朝6時
瑞鶴「行ってきます!」
バタン
翔鶴「行ってらっしゃい!」
翔鶴(最近張り切ってるわね。お姉ちゃんも負けてられないわ)
演習海域
瑞鶴「おはようございます、なんで海なんですか?」
加賀「おはよう、 今日から訓練方法を変えるわ。」
瑞鶴「え?」
加賀「貴女は実戦で全然能力を生かせてない、だから」
スチャ
加賀「同じ状況に追い込むわ」
瑞鶴「え?え!?」
加賀「貴女がその矢を私にあてることができればこの訓練は終了よ」
瑞鶴「ちょっと!そんなん危ないじゃない!」
加賀「大丈夫よ、私は演習弾を使うから」
瑞鶴「そんなん!あんたにあたったら怪我するじゃない!」
加賀「....甘く見られたもね。深海棲艦の前で怖気づいた人が私に勝てるとでも?」
瑞鶴「くっ!少しでも心配した私が馬鹿だったわ!」
スチャ
加賀「....さぁ、かかってらっしゃい」
瑞鶴「言われなくても!アウトレンジで決めてやるわ!」
バシュ!
サッ
加賀「見え見えね」
バシュ!!
ドスッ
瑞鶴「うぐ!」バシャン
加賀「はぁ...その程度かしら?そんなんじゃ艦隊行動すら無理ね」
瑞鶴「.....まだまだ!」
加賀「.....」
瑞鶴「はぁぁぁ!!」
バシュ!!
加賀(まだまだだけど、いいものを持っているようね。)キャン!
ドスッ
瑞鶴「くっ!」ズシャァ
瑞鶴(くそっ!かすめることもできないなんて...)
加賀「....もう終わりかしら?」
瑞鶴「はぁ....はぁ....なんで、なんで加賀さんはそんなに強いの?」
加賀「....さぁね」
瑞鶴「教えてよ!私も加賀さんみたいに強くなりたい!!今度は翔鶴姉を守りたいの!」
加賀「.....」
瑞鶴「お願い!」
加賀「.....そうね、貴女には少し話しておこうかしら」
瑞鶴(加賀さんの過去?)
加賀「あれは...そうね、私がこの鎮守府に来る前の話よ。」
加賀「私には、優しい母、可愛い妹と弟が居たわ」
瑞鶴「居た?」
加賀「えぇ、とても幸せだったわ、まぁ、今となっては夢を見ていたようなものよ。」
瑞鶴「....どういうこと?」
加賀「.....私の....私の愛するものは全て奪われたのよ」
瑞鶴「....え」
加賀「母と弟は深海棲艦に....妹は海軍に殺されたわ」
ポロ
瑞鶴「....!!加賀さん...泣いて...」
加賀「私は....私は.....」
瑞鶴「加賀さ....」
加賀「私は!何も守れはしなかった!一緒に海軍に入った妹さえも!守ることはできなかった!私の妹は苦しみながら標的艦にされ沈んだ!私は....私は!.」
瑞鶴「加賀さん....」
加賀「全て奪われた....そして私は自分自身も見失ったわ、だから強くなるしかなかった。」
瑞鶴「加賀さん....」ギュッ
加賀「!?やめなさい!」バッ!
瑞鶴「きゃっ!」
加賀「私に、そんな優しさはいらないわ」
瑞鶴「.....」
加賀「話は終わりよ、さぁ続きを始めましょう」
瑞鶴「そんなの....」
加賀「始めるわよ」
瑞鶴「そんなの悲しいだけじゃないですか!」
加賀「貴女にはわからないわ」
瑞鶴「わかるわよ!私には守る人がいる!失う悲しみも....」
加賀「わかったところで、なんの意味をなさないわ」
瑞鶴「くっ!....悲しい人....」
加賀「なんとでも言いなさい。」
瑞鶴「くっ!」
加賀「守るものがあるなら強くなりなさい。自分の力で守れるように。」
加賀「まぁ無理ね。姉に守ってもらってばっかりの腰抜けた貴女が守れるわけないわ。」
瑞鶴「!!」
加賀「そんなんで、わかった気にならないでちょうだい。不愉快だわ」
バシュ!!
加賀「!」
サッ
瑞鶴「はぁはぁ、続きお願いします」
加賀(ちょろいわね。)
加賀「さぁ、かかってらっしゃい」
瑞鶴「絶対にあててやるわ!!」
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翔鶴「赤城さん!今日も稽古ありがとうございました!」
赤城「いえいえ、だいぶ上達しましたね」
翔鶴「赤城さんのお陰です。瑞鶴はもう終わったのかしら?」
赤城「加賀さん遅いですね、のぞいて見ますか。」
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翔鶴「瑞鶴まだ?!!!瑞鶴!」
瑞鶴「まだまだ!」ボロッ
バシュ!
加賀(だいぶ精度が上がってきたわね)バシュ!
ドカッ
瑞鶴「きゃっ!」ドシャ
翔鶴「もうやめてあげてください!」ガシッ!
加賀「何故かしら?」
翔鶴「こんなに痛めつけて、いくらなんでも!」
加賀「邪魔よ」バシッ
翔鶴「きゃぁ!!」
瑞鶴「翔鶴姉!!」
赤城「加賀さん!」
瑞鶴「この!」スチャ
瑞鶴(よくも翔鶴姉を、許さない!)
バシュ!!
サッ
瑞鶴(矢を避けて反撃するとき....)
瑞鶴「そこだ!!」バシュ!
加賀「しまっ...」
ドスッ!
加賀「つっ!」
ズシャァ
瑞鶴「はぁ....はぁ....やった!」
赤城「加賀さん!矢が!」
加賀「私が言い始めたことよ。」
赤城「でも!こんな怪我するようなこと!」
加賀「痛みを伴う戦でなければ、やる気になれないわ」
赤城「加賀さん....」
瑞鶴「加賀さん!どうしよう....血が...」
加賀「これくらい構わないわ」
瑞鶴「でも....」
加賀「まだまだだけど、最後のは見事だったわ。」
瑞鶴「!!」
加賀「貴女は守るべき人が危機になった時に集中力が増すわ。それを制御できるようになる必要がある。精進なさい。」
瑞鶴「はい....」
加賀「守るべきもののために強くなりなさい。」
ナデナデ
瑞鶴「!!」
加賀「ふふ、貴女ならきっと守れるわ。」
瑞鶴(褒めてもらえた!)
瑞鶴「あり....が....とう..ございま...」ドサッ
翔鶴「瑞鶴!」
赤城「眠ってますね、でもすごく安らかな顔してますね〜」
加賀「はぁ....これだからこの子は」
加賀(まぁ少しは認めてもよいですが)
赤城「 加賀さん!まだ血が止まってませんよ!さぁ早く医務室へ!」グイッ
加賀「つつ、赤城さん腕を引っ張らないで、痛いわ」
赤城「自業自得です!」
加賀「すみません。翔鶴さんさっきはごめんなさいね。瑞鶴をよろしく。」
翔鶴「いえ、大丈夫です。では瑞鶴は私が自室まで運びますね。」
加賀「えぇ、お願いするわ。お疲れ様」
翔鶴「ありがとうございました」ペコリ
翔鶴「ふふふ、確かに安らかな顔ね。よいしょ」
んっ、翔鶴姉の背中?暖かい.....
加賀さん、少しだけ笑った?よね?
少しは認めてもらえたかな?
だったらいいな
でも....加賀さんの過去があんなにも....
私じゃ、加賀さんの力にはなれないのかな....
なんか、胸の奥がズキズキする....
この気持ちは.....なに?
なんなの....?