GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! セカンド   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回も前回に引き続き、過去編のリポートとなります。タイトルからしてもう判っていると思いますが、敵についてはお口にチャックでよろしくお願いします。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート16 竜の魔女
その1


 

 

 

リポート16 竜の魔女 その1

 

カオスフライヤーと言う機械で向かうと聞いていたが、それを目の前にして私が抱いた感想は1つだった。

 

「飛行機ね。これ」

 

中世の時代には存在しない筈のオーパーツである飛行機。それがカオスの屋敷の庭で、飛行機と同じくオーパーツである。電灯で明かされながら急ピッチで組み上げられている機械の数々を見つめながら、私も屋敷の倉庫から取り出した飛行機のパーツを庭に並べる

 

「ふむ。未来でも同じような物があるのか、興味深いが話は後だ。マリア姫が危ない」

 

緊急通信で助けを求めてきたと言うマリア姫。確かに今はゆっくり話している時間は無い、私も積み上げられている部品に手を伸ばす。見かけよりも遥かに軽いそれに驚きながら

 

「これはどこに持っていけばいいの?」

 

「そっちに頼む、私1人で来たからパーツを殆どオミットしているんだ」

 

1人乗りの早いし、消耗も少ないが。お前達の力を借りなければというカオスにわかってると返事を返しつつ

 

「横島君は安静にしてなさいよ」

 

「……うっす」

 

変身の後遺症が普段より弱いとは言え、横島君はかなり消耗している。本当ならここに残しておくのがベストなのだが、護れる戦力がこの城にはなく、横島君を護る理由も無い兵士に護ってくれと言うのはいくらなんでもあつかましいと言う物だ

 

「横島さん、心配ないですよ。もう直ぐパーツの並び替えは終わります。そうなれば、美神さんも蛍さんも休憩ですから」

 

マリアがにこりと笑いながら大丈夫ですよと笑う。横島君はまだ納得して無い様子だったが

 

「それなら横島は霊具の確認をしてくれる?それとソフィアさん達が用意してくれた物資の確認もして欲しいんだけど」

 

このままでは駄目だと判断したのか、蛍ちゃんが横島君に仕事を頼むと、判ったと返事を返しタマモ達を連れて歩いて行く横島君

 

「横島はあれで責任感が強いですからね」

 

出会った時とは比べるまでもなく落ち着いている。それにふざけた言動もあるが、その実は良い具合に息抜きのタイミングでふざけてくれる。そして気がつけば、懐の深いところに入り込んでいる人の良さ。それに頭の回転も速いし、機転も利く。蛍ちゃんとは違い、ムードメーカーであり、裏方や支援で最大の力を発揮する。それが横島君への私の評価だった、そして責任感が強いと言うのも納得だ。蛍ちゃんの言葉に判ってるわと返事を返し、2人でカオスフライヤーに組み付ける部品の運搬作業を再開するのだった……そしてそれから20分後。私達はカオスフライヤーでマリア姫の領地へ向かって飛び立つのだった……

 

 

 

 

それは突然の出来事だった。カオス様が依頼を受け治療に出て、数日の間に父に取り入ったヌルと言う旅の錬金術師を名乗る謎の男。それから父は変ってしまった。私と私の警護を勤めていた騎士と共にこの村に視察と言う名目で追い出されてしまった、今父が何をしているのか判らないが、カオス様よりもヌルに強い信頼を向けているのが判った

 

「マリア姫様。あのヌルと言う男、本当に錬金術師なのでしょうか?」

 

「……判らない」

 

私はカオス様の錬金術は見たことがある。だがヌルの錬金術は見たことが無い、本当に錬金術師なのか?と言うのは確かに感じている。それに私達が城を追い出されてから出没するようになったガーゴイルや謎の異形の存在も気になっている

 

「カオス殿はまだお戻りにならないので?」

 

騎士団長の問いかけに溜息を吐きながら頷く。カオス様がいれば今何が起きているのか?それが判るだろう、だが今カオス様はいない、それが事実であり、私達には知識も足りなければ、皆を統率する指導力も無いのが現実だ

 

「1度戻って来てくれるとありがたいのだが……それも難しいかもしれん」

 

温厚で異端の物にも優しいと名高いノア領主の娘の治療に出ている。おいそれと戻ってくる事は出来ない……いやもしかすると戻ってこないかもしれない。カオス様はパトロンを欲していた、私や父よりもノア領主の方がパトロンとして頼もしいだろう。だから戻ってこないかもしれないという不安が脳裏を過ぎる

 

【クーン?】

 

「ああ、バロン」

 

カオス様が私に作ってくれた狼のゴーレムが足元に擦り寄ってくる。バロンの頭を撫でながら大丈夫だと呟く、仮にノア領主の元に向かうとしても、きっとカオス様は一度は挨拶には戻って来てくれるはずだから

 

「それよりもだ。カオス様が残してくれたゴーレムは大丈夫なのか?」

 

この村を護る為にカオス様が残してくれたゴーレム。私達にゴーレムを治す術は無い、ゴーレムは無事か?と問いかけると騎士団長は暗い顔で

 

「40のうち、残り17です……」

 

「そうか。半分を切ったか……」

 

並みの相手なら大丈夫と聞いていたが……それほどまでに敵の攻撃は激しいと言うことか……前まではゴーレムとガーゴイルだけだった。だが最近はそこにワイバーンが混ざり、そしてそれを統率する黒い魔女がいると聞く……

 

「正直に聞こう。この村は耐えれるか?」

 

「……マリア姫様。恐らく次の襲撃で前線は崩壊します」

 

団長の言葉にそうかと呟く。ゴーレムが半数を切ってしまえば、相手の襲撃を耐える力は無くなる。それほどまでに向こうの攻めは強烈なのだ……何か打開策が無いか?と考えていると警鐘が鳴り響く

 

「作戦を考えている時間も無いか!騎士団長!ゴーレムと共に敵の襲撃に備えよ!最悪の場合は持ち場を放棄して、この村を脱出する!」

 

拠点を捨てることは恐ろしいが、全滅してしまっては意味が無い。少しでも生き残れる可能性があるのなら、その可能性を高める選択をする

 

「しかし追ってを食い止める力が!」

 

団長の言う事は判る。ゴーレムがいなければ、私達にあのワイバーン達を食い止める力は無い。大半が死に絶える……全滅するかもしれない。それでも防衛する力が無いのなら、この村を見捨てるしかないのだ

 

「カオス様に連絡を取る!もうなりふり構っている場合ではない」

 

ノア領主と父の関係が悪い物になるかもしれないが、今の段階では私と父の客分だ。私達の領地が滅びるかもしれないのだ、ここは強引にでも戻って貰わなければならない。それがノア領主との関係を悪い物としたとしてでもだ!

 

「私は女と老人、それと子供を連れて逃走の準備をする。出来るだけ時間を稼いでくれ!」

 

騎士団長に指示を出し、与えられた小屋を出る。そして私が見たのは空を飛び交うガーゴイルとワイバーン、燃やされた木々に小屋。逃げ惑う民の悲鳴……そして

 

「あはっ!あははははははははははッ!!!あーっははははははッ!!!!」

 

月を背に狂ったように笑う女の嘲笑。闇その物を纏っているかのような漆黒の鎧と、その鎧とは相反する白い肌がやけに目についた

 

「さぁ。始めなさい、蹂躙を、殺戮をッ!!!」

 

「「「「ゴガアアッ!!!!」」」」

 

女の声にワイバーン達が雄叫びを上げる。あの竜達はあの女に従っている……

 

「魔女め……ッ!」

 

思わずそう呟く、もしやあの魔女がヌルと結託し父を狂わせているのかと考えたが、空から襲ってきて民達を空中に連れ去るワイバーンを見て考え事をしている時間は無いと即座に理解した

 

「森へ逃げろ!平地にいるな!!竜の餌食になるぞ!!!纏まって逃げるな!散開しろ!!そして前に伝えた隠し砦に篭城するのだ」

 

判っていたのはこの村はもう持たないということ、そして私自身も死ぬかもしれないと言う事実。私は民達に逃げるように指示を出すと同時に、バロンにあの魔女を攻撃するように指示を出す

 

「へえ?」

 

バロンの放った銃弾は魔女の手にしていた剣に弾き落とされる、黄金の瞳が私を見据える。その光の無い瞳に恐怖する、それが人間のする目かと思った。その瞳に恐怖しながら、背を向けて走り出す。背後から何かが追ってくる気配がする、闇その物が追いかけてくるような気配に自らの死を覚悟しながら、自分がこうして囮になる事で救える民がいるかもしれない。それだけを考え、私はバロンと共に森の中を駆け続けるのだった……

 

 

 

 

カオスフライヤーを全速で飛ばし、マリア姫の領地に到着した時。既に日は沈み、周囲は闇が支配していた。だが遠くに見える光に舌打ちする。それは焚き火などではない、森が燃えているのだ

 

「しくじった、まさかワイバーンとは……ドラゴンではないだけ、救いはあるか……」

 

森と天然の要塞とし、ゴーレムと連携させて村を護る。それが私のプランだった。マリア姫は活動的な方で城にいる事は余り好きではなかった。だから外で活動した場合に隠れ場所としてあの村の警護を強くしたというのに……完全に裏目に出た。まさかワイバーンを戦力にするとは、ガーゴイルやゴーレムならいくらでも耐えるが、炎を扱うワイバーンは駄目だ。あの天然の要塞がマリア姫達を閉じ込める檻になってしまっている

 

「カオスのじーさん。ワイバーンっとドラゴンって種類が違うのか?」

 

横島の言葉に、美神を見るが美神もいまいち理解していない様子だ。私はマリアに目配せをする、マリアが小さく頷くのを見て、説明を頼むと呟く

 

「竜種の上位と下位の差と言う所ですね。ドラゴンは群れません、単独で恐ろしい強さを持つので群れる必要も。仲間も作る必要はありません。ワイバーンは竜種に属しますが、前足が翼であり蝙蝠に似た姿をしています。ドラゴンと比べれると小型ですが、凶暴性が高く群れて行動します」

 

厄介で強力なことは間違いないですが、ドラゴンと比べればワイバーンのほうが弱いですねとマリアが締めくくる

 

「だとしても、今の装備だと大分苦しいわね」

 

美神の言う事は最もだ。ワイバーンは下位の竜種とは言え、竜種としての驚異的なスタミナと凶暴性を持ち合わせている。専用の装備で身を固めていたとしても、五分かと言うレベルの強敵だ。今の間に合わせの装備で戦うには無茶と言う物だ

 

「それはすまない、マリア姫さえ救出できれば、後は逃走だ」

 

マリア姫はクイーンだ。決して失っていい存在ではない、私自身彼女を救いたいと願っている。ゆえに彼女を救う事が出来なければ、ここまで来た意味が無いのだ。だからマリア姫を回収した後は回収出来るだけ、救えるだけの民を回収し逃亡する。この村を拠点として防衛する価値は無い、それならば逃げたほうがよっぽど得策だ

 

「美神さん!あれ!見えますか!」

 

背後で蛍が騒いでいるのが聞こえる。だが私には見る余裕は無い、なんだ?蛍は何を見つけた?視線はマリア姫に渡したバロンの反応を探知するレーダーに向け、耳で何を見つけたのかと意識を向ける

 

「あれ……鎧と……旗?ですかね?それがワイバーンの背中に乗ってません?」

 

「そう見えるわね……遠目だけど女に見えるわね、何者かしら?」

 

竜を使役する女……そんな存在がおいそれと存在するわけが無い。そもそもこの土地にはワイバーンは本来生息していない、どこから連れてきたのか?どうやって使役しているのか?疑問は残るが、今は謎の女よりもマリア姫だ。必死にセンサーに視線を向けているとやっと反応が返ってきた

 

「見つけた!だが……不味いぞ」

 

魔力反応に追われている。この大きさはゴーレム……いやガーゴイルかもしれない。だが問題はそこではない、この森林では、カオスフライヤーで着地出来る立地ではない

 

「どうするのカオス」

 

「カオスフライヤーでの射撃は駄目だ。巻き込みかねない」

 

木々をなぎ倒して着陸……いや駄目だ。もしそれをすれば、飛び立つのに時間がかかる。その間に囲まれては意味が無い……

 

「マリア!飛行ユニットは内蔵していないのか!?」

 

私の設計図では足と背中にバーニアを搭載していたはず。それならばと思い問いかけるが、マリアの飛行能力に希望を託すが

 

「……申し訳ありません。以前の身体ならまだしも、今の肉体に内蔵機器は搭載していません」

 

人間に近い身体に換装した。現代で暮らす術だったとしても今は完全に悪手だ、着陸したら逃げる場所が無い、かと言って援護攻撃は巻き込むリスクが……

 

(考えろ、考えるんだ。何かある、何かあるはずなんだ)

 

ロープで吊り上げる……いや、駄目だ、今の消耗しているマリア姫にロープで自分を支えるだけの腕力は無い。バロン……これも駄目だ。バロンに飛行能力は無い、時間を掛ければ掛けるほどマリア姫の死が近づく、早く、早く妙案を……そう思えば思うほど考えは纏まらない

 

「カオス!高度を下げて!私と蛍ちゃんが飛び降りる!」

 

美神がそう提案するが、それも出来ない。高度を下げればガーゴイルやワイバーンに見つかる、それに地面に着地する前に襲撃されるリスクが……

 

「カオスのじーさん!ドアを開けてくれ!俺が行く!!!」

 

「横島君!貴方何を言っているのか理解してるの!?」

 

「眼魂は使わせないわよ!」

 

美神と蛍が怒鳴り、駄目だと言うが横島は考えを変えない。横島は自信に満ちた表情で拳を突き出して

 

「栄光の手の上の俺の霊能力で出来る篭手、爆発的な加速を使う翼を3つ全部使えば短時間なら飛べる筈。それにサイキックソーサーを空中で作って踏み台にする、追いかけているゴーレムとガーゴイルをぶっ飛ばして、うりぼーに載せて貰って離脱する」

 

他に何かアイデアがありますか?と横島が静かな口調で呟く。それは一発勝負の大博打、分が悪いなんてレベルではない。10回やったとして、1回成功すれば儲け物と言う大博打だ

 

「横島さん。それは無謀です、制御できる確信も無いでしょう」

 

「でも手を拱いていたらマリア姫が死ぬ。時間が無いんだ」

 

横島はマリア姫の為に命を掛けようとしてくれている……それも師匠や想い人の制止も振り切って……救おうとしてくれている

 

「カオス!駄目よ!そんな事許さないから!」

 

「サイキックソーサーを踏み台にするなら私も出来る!だから駄目よ!」

 

【横島!無謀な事は止めろ!命を捨てかねない作戦を許せると思うかッ!】

 

「カオスのじーさん!早くドアを開けてくれ!今ならまだ間に合う!!」

 

美神達の駄目だと言う声と横島のドアを開けてくれと言う叫び……そしてバロンに内蔵された通信機から聞こえたマリア姫の小さな声

 

『……死ぬなら……カオス様にもう1度……』

 

死を覚悟したその声を聞いた私はすまんと叫び。ドアの開閉レバーを引いた、凄まじい強風がカオスフライヤーに吹き荒れる中。横島はドアの開いた数秒の間にカオスフライヤーから飛び出して行った……

 

 

 

「うおおおおおおおッ!?や、ややややっ!!やべえええええええ!?!?」

 

カオスフライヤーから飛び出したのはいいが、パラシュートなしのスカイダイビングに絶叫する。風切り音とか半端ねえな!!

 

【お前は馬鹿か!いや、馬鹿だったな!もう少し考えて行動しろ!!】

 

心眼の怒鳴り声が聞こえるが、返事を返す気力は無い。と言うか、返事を返している余裕は無い。スカイダイビングをしながら、集中して霊力の篭手を作れるか?答えは簡単だ。NOだ

 

「ややややややや!!!!」

 

やばいと叫びたいのだが、落ちている衝撃で言葉にならない。早く霊力の篭手を作らないと地面に叩きつけられてトマト確定だ、俺自身も死に、マリア姫様も死ぬ。それは絶対に駄目だ、心眼の馬鹿と言う叫びは無視し、スカイダイビングにひやっとなりながら意識を集中する

 

(出来る出来る出来る出来る)

 

出来ると思い込め、不安に思うな。出来ると思え、自分に言い聞かせるように呟く。自分の霊力なのだ、出来て当然。使えて当たり前!迷うな!不安に思うな!出来ると思い込め!

 

「出来る出来る出来るッ!出来て当たり前!俺の力だ!使えて当然ッ!!!」

 

自分に言い聞かせるように叫ぶ、揺らぐな、迷うな、不安に思うな!自分に言い聞かせるように叫ぶ

 

「おおおおおおおおお」

 

空中で何とか体勢を立て直し、叫びながら右手首を左手で掴む。右手に霊力が集まっていくのを確認すると同時に集まった霊力を握りつぶす

 

「しゃあ!出来たぁ!!」

 

肩まで覆い尽くす篭手と背中の翼。霊力が完全ではないので、翼は2枚だけだが出来た事は出来た。出来て当然と思うこと、それが大事だと神宮寺さんに聞いておいて良かった

 

「心眼!マリア姫様は!?」

 

残念ながら俺の視力ではマリア姫を確認出来ない。心眼にどこだと叫ぶ

 

【10M前方だ!急げ!ゴーレムとガーゴイルに追い詰められている!】

 

心眼の言葉に判ったと叫び足先に意識を向ける。空中にサイキックソーサーを作る、しかも落下しながら……その極限状態に冷や汗を流しながら出来て当然と思い込む。脚に固い何かが当たる感触を感じると同時に強くそれを蹴る、何かが炸裂する音と同時に爆発的に加速する、だがそれだけでは間に合わない

 

「滅殺のおおおおおおおッ!!!!」

 

右手の甲の光が2つ消え、背中の翼も2枚全て砕け散り、更に凄まじい加速が全身を襲ってくる。だがそのおかげか、視線の先に木に背中を預けている女性とその女性に向かって拳を振り下ろそうとしているゴーレムを捉えた

 

「ファイナルブリッドオオオオオオオオッ!!!」

 

俺はその爆発的な加速を伴ったまま、右拳を突き出した……何かを砕いた音と木々を巻き込みながら着地する。めちゃくちゃいてえ!!!やっぱり変身して直ぐ、霊力の篭手を使ったのは失敗だったかもしれない……地面をえぐりながら叫びだしたいのを必死にこらえる

 

「な、何が……お、お前は何者だ……」

 

警戒しながらそう問いかけてくる女性。髪の色こそ違うが、マリアと瓜二つのその容姿に彼女がマリア姫様なのだと判った

 

【グルルルル】

 

俺を見て唸っている機械の狼に内心冷や汗を流しながら、痺れた足に顔を歪めながら振り返る

 

「カオスのじーさんに言われて助けに来ました」

 

「カオス様に?」

 

カオスのじーさんの名前にその女性の表情が和らぐ、だがまだ警戒している素振りを見せているが

 

【グルルル】

 

機械の犬が吼える。これがバロンって奴か……話には聞いていたけど、こうして見ると凄いな

 

「バロンで良いんだよな?カオスのじーさんが待ってる」

 

【グルゥ】

 

自分の名前を呼ばれて困惑してるバロン。俺みたいな奴が急に話しかけて困惑するのは当然だと思うが、今は時間が無い

 

「俺の事が信用出来ないのは判る。でも信じて欲しい、俺は助けに来た。それに嘘は無いんだ」

 

戻った所で美神さんや蛍に怒られるのも覚悟してここに来ている。それなのに、マリア姫様が死んでしまっては意味が無いのだ

 

「本当にカオス様の使者なのか?」

 

本当ですと返事を返す。マリア姫様は考え込む素振りを見せてから、1つ聞かせて欲しいと言った。時間が無いから、早くついてきて欲しいと思ったのだが、判りましたと返事を返す

 

「ソフィア姫様は?」

 

ピートとシルフィーちゃんのお母さんの事。その事を確認としてくれた事に安堵する。もっと詳しいカオスのじーさんの話だったら、俺では言葉に詰まっていたと思うから……俺は内心安堵の溜息を吐きながら笑顔を浮かべ

 

「無事です、カオスのじーさんの治療が間に合いました。それとソフィアさんから、救援物資も預かっています」

 

だから一緒にともう1度言うと、やっと判ってくれたのか一緒に行くと返事を返してくれた。そのことに安堵し、Gジャンのポケットからうりぼーを出す。タマモは飛び降りるときに危ないので残して来た。Gジャンのポケットに入る、チビとうりぼーだけが安全に運べるのでその2匹を連れてきたのだ、特にうりぼーは移動する足になるので連れて来て大正解だ

 

「うりぼー、分身1体出して、大きくなってくれ」

 

「ぷぎゅー♪」

 

俺の腕の中から飛び降りたうりぼーが分身しながら大きくなる。馬とまでは言わないが、跨るには十分な大きさだ

 

「こ、これは?」

 

流石に増えて大きくなる、うりぼーを見れば困惑するかと苦笑しながら、うりぼーのことを説明する

 

「俺の家族のうりぼーです。急いで移動しないといけないので、乗ってください」

 

上空を飛んでいるカオスフライヤーを見失っては合流所ではないと言うと、マリア姫様は判ったと返事を返し、おっかなびっくりと言う感じでうりぼーに跨ったマリア姫を確認し、俺もうりぼーに跨り。上空を飛んでいくカオスフライヤーの後を追って、うりぼーを走らせるのだった……

 

 

リポート16 竜の魔女 その2へ続く

 

 




次回はマリア姫から竜の魔女の話と生存者の話と説教を書いて行こうと思います。あと少しはヌルの視点で話を書いておきたいですね。
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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