GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はだいそうじょうとエンカウントする前の横島達の視点から書いて行こうと思います。どういう流れで前回の最後の戦い開始の流れになったのかを丁寧に書いて行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その2

 

 

リポート13 常世のだいそうじょう その2

 

蛍の電話の通り30分くらいで美神さんと蛍が迎えに来てくれた。俺がバンに乗り込むとバンは事務所とは違う方向に走り出す

 

「美神さん?どこに向かうんですか?」

 

てっきり事務所に行くと思っていたのでどこに行くんですか?と尋ねると助手席の蛍が何かが入った瓶を俺に見せながら

 

「やっと見つけた手掛かりの一つを調べるためにくえすの所に行くのよ」

 

「手掛かりがないのが手掛かりって言ってなかったか?」

 

手掛かりあるじゃんと思いながら尋ねると蛍は肩を竦めながら

 

「GS協会の捜査の人間も近くにいたからね。証拠品として押収されたくなかったのよ」

 

「押収とかあるんですか?」

 

折角見つけたのに?と思いながら尋ねると美神さんは当たり前よと笑う

 

「大規模捜索だからね、手掛かりは共有よ。でもそれをしてたら間に合わないって判断したからの強攻策よ」

 

後でGS協会に提出しないといけないからスピード勝負よと言う美神さんはアクセルを踏み込み、バンを更に加速させる。皆で協力して捜査するのは色々と面倒な事があるんだなと思い、俺はバンの背もたれに背中を深く預けるのだった

 

「所で横島。なんでタマモが人化してるの?」

 

「いや、今日は人化して話をしたりする日だから」

 

「ま、そう言う訳だから人の姿で行動するけどちゃんと協力するから安心してよ」

 

俺の隣で上機嫌で笑うタマモとぶすっとしている蛍を見ながらも、俺の脳裏には出発前に出会った老僧の姿が浮かんでいた

 

「……横島?どうかしたのか?」

 

「ん?ああ、なんでもない」

 

シズクにどうかしたのか?と尋ねられたが、托鉢していた老僧が気になるなんて言っても気にしすぎと言われると思い、なんでもないと返事を返したのだった

 

「ようこそ、それで見つけた手掛かりとは何ですの?」

 

神宮寺さんの屋敷に到着するといつもの妖精メイドに案内され、神宮寺さんの書斎に案内される

 

「これなんだけど、くえすはどう見る?」

 

美神さんが瓶に入った何かを机の上に乗せる。俺もその何かを覗き込んで

 

「えっとこれなんですか?」

 

そこにあったのは鈍い光沢を放つ赤い何かの塊だった。これが手掛かり?俺には到底そうは見えないんだけど……

 

【な、なんだそれは……!?】

 

「っつ……本当よ。何それ……頭痛い」

 

「……!!!ぐっ……私もだ……なんだそれは……ッ!?」

 

心眼の驚愕の声に続いて、タマモとシズクの苦悶の声が響く。だがおキヌちゃんとノッブちゃんは苦しんでいるタマモとシズクを見て不思議そうな顔をしている

 

【それがどうかしましたか?】

 

【ワシにはゴミにしか見えんが……?】

 

どうしてそれを見て苦しんでいるのか判らないという表情をしている。神宮寺さんはと言うと眉をしかめながら瓶の中にその赤い塊を戻す。すると苦しそうにしていたタマモとシズクが床の上に座りこんで大きく深呼吸をする

 

「大丈夫か?」

 

その余りに苦しそうな様子に大丈夫か?と尋ねながら手を差し出す

 

「あ、ありがとう。なんかよく判らないけど……自分って言う存在に干渉されたような……横島。精霊石返すわ、気分悪い」

 

人間の姿から子狐の姿になったタマモを抱き抱えるが、やはり調子はかなり悪いようだ

 

「……恐ろしいほどに不快な感じだった」

 

【ああ、形容しがたいが……気持ちの良い物ではなかったな】

 

心眼とシズクが顔を歪めながら呟く、だけど俺達には何の影響もないし、おキヌちゃんとノッブちゃんにも影響が無い。シズクとタマモの共通点といえば……妖怪って所なのか?

 

「あれは恐らくですが、高密度の何かから零れ落ちた欠片でしょうね。……多分蝋燭じゃないでしょうか?溶けた痕跡とかもありますし」

 

「「「蝋燭?」」」

 

俺達の疑問を伴った声に神宮時さんはええ、蝋燭ですわと言いながら瓶に仕舞われた欠片を見て

 

「とは言え普通の製法の蝋燭ではないでしょうね。複雑に入り混じった神通力と魔力……恐らく高位神魔の所持品と言う所でしょうか」

 

高位神魔の所持品の蝋燭、そんな曖昧な情報で犯人を特定する事なんて出来るわけが無い。俺はそう思ったのが、美神さん達は違ったようで俺を置いてけぼりにして話し合いを進めていた

 

「上位神魔の持ち物の蝋燭ね……ビフロンスとかかしら?」

 

「可能性はありますが、ビフロンスですか……確かに可能性は高いですが……」

 

ビフロンス?美神さんと神宮寺さんは悪魔の特定が出来ているみたいだけど、俺にはさっぱり判らない

 

「ビフロンスはガープと同じでソロモン72柱の悪魔よ。蝋燭を持っていてネクロマンシーを使うとされるわ、だから今回の大量死に関わっている可能性は高いと思うけど……」

 

「けど?」

 

そこまで特定出来ているのなら琉璃さんに話を通して、聖奈さんにも報告すれば良いじゃないか?と言うとシズクがペットボトルの水を飲み干してから

 

「……ガープ陣営の行動ならば、人間の魂だけを抜き出すなんて面倒な真似をする意味が無いと言う事だ」

 

シズクの言葉を聞いて俺があっと呟くと美神さんが瓶に札を張りながら

 

「ビフロンスの可能性が高いけれど、ビフロンスならそんな面倒な事をする必要が無い。とりあえずこれをGS協会に証拠として提出して

次の策を練りましょう。くえす、悪いけど一緒に来てくれる?」

 

「面倒ですが、良いでしょう。どの道対策を考える必要がありますからね」

 

神宮寺さんが了承してくれたので良かったと思っていると、神宮寺さんは俺に手を差し出してくる

 

「えっと?」

 

「とは言え、こちらも慈善事業ではありませんから?対価を頂きたいですわね」

 

え?対価?しかも俺?美神さんじゃなくて!?俺が混乱していると蛍が神宮寺さんに詰め寄りながら

 

「こんなときに何を言ってるの!?」

 

この緊急事態に対価を要求するなんて何を考えてるの?と神宮寺さんに怒鳴るが、神宮寺さんは涼しい顔をしたまま、俺に手を向けたまま口を開く

 

「こんな時だから言っているのですわ、横島。お前の持っている中身の無い眼魂を1つ寄越しなさい」

 

眼魂を寄越せと言う神宮寺さん。俺はポケットからブランク眼魂を取り出しながら

 

「でもこれこのままじゃ、ただの球体なんですけど?」

 

「興味があるから分析したいだけですわ。知的好奇心を満たすと言う所ですわね」

 

ブランク眼魂を受け取りにやりと笑った神宮寺さんにやっぱりこの人は魔女なんだなあっと思った。しかし知的好奇心を満たすって眼魂で何をするつもりなんだろうか?そこがかなり気になる所だ

 

「それで協力してくれるの?」

 

「ええ、対価は貰いましたからね。行きましょうか」

 

まぁなんにせよ協力してくれるって事は心強いから良いか、神宮寺さんみたいな凄いGSの力を借りれるんだから、何か対策も思いつくだろうと思い神宮寺さんの屋敷からGS協会に向かう為にバンで移動していると

 

「あ」

 

「……どうかしたのか?」

 

車窓から托鉢していた老僧を見つけ、思わずあっと呟いてしまった。シズクがその呟きを聞いて窓の外を見て

 

「……托鉢か。珍しいな」

 

托鉢と聞いた美神さんがバンを停めて、後部座席の俺達を見る

 

「ここは一番最初の現場に近いわね、もしかしたら何か見ているかも、話を聞いて見ましょうか」

 

確かにその通りだ。もしかしたら何かを見ているかもしれないから話を聞いてみようと言う流れになった

 

「ほう……また会ったな、先ほどはありがとう。感謝する」

 

俺を見てしゃがれた声で感謝すると笑う老僧に美神さんが近づいて

 

「お爺さん。一昨日だけど、この周辺で大量死があったと思うんだけど何か見てない?」

 

「ふむ。そうさな……」

 

美神さんの問いかけに顎の下に手を当てた老僧は俺を見て

 

「先ほどの施しの礼の事もある。教えてしんじよう」

 

そう笑った老僧は楽しそうに笑いながら手にしていた鉢を置いて、代わりに鈴を手にする

 

「ワシは見たよ。ああ、見たさ、ずっと見ているよ。苦しむ人間を、嘆き苦しむ人間の姿を、現世にある悲しみと苦しみに耐え続ける人の姿をずっと見てきたよ」

 

その鈴を鳴らしながら小さな声で呟き続ける老僧……

 

「な、なにこれ……」

 

「うっ、き、気持ち悪い……」

 

「うっ……頭……いてえ……」

 

鈴の音が響く度に身体が重くなり、頭痛が俺達を襲う……なんだ、何が起きているんだ。まさかこの近くに大量死の犯人がいるのか!?老僧に視線を向けるが楽しそうに笑っているその姿を見てまさかと言う考えが頭を過ぎる

 

「お前!!!」

 

「……させるか!」

 

【なんか知らんが、くらえい!!】

 

神宮寺さんの炎が、シズクの氷塊が、ノッブちゃんの剣撃が老僧に迫るが、老僧はかかかっと笑いながら跳躍しその攻撃を回避する。だが驚くべきことに老僧はそのまま空中に立ち、ゆっくりとした素振りで座禅を組む……

 

「「「嘘……」」」

 

その光景に絶句し、その次の光景で思わず悲鳴を上げた。しわくちゃの痩せこけた老僧の顔が突如溶け出し骸骨の姿へと変わっていく。まさか……この爺さんが大量死の犯人!?美神さんが神通棍を構え、蛍が破魔札を手にするが、老僧は全く動じた素振りを見せず、穏やかな声で笑いながら名乗りを上げた

 

「かかかか、では名乗ろう。わしはだいそうじょう、魔人常世のだいそうじょう……布施には感謝しておるよ。小僧、ゆえに……礼をしよう。迷わず天上楽土へと導いてしんじよう……」

 

どこまでの澄んだ鈴の音色……戦いとは無縁のその音色が俺達とだいそうじょうの戦いの始まりを告げる音となるのだった……

 

 

 

強い……戦う事を想定していなかったので破魔札や精霊石の数が少ない事を差し引いても、だいそうじょうと名乗った魔人は強かった

 

「抵抗は無意味だ。暴れてくれるな、拙僧は傷つけたい訳ではないのだから」

 

その言葉に思わず嘘だと叫びたくなった。だいそうじょうは常に浮遊を続け、こちらの攻撃を回避し続け、時折思い出したかのように放ってくる札による攻撃。その破壊力は私達の倍以上であり掠っただけでも致命傷になりかねない威力を秘めていた。勝つ事は不可能、なんとかして退けて撤退しないと全滅する

 

「抵抗は無意味。大人しく救済を受け入れよ……南無阿弥陀仏!」

 

だいそうじょうがお経を唱えた瞬間。後ろから誰かが倒れる音がする

 

「横島!」

 

マタドールとの戦い事もあり後ろに下げていたのは横島だけだ。とっさに振り返ると横島が両手で頭を抱え大粒の汗を流しながら

 

「うっ……うぐう……痛い……あ、頭が……割れる……」

 

【ぐっ!なんだこの強烈な思念は!私だけじゃ防ぎきれない!!」

 

苦しむ横島の声と心眼の焦った声……状況はますます悪くなる一方だ

 

【てええい!!】

 

「ほう!自ら飛び込んでくるか、カカカカ、良いぞ、天上楽土へと導いてやろうぞ」

 

【余計なお世話じゃ!!!横島に向けている思念を止めろッ!!!】

 

ノッブがだいそうじょうに斬りかかる。私や美神さんでも反応できないであろう。嵐のような連続攻撃を軽々とかわしながらだいそうじょうは笑う

 

「我らの末席に座れる存在である人間よ、あのものはお前達の陣営にいるべきものではない。我らの陣営にあるべきものよ」

 

こいつもマタドールと同じ事を!やはりなんとしてもこの場でだいそうじょうを退けないと、横島が奪われる

 

(蛍ちゃん!落ち着きなさい!)

 

飛び出そうとした私の肩を美神さんが掴む。どうして止めるのかと怒鳴ると美神さんはもう1度はっきりとした声で

 

「落ち着きなさい!道具使いの私達が道具も無いのにどうやって戦うのよ!」

 

ぐうの音も出ない正論に言葉が詰まる。調査のつもりだったので戦う道具を持って来なかった……だけどこのままだと横島が

 

「っつっ!!」

 

「落ち着きなさいって言ってるでしょうが!」

 

頭に拳を叩き込まれ動きが強制的に止められる。美神さんは顔を歪めながら

 

「くえすもシズクもだいそうじょうを退ける術がないのは判っている。だけどなんであれだけ攻撃しているか、それをよく考えて見なさい」

 

そう言って横島の側に駆け寄って精霊石を横島の額の上に乗せる美神さん。痛む頭をさすりながらだいそうじょうに視線を向ける

 

「我が意に従い、敵を切り裂けッ!!」

 

「……お前の好きにはさせない」

 

くえすが無数の風の刃を飛ばし、シズクが氷柱で弾幕を張る。それは普通の相手ならば消滅させる力を秘めた波状攻撃だが

 

「カカカカ!!!止めよ、お前達の刃は届かぬ」

 

だいそうじょうの身体にはその一切が届かない。やっぱり無駄……そう思った時ふと気付いた

 

(いない?)

 

【三千世界に屍を晒すがよい……天魔轟臨! これが魔王の三千世界じゃあッ!!!】

 

ノッブの召喚した火縄銃から放たれる圧倒的な弾幕。それを見てだいそうじょうが初めて顔色を変えた

 

「っちいっ!」

 

舌打ちと共に射軸から大きく身を翻したのだ。その間に横島に応急処置をしている美神さんに駆け寄り

 

(美神さん、おキヌさんは!?)

 

おキヌさんの姿が無い。それに気付いたのだ、くえすやシズクの攻撃は人数が減っていることに対しての目くらましなのだと判った

 

「今助けを呼びに行ってるわ、この状況で助けになる存在を呼びにね……横島君。大丈夫?私がわかる?」

 

「う……うああ……み、美神さん……な、なんですか……これ……」

 

精霊石と心眼そして横島の側で霊力を放出しているタマモのおかげか。さっきまでの苦悶に満ちた表情ではなく、少し落ち着いた顔色をしている横島に思わず安堵の溜息を吐く

 

「だいそうじょうの攻撃みたい、横島。大丈夫?」

 

「蛍……っぐう……わ、悪い……だ、大丈夫じゃない……あ、頭が……割れる……」

 

歯を食いしばり悲鳴を上げるのを堪えている横島を見て、これ以上は危険だと判断した

 

(お父さん、なにやってるのよ……動いてくれないの?)

 

東京だから直ぐ応援が来てくれると思っていたのに……それともだいそうじょうには強力な結界を張る能力でもあるのだろうか?どちらでも良いのだが、このままでは不味いのは確実……なんとかしてこの場を逃げなければ。そう考えた瞬間小さな声だが、やけにはっきりと聞こえる声が周囲に響き渡った。顔を上げるとそこには太陽を背にした聖奈さんの姿があった

 

「間に合って良かった……離れてくださいッ!!!ブリュンヒルデ……ロマンシアッ!!!!」

 

青い炎と共に投じられた巨大な槍がだいそうじょうに一直線に迫り

 

「ぬっ、ぬおおおおおおお!?!?」

 

「よ、横島!」

 

「横島君!」

 

初めて動揺しきっただいそうじょうの声が周囲に響き渡る中。動くことが出来ない横島をとっさに私と美神さんが最後に取っておいた結界札で自分達を覆った次の瞬間。凄まじい爆発音が周囲に響き渡るのだった……

 

 

 

「けほ……こほ……と、とんでもない事をしてくれますわねッ!!」

 

障壁を張るのが少し遅れていたら私も巻き込まれていた。咳き込みながら立ち上がる

 

「……ま、全くだ。手加減と言う言葉を知らないのか……」

 

水から人間の姿に変化した水神シズクがそう呟く、周囲の被害も大きいが、今の一撃が利いたのかだいそうじょうの姿は無い

 

【あちちちちち!!!な、あんじゃこりゃああああ!!!】

 

一番前線で頑張っていた信長のマントに炎が燃え移り、地面を転げ回っている姿を見て溜息を吐いているとブリュンヒルデが空中から降りてくる

 

「助かりましたが、もう少し周囲の被害を考えて行動してくれませんか?」

 

「……す、すいません……ですが、全力でなければ届かないと判断したのです」

 

そう謝るブリュンヒルデ。だけど言うとおりですわね……だいそうじょうには何か特殊な守りがあったのは間違いない。私の炎も雷もシズクの水も氷をも完全に無効化していた……あの守りの正体を知らない事にはだいそうじょうを倒すことは出来ない。今の攻撃で向こうも逃げていてくれればいいのですが……

 

【美神さん、蛍ちゃん!間に合って良かったです】

 

「おキヌちゃん、ナイスよ……よく間に合ってくれたわ」

 

姿が見えないと思っていた幽霊巫女がその姿を見せる。なるほど、ブリュンヒルデが来たのはあの幽霊が呼びに行っていたからですか……余りに良いタイミングで来てくれた理由が判ったが、今はこの場所で話している場合ではない

 

「ブリュンヒルデ。ルーン魔術を、早くこの場所を離れましょう」

 

「判っています」

 

あの攻撃でだいそうじょうを倒せたとは思えない。ダメージを受けて動かないうちに撤退することにしよう、もしかすると周辺で被害が出るかもしれないが……だいそうじょうを倒せる可能性がある私達が倒れる訳には行かないのだから、ルーン魔術と私の魔法で早くこの場所を後にしましょう。高速で術式を組み上げる……転移する場所はGS協会の神代琉璃の部屋にしましょう。どの道行く場所ですし、話を他の人間に聞かれない場所でもありますから

 

「美神!蛍!横島!こちらへ、転移でこの場所を離れますわよ!」

 

術式が完成した所で美神達を呼び寄せ、転移しようとしたその瞬間

 

「色即是空 空即是色……カーッ!!!」

 

突如だいそうじょうが現れ、お経と共に眩い光を放つのと私達が転移で場所を移動したのはほぼ同時であり

 

「な、何!?え?え!?なにどうしたの!?」

 

突然自分の部屋に私達が現れたことに動揺している神代琉璃には申し訳ないですが、ギリギリで間に合っ……

 

「え?よ、横島?横島!?」

 

どさりと音を立てて倒れた横島。側にいた蛍がその身体に触れて、慌てた様子で口元に手を当て、首に手を当てると同時に大粒の涙を流し始めた……その反応を見て全員の脳裏に最悪の予想が過ぎる

 

「よ、横島君!?ちょっと!?横島君!?」

 

「……横島ッ!?おい!横島ッ!?返事をしろ!!」

 

【横島さん?横島さん?嘘ですよね?冗談ですよね?また起き上がるんですよね?ね?そうですよね?】

 

【……くっ……駄目だったのか】

 

「ちょっ!よ、横島!じ、冗談よね!ね!?そうでしょう!!!」

 

美神とシズクが駆け寄り声を掛けるのを見て、私もよろよろと近づきその首に手を当てて目の前が真っ暗になるのを感じた

 

「みゃ、脈が無い……!?」

 

「そんな!?間に合わなかったのですか!?」

 

転移は間に合ったはずだ。だから私達は無事だ……なのにどうして……どうして横島だけが……

 

「まさか大量死の犯人に遭遇したのね!?そうなのね!?」

 

神代琉璃がそう叫ぶのがやけに遠くに聞こえる……心臓に当てた手には何の鼓動も感じられず……呼吸もしていない、脈も無い、心臓も動いていない……それらの事実が私達に嫌と言うほどに受け入れがたい現実を突き付けていた……

 

「横島が……死んだ……」

 

横島がだいそうじょうによってその魂を肉体から引き離され、その命を終えたと言う現実が私達の前に重く、そして大きく圧し掛かるのだった……

 

横島は死んだ。それは紛れも無い事実……だが美神達は気付くことがなかった。横島が首から下げている青い小瓶が淡い光を放っているということに……それが何を意味するのか、今はまだ誰も知らない……

 

リポート13 常世のだいそうじょう その3へ続く

 

 




横島がだいそうじょうによってその魂と肉体を切り離され……死んでしまいました。だいそうじょうと言えばその凶悪すぎる「即死」技性能と凄まじい数の耐性ですよね、ほとんどの属性に強いという正に魔人と言うべき存在です。横島が次話以降どうなるのか?伏線は用意しておきました。次回の更新も楽しみにしていただければ幸いです、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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