GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は前回眼魂を持ち出した陰念の話と帰ってきた姉(?)弟子の話を書いて行こうと思います
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


別件リポート

 

 

別件リポート 星の三蔵ちゃん、白竜寺を再建する その4

 

だいそうじょうとの戦いの後。広場から離れた所で俺は立っていられず、その場に崩れ落ちた。横島が1度死に蘇ったが、戦うだけの力は無いと聞いて、そして眼魂を使うのがだいそうじょうに有効の可能性が高いと聞いて、俺はお師匠様が居ない間にお師匠様の部屋からトランクケースに納められたベルトと眼魂を持ち出した。その道具のおかげで霊力を扱い、戦うことが出来たが、その反動は俺の想像を遥かに超える物だった……

 

「はー……はー……っば、化け物め……」

 

額から零れ落ちる大粒の汗を拭う気にもならない。全身がばらばらになりそうな痛みと激しい吐き気それに思うように動かない足……俺は横島の事を初めて化け物として認識した。これだけの疲労を霊体痛で終わらせるとかありえねえ……少しでも油断したら意識を失いそうだ

 

(ベルトは……消えた。いや、吸収されたのか……)

 

ベルトが巻かれていた腰に手を伸ばすが、手に当たる感触はない。壊れて消えたのか、それとも俺の体の中に吸収されたのか……俺としては多分後者だな。そこには無いのだが、確かに腰に何かあるような感触があるから

 

「ふーっ……」

 

壁に背中を預け、大きく溜息を吐く。俺が契約していたという悪魔が封じられたという眼魂が暴れる気配は無い。いや、暴れる理由が無いと考えているのかもしれない。悪魔の寿命からすれば人間の寿命なんて一瞬に等しいはずだ……だから俺が死んでから、いや意識を失った時に身体を奪えば良いとでも考えているのかもしれないないか……何にせよ、これで戦える事が判ったが、連続で戦うにはリスクがありすぎる……

 

「お師匠……様」

 

ふと視界に入り込んだ影に顔を上げると、お師匠様の姿があった。逆光で顔が見えないが勝手に持ち出した事に怒っているかもしれないと考えていると

 

「お疲れ様陰念。よく戦ったわ」

 

「……お師匠様?」

 

まさか褒められるとは思ってなかったので、困惑しながらお師匠様の顔を見ると、お師匠様は穏やかに笑いながら

 

「勝手に持ち出されたのは流石に驚いたけど、元々渡すつもりだったから予定が前後しただけよ。それしか霊能者として復帰できる道は無かったしね」

 

そう笑ったお師匠様は俺に手を差し出す。痛む身体に顔を歪めながら、その手を握り返すと身体の痛みが少し和らいだ

 

「どうして」

 

「霊力の枯渇による痛みだからね。あたしの霊力を少しわけてあげたのよ。さ、帰りましょう。白竜寺の皆が待ってる」

 

多分勝手に抜け出した俺の事を東條は探しているだろうし、雪之丞が飛び出そうとしていたのを止めてるから絶対文句を言われるだろうなあと思いながらお師匠様と白竜寺へと続く道を歩いていると

 

「あ、そうそう、ベルトを使ったからチャクラが回復していると思うから、明日から修行のレベルを上げるわね」

 

……笑顔でそう告げるお師匠様に実は怒っているんじゃないだろうか?と俺が思ったのは言うまでも無い……なお三蔵はと言うと、そんな事は微塵も考えておらず

 

(これからが本番ね)

 

今まで基礎的なことしか指導出来なかったが、チャクラが回復した事でより高いレベルの指導が出来ると張り切っているだけだったりする……

 

 

 

勘九朗……いや、クシナのリハビリを兼ねて2人で人間界の土着の神や精霊への情報収集を終え、東京でブリュンヒルデと合流した。私達の報告の前にブリュンヒルデが自分の報告をしてくれたのだが、その報告を聞いて思わず声を荒げる

 

「魔人が現れただって!?なんで私を呼び戻さなかった!」

 

香港で戦ったマタドールの強さを忘れる訳が無い。マタドールと同じ魔人……その強さは容易に想像出来る。東京に三蔵法師やマルタがいたとしても戦力は多い方が良い。私が居れば何か変るという訳ではないが、それでも何かの足しにはなった筈だ。なんで私を呼び戻さなかったと怒鳴るとブリュンヒルデは落ち着いてくださいと言いながら

 

「アシュタロス様の指示です。戦力増強も大事ですが、それ以上にだいそうじょうを隠れ蓑にしてガープが動く可能性を考えてと」

 

それを言われるとブリュンヒルデに強く物を言う事が出来ない。私はソファーに座り込んで深呼吸を数回繰り返してから

 

「すまん」

 

構わないですよと笑うブリュンヒルデにクシナと共に今回入手できた情報を纏めた資料を手渡す。

 

「今回の情報収集で判った事なのですが、ガープ一派とは関係ない可能性もありますが……不審な人物の話が多く出てきました」

 

今回は東京から北海道のほうに移動しながら、情報を集めていた。そして土着の神や、精霊がある共通した特徴の人物を見たと言っている

 

「私とクシナは見ていないが、黒いバイクに跨った人間が海の上や、上空を走っていたそうだ」

 

「それはあからさま過ぎませんか?」

 

確かにあからさまに怪しすぎる。だからガープと関係していると判断出来ない……だがこれがガープではなく、魔人陣営ならば話は変わってくる

 

「確か魔人の中にはバイクに騎乗しているのが居たはずだよな?」

 

「……ヘルズエンジェルですね。確かにあの魔人はバイクに騎乗していましたが……それでヘルズエンジェルとは特定出来ないのでは?」

 

ガープではなく魔人、魔人ではなくガープ。そういうミスリードを仕掛けている可能性はもちろん高いが

 

「それでもだ。情報はいくつあっても足りない、あからさまに怪しいとしても、そこに何かの手掛かりがあるかもしれないだろう」

 

流石に私もそこまで単純ではない、ミスリードの可能性は十分に考慮しているさ

 

「その謎の人間は?」

 

「北海道上空で消息を絶っています。海外へ行ったのか、転移したのかは不明ですが……」

 

クシナと共に調べたのだが、そこから先の足取りは掴めていない。高速でUターンしたや、転移などの痕跡も無い。正真正銘忽然と消えたのだ

 

「一応魔界正規軍の諜報部に情報を回しておいて欲しい」

 

こういう情報は共有しなければ意味が無いからな。よろしく頼むとブリュンヒルデに頼み込み、次の資料をクシナに出すように頼む

 

「次はこれなのですが……どう見えますか」

 

クシナが鞄から取り出したのは古代文字の刻まれた金の指輪。私は本来破壊工作に特化しているので、こういう物にかんしての知識はさほど無い、ルーン文字に見えなくも無いのでブリュンヒルデにどうだ?と尋ねる

 

「間違いないですね。ルーン文字です、この金属自身も魔界の物ですね。これはどこで?」

 

やっぱりか……魔界でルーン文字となると十中八九ガープが関係しているな

 

「これは青森の方の非合法のGS家業をやってる連中から取り上げたのさ。特別な効果は発揮してないようだけど……何があるか判らないだろう?」

 

ガープの事だ。時限式の何かを仕込んでいてもおかしくは無い、これも何かの手がかりとして厳重に保管し、調査する必要がある

 

「なるほど、それでその人間は誰から買ったと?」

 

「15~18前後の若い外人から買ったそうだ。外見的特長は覚えてないそうだ」

 

購入した相手の事を覚えていない。これはどう考えても怪しいだろう

 

「判りました。こちらも魔界正規軍に証拠して回します。後は何かありますか?」

 

「いや、今回はここまでだな」

 

人間界だとやはり情報の集まりが悪い。今度は魔界の方で情報を集めたいと思っている

 

「それとだ、そろそろクシナを白竜寺に戻したいんだ」

 

本人の希望でもあるし、何よりも歩くや走るというのは既に問題ないレベルだ。後は霊力などの訓練ならば、馴染みの人物の多い白竜寺の方がクシナの喜ぶだろう

 

「それに関しては私からもお願いしたいと思っていました。アシュタロス様にも話は通していますよ」

 

その早い対応に白竜寺に何かあったのか?と尋ねるとブリュンヒルデは溜息を吐きながら

 

「陰念がゴーストドライバーと眼魂を持ち出して使いました」

 

「はぁ!?」

 

予想を遥かに超える事態に思わず間抜けな声が出る。クシナは心配そうな顔をして

 

「陰念は大丈夫ですか?あれは後遺症がひどいと聞いていますが……」

 

「後遺症も出ています。ですからクシナに白竜寺に居て欲しいのです」

 

一応白竜寺の長兄だし、そういう事情ならクシナ以上の適任は居ないだろう

 

「頼めるかい?クシナ?」

 

「はい!私に任せてください!姉弟子としてきっちり〆てきます!」

 

弾ける笑顔のクシナ。身体が女になってから性格が変って来ている……いや、これがクシナの本来の性格なのかもしれないなと苦笑しながら。〆ると言っているクシナに陰念がどうなるか?と言う不安は残る物の、翌朝クシナを白竜寺へと送り出す事を決めたのだった……

 

 

 

 

白竜寺に新しい弟子が来るとママお師匠様から朝の座禅の時に報告があった。これも白竜寺が再建されつつある証拠かと思ったのだが……その報告を聞いてから何故か寒気が止らない自分が居る

 

「風邪か……」

 

「馬鹿は風邪引かないだろうが」

 

額に手を当てて風邪か?と呟くと、隣で組み手のグローブを磨いていた陰念が馬鹿は風邪を引かないと言う。誰が馬鹿だぁっと怒鳴ろうと思ったのだが、陰念の手が小刻みに震えていて、汗も酷いのに気づいた

 

「お前眼魂とか使った後遺症出てるんじゃないのか?」

 

だいそうじょうと言う魔人が現れた時に眼魂と複製のゴーストドライバーを持ち出した陰念。横島を見て、後遺症があるということは知っているので、それじゃないのか?と尋ねる

 

「……いや、それは確かにあるんだが……違う」

 

何か、上手く説明出来ないんだが……恐ろしい何かを感じると言う陰念。それは奇しくも俺も感じている事で霊感が囁いているのだろうか?と陰念と話をしていると東條が部屋にやってきて

 

「陰念先輩、伊達先輩。新しい弟子の方が先ほど訪れたんですが……」

 

そこで言葉に詰まる東條にどうした?と尋ねると東條はえっとですねと少し言いにくそうな素振りを見せながら

 

「女性の方なんです」

 

ママお師匠様こそ居るが、白竜寺は基本女人禁制の修行場だ。それなのに何故?ママお師匠様の知り合いとかそういう物なのだろうか?ありえない話ではないと思うが……何かが妙に引っ掛かる。まぁ後で紹介してくれるだろうと思い、ママお師匠様の呼び出しがかかるまで腹筋や腕立てのトレーニングをする事にするのだった……

 

「じゃあ皆、今日から白竜寺で一緒に修行をするクシナさんです。あたしの弟子って扱いじゃなくて、あたしの知り合いの弟子って事になるけど皆仲良くしてね」

 

ママお師匠様が紹介してくれた新しい弟子。女性だから仕方ないと思うのだが、小柄に艶のある黒髪……日本人だよな

 

(なんでこっちを見てるんだ?)

 

正確には俺と陰念を見つめている気がする。しかも何か怒っている様な気がする……しかし初対面の人間に恨まれる理由もないし、俺と陰念はずっと白竜寺で暮らしているから幼馴染と言うのもありえない

 

「蛇神クシナです。得意な事は炊事洗濯に裁縫、後家事一般です。霊力は昔使えたんですけど、今はちょっと使えなくてそれを取り戻すために白竜寺に来ました」

 

昔霊力を使えたが、今は使えない。それは別段珍しい事ではない、実際成長と共に霊力が弱くなると言うのは良くある事らしい

 

「お近づきの印に今日の昼食を用意させて貰いました。お口に合えば幸いなのですが」

 

「じゃあ皆ー配膳を手伝ってねー」

 

お師匠様の言葉に判りましたと返事を返し、全員で昼食の準備をするのだが……

 

(なんか懐かしいなあ……)

 

準備が懐かしいのではない、今日の昼食のメニューを見て思わず懐かしいと思ってしまった。牛肉無しの肉じゃが、小さい弟子が食べやすいようにウサギや花の形にくり貫かれたにんじんと、出汁を利かせているから色の薄いその煮汁。卵焼きにたっぷりの野菜と煮詰めたあんかけ。それに豆腐を使ったハンバーグ、甘いケチャップソースに香りがする。そして最後に、豆腐とネギとわかめの白味噌汁……勘九朗が良く作ったメニューだ

 

「ではいただきます」

 

「「「「いただきます」」」」

 

ママお師匠様の合唱の後に手を合わし、あんかけが掛けられた卵焼きを口に運び。目を見開いた……陰念は肉じゃがを口に運び同じように目を見開いている。メニューが似ているだけじゃない、味も何もかも同じだ……弟弟子達もそれに気づき、中には勘九朗先輩と呟き涙しているやつもいる。年少の弟子にとって勘九朗は兄であり、姉(?)であった。懐いていて奴も多くて……ってじゃなくて!!

 

「んーやっぱり料理って個性が出るから判っちゃったかしら?」

 

悪戯っぽく笑うクシナ。その仕草は大男と小柄な女性と言う差はあるが、勘九朗の仕草と同じで……俺だけじゃない、陰念や東條もクシナを指差して肩を震わせている

 

「元の身体じゃ死んじゃうから、女の身体で蘇って来たわよ。ただいま、皆。今まで本当よく頑張ったわね」

 

その言葉の後はもうむちゃくちゃだった。なんだかんだ言っても、俺は勘九朗の事は嫌いじゃなかったし心配もしていた。男から女になっていたのは心底驚いたが、こうして帰って来てくれた。白竜寺の皆が揃った、それが何よりも嬉しかった

 

「あ。そうそう、陰念。眼魂使ったらしいわね?後でお説教ね」

 

「……っはい……」

 

ただ勘九朗……いや、クシナと呼べば良いのか?が陰念を見て凄いエガオで告げ、陰念が青い顔で震えながら頷くのを見て。クシナの帰還を喜んでいた俺達が沈黙したのは言うまでも無い……

 

リポート14 嵐の前に その1へ続く

 

 




白竜寺にクシナこと勘九朗帰還。メインと別件でちょくちょく白竜寺を書いて行こうと思います、メインで1話作るのはもう少し後半になりそうなので。次回は嵐の前にと言う事で、エレシュキガルとアシュタロスのエンカウントなどのシリアスから入って、ほのぼのを書きながえら、ギャグなどを交えて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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