あたしの名前はルーシィ
17歳の”星霊魔導士”よ
ある街で炎(?)の魔導士ナツと羽のあるネコ(?)のハッピーと出会ったのがきっかけで魔導士たちの集まる冒険ギルド『妖精の尻尾』に入ることができたの。
ギルドに来て最初にミラさんと出会った。ミラさんは雑誌で見るよりも凄い美人だった。
気がついたらギルド内で乱闘が始まっており、それに狼狽えているとマスターが現れてお説教が始まった。
でも次第に話が変わり、その話に引き込まれた。凄いカッコよかった。
その時聞いた事なんだけど、ハルジオンの件はユートという青年ともう一人が上手く収めてくれたそうだ。
それから現在に至るけど、そこに至るまでの内容は濃かったわ
行方不明になっていたマカオさんを探して吹雪の山ハコベに行ってはモンスターのバルカンと戦闘したり、カービィさんから依頼され本を盗みにエバルーの屋敷に入ったり・・・ね。
そういえばナツやハッピーと出会った街にいたあのフードの青年は誰なんだろう?
そして『妖精の尻尾』に入ってから1週間が経過した。
今日、彼らが帰ってくるそうだ。
ギルドの扉の前に2人組の男女が立っていた。
「やっとギルドに着いた。ハルジオンの件も思ったより時間がかかったが、まあ上々の結果か」
「依頼人も報告を受けて喜んでくれたしやったね、ユート」
「そうだな・・・入るか、ゼーラ」
「うん」
そして男が扉に手をかける。
扉が開いたので皆一斉に扉の方向を見た。
「帰ったぜ。疲れた・・・」
「皆、ただいま」
男女が入口で一声かけてから中に入る。
そこからは声を掛けてくる連中に言葉を返しながら進む。
「おかえりユートにゼーラ」
「ようカナ。相変わらず飲んでるね」
「まあねー。今度付き合ってよ。ゼーラもね」
「時間があったらね」
「よう、お疲れ」
「服を着ろグレイ」
「服を着なさいよグレイ」
「うおっ!?」
「やあ、お疲れ様。仕事はどうだった?」
「問題ねえよ、ロキ」
「私とユートが組んでるんだもの、当然よ」
「ふふ、流石だね」
「ユート、俺と勝負しろー!!」
「いいだろう」(足を払って背負投で地面に叩きつけてナツを気絶させる)
「うごッ!?」
「あははっ、ナツまたあっさり負けたねー」
「2人とも凄い人気なのね」
「それがユートとゼーラだよ」
ミラと話してるといつのまにか目の前にいた。
「む?ハルジオンで会った娘か。自己紹介といきたいが少し待っててくれ、報告を先に済ませる」
「は、はい」
「「ミラ、ただいま」」
「2人ともおかえりなさい」
その時のミラは頰が少し赤かったが素敵な笑顔だった。
マスターが不在だったので俺は依頼の結果報告をミラにした。
今は一通りの報告が済んだので飯を作ってもらっている。
カウンターの椅子に腰掛けたまま、体の向きを金髪少女の方に変える。
「それじゃあ改めて八神遊斗・・・ユートと呼んでくれ。よろしくな」
「私はゼーラ。よろしく」
「ルーシィです。よろしくお願いします。」
「おう。敬語はいらないからな。それで・・・何か困ったことがあれば俺たちに言ってくれ」
「あ、はい・・・」
ちょうどいいタイミングで頼んだ物が来たのでそれに手をつける。
夢中で飯を頬張る俺にミラが話しかけてくる。
「どうユート? 美味しい?」
「ああ。うまいよ」
「それはよかった」
頰が赤いながらも微笑んでくるミラ。
「あ、前に食べた時より美味しくなってる。」
盛り上がってるゼーラとミラを置いといて俺は食事を続けた。
「ごちそうさま。 ・・・・・・ふあ~、眠い」
飯を食ったら、睡魔が襲ってきた。
「大丈夫? 帰って寝る?」
ミラがそれに気づいて声をかけてくる。
「おう・・・そうだな。そうするわ。」
「私も疲れちゃったし帰るね。お疲れ様。またね」
そうしてユートとゼーラはギルドを後にした。
「うーん……」
ユート、ゼーラが帰ってきて数日後、ルーシィは依頼板の前で悩んでいた。
「魔法の腕輪探しに…呪われた杖の魔法解除、占星術で恋占い希望!? 火山の悪魔退治!?」
「気に入った仕事あったら私に言ってね。今はマスターいないから」
「あれ? 本当だ」
「定例会があるからしばらくいないのよぉ」
「定例会?」
ミラが言った聞きなれない単語にルーシィは首を傾げる。
「定例会って言うのは、地方のギルドマスターたちが集って定期報告をする会よ。評議会とは違うんだけど…うーん…ちょっと分かりづらいかなぁ?」
「リーダス、光筆貸して?」
「ウィ」
ミラが近くに居た大柄な男…リーダスから一本のペンを借り、空中に文字と図式を書き始める。そして一通り書き終えると、ルーシィに説明する。
「魔法界で一番偉いのは政府との繋がりもある評議員の10人。魔法界におけるすべての秩序を守るために存在するの。犯罪を犯した魔導士をこの機関で裁くこともできるのよ。その下にいるのがギルドマスター。評議会での決定事項などを通達したり、各地方ギルド同士の意思伝達を円滑にしたり、私たちをまとめたり。まあ、大変な仕事よねぇ」
ミラの説明を聞いたルーシィは感嘆の声を上げる。
「知らなかったなぁ…ギルド同士の繋がりがあったなんて」
「ギルド同士の連携は大切なのよ。これをおそまつにしてると…ね」
「黒い奴らが来るぞォォォ」
「ひいいいっ!!!」
ミラが言いかけたところで、ナツがルーシィの後ろで声色を変えて囁き、ルーシィは大声を上げて驚く。
「うひゃひゃひゃ!!!「ひいい」だってよ なーにビビってんだよ」
「もォ!!!驚かさないでよォ!!!」
「ビビリルーシィ略してビリィーだね」
「変な略称つけんなっ!!!」
「でも黒い奴らは本当にいるのよ。連盟に属さないギルドを闇ギルドって呼んでるの」
「あいつ等法律無視だからおっかねーんだ」
「あい」
「じゃあいつかアンタにもスカウト来そうね」
ルーシィはそう言うが、ナツはスルーして言う。
「つーか早く仕事選べよ」
「前はオイラたち勝手に決めちゃったからね。今度はルーシィの番」
「冗談!!!チームなんて解消に決まってるでしょう」
「なんで?」
「あい」
ルーシィの言葉にナツとハッピーは不思議そうに首を傾げる。
「だいたい金髪の女だったら誰でもよかったんでしょ!?」
「何言ってんだ…その通りだ」
「ホラーーー!!!」
「でもルーシィを選んだんだ。いい奴だから」
ニカッと笑いながらそう言うナツにルーシィは何も言えなくなる。
すると、今までの会話を近くで聞いていたグレイとロキが話しかけてきた。
「なーに、無理にチームなんか決めるこたァねぇ。聞いたぜ、大活躍だってな。きっと嫌ってほど誘いがくる」
「ルーシィ、僕と愛のチームを結成しないかい? 今夜二人で」
「ほらな」
「イヤ…」
ロキの誘いを即座に断るルーシィ。
「傭兵ギルド、南の狼の二人とゴリラみてーな女やっつけたんだろ? すげーや実際」
「そ…それ全部ナツ」
「テメェかこのヤロォ!!!」
「文句あっか! おぉ!!?」
ルーシィの一言で睨みあうナツとグレイ。
「グレイ…服」
「ああああっ!! また忘れたぁっ!!」
ミラの一言で自分が服を着ていないことに気付くグレイ。
「うぜぇ」
「今うぜぇつったか!!? クソ炎!!」
「超うぜぇよ変態野郎!!!」
そう言って今度は殴り合いの喧嘩を始める二人。その間に、ロキがルーシィを口説いていた。
「君って本当にきれいだよね。サングラスを通してもその美しさだ…肉眼で見たらきっと眼が潰れちゃうな……ははっ」
「潰せば」
口説いてくるロキに冷たくそう言い放つルーシィ。すると、そんなロキの目にルーシィの腰に提げられていた鍵が映る。その瞬間、ロキはルーシィと距離を取る。
「うおおっ!! き…君、星霊魔導士!?」
「?」
「な、なんたる運命のいたずらだ…!」
先ほどまでとは明らかに様子が違うロキにルーシィは首を傾げる。
「ごめん! 僕たち、ここまでにしよう!!!」
「何か始まってたのかしら……」
ロキは慌てて出口に向かって駆け出して行き、ルーシィは一人ぼやいた。
「何あれぇ」
「ロキは星霊魔導士が苦手なの」
「はぁ?」
「どうせ昔女の子絡みで何かあったんでしょ。」
ミラががロキに向かって辛辣な言葉を吐くと、ロキが慌てて戻って来た。
そしてそのまま喧嘩しているナツとグレイに向かって叫ぶ。
「ナツ! グレイ! マズイぞっ!!!」
「「あ?」」
「エルザが帰ってきた!!!!」
「あ"!!!?」
その言葉を聞いた瞬間、ナツとグレイは身体から尋常じゃない汗が吹き出す。
その時……
ズシィィン…
ギルドの外からそんな地響きが聞こえてきた。
段々と近くなる地響きながら、固唾を呑んでいるギルドメンバーたち。
そして…巨大な角を担いだ鎧を纏った緋色の髪の女性『エルザ・スカーレット』が現れた。
「今戻った。マスターはおられるか?」
担いでいた角をその場において尋ねるエルザ。
「おかえり。マスターは定例会よ」
「そうか……」
「え…エルザさん…そ、そのバカでかいの何ですかい?」
「ん? これか?討伐した魔物の角に地元の者が飾りを施してくれてな……綺麗だったので、ここへの土産にしようと思ってな……迷惑か?」
「い、いえ滅相もない!!」
エルザの問いに慌てたように答える。
「それよりお前たち。また問題ばかり起こしているようだな。マスターが許しても、私は許さんぞ」
そう言ってメンバーを睨むエルザ。
「な…なにこの人…」
「エルザ!! とっても強いんだ」
ルーシィの質問にハッピーが答える。
「カナ…なんという格好で飲んでいる」
「う…」
カナと呼ばれた女は酒樽を下ろしてしまう。
「ビジター、踊りなら外でやれ。ワカバ、吸殻が落ちているぞ。」
ビジターと呼ばれた男は動きを止めてしまう。
ワカバと呼ばれた男は慌てて吸殻を纏める。
「ナブ…相変わらずリクエストボードの前をウロウロしているのか? 仕事をしろ」
ナブと呼ばれた男は体を小さくしてしまう。
メンバーに一通りダメだしをした後、エルザは溜め息をつく。
その後ろでは指摘をされた人々が意気消沈していた。
「まったく……世話がやけるな。今日のところは何も言わずにおいてやろう。」
ずいぶんいろいろと言っていたような・・・と思っていたが、心の中で思うだけにとどめたルーシィだった。
「風紀員か何かで・・・?」
「エルザです」
「ところで、ナツとグレイはいるか?」
「あい」
エルザに問われたハッピーは返事をする。そして同じく呼ばれたナツとグレイは……
「や、やぁエルザ…オ、オレたち今日も仲よし…よく…や…やってるぜぃ」
「あい」
「ナツがハッピーみたいになった!!!!」
先ほどとは打って変わって肩を組みながら仲の良さをアピールしていた。
「そうか…親友なら時には喧嘩もするだろう……しかし私はそうやって仲良くしているところを見るのが好きだぞ」
「あ…いや、いつも言ってっけど…親友ってわけじゃ……」
「あい」
「こんなナツ見たことないわっ!!!」
普段見ないナツの姿にルーシィは愕然とする。
「仕事先で少々やっかいな話を耳にしてしまった。本来ならマスターの判断をあおぐトコなんだが、早期解決がのぞましいと私は判断した。2人の力を貸してほしい、ついてきてくれるな」
「え!?」
「うそっ…!?」
「はい!?」
エルザの思いがけない言葉にギルドはざわつく。
「出発は明日だ。準備をしておけ」
「あ…いや…ちょっ…」
「行くなんて言ったかよ!!!」
「それと……」
ナツとグレイの言い分を無視して、エルザはさらに続ける。
「ここへ来る途中で会ったユートとゼーラにも協力を頼んでおいた」
「ユートとゼーラも!?」
「明日、マグノリアの駅で落ち合う予定だ。詳しくは移動中に話す」
そう言い残して、エルザは帰って行った。
ミラにルーシィが問い掛ける。
「エルザと…ナツと…グレイ…そしてユートとゼーラ…今まで想像したこともなかったけど……」
「?」
すると…ミラが小さく呟き、それに首を傾げるルーシィ。
「これって、『妖精の尻尾』最強チームかも…」
「!!!!」
その言葉に驚きのあまり、ルーシィは口を大きく開けたのだった。
ユートとゼーラ、次から本格的に動かします。
戦闘描写うまく書けるといいなぁ・・・