生命の理   作:ゆきうさ

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三人称視点になります


【生命神】

 

 【生命神】

 

 それは、他の【(ザ・ワン)】系統同様に、ステータスではなくスキルに特化している超級職。

 

 一応、前衛戦闘職でもあるためにSTRやAGIは上がる。が、せいぜいが上級職と同程度の上がり幅。

 しかし、その名は【生命神】。ならば生命力、すなわちHPの上昇はかなりのものになるかと思われるが・・・その予想を裏切るかのように、一切上昇しない。

 

 

 否、する意味がない(・・・・・・・)

 

 

 それが【生命神】がもつ《神造生命(しんぞうせいめい)》の恩恵である。その効果は・・・HP上限の撤廃。

 理論上、無限にHPを上げることのできるスキル。

 

 他にも《生命置換》や《生命代償》という数々の【生命神】固有のスキル、さらには《生命変換》スキルレベルEXや《生命生成》スキルレベルEXなどの強力なスキルをも所持する。

 

 

 条件さえ整えば最強の超級職と言っても過言ではないジョブ。生命操作(・・・・)に特化した超級職である。

 

 

 

 

 

 そしてこれから語るのは最後から二番目、<マスター>である風月が【生命神】となる前の、ティアンとしては最後の【生命神】のお話である。

 

 

 

 □700years ago

 

 

 

 世は三強時代。【覇王】【龍帝】【猫神】という三人の絶対強者が闊歩していた時代。

 そんな時代の、黄河に位置する森の奥深く。

 

 そこにはある一つの寺が建っていた。

 

 

 名を尊命寺、当代【生命神】である(ハイ)鳴威(ミンウェイ)が起こした寺院であり、創立100年程度の若い寺ではあるが、【生命神】の教えが受けられるということで数百人の門弟がおり活気にあふれている。

 

 

 さて、この海鳴威であるが、御年二百といくつか。これがエルフや龍人といった長命種ならば分かるが、ただの人にしては異常である。

 

 それも【生命神】のスキルである《生命代償》によるもの。

 このスキルの効果はHPを消費することであらゆる状態異常を回復させるというもの。この効果によって【老化】を、そして寿命を克服しているのだ。

 ゆえに、その肌にはまだまだ張りが残っており、若者とまではいかないがせいぜい30かそこらにしか見えないほどの外見を保てている。

 

 

 彼が寺を作った理由は一つ。

 自らの後継者を選出するため。

 

 【生命神】は就くための条件が普通ではたどり着けないほど難しく・・・されど知ってさえいれば簡単な部類に入る。

 

 その条件とは

 1 上限超過HP回復量が百億を超える

 2 HPの消費量が一億を超える

 3 一定以上の強さを持ったボスモンスターをHPを減らすことなく単独で勝利

 

 この三つである。

 1も2も普通は行わないことであるけれども知ってさえいれば、そして時間さえあれば比較的簡単に達成できる。

 一見難しそうに見える3も、戦いが始まる前のHPと戦い終わった後のHPを比べるために、倒し切る前に回復することさえ覚えていれば達成はそこまで難しくない。

 

 

 というのも、【生命神】は【神】系統のため上級職や下級職を求められることはないものの、実質的な下位ジョブがあるからだ。

 

 それが【仙人】というジョブである。

 スキルレベル最大で毎秒10ポイントのHPを自動で回復できる《生命生成》、HPをSPへと変換するスキルである《生命変換》というスキルの二つを持つこのジョブは簡単に条件を達成できる。

 

 

 ゆえに海鳴威は信頼できる弟子にはこの条件を教え、次代の【生命神】を育てているのである。

 当初の思惑とはずれ、意外と海鳴威が生き残っているせいで弟子も成長し、レベルカンストした者を100人以上抱えるこの寺の戦力は黄河でもトップクラスと言えるだろう。

 もちろん、海鳴威自身の戦力も【龍帝】を除けばトップクラス、合計レベルは1500をも超えていた。

 

 

 

 そこで海鳴威は幸せな生活を送り、弟子たちに看取られながら静かにこの世から去っていった・・・とはならないのがこの時代である。

 先にも言ったように、この時代は戦乱の時代。

 

 【覇王】の侵略が始まり、西側の国は平らげられ、その手は黄河にまで及ぼうとしていた。

 

 

 【生命神】海鳴威は単騎で【覇王】ロクフェル・アドラスターへと挑むもあえなく敗北。なんとか死ぬことだけは避けられたが、その身をもって【覇王】を止めるには【龍帝】の力が必要だと示した。

 

 

 

 そしてついに起ころうとしていた【覇王】【龍帝】のぶつかり合いは―——突如現れた【猫神】シュレディンガー・キャットによって妨げられた。

 

 時には自らによって足止めし、時には後方の地を襲うことで二人の絶対強者の接触を阻止していた。

 

 

 

 

 それにいら立つのは二つの国である。

 【覇王】がどう思っていたかは分からないがそれぞれの国は戦争など終わらせたがっていた。たとえ、その戦いによって尋常な被害が出るとしても、数年以上も戦争を続けるよりかは被害が少ないだろうと見積もって。

 

 

 とはいえ【猫神】も三強と呼ばれるうちのの一人。たとえ、他の二人に比べて多少劣るとはいえその強さは本物だ。

 生半可な戦力で止められるほど甘くはなく、仮に倒せたとしても<マスター>ゆえに三日後には復活する。

 

 

 

 しかし逆に言えば・・・強力な戦力をもってすれば、三日間は動きを封じられるはずということ。

 

 

 そこで名乗りをあげたのが海鳴威。

 彼は確固とした勝算をもって―——しかし【猫神】のスキルをただ800人に分身するスキルだと致命的な勘違いしたまま挑むこととなった。

 

 

 彼の勝算とはすなわち蓄積されたHPの量。

 その時点で15億をこえており、並の超級職と比べれば1500人分にもなっている。そこに彼の弟子100人も加わり、まさに負ける要素など見つからない、そう考えていた。

 

 

 ゆえに彼は言った。

「命の多さを自慢にしているのであるなら―——それ以上の数で対抗しよう。たかだか800人程度の数で勝てると思うなよ、シュレディンガー。こちらとそちらでは、命の重さが違うのだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それを知っていた彼は言った。

「うーん、この僕を相手に命の数で競うってー・・・。なんというか、すごく無謀だとおもうよー。」

 

 




お、終わらなかった・・・。
もう少しだけ続きます・・・。


【生命神】というジョブが強すぎるような微妙なような・・・。どうですかね? 意見があったらお願いします。
 一応、出てるスキルの詳細も載せときますね
《神造生命》・・・HP上限突破、体がバラバラになっても生存できる
《生命生成》・・・スキルレベルEXで毎秒HPが100回復
《生命変換》・・・HPをSPに変換できる(スキルレベルEXでレートが1:1)
《生命代償》・・・HPを消費して状態異常を回復
《生命置換》・・・仲間のHPの減少を自分のHPの減少に置き換える
《■■■■■■■■■■》・・・最終奥義

 その他にHPドレインのスキルとかもあります。



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