ーその転生者、滅竜魔導師ー   作:遊戯王を愛する者

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プレッシャーですが皆様を楽しませれるよう頑張ります。




金髪の少女と『火竜』

 

 

 

--唐突だが、俺は転生者である。

 

 

俺は八神 遊斗だ。

 

社畜だったが、久し振りに休みが取れたので、晴天ということもあって気分転換にぶらぶらしようと思って外に出たんだ。

 

そんで交差点まできたんだけど、近くに仲が良い母娘がいたんだよ。

 

娘さんは多分4、5歳くらいか?

 

なんで分かるのかって?幼稚園で使う鞄を見たからだよ。

 

見ていて微笑ましいから眺めていたんだ。

 

でも・・・眺めていたからこそ気付いた光景だったんだ・・・。

 

母娘の向こうに見えたトラックがさ、歩道の俺たちがいる方へ向かって走ってきてるんだよ。

 

とっさに運転席見たら運転手が居眠りしてやがったんだよ・・・。

 

娘と会話していた母もトラックにやっと気付いたけど、気付くのがあまりにも遅く、轢かれる寸前だったんだわ。

 

俺はその時、何をしてたのかって?

 

・・・気付いた時にはもう走り出してて母娘をトラックの進行方向から外れるように横から突き飛ばしてたんだよ。

 

そして・・・あとは分かると思うが、母娘は助かった。

 

その代わり・・・俺は・・・。

 

・・・・・・・・。

 

・・・・・。

 

・・・。

 

 

・・・いや、この話はやめよう。

 

現在の話をしようじゃないか。

 

俺は『妖精の尻尾』でS級魔道士をやらせてもらっている。

 

今もS級依頼の帰りでハルジオンの港に来ている。

 

そこで妙な噂を耳に挟んだ。魔道士が何やら悪事を働いているらしい。

 

依頼ではないので解決する義務はない。

 

・・・が、噂の中に気になる情報があった。

 

『火竜』が船上パーティを行うと。

 

そして、その『火竜』は有名な『妖精の尻尾』の魔導士であると。

 

・・・とりあえずそいつらの目的の把握。

 

そして必要ならば殲滅だな。

 

 

 

 

 

 

情報収集の結果、どうやら噂は黒のようだ。

 

今夜に行われる船上パーティで何かが起きそうだ。

 

アイツに相談してこっそりと忍び込んでみるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になり、船が出港してから約30分がたった。

 

・・・警備は思っていたよりザルだった。

 

おかげでスムーズに潜入できているが釈然としない気持ちだ・・・。

 

一通り船内を見回ってみたが、集められたのは若い女の子たち。

 

観察してみたところ、意識はあるようだが様子がどこか変だった。

 

アイツに確認をとってみると

 

「おそらく魔法、症状からして”魅力”・・・のようね」

 

とのことだった。

 

この後の動きを2人で考えていると近くの船室から声が聞こえた。

 

覗いてみると都合よく今回の容疑者らしき人物が集まっているようだった。

 

そしてその中に場違いと思える金髪の少女がいた。

 

複数人で押さえつけられており、そのうえ涙を浮かべていた。

 

ボスらしき男が熱された鉄を少女に押し付けようとする。

 

・・・仕方ねえ、女の子たちにかかっている魔法の解除はあいつに任せて行きますか。

 

 

 

 

「そこまでだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故こうなってしまったのだろう。

 

私はただ自由になりたかっただけなのに。

 

だからこそ、あの窮屈な家を飛び出した。

 

ママの他界や屋敷の皆との別れは寂しかったがそれでも追い求めた。

 

出来る事なら魔道士ギルドに、憧れの『妖精の尾』に入りたい。

 

そう思ってた。

 

たまたま『妖精の尻尾』の魔道士、それも有名な『火竜』を名乗る人物に出会った。

 

正直に言って、いけ好かない人物だった。

 

でも、これで私も『妖精の尻尾』に入れると思ったら我慢できた。

 

しかし、それは罠だった。私に知らされたのは他国への奴隷の道。

 

悔しかった。涙が溢れた。こんな奴らに夢を汚された。

 

憧れのギルドがこんなのだったなんて。

 

信じたくない、でも・・・

 

これが『妖精の尻尾』の魔道士か!!!

 

ヤツが奴隷の烙印を押そうとしてくる。

 

ああ、もうだめなのかな。そんな考えがよぎった時だった。

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ」

 

 

 

 

 

 

静かに、そしてどこか力強さを感じる声が聞こえてきた。

 

相手が驚いたような顔をする。

 

私を押さえつけていた連中も同じ気持ちなのか拘束が少しゆるんだ。

 

しかし、抜け出すことはできない。

 

仕方なく私も顔だけで声の主を確認する。

 

そこに立っていたのはフード付きの服装をした男だった。

 

すると次の瞬間、いきなり彼が消えた。いや、消えたように見えた。

 

彼は一瞬で私の目の前に現れた。よく見ると私の周りにいた奴らが気絶している。

 

まさかあの一瞬で!? 全然見えなかった。

 

彼はこちらに一度視線を向けると、敵へと向き直る。

 

するとアイツも気を持ち直したのか彼に向かって話し始めた。

 

「何者だ、きみぃ? 勝手に人の船に乗っちゃダメじゃないか」

 

「そりゃ悪かったな。てっきりこの船で悪事が行われると思ったのでな」

 

「そりゃあいいがかりだ。僕はただパーティを開いただけだよ?」

 

「な、何を言ってんのよアンタ!! 奴隷船だってさっき・・・・・・」

 

「ん~? もしかしてまだ酔ってるのかな? まったくしょうがないなぁ」

 

「なっ!?」

 

思わず声が止まってしまった。なんて言い草だ。

 

しかし彼は大丈夫だというようにこちらを見てまたもやアイツに向き直る。

 

「誤魔化しは無駄だ、さっきの話は聞いていた。

 

それに使用禁止となっている”魅力”の魔法も使用しているようだし・・・。

 

他にも聞きたいことがいくつかある。おとなしくしてもらおうか」

 

「嫌だといったら?」

 

「力ずくで聞き出す」

 

「はっはっは。力ずく?・・・どうやら僕を知らないようだね。

 

僕は『妖精の尻尾』の『火竜』だよ? そこらの魔道士が勝てると思っているのかい?」

 

「『妖精の尻尾』、『火竜』ねぇ・・・」

 

男がそう呟いてると、新たな乱入者が現れた。

 

 

 

バキィッ!!!!

 

 

 

船の天井をぶち破って少し前に知り合った少年、ナツが現れた。

 

「き、気持ち悪い・・・。や、やっぱダメだ」

 

と思ったらダウンしてしまった。

 

一体どういう事なのだろうか。

 

彼がナツを一瞥したあとに上を見上げる。

 

私もつられて見てみると、穴の向こう側に青猫、ナツと一緒にいたハッピーが空を飛んでいた。

 

彼は驚いた様子もなく、ごく普通に話しかける。

 

「ようハッピー。何やってんだ?」

 

「ちょっとね。ユートこそ何やってんの?」

 

え?お互い面識あるの?

 

「仕事帰りだが噂を耳に挟んでな。・・・丁度いい。この娘を頼む」

 

「あい」

 

そんなやり取りをしてると思ったらハッピーに持ち上げられて私は空に向かった。

 

突然の事に驚くが、慌ててハッピーに伝える。

 

「ちょっと待ってハッピー!! あの2人は!?」

 

「1人しか無理。それにあの2人ならあの程度問題ないからね」

 

「なにを言って――」

 

「それより、ルーシィ」

 

「何よ!?」

 

「羽消えた」

 

「くそネコーーーー!!」

 

そして私たちは海へと落下した。

 

 

 

 

 

 

海に落ちた私は奴等に捨てられた鍵を拾って、星霊である”アクエリアス”を呼んだ。

 

私ごとだったのは不満だけどおかげで船を岸に戻せた。

 

去り際に彼氏のアピールをしてきてウザかったので文句を言おうとしたが、彼女は星霊界へと帰ってしまった。

 

言いたい事たくさんあったけど、今はそれどころではない。

 

早くナツたち、と捕まった少女達を助けに行かなきゃ!!

 

私が船内に戻った時、ほぼ全員がのろのろと立ち上がりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおう。やっと止まった。

 

急に船が流されだしたのには流石に少しビビったぞ。

 

「と、止まった」

 

お、ナツがやっと乗り物酔いから復活した。

 

「おーい、大丈夫かナツ?」

 

「・・・・・・何でユートがいるんだ?」

 

「今頃かよ。ハッピーにも言ったが仕事帰りに噂を耳に挟んでな」

 

「そうか。それよりアイツ――」

 

とそこへ先ほどの少女が戻ってきた。

 

・・・ナツはあっちに集中してるし、アイツ等も気にしてないようだが。

 

しょうがない、俺が対応するとしよう。

 

「おう、君、無事だったようでなによりだ。」

 

「へ? あ、はい。 て、そうじゃなくて――」

 

「悪いが・・・話は後にしてくれ」

 

ナツが飛びかかってきた雑魚2人を殴り倒した。

 

そして肩にある妖精の尻尾の紋章を見た事でアイツ等が騒ぎ出す。

 

「あの紋章!! 本物だぜボラさん!!」

 

「バカ!! その名で呼ぶな!!」

 

ボラァ?・・・少しだけ聞いたことがあるな。

 

「『紅天』のボラ。数年前に『巨人の鼻』って魔道士ギルドから追放された奴だね」

 

「聞いたことがある・・・。確か魔法で盗みを繰り返して追放されたって」

 

「ま、要するに小物ってことだ」

 

 

 

 

 

「おめェが悪党だろうが善人だろうが知った事じゃねェが、妖精の尻尾を騙るのは許さねェ」

 

「ええいっ!!!ゴチャゴチャうるせえガキだ!!!!」

 

ナツが怒りの表情でそういうが、ボラが魔法で火をぶつけ、ナツが火に包まれてしまう。

 

「ナツ!!!」

 

少女が心配そうに前に出たので、腕を横に出してそれ以上前に出ないようにする。

 

「どうして止めるの!!?」

 

「心配はいらん。あいつに火は効かないのでな」

 

 

 

 

 

「まずい」

 

 

 

 

たった一言。

 

だが静かに、その場に響き渡る。

 

 

火に包まれてよく見えないがゆっくりと立ち上がっていくのが見える。

 

「何だコレぁ。お前本当に火の魔導士か?」

 

そう言いながらモグモグと”火”を食べる・・・

 

「こんなまずい”火”は初めてだ」

 

「はあ!!?」

 

「な?言った通りだろ?」

 

「え、あ・・・そうですね。」

 

少女が呆然としてる傍ら、ナツはボラを殴って壁に穴を開けていた。

 

それを見てさらに呆然とする少女。・・・無限ループじゃないんだから。

 

「”火”を食べたり”火”で殴ったり・・本当にこれ・・・魔法なの!!?」

 

「・・・ハッピー、説明よろしく。」

 

「ユートも知ってるんだから説明すればいいのに」

 

「ナツが壊し過ぎないよう抑えにかからんといかんから任せた」

 

「あい。」

 

そしてハッピーが説明を始めるが・・・邪魔が入らんよう雑魚共には睨みを利かせておくか。

 

「おーいナツ、後で軍隊に引き渡すんだからボラ逃がすなよ。あとアイツも来てるからな。船壊しすぎるなよ?」

 

「おお、わかった」

 

そういってナツは壁に空いた穴から飛び出していった。

 

さて、俺たちも―――っと。

 

穴から出ようとしたが、衝撃から抜けた男達に行く手を阻まれた。

 

「待ちな兄ちゃん、オメェらは逃がさねえ」

 

「もうボスはヤられたんだぜ。それでもやるか?」

 

「うるせー!! このままやられっぱなしでいられるか!!」

 

「そうだ!! お前たちだけでも痛めつけてやる!!」

 

「だとさ、よろしくハッピー」

 

「あい!?」

 

「冗談だ。2人共下がってな」

 

ほっと安堵の息を吐くハッピーと少女を後ろにして奴らに向き直る。

 

「ボラ以外に魔道士はいないみたいだな。俺もさっきの奴と同じように魔法が使えるがそれでもやんのか?」

 

「いいから死んどけッ!!そんでその少女は俺たちがいただくッ!!!」

 

3人程こちらに向かってきたのでステップを刻む。

 

左側から1人が足払いをしてきたので左足で防御、ジャンプして右足のハイキックで顎に当て気絶させる。

 

「10点。工夫が足りん」

 

右側から右手で剣を振りかぶってきたので左足を高く振り上げ足裏で肘を蹴飛ばす。

 

剣を持っていた右腕を弾き飛ばされたことで硬直した男に容赦なくサマーソルトで1人目と同様に顎に当て脳震盪を起こさせる。

 

「体幹がぶれぶれ、鍛えて出直してこい」

 

残りの正面の男はこれといった内容もなく回し蹴りで壁まで蹴飛ばす。

 

「くくっ。全員、ハンデだ。魔法を使わず蹴りだけで倒してやるよ」

 

「なめんじゃねぇぞ!!」

 

「かかれー!!」

 

『うおおおおおっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

私は自分の目で見ている光景が信じられなかった。

 

壁から飛び出したナツもそうだけど、目の前の男の体術も凄い。

 

足払いを防いでからの蹴りで気絶させたと思ったら残りの2人も華麗な足捌きでの蹴りで倒していく。

 

男の勢いが止まらない。

 

体術のみで相手を倒している・・・凄い。

 

 

 

 

 

 

・・・数分後

 

 

 

「ま、魔法が使えん奴らならこんなもんか」

 

「す、すごい」

 

「相変わらず理不尽な強さしてるね」

 

あの大人数を1人で倒した彼は、倒れた奴らを積み上げた上に座っていた。

 

私も助けに入ろうとしたが、そんな隙はなかった・・・。

 

しかも、本当に魔法を使わずに蹴りのみで全員倒しちゃった。

 

「よし、ナツんとこ行くか」

 

「え、あ・・・はい」

 

 

降りるとナツとボラは一方的な展開のまま決着がついていたようだ。

 

ボラがかなりボロボロ・・・よく見ると髪が焦げている・・・。

 

男に促されるまま船を降りたけど・・・あの人何者なんだろう?

 

ナツとかなり親しげに話していたけど・・・そういえばまだ名前とか聞いてない。

 

「あの「こ・・・この騒ぎは何事かねーー!!!」・・・え?」

 

大量の鎧を着た人がこっちへ向かって走っている。

 

「うげっ、逃げんぞ!!」

 

「あいさー!!」

 

ナツが顔色を変えてるけど何やったのよアンタ。

 

「ナツ、ハッピー、俺ともう一人は軍隊に報告しなきゃならん事あるから別行動だ」

 

え? わ、私はどうすればいいんだろ?

 

皆の対応の早さに混乱してしまう私に彼が声を掛けてくる。

 

「君はどうする?」

 

「わ、私は・・・、私を『妖精の尻尾』に入れて下さい!!」

 

し、しまった。何を言ってるのよ私は!? そんな場合じゃないでしょ!?

 

しかし彼は戸惑った様子もなく笑顔で言った。

 

「そうか。ナツ、この娘を頼む!!」

 

「わかった、行くぞ!!」

 

すれ違いざまにナツに手を取られる。

 

そしてそのまま流れで走り出す。

 

走っているのは私とナツ、それとハッピーが飛んでおり彼は立ち尽くしたままだ。

 

「え!? な、なんで!?」

 

「だって俺たちのギルドに入りてーんだろ?」

 

「あい。それにユート達なら大丈夫だから気にしないで」

 

それって・・・・・・

 

「来いよ」

 

「うん!!!!」

 

 

 

 

 

---そうして妖精の尻尾へと走る少年、青猫に少女も加わった。




そのキャラの心境や状況を文章で説明するって難しいですね。

力不足です。精進せねば。

今後とも宜しくお願いいたします。

ちなみに主人公はナツと同じく滅竜魔導士ですが、乗り物酔いしないのはある魔法を使っています。

どのような魔法かはいずれ説明が入りますのでぜひお楽しみに。
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