GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はカオスが手紙を読む所から書いて、ブラドーと遭遇する辺りまで書いて行こうと思います。今回もやや会話分大目で話が長くなると思いますが、今回の更新もどうかよろしくお願いします


その3

 

 

リポート15 変る未来 その3

 

人造人間から託された手紙。何枚もの羊皮紙と見間違える訳が無い、私自身の筆跡とマリア姫の刻印

 

「騙すにしては手が込んでいるな」

 

ソフィアの治療の為。私に与えられてた屋敷で手紙を開く、一番最初に目についたのは綺麗な1枚の絵だ。老人とマリア、それとマリアと同じ人造人間と思われる少女と今からは考えられない建物の姿

 

「ほう……これは中々」

 

本当に未来の私からの手紙かもしれんと思い。その絵(手紙に記されていたが写真というらしい)を懐に仕舞う、何年先の未来かは知らんが、やはり私の不老不死は不完全かと残念に思った。しかも、そのままの姿と言うことは若い別の体に乗り移ったとしても解決出来ないと言う事

 

(無様に老いぼれて行くか、それとも老いぼれても我が英知はそのままか……これも一興か)

 

物事にはどうしようもない現実と言う物がある。抗っても無駄だというのなら、その流れに逆らわないのもまた一興。私はそんなことを考えながら癖のある自分の文字を見る。他人に見せることを前提にしていない、その文字はまさしく自分の筆跡だ

 

「……馬鹿な、そんな事が起きると言うのか」

 

信じられない、いや、信じたくないのだ。ソロモン72柱の魔神が裏で手を引いているなんて……だがそう考えると一気に氷解する謎がいくつもある

 

「美神令子……芦蛍、横島忠夫……ここより遥か東方の地の住人」

 

老いた私から霊具を買い、生活費を工面してくれている美神令子。若いが天才的な閃きを持つ科学者見習いの芦蛍。そして

 

「人造人間を人間にした……か」

 

横島忠夫。稀有な才能を複数持つが知識や技術が足りないアンバランスな少年であり、これから育つのが楽しみだと書いてある。そしてそんな彼が持つ稀有な才能の1つに人外に好かれやすいと言う物があり、純粋で自然体で人造人間に触れ、会話し、過ごしその心を大きく成長させた……

 

(ありえない話ではない)

 

私1人ではきっとメタソウルの成長を促す事は出来ない。何故なら私は探求者だ、知恵を求める。無垢な魂を育てるなんて真似は出来ないだろう

 

「助けてやって欲しい……か」

 

未来の自分からの手紙。最初は信じていなかったが、今はもう信じている。そしてこれから起きるかも知れない事、ガープと戦う事になるかもしれないという事。そしてブラドーに渡す手紙を人造人間……いやマリアが手にしている事……

 

「冷静に考えれば逃げるのが最善だ」

 

いかに私と言えどソロモンの魔神と事を構えるような真似はしたくない。何故ならば最上級神魔と戦うのは無謀を通り越して蛮勇だからだ……だが

 

「見て見たい」

 

未来の私をもってしても稀有な才能と言う横島忠夫を、ガープが特異点と呼び、警戒していると言う横島忠夫を見てみたいと思ってしまった。興味を、好奇心を持ってしまった、こうなっては駄目だ。止れない、止りたくない

 

「行くか」

 

脚力強化の脚甲と持って行って欲しいと書かれてたこの時代の男女の服を鞄に詰め込み、背中に背負う。そして最後にマリアを探知するセンサーを取り、私はマリアが自分で居ると言っていた森へ向かって走り出すのだった……

 

(中々と言うべきか……)

 

写真のおかげで誰が誰かは判っている。しかし横島の周辺は凄いな、凄まじい妖力を発揮している狐にあれは神通力か?神通力を持つ猪に放電しているグレムリン……これも私が言っていた稀有な才能と言う奴かと苦笑しながら背負っていた鞄を目の前に下ろす

 

「服を用意した。これに着替えてくれ、私に与えられている屋敷で話をしようじゃないか」

 

この様な場所ではゆっくり話も出来ないからなと笑い、女性陣が茂みに入っていくのを見送り、男なので手早く着替えた横島忠夫に

 

「初めましてと言うのはおかしいか、マリアから話は聞いている。ドクターカオスだ、よろしく」

 

まずは友好的な接触をと思い手を差し出す。横島は私の手を握り返す、手を通じて流れ込んできた横島の霊力に目を見開く

 

(凄まじいな)

 

霊力の質も、その量もかなりの物だ。これは確かに稀有な才能の持ち主と言われても納得出来る

 

「カオスのじーさん、若い時もでかかったんだな……」

 

「じーさん!?私はまだ若いぞ!?」

 

まさかの言葉に思わず叫んでしまったが、とりあえず友好的な接触は出来たと思う……なお未来の私はカオスのじーさんと呼ばれているらしく、更に猪のうりぼーや、グレムリンのチビと言う凄まじいネーミングセンスに、横島が独特な感性を持っている事を知り、苦笑したのは言うまでも無い……

 

 

 

 

若き日のドクターカオスに案内された街の領主はノアと言う男の領主だった。カトリック全盛のこの時代に吸血鬼と疑われているブラドーと娘の結婚を許した、領地まで与えた人物らしい。門番まで居て、かなりの民思いの領主だと言うのはよく判った

 

「まぁブラドーの奴は始祖だからな。日光は不快らしいが、灰になるほどではない。だから吸血鬼と言う噂は一時期消えていたんだがな、

最近その噂が流されている。これは意図的に流されていると私は考えている」

 

飲みたまえと差し出されたカップの中を見る。黒く濁った液体、この時代にはコーヒーは無いはずで……思わず手が止る

 

「ああ、これかね?疲労回復の霊薬だよ。味はまあ……察してくれると思うが」

 

一口啜って眉を顰めるドクターカオスだが、ニヤっと笑い

 

「毒ではないよ」

 

目の前で飲まれて、それでも飲まないという事は出来ずカップを手に取り、口に知る

 

(あれ?これコーヒーだ)

 

味わいは少しおかしいけど、ブラックコーヒーと思えば飲めない事は無い。普通に飲む私と蛍ちゃんに対して横島君は

 

「砂糖欲しいなあ……牛乳でもいいけど」

 

ブラックコーヒーが苦手なのか、そんな事をぶつぶつ呟きながらコーヒーみたいな味のこれを口にしているのだった

 

「ほほう?これと同じ飲み物が現代にあると……ふんふん、興味深いな」

 

羽ペンで羊皮紙に私達の話を聞いてメモをするドクターカオス。なんと言うか知識欲の塊と言う感じだ

 

「横島さん。お待たせしました、果物を買ってきました」

 

マリアが果物を抱えて帰ってくると、横島君は凄い勢いで立ち上がり

 

「ありがとう!マリア!はー良かった、これでやっとチビとうりぼーにご飯を……良かった」

 

あの森では果物はほとんど自生しておらず、チビとうりぼーに餌を与えれない事を悲しんでいた横島君が嬉しそうに笑う

 

「えっと、すいませんドクターカオス。多分暫く横島は話し合いに参加できないと思うので、無しにしてくれます?」

 

ナイフでりんごの皮を剥いている横島君は完全にそれに集中している。多分私達の話し合いに参加出来ない

 

「構わない。横島よりも君達の方が知識が豊富なのだろう、ならば君達と話し合うほうが有益だ」

 

ドクターカオスの言葉に良かったと安堵の溜息を吐く私と蛍ちゃんの後では

 

「はい、チビ。あーん」

 

「みーむう♪」

 

「ぷぎゅうー!ぴぎー!!

 

ナイフで小さく切ったリンゴをチビに与える横島君の声と嬉しそうなチビと自分も自分もと言っているうりぼーの声が聞こえてきて、脱力してしまったのは言うまでも無い

 

「謎の霊力の磁場か……ふむ、考えられるのは1つだな、何処かで超級の魔力炉が稼動しただ」

 

「「超級の魔力炉?」」

 

私と蛍ちゃんの声が重なる。魔力炉なんて言われても覚えも無いし、そんなのは私の事務所にも無い。何かの間違いではと思うのだが……

 

「変な英霊が流れてきて、それを触っていたら磁場が生まれたから、英霊が原因だと思っていたんだけど」

 

あの老人を調べていたから、彼が原因だと思っていたんだけどと言うと、ドクターカオスは笑いながら

 

「確かに英霊は人類の守護者、星の抑止力と称されるが、空間を歪めるほどの力を持つ者はごく僅かだ。それこそ半神半人くらいの神性持ちでなければ不可能だろう。運が悪い事に、調べているうちに何処かの魔力炉の起動の余波がお前の事務所に展開されたんだろうな」

 

霊薬のお代わりは?と尋ねてくるドクターカオスにお願いするわと言ってマグカップを差し出す。しかしそれにしても運が悪いとか、そういうレベルじゃないわね。本当に……

 

「いろいろ知っているが、魔族といえばやはり地獄炉だな。地獄の魔力を循環させる悪性の魔力炉だ、その出力は凄まじくてな。例え現在に存在して無くても、その影響力は強い。可能性の段階だが、この時代に地獄炉があり、そしてお前達の時代でも地獄炉が作られた。その2つの地獄炉が共鳴した場所が運悪くお前の住居だったと言うわけだ」

 

黒板みたいな物に何かの数式と図形を描く、ドクターカオス。物凄く判りやすいけれど、タイムスリップの理由を知らされてもどうしようもないという現実が肩に重く伸し掛かる

 

「現代の地獄炉……もしかしてガープでしょうか?」

 

「可能性は高いわね」

 

地獄炉と言うのがどんな物かは判らないけど、超級の魔力炉。そんな物を作れるのはガープしかいないだろう

 

「ガープが地獄炉を作り、私とブラドーを争わせる為に意図的に噂を流す。考えられる話だ」

 

自分で動くよりも人の心を傷つける事を好むガープ。ブラドー伯爵とカオスを争わせ、更にブラドーの養父と妻の命を奪う。GS試験で本人が言っていた事だが、非道を通り越して外道だ

 

「それでドクターカオス。私達は元居た時代に帰れますか?」

 

それが今もっとも重要な所だ。元居た時代に帰れるか?と尋ねる。ガープと戦うことは既に覚悟している、だが倒しても帰れないのでは何の意味も無い。だから現代に帰還することは可能ですか?と尋ねる。するとドクターカオスは暗い表情で

 

「今の段階では不可能だ」

 

「そ、そうですか……」

 

判っていた事だが、こうして面と向かって言われると辛い物がある。だがドクターカオスは更に言葉を続けた

 

「この時代で稼動している地獄炉を発見すれば何とかなるやもしれん。だがその前に私もお前達に協力して欲しい事がある」

 

ドクターカオスは真剣な表情で私達を見つめる。ドクターカオスが協力して欲しいと言う案件……それは相当な物だろう

 

「今このノアの領地にガープが潜伏している可能性がある。そしてブラドーの妻もまた病に伏せているんだ、まずそれを何とかしよう。私の知恵だけでは足りん、始祖の吸血鬼ブラドーの協力を得ることが出来なければ……だが、ソフィアを救う事が出来なければ協力を得ることは難しい。そうなれば……」

 

お前達は未来へ帰ることが出来ない。そのたった一言が私達の肩に重く圧し掛かるのだった……

 

「あ、ブラドー伯爵の説得、それならば私と横島さんで何とか出来るかもしれません」

 

「「「え?」」」

 

マリアのその一言で重かった空気は払拭され、更に私と蛍ちゃんとドクターカオスの間抜けな声が響く中

 

「みむう」

 

「ぷぎゅう」

 

「お腹一杯になったか、良かった良かった」

 

マリアの買ってきた果物を全て食べつくしたチビとうりぼーの満足したという鳴き声と、安心しきった横島君の場違いな声が部屋の中に響き渡るのだった……

 

 

 

 

太陽が落ちた頃。我は活動を始めた、日中でも活動出来るが夜の方が視力や聴力が強化されるから都合がいいのだ

 

(……やはり妙だな)

 

セバスからの手紙にあった謎の男……アレン。旅人だと言っていたが船着場ではそれらしい男が来たと言う話は聞けなかったし、門番も見ていない。突然ノアの城に現れ、ノアに側仕えとなった執事……

 

「何者なんだ」

 

我はアレンに会った事も、言葉も交わした事も無い。だがアレンからの明確な悪意を感じる、恐らく最近街に流されている吸血鬼の噂。それはきっとアレンの仕業だろう

 

「さて……どうするか」

 

遠くに見える城。我の視力を持ってすれば、この距離でもノアの寝室を見ることは出来る。流石に眠る時までアレンは側にいないと思う、ノアと直に会って言葉を交したい。そうすればノアの異変も判ることが出来るだろう……だがそれは出来ない

 

(もしアレンが魔族ならば)

 

こうして1人にいるように見えるノアすらも罠かもしれない。姿を見ることが出来ているのにその姿はあまりに遠すぎる

 

「みむう?」

 

「うん?なんだ、お前。親と逸れたのか?」

 

何時の間にか我の目の前に居たグレムリンにそう尋ねる。グレムリンは弱い悪魔だ、成獣となるまでは親と一緒に活動する。そんなグレムリンの幼生が1人でいることに違和感を感じながらも、逸れたのか?と尋ねる。するとグレムリンは自分の首元を指差す

 

「首輪?」

 

それは確かに首輪だった。紅い皮の首輪が巻かれていた、グレムリンは我に背を向けて移動する。時折こっちを見つめ、再び移動を始める。それは我をある場所に案内しようとしているように見えた。普通に考えてあれは罠、グレムリンを飼える存在なんて人間ではありえない。だからあれは罠だろう……だが今は何の手掛かりも無い。例え罠だとしても、その罠を正面から突き破れば良い。始祖の吸血鬼である我にはそれが出来る、我はその罠に乗る事を決めグレムリンの後を追って闇夜を駆ける。暫く走ると、男と女の姿が見える。グレムリンはまっすぐに男へ向かい頬に擦り寄る

 

「みーむう♪」

 

「んーお疲れ様。おかえり、チビ」

 

「みむう♪」

 

尻尾と翼を小刻みに動かすその姿は主人に懐いている様に見えた。今の時代にグレムリンを飼いならす人間が居るなんてと驚愕していると、女の方が我に頭を下げて

 

「初めまして、ブラドー伯爵。私はマリア、貴方に手紙を持って参りました」

 

恭しく頭を下げる女を見つめる。この女は何だ?外見は確かに人間だが……

 

「貴様人間ではないな?何者だ」

 

あの女からは生気を感じない。それに身体の中から機械の駆動音が聞こえる、それに気付いた段階で目の前の2人に対しての警戒心が跳ね上がる。差し出された手紙に視線すら向けず、爪を2人に向ける

 

「私はドクターカオスによって製造された人造人間です、彼は私の個人的な友人の横島忠夫と言います」

 

人間と人造人間の組み合わせ、敵意は無いようだがどうしても不信感とそして疑いが強くなる

 

「ブラドー伯爵。これに見覚えは無いか?」

 

「そ、それは!?」

 

額に紅い布を巻いた男が差し出したナイフを見て、不信感と警戒心は困惑へと変る。マントの中に手を伸ばしナイフを手にする

 

「我のナイフ……ありえん、ありえんぞ!!それは特別な品。2品と存在しない!」

 

金と宝石。そして神官によって洗礼詠唱されたこのナイフは、武器としても、魔法の触媒としても最高の品だ。そんなこのナイフが2つ存在する訳が無い

 

「えっとその……ブラドー伯爵に貰いました」

 

「なに?」

 

我がこの人間にこれを?……では我の手元にあるこれは何だと言うのだ。ますます頭が混乱してくる、人間よりも遥かに知恵があると自負しているこの我が混乱している

 

「それらの疑問全てもこれに記されています。どうぞお確かめを」

 

再度差し出された手紙を受け取り。差出人の名前を見て目を見開いた

 

(我だと!?)

 

その文字とサインを見間違える訳が無い。思わず二度見したが間違いない、我の文字だ。便箋の封を開け、その手紙に目を通すのだった……

 

 

めっちゃ怖い、それが俺の考えている全てだった。未来から来た事を信じて貰う為のブラドー伯爵から貰った短剣と共にマリアと説得に来たのだが、俺の知っているブラドー伯爵とは雰囲気から、服装まで全てが違い。威圧感が半端無い

 

「……はは。はははっ!!!はーはははははっ!!!!」

 

突然笑い出したブラドー伯爵に思わず背筋を伸ばし、腕に抱き抱えたチビを抱きしめる。タマモとうりぼーは戦力と思われてはいけない為カオスのじーさんの家に預けてきたし、眼魂も持っていない。今の俺は戦闘力はさほど無い訳で、これが俺達に対する怒りだったらどうしようと震えていると

 

「横島と言ったな?」

 

「は、はい!!」

 

威厳たっぷりのその声に思わず敬語で返事を返すと、ブラドー伯爵は柔らかい笑みを浮かべ

 

「未来から来たと言う話。信じたいと思う、だがその前にだ。確認させて欲しい、我が息子と我が娘の名を言えるか?」

 

「ピート……っじゃなくて、ピエトロ・ド・ブラドーとシルフェニア・ド・ブラドー」

 

いつもの愛称で答えそうになり、1度深呼吸をしてから2人のフルネームで言う。するとブラドー伯爵は手にしていた手紙を炎で燃やしながら

 

「信じよう。お前が未来で我が息子と娘の友であり、そして我を救ったと言う。未来の我自身の言葉を信じよう、そしてその上で問う。ガープと戦う事になる事に対して恐怖は無いのか?確かにお前は我を知ってるかもしれない、だが今の我とお前は知人でも何でもない、それでも絶望的な戦いに恐怖は無いのか?」

 

ガープの恐ろしさと強さは身を持って体験している。だから怖くないなんて嘘でも言えない、だけど

 

「怖いです。本当に怖いです、でも……やらないで後悔するなら、やって後悔したいんです」

 

遺品も何も無いと寂しそうに語っていたピートとシルフィーちゃん。何をしても死んでしまうかもしれない、だけど救えるかも知れないのなら、ほんの僅かでも未来を変える事が出来るのなら……俺はそれに挑戦してみたい

 

「そうか、ありがとう。怖くない等と言う人間は信用出来ない、我だってガープと戦う事を考えれば恐ろしいのだからな。だがお前は自分の恐怖を口にした、それは信用出来る言葉だ。案内してくれ、お前と共に未来から来た者とドクターカオスの下へ」

 

その言葉安堵の溜息を吐く、ブラドー伯爵が協力してくれるように説得する。それが俺に出来る仕事だったから、これで対策を練る事が出来る。俺はその事に心底安堵し、マリアと共にドクターカオスの家へ向かうのだった

 

「怪しい相手は見つけている。だがそれがガープなのか、それともガープの部下なのかが判らない」

 

挨拶もそこそこに城に居ると言うアレンと言う謎の男と様子のおかしい養父のノア。そして奥さんのソフィアさんについての話し合いが始まった

 

「ガープの魔術の腕を考えると本人が変身しているって言う可能性もあるけど、違った場合大変な事になるわね」

 

「ガープの分身とガープ本体に挟み撃ちなんて冗談じゃないですからね」

 

美神さん達の話し合いと作戦が高度すぎて、何を言っているのか、何を考えているのかまるで判らない

 

「私は人質とされているであろう、ピートさん、シルフィーさんの居場所を発見するべきかと」

 

「それは我もずっとしているが、発見出来ない。我はやはりアレンがガープだと考えている」

 

「いや、そうだと決断するには早い。もう少し情報を集めるべきだ」

 

慎重に動きたいカオスのじーさんと家族が人質になっているブラドー伯爵は早く行動したい。この意見の対立が大きい物となっている

 

「人質も助けたと言って、ガープが何もして無い可能性は低いわよ?むしろ絶対何か仕掛けてる」

 

人の心傷つけるのを好むガープがただ人質に取っている訳が無いと美神さんが言う

 

「場所もここら辺じゃなくて全然違う場所にいるかも」

 

人質にも何か仕掛けを施している上で別の場所に監禁しているかも知れないと蛍が言う

 

(やっぱり普通に戦ってくる相手よりも、ガープは危険度が高いのか?)

 

頭の中で心眼にそう問いかける。美神さんや蛍にはとてもではないが、今尋ねる事が出来ないからだ

 

【勿論そうだ。特にガープは1つの作戦で複数の戦果を得れるように、綿密に作戦を立てている。その全てとは言わないが、ある程度は予測を立てておかないと全滅する可能性が高い】

 

そっかぁ……俺はガープの強さばかり考えていたけど、強さだけではなく、絡め手も打って来る相手だから美神さん達がこれほど警戒しているのかと改めて理解した。膝の上で寝息を立てているタマモやチビの背中を撫でながら、理解出来た範囲で美神さん達の話を反芻する

 

(ピートとシルフィーちゃんが人質で……場所がどこにいるのか判らなくて……)

 

「だが我はノアが完全にガープの術中に嵌っているとは思えない。ノアはガープに操られているかもしれないが、自分の孫を隠している筈だ」

 

「確かに、子供が行方不明と言っていたが……」

 

「だから今動くべきなんだ。ノアがガープの術中に完全に嵌る前に匿ったに違いない、だから今見つけ出すべきなんだ」

 

「それは判りますけど、見つける手段が無いんですよ?」

 

「もしブラドー伯爵の言う通りだったとしても、どこに匿われているか判らないじゃないですか」

 

「どこかに隠されているとして、私のセンサーで見つけるにしても、隅から隅まで探している時間はありません」

 

ピートとシルフィーちゃんを見つけるべきだと言うブラドー伯爵。だが見つける手段が無いと言う美神さん達の話を聞いていて

 

(あれ?これ俺見つけられるんじゃね?)

 

ピートとシルフィーちゃんの事はよく知っていると言える。クラスメイトだし、良く話もする。2人の霊力は心眼は覚えているだろうし、後は何か2人が所持していた物さえあれば

 

「俺、どこにいるか、見つけられるかも」

 

「「「「「は?」」」」」

 

俺のその思いつきの言葉に10の殺気だった瞳を向けられ、俺が怯えたのは言うまでも無く、昼寝をしていたチビ達が臨戦態勢に入り、その殺気に怯えて丸くなる中。俺自身震えながら見つけれるかもしれないという根拠を説明すると、それだと言って行動を始める美神さん達に安堵の溜息を吐きながら心眼に

 

(今度から何か言う前に心眼に相談していい?)

 

構わないと言う心眼の言葉に、今度から思いつきで何かを言う、ついでに行動する前に心眼に相談しようと心に決めるのだった……

 

リポート15 変る未来 その4へ続く

 

 




次回はピートとシルフィーの捜索です、今回の鍵は香港でのダウジングです。それで大体の隠れ場所を見つけて行動するって感じの話を書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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