GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド 作:混沌の魔法使い
頑張って書いて行こうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
リポート13 常世のだいそうじょう その7
結界の外からビュレト達が攻撃しているのが見えるが、その程度の攻撃では拙僧の結界は破れない。だから拙僧は目の前の小僧との戦いに集中できる
「拙僧は常世のだいそうじょう。お前の名を聞こうか」
「陰念」
陰の念……なんとも言えん名前じゃなと苦笑しながら、手にした鈴を陰念へ向け
「ならば陰念、呪われた者よ。汝の魂の救済……このだいそうじょうが引き受けよう」
「いらねえよ。大体あんたが本当に魂を天上楽土に導けるかも怪しいぜ、致命的に間違っているあんたによ」
ここに来ても拙僧を挑発する陰念だが、決してカッとならず冷静に
「同じ仏門だというのならば、拙僧の功徳が判るだろう?」
「ああ、判るさ。だから言わせて貰うんだよ。あんたは致命的に道を間違えたってな」
仮面越しだがその視線に哀れみの色が混じっている事に気付くが、そうかとあえて笑う
「では陰念。拙僧の間違いとやらを教えて貰おうか!」
「ああ、教えてやるさ。この拳でな!」
拙僧が鳴らした鈴、それが戦いの合図となり、夕日が沈み闇の世界になりつつなるこの広場で魔人対人間の戦いが幕を開けたのだった……
結界に何度か結界崩しの術式を刻んで剣を叩き付けるが効力は発揮されたように思えない。俺達の使う結界とは根底から異なる結界かと舌打ちする。復帰戦と言う事で意気揚々とこの戦場に乗り込んできたが、だいそうじょうの手の平で踊らされていたと言う事実に気付き激しい怒りを感じたが、致命的に相性が悪い相手だったという事にいまさらながら気付かされた
(大多数に特化した術師か)
俺やマルタには効果が無かったが、人間の正常な思考を奪う術を広域で展開した。それによって防御を忘れた美神達はまとめてだいそうじょうの術に落ちた
「ブリュンヒルデ!マルタ!美神達の治療に当たれ、俺は周囲の警戒をする!」
結界の中で何かを話しているのが判るが、向こうの声が聞こえないと言うことはこっちの声も聞こえない。そしてこっちは向こう側に干渉出来ない。本当ならば助太刀をする所だが、それすらも出来ないのならばだいそうじょうの術中に嵌っているであろう美神達の治療が最優先だ
「美神達の精神状態が心配だ。俺には回復は使えない、ブリュンヒルデとマルタだけが頼りだ。だいそうじょうが齎した被害は聞いていないのか?」
呆然としているマルタとブリュンヒルデに連絡くらいちゃんとしておけと心の中で怒鳴りながらだいそうじょうが齎した被害を説明する
神魔の天敵と言われる魔人だが、その中でもだいそうじょう自身の神魔の殺害数はさほど多い者ではない。だが決して神魔を殺していない訳ではない。神魔同士の精神を狂わせ同士討ちをさせたのだ、恐らく美神達も何らかの精神操作を受けている
「判りました、直ぐに治療に入ります!」
「即死だけじゃなくてこんな絡め手も使う相手だったなんて」
俺やマルタではなく美神達だけを狙っての精神攻撃。神魔を狂わせる攻撃だ、人間では抵抗するまでも無く術中に落ちるだろう。早くしなければ精神に重大な後遺症を残すかもしれない、治療を急げと指示を出し周囲の警戒の為に広場を飛び出し
(ちっ!やっぱり居やがった)
視線を感じるのでどこかで誰か見ていると思ったのだが、ビルの縁に腰掛けて戦いを見ているルシファー様の姿に舌打ちする。だが視線の主はルシファー様だけではない、もう1人存在するはずだ。上空でその視線の主を探し見つける
「よう、争乱の赤騎士様が1人でなにをしてるんだ?」
「……ビュレトか、引くが良い。今は戦うつもりは無い」
真紅の化馬に跨った骸骨……レッドライダーが俺を見つめるが、興味がなさそうに視線を逸らす
「お前が乱入しないって言う保障はねえ。ここで監視させて貰うぜ」
「……ちっ、あの方の命令さえなければ、貴様の首を刈り取ってやるものを……」
腰から下げた剣に手を伸ばしかけたレッドライダーは不機嫌そうに腕組みをし、お互いにお互いを警戒し、どちらかが剣を抜けば即座に臨戦態勢に入れる準備をしながら、だいそうじょうと陰念の戦いに視線を向けるのだった……
美……かみ……美神さ……ん……美神さん!しっかりしてください!!必死に私を呼ぶ誰かの声にぼんやりした意識の中ゆっくりと目を開く。そしてその瞬間に感じたのは頭が割れるかと思うほどの激しい頭痛だった
「……よ、横島君?……なんで結界の……外に?」
結界の中にいろと言った筈の横島君が何で結界の外に?それになんで私は倒れているのか?だいそうじょうはどうなったのか?と言う数々の疑問が脳裏を過ぎるが、頭痛があまりに激しくて考えが纏まらない
「マルタの姉御!美神さんが意識を取り戻しました!」
「姉御言うなあ!とにかく!直ぐ行くから、待ってなさい!」
マルタの怒声と横島君の泣きそうな声に困惑しながら身体を起こす。頭痛に顔を歪めながら周囲を確認すると蛍ちゃんやくえすも同じように倒れていて、マルタとブリュンヒルデの治療を受けているのが見える
「美神さん。横になってください!」
「な、なにが……あった……の」
だいそうじょうに攻撃していた記憶はある。だけど、それ以降の記憶が無い。何があったのか?と尋ねると心眼が何があったのか教えてくれた
【だいそうじょうの精神攻撃を受けていたのだ。攻撃性が強化されていた】
精神攻撃?だいそうじょうは即死魔法だけではなく、そんな攻撃も出来たのかと驚愕する
「だい……そうじょうは?……逃げたの?」
そうでなければ治療をしている時間なんて無いはず。ビュレトが応援に来てくれたのは覚えている、ビュレトとブリュンヒルデとマルタで撃退してくれたのか?と思っていると横島君は信じられないという表情で
「陰念がゴーストドライバーと眼魂を使って戦っています」
「なんですって!?うっ……」
横島君の言葉に慌てて身体を起こしたが、激しい頭痛に再び倒れこむとマルタが駆け寄ってくる。
「今治療するわ。言っておくけど、霊力はギリギリまで消耗しているから戦えるなんて思わないでよ」
マルタから戦える状態じゃないんだからねと注意されてから、マルタが手にしている杖を振るう。その杖から放たれた光を浴びていると頭痛が徐々に治まってくる
「ありがとう横島君。もう大丈夫だから」
頭痛が治まったのでゆっくりと身体を起こす。横島君が心配そうに無理をしないでくださいねと言うので大丈夫だからと声を掛ける
「本当ね……どうして」
横島君の変身した姿とはだいぶ違うが、確かに良く似ている。肩のプロテクターさえなければ、どう見ても同じ装備にしか思えない
「!!」
「!!!!」
結界の中で何かを叫びながら戦っているのは判るのだが、何も聞こえないし、向こうからの衝撃も来ない。マタドールが展開した結界と同じタイプの結界だと判断する、もしかすると魔人全員が所有している能力なのかもしれない
「美神さん、無理をしないほうが良いですよ」
「横島の言うとおりよ。シズクもダウンしているし、術の後遺症が残ってるはずだから」
横島君とタマモが無理をしないほうが良いと言う。大丈夫と言って立ち上がろうとするが、貧血と似た症状と共に倒れこみ横島君のタマモに慌てて支えられ、再び広場に横にされおきてないといけないと判っていたのに私の意識は深い闇の中へと沈んでいくのだった……
拙僧の放った幻術も精神操作も防ぎ、殴りかかっていくる陰念。神魔と比べればその圧力は恐れる物ではない。恐れる物ではないはずなのだが……陰念の身体を覆っている鎧。それが拙僧とは致命的に相性が悪かった
「くっ!」
「どうした、避けてばっかりじゃねえか」
振るわれた拳が霊子を乱される感覚がする。その鎧は拙僧の霊子を砕くだけの能力を秘めていた
(マタドールが離反した理由も判るな)
あの戦闘凶の事だ。自分を滅する可能性を持つ何かに強い興味を抱いたのだろう、そして自分を倒せるまで育つのを待つ事を選び離反したのだろう。あやつらしいと言えばそうなのだが1度失態を犯している拙僧に敗北は許されない
「仕方あるまい」
鈴を懐に仕舞い。印を結ぶそれと同時に陰念の身体が炎に包まれる
「ぬっ!ぐ、ぐうううう!?」
地面を転がり必死に火を消そうとしている陰念。その僅かな隙に使える全ての強化を拙僧自身に付与する
「ふんっ!」
起き上がった陰念の頭目掛け、掌底を繰り出す。肩まで突き抜ける衝撃と共に陰念の身体が吹き飛ぶ
「ぐはっ!」
「確かにその鎧は強固だろう。拙僧の力では砕けぬよ」
拙僧はあくまで術者。ゆえにその打撃力は他の魔人の中でも最下位だ……だが霊力や神通力の扱いは魔人の中でも上位であるという自負がある
「打撃と同時に拙僧の力を叩き込む、鎧は壊せぬが……お前は何時まで耐えれるかな?」
「はっ!とんだ、くそ坊主だ。こんな隠し手を持ってやがるとはな」
咳き込みながら立ち上がった陰念。その気迫は先ほどよりも強くなっておりマタドールと同類かと心の中で呟き
「今その鎧を解除するのならば、安らかに天上楽土へと導いてしんじよう」
拙僧が求めるのは人類の救済。ゆえに人間を痛めつける事は好きではない、ゆえに抵抗するなと宣言するが
「まだそれを言うか、自分が間違っているのにも気付かないで」
「拙僧は間違ってなど居らぬ。苦しみしかない現世から救うこと、それのどこが間違っている?」
拙僧は見た。争いで、飢餓で、疫病で、苦しみながら、血を吐きながら死んでいく者達の姿をそれを苦しみから救ってやりたいと願って何が悪い
「それが間違っているんだよ。人間はいずれ死ぬ、ああそうだ。どんな人間だって必ず死ぬさ、寿命で、病気で、怪我で……人間なんて神魔やあんたからすれば簡単に死ぬ存在だろうよ」
魔やあんたからすれば簡単に死ぬ存在だろうよ」
「だからこそ拙僧は苦しまぬように天上楽土へと導いてやるのだ」
弱い存在だから、簡単に死んでしまうから。苦しまないように拙僧の術で眠っている間に救済してやるのだ
「人間は死ぬために生きている、ああそうだ。何時死ぬかも判らない、簡単な事で死ぬさッ!」
「だから拙僧は救うのだ、人類を」
走りながら繰り出された拳を受け流し、距離を取って放たれた回し蹴りを受け止めそのまま投げ飛ばす
「ぐっふ!」
結界から背中に叩きつけられせき込む陰念だが、直ぐに立ち上がり拳を繰り出してくる
「確かに苦しまないで死ねるのならそれは幸せかも知れねえ。俺は実際死に掛けたさ。ああ、そうだ。魂を悪魔に食われて死に掛けた、死ぬほど苦しかった。さっさと死にたいとさえ思った」
「そうだろう、そうだろう。抵抗は止めよ、拙僧の救済を受け入れよ」
「だけどな!逃げたら駄目なんだよ!」
血を吐くような叫びが陰念から放たれる
「現世には苦しみしかない、ああ。そうだ。だがそれが己の魂を磨く事になる、生きる事、苦しみに立ち向かう事!それこそが最大の修行の筈だ!そしてそれが生きてるっていう事だッ!」
「そ、それは……」
仮面のせいで見えないが、凄まじい眼光を放つ瞳を見たような気がした
「あんたの言う救済は逃げだ!!辛い事、苦しい事から逃げてその先に何がある!!どうだ!答えてみろ!だいそうじょうッ!!!」
「だ、黙れええええッ!!!」
これ以上この男を喋らせてはいけない。そうで無ければ拙僧が拙僧でいられなくなる
「あんたの間違い。この拳で砕いてやる」
【ダイカイガンッ!ホロウ!オメガドライブッ!!!】
腰のベルトのレバーを引いた陰念、その瞬間胸にある錠前から伸びた両腕の鎖がはじけ飛ぶ
「はああああああッ……」
両腕だけではない、肩当が拳へと変形し陰念の動きをなぞる
「おおおおおおッ!」
「ガハッ!?」
激情のまま飛び出した拙僧の腹に陰念の右拳が突き刺さる。その一撃は拙僧の霊子の護りを簡単に貫いた、だがそれだけでは終わらない
「ぐぶっ!?」
4本の腕による強烈な打撃の嵐。だが不思議な事に身体はさほど痛まない、拳が叩き込まれる度に痛むのは拙僧の魂だった
「とっとと、目を覚ましやがれえッ!!!!」
大きな踏み込みと同時に放たれた右拳が拙僧の顔面を打ち抜く。その凄まじい衝撃に拙僧は背中から結界に叩きつけられる、だがその威力はそれで留まらず拙僧の結界さえも完全に砕く
「くっくっく……どうも拙僧とお前は相性が悪いらしい」
地面を抉りながら転がり、何とか体勢を立て直し陰念へと言葉を投げかける
「そうかい、ならこのまま決めてやるよ」
錠前から再び鎖が伸び、両腕を縛り上げると両肩の腕は再び肩当に変形した
「この場は引かせて貰うとしよう。いずれまた会いまみえようぞ」
待ちやがれと叫び走ってくる陰念の姿を見ながら、拙僧はその場から転移し逃亡するのだった……
「だいそうじょう。あの男はどうだった?」
「こ、これはこれは姫様。無様な姿をお見せして申し訳ありません」
拙僧の逃亡先に先回りしていた姫様の姿に気付き、慌てて頭を下げようとするが姫様は良いと笑い
「お主の魂を震わせたか、此度の人間は面白い」
「そうやもしれませぬ」
救済の為だけに生きていた拙僧の胸には確かな熱があった。忘れてた何かを思い出しそうになるほどに、胸が熱かった
「此度の敗北は許そう。今の人間の強さを見た、それだけで余は満足だ!」
「姫様の温情。真に感謝いたします」
粛清される事を覚悟していた、だからこそ姫様の温情に深い感謝の言葉を告げる
「良い良い、ホワイトライダー。だいそうじょうを運んでやれ、その傷を癒してやるのだ」
「畏まり……ました」
白騎士殿によってその愛馬の上に引き上げられる。白騎士殿は拙僧と仲が良いので姫様の采配にはただただ感謝するだけだ、蹄が地面を蹴る音を聞きながら拙僧は陰念とああして出会う事が出来たのは幸いだったと心の中で呟き
(修行のやり直しじゃな)
あれほど若い男に諭されるとは、まだまだ拙僧も青いと思わず笑ってしまうのだった……
だいそうじょうを退けた翌日。ニュースや新聞で大量死したはずの人間が全員息を吹き返したと報道された。そのニュースの中で私やくえすの名前が出たが、結局の所何も出来てないので、報道するのは勘弁して欲しい所だったが必要な事だったと思い抗議をするのは止めた
(流石に強引過ぎたからね)
霊能に関係していた政治家や長い間霊能に関する事に関わっていた人間のほとんどを査問会に呼び出し、懲戒免職にした琉璃。その強引な手腕は批判の原因となっている、だからそれを覆すのに今回の事件の解決に導いたとして、報道する事を選択した琉璃の判断を私は支持したい。綱渡りなんてものじゃない、一歩間違えば自分が死んでもおかしくない。それだけの重責を背負っている琉璃を応援したいと思ったのだから
「お疲れ様でした。美神さん」
「ええ、そっちもお疲れ様。琉璃」
朝のニュース番組と昼間の霊能特集での生出演を終えてから私はGS協会に訪れていた……今回の反省と今後に生かす話し合いの為にだ。私達は出来る限りの準備をしたつもりだったが、だいそうじょうの手の平の上だったと言う事をいやと言うほど思い知らされた。更に言えばだいそうじょうを退けた陰念は
『借りは返した』
その一言だけでその場を後にした。彼のいう借りとは横島君に助けられた事だろう。粗暴な外見と違い律儀な性格だったようだが、謎が1つ残った、それはなぜ彼が横島君と同じベルトを所持しているかと言う事だった
「芦優太郎とドクターカオスが作成した試作型のゴーストドライバーを白竜寺に預けてるなんて聞いてないけど」
「私も聞いてませんでしたよ。三蔵法師が動いたらしいですけど」
琉璃と揃って溜息を吐く、三蔵法師は考えるよりも行動と言うタイプらしいが、そういう物を所持しているなら、しっかりと報告をして欲しかったと呟く琉璃
「それで御神体のほうはどうなりそう?」
「……正直あんまりいい状況じゃないですね」
だいそうじょうの即死攻撃を警戒し、借り受けた御神体だがその大半が壊れてしまった。恐らく私達の身代わりになってくれたんだろうけど、返却しなければならない品だったのだ。まさか砕け散ってしまうなんて夢にも思っていなかった
「賠償金とか大丈夫?」
最悪の場合私の金庫から賠償金を出しましょうか?と琉璃に言うと琉璃は楽しそうに笑いながら
「あははは、大丈夫ですよ。ビュレトさんにマルタさんがそれぞれ掛け合って新しい御神体を用意してくれるそうです、それと神魔から何人かが暫くの間神社に滞在するってことで何とかなりました」
それはそれで問題はあるだろうけど、正直神魔の方で準備してくれるのならそれに越した事は無いだろう
「でも今回も私達は何も出来なかったわ」
柩の予知に加え、出来る限りの準備をした。だが結局は今回も何も出来なかった
「相手が相手でしたからね、ビュレトさん達の話では神魔の天敵と呼ばれているそうですし」
魔人は数こそ少ないが、神魔の大量虐殺を行ったと聞いている。その強さは最上級神魔と同格かそれ以上だと、戦いの後に神魔さえも狂わせるんだ、人間では抵抗できないもの当然と慰められたが自分の無力さを思い知らされたみたいだ
「はーやっぱり1度妙神山に向かおうかしら……」
「お願いですからもう少し待ってください」
琉璃の必死の表情に判ってるわと呟く、妙神山での修行は前々から考えているのだがこれだけ立て続けに問題が起きるとそうそう東京を離れるわけには行かない
「まぁ、もう少しの辛抱ですとだけ言っておきますね。美神さんだけじゃなくてエミさんや唐巣神父も楽になると思いますよ」
「えらく具体的ね?何かあるの?」
私がそう尋ねるが琉璃は流石に話す訳には行かないのでと笑う。その反応だけでも大体判った、大方国際GS協会とか、オカルトGメンと言うあたりの組織の支部が日本にも出来ると言う所だろう
「だいそうじょうの逃亡の事もありますが、ビュレトさんも東京に残ってくれるらしいので、戦力は徐々に整いつつあります」
「そうね。でもそうなるとガープの動きが無いのが気になるわ」
原始風水盤、そして神の山の捜索以降動いている気配の無いガープの事が気がかりだ
「どうしても対応が遅れるのは仕方ない事です。相手が相手ですからね」
「判っているんだけどね」
そう判ってはいるのだ、人間ではよほどの奇跡が起きなければ神魔には勝てないと……それでも負け続けは性じゃないと思うのだ
「無理せず、対応出来るだけの戦力を整えましょう」
会議があるのでと言う琉璃に別れを告げ、GS協会を後にしゆっくりと事務所に向かいながら、暫く依頼は引き受けずに横島君と蛍ちゃんの地力を上げる為の修行の時間を取る事に決め、東京で出来る修行の日程とそれに伴い、エミや唐巣先生にも声を掛け、ピートやタイガーそれに雪之丞とかも交えての修行をするのもいいかもと考えながら歩き出すのだった……
私は自室の床で正座し、蛍とビュレトの説教を受けていた。内容は言うまでも無い、試作ゴーストドライバーの件だ
「いや私としては三蔵法師に預けただけなんだよ?使う危険性も説明したし、リスクも話した。なんで陰念君が持ってるのかなんて知らないよ」
「「だとしてもあんな危険な眼魂を渡す馬鹿がどこにいるッ!!!」」
蛍とビュレトの怒鳴り声に思わず耳を塞ぐ。ま、まぁ確かにその危険性は理解していたつもりだ
「それについては謝るよ。すまない」
だが陰念君が変身出来たのはやはり眼魂との親和性が高かっただろう。元は陰念君に憑依していた悪魔だ。その親和性は恐らく最高レベルのはずだ
「一応ベルトに安全装置は搭載しておいた。錠前を見ただろう?」
悪魔が暴走しないようにと錠前で力を封印するように設計してあると言うと、蛍とビュレトは深い溜息を吐きながら
「それで?預けた本当の理由は?」
……本当のことを言えと雄弁に物語っている瞳に私は溜息を吐きながら
「陰念君が普通に霊能者として再起するには70年かかる試算だった」
彼の才能はかなり秀でている。再起したいと努力していると聞いて、70年も必要だとどうして言える?リスクや危険性は十分に考慮した、そしてその上で三蔵法師に預けたのだ
「お前は努力が実を結ばないのが嫌だったのか」
「まあね、彼もGS試験では文字通り命を懸けて時間を稼いだ。それに見合う報酬とは言いがたいが……手助けはしたかった」
多分陰念君が持ち出すことも考慮していた。粗暴な外見だが律儀で真面目な彼の事だから、何時までも燻っているとは思えなかった
「安全装置の精度は?」
「仮に暴走したとしても、霊力が底を付けば強制的に変身を解除するように設定してある」
とは言え、明日にでも再調整に行くつもりだと言うと、ビュレトと蛍は深い深い溜息を吐きながら
「そういう事なら先に話しておいて、あとで聞いて凄くびっくりしたんだから」
「ああ。俺も驚いたぞ」
「すまん」
せめて報告をするべきだったなと苦笑いを浮かべたその時。周囲の時が止った……実際に止ったわけではない。それだけの威圧感をもつ存在がこの場所に現れたのだ
「んーやっと見つけたんだけど……イシュタルじゃないわね?貴方。何者なのだわ?」
赤いフードつきのマントが部屋の中を荒れ狂う神通力によって生じた風で吹き飛ばされる。その下から現れた美しい金髪と血のように紅い瞳……突然の乱入者に声も無い蛍とビュレトを庇うように立ち上がり、その神通力の主の名を呟いた
「冥界の女主人……エレシュキガル……!」
女神イシュタルの霊基から分かれ誕生したアシュタロスと冥界の女主人エレシュキガルが合間見えるのだった……
別件リポート 星の三蔵ちゃん、白竜寺を再建する その4へ続く
と言うわけでアシュ様とエレちゃんが遭遇しました。リポート14のスタートはそこから始めて行こうと思います、次回は別件リポート。眼魂とベルトを持ち出した陰念などの話を書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
仮面ライダーホロウ ホロウ魂
アシュタロスとドクターカオスが複製したゴーストドライバーで陰念が変身するライダー。眼魂に宿っている悪魔は不明なのでホロウと言うのは仮名称である。濃紺のパーカーと罅割れが目や口を描き、ウィスプと異なり所期フォームながら肩当てなどの装甲を持つ。ホロウ魂に宿る悪魔の力を制御するために鎖で手足を封印されており、本来のスペックの半分ほどのマイト数しか発揮できていないが、それでもその戦闘能力はウィスプよりも上である。その反面封印が破られれば悪魔に身体を奪われる危険性があるなど安定性は極めて低い
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い