出来る~霊能者のリストよ~」
「ありがとうございます。正直私の知り合いだけでは全然足りませんでした」
神代家の霊能者は全員有能だが、それだけでは全然足りないのだ
「それに~今回の事のニュースも騒がしくなるわよ~?」
「それも判っています」
人数にして21名。それだけの人間が今回の査問会で逮捕された、中には10年も役員をやっていた男もいたし、海外から派遣されている職員も何人も居た
「どうして、こんな事が出来るんですか?」
今は日本だけではなく、世界的な危機だと言うのに、どうして自分の利益を求めて行動できるのか?それが私には判らない
「自分に被害が出ないからよ~自分に実害が出ないのならば~何も不安に思うことは無いでしょう?」
「対岸の火事ですか……」
「そういうこと~後は自分の利益を持って~逃げるだけ~、あ~後持ち出した情報もお金になるわね~」
これから日本で何かが起きることは判っている。だから危険を感じたら逃げる、そしてその情報を売ってお金にする、最悪ともいえる悪循環だ
「でもその悪循環は~断ち切ったわ~ここからが琉璃ちゃん~貴女が頑張るところよ~?」
「判っています。またお力を貸して貰えますか?」
私には知識が足りない、経験が足りない。今回は上手く行ったが、これからも上手く行くなんていう保証は無い。だから力を貸してくださいと言うと冥華さんは何を言ってるの~と笑い
「力を貸すのは当たり前よ~これからが大変なんだからね」
にこにこと笑う冥華さんにありがとうございますと笑う。冥華さんはよく頑張ったわ~少し休みなさいと言うので私はその言葉に甘え、背もたれに背中を預け、目を閉じるのだった……
翌日新聞やニュースでGS協会会長神代琉璃と六道冥華による、強引とも言える。上層部の入れ代わりに関するニュースが報道され、強引と言う批判をする有識者も多かったが、その大半はGS試験に参加していた評論家や有識者それに、議員による、強引だが、しかしこれから起きるかもしれない災害に対しての備えとし、有事の際の足の引っ張り合いを避ける為の手段として有益。そして彼女自身も苦渋の決断だったと言う言葉により徐々に琉璃を批判する声は小さくなっていくのだった……
「やっぱり彼女は指導者としての才能があるわ」
そして日本ではない何処かで今回の査問会の立役者である女性は、日本語ではない文字で書かれた新聞とそれに写っている琉璃を見て小さく笑い、その新聞を公園のゴミ箱の中にいれ歩き出すのだった……
リポート13 常世のだいそうじょう その1へ続く
査問会とかはあんまり知らないのでどこかおかしいかもしれないので、何かおかしいところがあればご指摘ください。それと前回のリポートの最後に出た魔人姫の外見時の姿はFGOのネロをモチーフにしております、666の女帝とかでもう判ると思いますけどね。次はマタドールに続き第二の魔人の襲来です。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い