GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はだいそうじょうとの2戦目とアシュタロスや美神などのだいそうじょうへの対策の話を書いて行こうと思います。前回同様、今回の話も少し長くなると思いますがどうかよろしくお願いします


その5

 

 

リポート13 常世のだいそうじょう その5

 

琉璃に何とか廃れた神社などで保管されていた装飾品を借りる許可を何とか強引に取り付け、事務所に帰る。御神体となっている装飾品でどれだけ防御が上がるか判らないが、それでも無いよりは絶対に効果があるはずだ

 

【オーナー。お客様がお待ちです】

 

「お客様?いっちゃん。依頼は引き受けることが出来ないって言って行ったわよね?」

 

朝出発する前に依頼者には悪いけど、今は依頼を引き受けることが出来ないって伝えてくれって言ったわよね?と尋ねるといっちゃんは

 

【はい。存じております。ですが、依頼人ではなく、同業者ですので……夜光院柩様がお待ちです】

 

「柩が!?」

 

未来予知能力で面倒ごとを避けるかのようにふらふらしている柩。本来なら連絡を取るのさえ難しいあいつがどうして……まさか何かあったのではと思い慌てて階段を駆け上がる

 

「やあやあ、焦らせたようで悪いね。くひひひ」

 

いつもの焦点の合わない瞳。そして不気味な笑い声と全く普段通りの姿に安堵の溜息を吐きながら

 

「今どういう状況下知ってるでしょ?何しに来たの?」

 

柩の事だ。だいそうじょうの攻撃で横島君が死んだことも知っているはずと思い尋ねると、柩はくひひと笑いながら

 

「まぁ大体は知ってるよ。横島が無事で良かったよ、ボクは彼に凄い興味があるんだ」

 

興味?……まさか恋愛感情とかだったらまた一騒動になるわねと思いながらも、藪を突いてなんとやら、あえてそれを問いただすような真似はしない

 

「もう直ぐここに最高の知らせが来るからね、ボクもそれに同席したいと思ってね」

 

最高の知らせ?柩にその言葉の意味を尋ねようとしたとき。目に涙を浮かべたおキヌちゃんが壁から顔を出して

 

【横島さんの魂の緒の修復が済んだそうです。もう心配は無いと心眼さんが言ってます】

 

その報告は柩の言うとおり最高の知らせであり、私は来客用のソファーに腰掛け

 

「良かったわ。このまま悪いけど、蛍ちゃんにも教えてあげてくれる?彼女も心配していたから」

 

判りましたと元気よく返事をし、姿を消すおキヌちゃん。その速さに苦笑しながら

 

「それでこの後はどうするつもり?」

 

態々柩が出てきたのだ。これで終わりではないはずと思いこの後はどうするつもりなのか?と尋ねる

 

「くひひッ!!後でどうせ対策を練るのと、横島に動かないように釘を刺しに行くだろ?それに同席させて貰うよ」

 

くえすの安心しきった顔を見たいしね!と笑う柩にそうなのと返事をしながら立ち上がり

 

「何か飲む?後で未来予知の結果を教えてもらうけど」

 

「ぜひお願いするとも」

 

とりあえず横島君の容態が安定し、そして未来予知が出来る柩も訪ねて来た。これでだいそうじょうへの対策が出来る、もしかすると襲撃してくる時間まで判るかもしれない。私はそんなことを考えながら2人分のコーヒーの準備を始めるのだった……

 

 

 

 

シズクに言われたと言うこともあり1度家に帰ったが、正直シズクが期待しているような霊薬などは無いと思う、もしあるのなら横島の家に行くときに私に渡してくれているだろうから、それでも私が1度家に戻ったのは理由がある。確かに霊薬などは無いかもしれない、だが霊具ならあるかもしれないという期待だ

 

(もしもだいそうじょうの人間を即死させる魔法が連続で使えたのなら……今度は全滅する)

 

1度目の戦いで逃げることが出来たのは向こうも様子見と言う感じだったからだ。息を吹き返したがそれでも横島が死んだ……2回目の戦いで様子見なんて真似はまずしてこないだろう……ならば必要なのは即死魔法を回避するための装備であり、お父さんも探してみると言っていたのでその結果を聞こうと思ったのだ

 

「ただいま」

 

「おかえり、蛍。大分探してみたんだが、やはり即死に対する防御を上げる術や道具はないね。今から作る事は出来ると思うが……即席の道具となると信用性が問題になると思う」

 

お父さんの言葉にやっぱりかと心の中で呟きながら、ソファーに腰掛ける。道具のコレクターでもあるお父さんが持っていないとなると、神魔に協力を要請しても多分そういった道具は手に入らないんだろうなと理解した

 

「すまないね。魔人と神魔は似て非なる存在だ。魔人の扱う術は神魔でも理解できない物が多い」

 

「判ってるわ、もしかしたらって思っただけだから」

 

もしかして即死などに関係する道具が無いかとかってに期待しただけだから……無くて当然と思っていたから、無いと言われても思ったよりも落胆していない

 

「すまないね。ところで蛍。美神さんと一緒にだいそうじょうの持ち物らしい物を見つけたらしいね」

 

どうして?と思ったが、ドクターカオスから聞いたのだろうと思い、その通りと返事を返す

 

「あれは見ているだけで自分の力が活性化するのを感じたけど……あれは何かの霊具なの?」

 

「いや、それに関しては判らない。私とて万能ではないからね、だけど蝋燭と言う形に何か意味があるのだと思うよ」

 

蝋燭は普通に使えば溶けて消える。霊具としては使い捨てになる筈だ、蝋燭で作る意味は少なく、態々蝋燭で作ったその事に意味があるのでは?と考えるのが普通だ

 

「考えられるのは魂を集める、魂を呼び寄せるだが……他に考えられる物として1つある。それは魔人であるという証明だ」

 

「魔人であるという証明?」

 

お父さんの言葉に思わずそう尋ねかえるとお父さんは自信満々の表情でそうだと言う

 

「そもそも私はソロモンの魔神と言う括りを持つし。小竜姫は密教や道教。ブリュンヒルデは戦乙女……神魔にはその神魔である証明と言うものがある」

 

まぁ一言で神魔って言ってもその種類や姿は千差万別だ。メドーサだって名前こそメドーサだが、その姿は中国系でギリシャ神話のメデューサとは似てもに似つかないし……

 

「つまりその蝋燭は魔人である己を証明する為の道具であり、更に何らかの効果を持つのでは?と私は考えている」

 

「そうなるともしかしたらマタドールも所持している可能性が?」

 

あると思うねとお父さんは呟く、魔人同士は数が少なく稀少だと言っていた。恐らく仲間意識は強いだろうし、集まる時に目印となる道具をお互いが持っていてもおかしくは無い

 

「とは言え、確証がある訳でもないからあくまで推測だがね」

 

仮に強力な霊具としても蝋燭と言う形状上。そう何度も使える道具ではないだろうし、蝋燭ならば火を消せばいいと笑うお父さんに

 

「やっぱりもしだいそうじょうが現れても?」

 

「ああ、私は協力出来ない。私は過激派と思われていなければならないから」

 

判っていただが、こうして言われると少し辛い物がある。だいそうじょうの強さは1度の戦いで理解した、次は生き返るという保証も無い。出来る事ならばお父さんに協力して欲しかったのだが……

 

「一応ドクターカオスと協力して、霊力の集束能力を強化した神通棍などは用意するつもりだし、可能ならばメドーサを応援に回すが……彼女も彼女で魔界での情報収集に忙しい、私から用意出来るのはある程度の装備だけになると思う」

 

「ありがとう、それだけでも嬉しい」

 

だいそうじょうに有効的な攻撃が不明なので手札は多い方が良いのは明白。それに強力な武器と言うのはそれだけでもありがたいのだ

 

(詠唱させる暇を与えないっていうのも1つの手段だろうしね)

 

転移する瞬間に聞こえたのだが、だいそうじょうはお経を読み上げていた。つまりそのお経こそが即死魔法発動の鍵なのでは?と考えるのは当然。つまり連続で攻め続ける事で読経をさせない、単純な上に対策とは言いがたいが、それこそが即死を防ぐ最大の守りなのかも知れないと考えていると土偶羅魔具羅が失礼しますと声を掛けてからお父さんの部屋に入ってきて

 

「幽霊のおキヌが尋ねて参っております。なんでも横島が完全に意識を取り戻したと」

 

「お父さん!私出てくるから!」

 

横島の家に居る時は意識がはっきりしておらず、私を見て誰?と言われたのは正直堪えた。だけど完全に意識を取り戻したと聞いて私はじっとしている事が出来ず、土偶羅魔具羅の横を駆け抜けエントランスへと続く階段を駆け下りていくのだった

 

「やれやれ、蛍には困ったものだ。教えてくれてありがとう、土偶羅魔具羅。下がってくれて構わないよ」

 

「では失礼いたします」

 

蛍の出て行った部屋で優太郎が穏やかに微笑み、土偶羅魔具羅に退出を促し、奥の部屋で待っていてくれた客人の元へ向かう

 

「大丈夫かい?」

 

「い、胃がいたい……横島が死んだとルイ様に報告が入って、こっぴどく怒られた」

 

机に突っ伏しているベルゼブルに優太郎は無言で胃薬の瓶を手渡し、そのままベルゼブルが入手してきた情報と自分の情報を交換する、ベルゼブルはどうしてこんな事にと呟きながら去っていき、残された優太郎は通信兵鬼を手にし、ある場所へとコールする

 

『電話してきたということは緊急事態か』

 

「そうなんだ、実際負傷の所はどうだい?」

 

『問題ない、既に回復している。どうする?俺が出るか?』

 

「すまないが、頼めるか?ビュレト」

 

『任せておけ。直ぐに魔界を発つ』

 

確かに優太郎自身は戦う事は出来ない、メドーサを応援として送り出すことも難しい。だが得た情報を元に動く事ができる。こうして応援を呼ぶ事もまた、優太郎が出来る戦いであり、そして今優太郎が出来る精一杯の応援だった

 

「さてと、後は間に合うかギリギリだが準備をするか」

 

ビュレトと連絡を取った優太郎はそのまま荷物をまとめ、自らの拠点を後にした。逃亡などではない、ドクターカオスと協力し、新型の神通棍を作る。その為にドクターカオスの家へと向かうのだった……

 

 

 

自分では起きていたつもりなのだが、何度も気絶を繰り返していたとシズクと心眼に聞いて、霊体への直接攻撃のダメージの大きさを知った。変身でダメージを受けたのは自覚しているがそれを超えるダメージを受ける……霊体を直接攻撃できる相手と戦う危険性を身を持って知る事になった。

 

「……でも良かった。これで安心だ」

 

【うむ、本当にな。安心した、魂が何度も抜け掛けておったからな】

 

良かった言うシズクと、怖い事を言うノッブちゃん。2人が心配してくれているのがよく判る、心配掛けてごめんと言うと、お前が悪くないのに何で謝ると言われ謝る事も出来ない

 

「みむう……」

 

「ぴぎゅ!」

 

「くう」

 

心配そうに擦り寄ってくるチビ達の頭を撫でているとチャイムの音が鳴る。反射的に立ち上がりかけたがシズクの凄まじい眼力に浮き上がりかけた腰を元に戻すと、それで良いとシズクが呟き玄関へ向かう。俺はノッブちゃんとチビ達を一緒にリビングに残される

 

【まーあれはかなり心配性だからな、暫くは動かん方がいいぞ】

 

「……うん。判ってる」

 

何かしようとするたびにあんな目で睨まれては精神的にも宜しくない。とりあえずシズクが見に行ってくれているなら大丈夫だと判断し、俺は膝の上に上ってきたチビとうりぼーの背中を撫でながらシズクが戻ってくるのを待つのだった……

 

「やあ、横島」

 

ここ最近姿を見なかった柩ちゃんを先頭に美神さん、蛍、神宮寺さん、シズクの順番でリビングに入ってくる

 

「柩ちゃん?それに美神さんに蛍に神宮寺さんも……」

 

訪ねて来た面子に驚く、美神さんや蛍が来るのは判るんだけど……どうしてこれだけ大人数で訪ねて来たのか?と思わず首を傾げる

 

「横島の容態が安定したと聞いたので様子を見に来るついでにだいそうじょうと戦う時の話をしにきたのですわ」

 

俺の疑問に答えてくれる神宮寺さんにありがとうございますと呟く。美神さんや蛍が真剣な表情で俺を見ているのは霊視をしているからかと納得もした。なんか睨まれているように思えて、怖かったんだよなと心の中で呟く。

 

「今回は無事ですんだけど、横島君。だいそうじょうと戦う事になるけど、横島君は自宅待機よ」

 

シズクがお茶を持って来てくれてからだいそうじょうと戦う事に対しての話になったのだが、やっぱりと言うか、俺は自宅待機となった……と言うか

 

「……この状況の横島を戦わせるというのなら、私はお前達を殺す」

 

【過保護すぎ!是非も……「黙れ」ノッブウウ!?】

 

逆立った髪を揺らめかせるシズクに心底恐怖し、過保護すぎと笑ったノッブちゃんがシズクの髪に殴り飛ばされた……そのとんでもない光景に俺は思わず絶句してしまった。しかしシズクが言うまでもないのか美神さん達も戦わせるつもりは無いときっぱりと断言した

 

「理由は説明するまでも無いと思いますが、霊体へのダメージの事が最大の理由ですわ」

 

「今無理をすると霊能者として再起不能になる可能性も高いし、だいそうじょうが横島を狙っているのは明白だから大人しく家に居てよ?」

 

神宮寺さんと蛍にそう言われるが、それは勿論判っていた事だ。だけどそれは俺だけの話じゃないはず

 

「でも美神さん達は大丈夫なんですか?」

 

だいそうじょうの即死攻撃を受けたら駄目と言うのは美神さん達も変わらない条件の筈だ。美神さん達は大丈夫なんですか?と尋ねる

 

「一応対策としては高純度の精霊石とかで身を護る予定よ。後は三蔵法師達が協力してくれるって話になってるし、ノッブや沖田ちゃんにも協力を頼む予定」

 

元から死んでいるから、生者よりも即死攻撃に対応できる可能性があるとの事だ

 

「くひひ、まぁ仕方ないさ。横島、君がいないのは確かに痛手になるが君が死んだほうがリスクが高い」

 

「俺が死んだ方が?」

 

柩ちゃんの言葉を鸚鵡返しで尋ね返すと、蛍が気まずそうな顔をしながら

 

「シズクとか、タマモが暴走しかけたのよ。もしそうなればだいそうじょうなんて目じゃない脅威が生まれる事になるのよ?」

 

水神で竜神のシズクと九尾の狐のタマモが激情のまま暴れるリスクを聞いて、確かにそれは不味いなと思った。だけどそれ以上にそこまで心配させてしまったことに申し訳なさを覚える

 

「人数の方はこれから唐巣神父やエミに連絡して戻って来て貰う予定です」

 

そう言えば、エミさん達も除霊で東京にいないって言ってたっけ……だいそうじょうがまた現れる前に戻って来てくれると良いんだけど

 

【横島さん、美神さん達が心配なのは判りますけど、横島さんの方がまだ危険なんですよ?まずは自分の身体の心配をしてください】

 

おキヌちゃんに心配そうに言われ、神宮寺さん達にもその通りと言われる。

 

「それにまだ横島君が私達の心配をするのは100年早いわよ」

 

「その通りですわね。見習いなのだから、私達が無事に勝つと信じていれば良いですわ」

 

自信満々の美神さん達の表情に悲壮感や不安の色は無く、何か勝算があるのだと判り俺が心配するのは確かに早いなと苦笑する

 

「とりあえずだいそうじょうが襲ってくるまでは、まだ数日の猶予がある。だからそれまでに横島の体調が回復すれば、合流する事も出来るさ、いや、むしろ横島がいないとだいそうじょうが現れないかもしれない。ま、それは今後の未来予知の結果次第だけど……くひひ、まぁ、まずは自分の身体を治す事に集中しなよ」

 

柩ちゃんにも安静にしているように言われる。皆に心配させていることが申し訳ないと思うし、でもそれだけ心配して貰えて嬉しいとも思い何だか複雑な気分だ。ただ俺がいないとだいそうじょうが現れないかもしれないと言うのは美神さん達も初めて聞いたのか、柩ちゃんに視線を向けて

 

「そんな話聞いてないけど?」

 

今見えた未来だからねえと飄々とした表情で言う柩ちゃん。それに対してしかめ面をしている美神さん達……どうすればいいのかおろおろしていると美神さんは深い溜息を吐きながら

 

「とりあえずの流れは説明したから、私達は霊具とかの準備に柩の未来予知に合わせてだいそうじょうと戦う準備をするから帰るわ」

 

俺の事はとりあえず保留。出来る限り待機できる方向で調整すると俺の言うと、だいそうじょうのとの戦いの準備の為に帰ると聞いてちょっと待ってと欲しいと美神さん達を呼び止める

 

「柩ちゃんに渡す物があったんだ。ちょっと待っててくれ」

 

「……私が持ってくるぞ?」

 

シズクがそう言ってくれるが、自分で取りに行きたいとシズクの申し出を断り俺は自分の部屋へ向かった

 

「はい。これ」

 

美神さんや神宮寺さんもいるので渡すべきか悩んだが、また何時会えるか判らないので今渡しておく事にした

 

「柩にプレゼント?横島って柩とそんなに仲良かった?」

 

怪訝そうな顔をしている蛍に何と説明すればいいのか困惑していると、柩ちゃんは俺の渡した箱を開けて

 

「黒皮のチョーカー?くひひ!年下にプレゼントするにはいささか相応しくないものじゃないかなあ?」

 

それは俺も思っている。美神さん達の険しい視線と蛍の小さいロリコンの上にS?と言う呟きに慌てながら

 

「いや違う違う!柩ちゃんの能力が暴走してるって聞いたからヒャクメさんに用意して貰ったんだよ」

 

だから俺が買って来た訳じゃないと叫ぶ。だが美神さん達はまさかと叫び

 

「横島君、貴方まさか原始風水盤の報酬で!?」

 

「なんで自分の為に使わなかったの!?」

 

蛍や美神さんに詰め寄られるのだが、その圧力と迫力に気圧される。チビやうりぼーはその迫力に完全に怯えて身体を小さくしている、俺も出来たら隠れたいなあとか思いながらも、説明しなければ終わらないと思い理由を説明することにする

 

「そりゃ確かに悩んだけどさ。このままじゃ柩ちゃん若くして死んじゃうって聞いたら……さ。何とかしないと思って」

 

確かにヒャクメさんに頼む前は悩んだ。だけど知り合いが死ぬのは嫌だったからと言うと心眼も

 

【私も考え直せと言ったんだがな。目の前で助けれるかもしれないのに、何もしないのは嫌だと言う横島に押し切られてしまった】

 

俺と心眼の言葉に美神さん達が深い溜息を吐く中。柩ちゃんはそのチョーカーを首に巻いて

 

「……全く、こんなのが貰えるなんて思っても無かったよ」

 

「本当に暴走している能力は止ったんですの?」

 

神宮寺さんの問いかけに柩ちゃんは見た事のない綺麗な笑みを浮かべながら

 

「ああ。完全に止ってるよ、脳に直接やすりを掛けられているような痛みも綺麗さっぱりない」

 

脳に鑢!?その余りの表現に思わず絶句する、平気そうにしているが、まさかそこまでの痛みに耐えているなんて思っても見なかった

 

「横島ありがとう、このプレゼントは嬉しいが……流石にここまでされると何でお返しすればいいのか判らない」

 

「いや、俺が勝手にした事だから」

 

だからお返しなんていらないと言うと柩ちゃんは悪戯っぽく笑いながら

 

「……ボクの身体でお返ししようか?」

 

「いやいやいやいや!?そういうつもりじゃないから!!!」

 

ずいっと詰め寄ってきた柩ちゃんにうろたえていると、蛍が鬼の形相柩ちゃんの肩を掴んで俺から引き離す

 

「はい!離れる!じゃあ!横島!だいそうじょうの事は気にしないでいいから!自分の身体を治す事を考えてね!」

 

早口でそうまくし立て、美神さんと神宮寺さんに行きましょうと言って柩ちゃんを連れて行ってしまう。玄関の扉が閉まる大きな音が聞こえてきた所で、俺はゆっくりと深呼吸をして

 

「俺何か間違えた?」

 

【いや。何も間違えてはいないさ】

 

「……助けたいと思う気持ちは間違っていないと思うぞ?」

 

【そういう所も、横島さんらしさだと私は思いますよ?】

 

だよな……?まぁ自分の報酬を他人の為に使うのは確かに馬鹿だったと思うけど、これで柩ちゃんが長生きしてくれるなら良いよな

 

「それよりさ、シズク。腹すいたんだけど……なんか作ってくれるか?」

 

食欲が出てきたのか、さっきから腹が鳴いてるんだというとシズクとおキヌちゃんが柔らかく微笑みながら、準備してくれると言ってキッチンに向かう。俺はチビとうりぼー、それにタマモを抱き抱え、リビングに寝転がりながら2人の料理が出来るのを待つのだった……なお横島が柩を助ける事が出来たと満足げに笑っている頃。横島の家の外では

 

「柩、貴方がまさか横島とそこまで懇意にしているとは思いませんでしたわ」

 

「……あんまり横島に近づかないでくれると嬉しいなあ……」

 

くえすと蛍の凄まじい迫力に対して柩は余裕綽々と言う笑みを浮かべて

 

「恋愛は自由意志さ。だからどうこう言われる筋合いは無いよ!ま!このまま一緒だと殺されかねないからボクは帰るよ!」

 

逃がすかと言わんばかりに伸ばされたくえすと蛍の手をするりと回避し、そのままバックステップで距離を取った柩はいつも通りの飄々とした表情で

 

「だいそうじょうが現れるのは明後日の夕暮れ時だ。その時までに準備を終わらせると良いよ、じゃあね!」

 

だいそうじょうが現れる日時を伝え、また明日美神の事務所に行くよと言って蛍達の前から姿を隠すのだった……

 

「とりあえず、柩が横島君に恋愛感情を持ってるかは別にして、だいそうじょうに備えるわよ」

 

柩の消えていったほうを鬼の形相で見つめている蛍とくえすに美神はそう声を掛け、2人をバンに乗せて横島の家の前を離れるのだった……なお柩は柩で横島がヒャクメに頼み用意して貰ったチョーカーに触れて

 

「……こ、ここまでされると、流石のボクも……」

 

その青白い顔を鮮やかな朱色に染め上げ、恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに笑いながら横島の名前を呟くのだった……

 

 

 

身体も神通力も回復した。人間だった時の姿に戻り、托鉢の為の鉢を手に街を歩いていたのだが……

 

(ふむ……これは拙僧を追い込むための)

 

最初こそ大勢の人間の姿があったが、今は人の気配はなく、そして拙僧を誘い出す為の神通力……十中八九拙僧を倒すための罠……引き返すかと言う考えが一瞬脳裏を過ぎるが……

 

(これ以上の失態は流石に無理じゃな)

 

拙僧の探知エリアに赤騎士殿の気配がする。恐らく姫様が拙僧の戦いを見ているだろう……なればこそ引き返すと言うことはありえぬ。ならば進むしかありえまい

 

「さて、またまみえたな。人間よ」

 

広い広場に出た所でそこで待ち構えている人間を見てにやりと笑う。拙僧が魂を刈り損ねた小僧の姿もあるが、厳重に護られているその姿を見ると拙僧を誘き出す為に連れては来たが、戦わせるつもりは無いと言うところか……次に周りにいる人間に視線を向ける神聖な気配を放つ霊具などで完全装備している人間の姿を見てやはり誘い込まれたかと笑いながら魔人としての姿をとる

 

「高僧だいそうじょう。貴方の救済は間違っているわ」

 

「あの時は不意打ちでしたが……今回は真っ向から参ります」

 

「ほほう。英霊も戦力にしておるか……カカカカ!よかろう、よかろう」

 

両手に鉄甲を嵌めた白い衣装の英霊……その身に纏う清廉な気配から天界に属する英霊だと確信する。更には拙僧の腹に風穴を開けた槍を持つ魔族……確かに戦力は前よりも充実しているだろうし、何よりもここに誘い込んだという事は何か勝算があるのだろう。だがその全てを真っ向から叩き潰してこそ、どこかで見ている姫様を楽しませる事が出来るだろう

 

「我が信じる道に一切の迷いなし……汝らの救済……この常世のだいそうじょうが案内仕る……」

 

夕暮れの中に響く鈴の音色……それがだいそうじょうとの2回目の戦いの始まりを告げる音色となるのだった……

 

 

次回仮面ライダーウィスプは!

 

聖女マルタ、戦乙女ブリュンヒルデ、英霊信長の3人を加え、更にはドクターカオス、優太郎作成の新しい霊具……準備出来る万全の戦力と人員を集めた美神達

 

「南無阿弥陀仏……大多数戦こそ我が英知が輝くと言う物」

 

しかしだいそうじょうの不可思議な術の前にその能力を押さえ込まれ、徐々に戦いのペースを奪われていく

 

「オラアア!」

 

だいそうじょうの手が横島を護っている結界に伸ばされ掛けた時。ビュレトがその戦いへと乱入する。ビュレトの登場で戦いの流れが美神達への方へ傾きかける……がそれもまただいそうじょうの計算の内だった

 

「色即是空 空即是色」

 

だいそうじょうに詠唱をさせない。それが美神達の一貫した戦術だったが、一瞬の隙をついて唱えられただいそうじょうの呪文が美神達の動きを大きく束縛する

 

「くそっ!こうなったら……」

 

美神達が危ない、戦ってはいけないと言われていた横島だがそんな状況を見て眼魂を手にした瞬間

 

「病人が戦おうとするんじゃねえ」

 

「お、お前は!?」

 

新たな乱入者が横島を静止する。その腰には暗い色合いのゴーストドライバーが巻かれていた。その手に握るは呪いの眼魂

 

「ここからは俺が相手だ、骸骨野郎」

 

【カイガン!ホロウ!心中!ゲッチュー!ガクガクゴーストッ!!!】

 

次回 新たなライダーへ続く

 

 

リポート13 常世のだいそうじょう その6へ続く

 

 




次回は二号ライダーの登場とだいそうじょうとの戦いを書いて行こうと思います。誰が変身しているのか?そこを楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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